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インタービュー

vol.1 学校・教育団体による“会員制ライブラリ”運営をバックアップ!

教育界最大の会員制デジタルライブラリーTOSSメディア

TOSSメディア

「wook」では、専門性の高いコンテンツを持つ学校法人や教育関連団体、地方自治体などによる会員制ライブラリ構築・運営をサポート。3月25日に、wookを活用して、世界初の教育コンテンツライブラリー「TOSSメディア」を開始したTOSSの代表、向山洋一先生と谷和樹先生にデジタルライブラリ構築の意義についてお話を伺いました。

TOSSメディアとは?

TOSS(Teacher's Organization of Skill Sharing )を牽引する向山洋一氏の授業論や教師論を、扱いやすく読みやすいマイクロコンテンツで提供する電子書籍ライブラリ。向山洋一の著作の他、TOSSのスター教師の著作・全集や季節に応じた教育コンテンツ、定期配信のコンテンツなど、全文串刺し検索、PDFダウンロード、印刷機能など、教育現場の実用にふさわしい機能を提供しています。
◇ TOSSランド http://www.tos-land.net/

向山洋一(むこうやまよういち)先生
Interview Profile
□ TOSS主宰 向山洋一(むこうやまよういち)先生 □
1943年9月15日生まれ。1968年3月 東京学芸大学社会科卒業。NHK「クイズ面白ゼミナール」教科書問題作成委員。千葉大学非常勤講師などを歴任。TOSSランド主宰、日本教育技術学会会長、上海師範大学客員教授。主な著書に「授業の腕を上げる法則」「向山式子どもとのつきあい方」「教師修業十年」「跳び箱は誰でも跳ばせられる」(明治図書)など多数。

教育技術のプロフェッショナル TOSSの英知が結集

――  TOSSとはどういった団体なのでしょうか?
TOSSとはTeachers' Organization of Skill Sharingのことで、教育技術の法則化運動のことです。すぐに役立つ教育技術・指導法を開発し、自らの授業の技術を高め、教育現場で生かしていくことを目的に活動している教師(教え方のプロ)になるための研究組織です。全国で700サークル約1万名の小中学校教員が参加しています。社会貢献活動も早くから行っており、最近では観光庁との連携のもと、「観光立国教育」の推進にも取り組んでいます。
――  小中学校の先生主体のNPO団体なんですね。これまで、どのようなICTを利用した活動をされてきましたか?
2000年より、教育技術をインターネットで共有することができる「TOSSランド」を制作・運営しています。実は当時、いろんな企業と他の教育団体が組んでプロジェクトを進めたことがあったのですが、全部つぶれていきました(笑)。そして、先生たちが自分たちだけの力で作ったまったくのボランティアで運営されたTOSSランドだけが残ったんです。現在、全国の先生たちが発信する教育コンテンツ数は2万1千タイトル以上あり、世界90ヶ国からアクセスがあります。
◇ TOSSランド http://www.tos-land.net/
――  世界でも類を見ない規模の教育ライブラリーのシステムに、wookを採用されたポイントを教えてください。
wookのメリットは3点あります。一つ目は、コンテンツの全文串刺し検索ができる。授業で話すキーワードや科目名を入力すれば、使えるコンテンツがずらーっと表示されます。二つ目は、月額1,000円で250冊以上の電子書籍が読み放題です。オープン翌月の4月以降、毎月20冊ずつ増え続ける予定なので、ライブラリーとしてのコストパフォーマンスが圧倒的に優れています。三つ目に印刷ができる。実際、デジタルで読書したり教えたりすることに抵抗がある一部の先生にとって、印刷ができていつでも読めたり教室で配布できることの意味は大きいんです。
――  DRM(著作権保護)を重視するあまり、電子書籍は利用しづらいという声もありますね。
コンテンツの内容や用途に応じて印刷可能・不可能を設定できるwookの機能は、学校現場ではとても便利です。特に、学校の授業参観で保護者にもテキストとして配布できるコンテンツだと、インターネットやデジタルに抵抗がある先生であっても使いたがるでしょう。 実際の教育現場では、印刷できるデジタルコンテンツか否かはとても重要なんですね。
――  コンテンツが毎月増えるのも楽しみですね。今後、どのようなライブラリーに育てていきたいですか?
どの学校でもどの教室でもすぐに使える教育ライブラリー、困ったときにすぐ使えるライブラリーを目指したいですね。たとえば、「うちの子は勉強ができるようにならない!」と保護者からクレームがあった時に、すぐに答えを検索できて頼りになるライブラリーにしていきたいと考えています。全国の先生方が30年間にわたって苦労して法則化してきた教育技術の中でも、特に優れたコンテンツを選び抜いてアーカイブしていきます。ぜひとも試していただき、TOSSの先人たちの英知を参考にして、各教室でより良い授業につなげてください。

