皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
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皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
現代アメリカ文学を語る上で欠かせない作家の一人が、ドナ・タートです。彼女の最大の特徴は、約10年に1冊という非常に寡作なスタイルにあります。これまでに発表された長編小説は、わずか3作品のみ。しかし、そのどれもが世界的なベストセラーとなり、文学賞を受賞するなど極めて高い評価を受けています。
タートの魅力は、緻密に練り上げられたプロット、登場人物の深い心理描写、そして知性と美しさを感じさせる格調高い文章にあります。物語にはミステリーやサスペンスの要素が巧みに織り込まれており、読者を一気に引き込みます。その一方で、芸術、古典、哲学といったテーマが重層的に描かれ、単なるエンターテイメントに留まらない、純文学としての醍醐味を存分に味わうことができるのです。2014年には『ゴールドフィンチ』でピュリッツァー賞を受賞し、その評価を不動のものとしました。
ドナ・タートがこれまでに発表した長編小説は3作品。どの作品も甲乙つけがたい傑作ですが、今回は『小説ヨミタイ』編集部が独自の視点で厳選した、おすすめランキングTOP3をご紹介します。
寡作な作家だからこそ、一作一作に込められた熱量と世界観は圧倒的です。これから紹介する3作品は、どれもあなたの読書体験を忘れられないものにしてくれるはず。ぜひ、このランキングを参考にお気に入りの一冊を見つけてみてください。
輝かしい第1位は、1992年に発表されたデビュー作『シークレット・ヒストリー』(邦題『黙約』)です。28歳で本作を書き上げたタートは、またたく間に文壇の寵児となりました。物語の舞台は、アメリカ東部にあるエリート大学。そこでギリシャ古典を学ぶ、閉鎖的で特権的な学生グループが中心となります。
物語は冒頭で「仲間の一人を殺した」という衝撃的な事実が明かされる「倒叙ミステリ」の形式をとっています。読者は「なぜ彼らは殺人に至ったのか?」という謎を追いながら、若さゆえの傲慢さ、知的好奇心の暴走、そして人間関係が崩壊していく様を目の当たりにします。美しくも退廃的な雰囲気の中で繰り広げられる心理サスペンスは、一度読み始めたら止まらない魅力に満ちています。
デビュー作にして最高傑作っていう声も多いんだよ。この美しくて退廃的な雰囲気に、わたしもすっかりハマっちゃった。
第2位は、2013年に発表され、2014年のピューリッツァー賞(小説部門)に輝いた『ゴールドフィンチ』です。この受賞により、ドナ・タートの名は世界的に知れ渡ることになりました。物語は、美術館での爆破テロに巻き込まれ、母親を亡くした少年セオ・デッカーが主人公です。
彼は混乱の中、一枚の小さな名画『ゴールドフィンチ』を衝動的に持ち出してしまいます。その絵画を心の支えとしながら、裏社会や上流階級など、様々な世界を渡り歩いていくセオの数十年にわたる波乱の人生を描いた、壮大な教養小説です。喪失と再生、アートの持つ力、そして運命とは何かを問いかける、重厚で感動的な物語が多くの読者の心を掴みました。
わたし、こういう壮大な物語に弱いの…。一人の人生を丸ごと体験したような読後感で、胸がいっぱいになっちゃう。
第3位は、2002年に発表された第2作『ひそやかな復讐』です。舞台は1970年代のミシシッピ州の田舎町。事件当時、まだ赤ん坊だった少女ハリエットが、12年後、未解決のままの兄の死の真相を突き止めようと、独自に調査を始める物語です。
子供の視点から、南部の閉鎖的なコミュニティに潜む大人たちの秘密や欺瞞を暴き出していく過程は、スリリングでありながらどこか物悲しさを感じさせます。「南部ゴシック」と呼ばれるジャンルの雰囲気を持ち、単純な犯人探しのミステリーに留まらない、少女の成長物語としても深く心に残る作品です。他の2作とは一味違った魅力を持っています。
子供の視点だからこその純粋さが、逆に大人たちの世界の闇を際立たせるんだよね。静かなのに、すごく引き込まれる作品だよ。
ドナ・タートの小説は3作ともそれぞれ独立した物語なので、どの作品から読んでも問題なく楽しむことができます。しかし、どの作品から読むか迷ってしまう方のために、選び方のヒントをいくつかご紹介します。
もちろん、寡作な作家だからこそ、発表順に読んでいくのもおすすめです。どの作品も読み応え抜群なので、ぜひ気になった一冊から手に取ってみてください。