“日本一教え方がうまい先生”が語る、地域を大好きにする教育ライブラリー

谷和樹(たにかずき)先生
Interview Profile
□ 谷和樹(たにかずき)先生 □
1964年2月28日北海道札幌市生まれ。昭和61年 神戸大学教育学部初等教育学科卒業。 玉川大学教職大学院教授。TOSS中央事務局。NPO法人TOSS授業技量検定代表。 主な著書に「みるみる子供が変化する『プロ教師が使いこなす指導技術』(学芸みらい社・2012年)」、「谷和樹著作集ナンバー№1『向山型社会の全体像を探る』(明治図書出版・2007年)」、他多数。
――  谷先生は“日本一教え方がうまい先生”と称されていますが、その情熱はどこから?
私は子供のころ、とても落ち着きがない劣等生でした。大学で教育学部に入った理由は、教育に情熱があったというよりも他に選択肢がなかったからです。ところが、教育について学んでいるうちに向山先生の名著『教師修業十年』に出会い、向山先生の教師としての生き方に衝撃を受けて更正したんですね(笑)。
――  TOSSメディアの企画段階から関わってらっしゃった谷先生ですが、TOSSの先生方からどのような反応がありましたか?
TOSSの事務局会議でのライブラリ化の全容が発表された時、衝撃とともに驚きと好意を持ってTOSSメディアは受け止められました。まさに “教育界の革命”と言っていいでしょう。向山先生を始めとするスター教師たちの文章や絶版を含めたTOSSの雑誌・書籍群が毎月20冊以上のラインナップとして新たにライブラリーに加わっていく。これだけでも驚愕なのに、未発表資料を含む向山洋一先生の「実物資料集」も配信されて、検索もカンタンです。それが定額ですべて読めるので、私も周囲の先生方にオススメしています。
――  小中学校の先生方で、電子ジャーナルや電子テキストを読んだことがある人は増えているのでしょうか?
いや、私は小説を含めて電子書籍をかなり読みますが、周囲の先生方で読んだことがある人はまだまだ少数派。電子書籍を使って授業研究をしたり生徒に教えていく時代が来るのはこれからだと思います。
――  デジタルライブラリーの会員は、都市部の先生からになりそうでしょうか?
いえ。地域格差はあまり気にしていません。一般的に、地方は職が少なく収入も低いので結婚もしづらいし、少子高齢化の問題も大きい。そんな地方にこそ、質の高い教育や情報を届ける仕組みが重要です。そうした点で、むしろ地方にこそこうしたデジタルライブラリの切実なニーズがあるのではないでしょうか。私は現在、行政と地域がいっしょになって地域や郷土が大好きな、未来を担う子供を育てていく「観光・まちづくり教育」という活動に取り組んでいます。それぞれの地域ならではのデジタルライブラリーが生まれてくれば、電子書籍を通じて今まで知らなかった自分たちの地域の良さに気づいて好きになる子供が増える。地域を大好きになり、自分たちの地域に誇りを持てる子供が多くなれば地域格差は減っていくでしょう。
――  TOSSメディアはその試金石になりそうですね。ライブラリを読めば、こんな私でも教育への熱い情熱が沸いてきますか?
教育に情熱や子供たちへの愛情が必要なことはもちろんですが、最も大切なのは「技術」です。教師とは、医者のように技術が常に問われるプロの職業人です。私がよく読んだのも向山先生の『授業の腕をあげる法則』でした。TOSSメディアには私を更正させた向山先生の著作集はもちろん、教育技術を向上できる多くの本がデジタルアーカイブ化されており、いつでもどこでも、どこからでも学ぶことができます。ゆくゆくはTOSSのすべての教育コンテンツをTOSSメディアに格納していきたいですね。そして、ここから、さまざまな地域の次世代を担う人材に電子書籍を通じて技術がバトンタッチされていくことを期待しています。
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