【2025年最新】ロアルド・ダールの小説おすすめランキングTOP19

ロアルド・ダールとは？その生涯と作風の魅力

ロアルド・ダール（1916-1990）は、イギリスの小説家・脚本家です。ウェールズにて、ノルウェー移民の両親のもとに生まれました。作家になる前は、石油会社に勤務したり、第二次世界大戦中にはイギリス空軍の戦闘機パイロットとして従軍したりと、異色の経歴の持ち主です。戦闘機パイロットとして5機を撃墜し、エース・パイロットとして名を馳せた経歴も持っています。

作家としてのキャリアは、空軍時代の体験談がきっかけで始まりました。彼の作品は、子どもから大人まで世代を超えて楽しめるのが最大の魅力。児童文学では『チョコレート工場の秘密』をはじめ、ユーモアと不思議な魅力に満ちた物語で世界中の子どもたちを虜にしました。一方で、大人向けの短編小説では、風刺やブラックユーモアを効かせた「奇妙な味」と評される独特の作風で高い評価を得ています。日常に潜む人間の狂気を描き出す鋭い視点は、今なお多くの読者に衝撃と面白さを与え続けています。

ロアルド・ダールのおすすめ小説ランキングTOP19

ここからは、子どもだけでなく大人も夢中にさせる、ロアルド・ダールの小説おすすめランキングTOP19をご紹介します。

児童書から、少しビターな大人向けの短編集まで、多彩なラインナップが揃っています。きっとお気に入りの一冊が見つかるはずです。

1位『チョコレート工場の秘密』

『チョコレート工場の秘密』は、世界中で愛され続けるロアルド・ダールの代表作です。物語は、貧しいけれど心優しい少年チャーリー・バケットが、謎に満ちたチョコレート工場の主、ウィリー・ウォンカ氏が発行したゴールデン・チケットを手に入れるところから始まります。

チャーリーは、他の4人のわがままな子どもたちと一緒に、摩訶不思議な工場へと招待されます。そこでは、チョコレートの川や食べられる草、ウンパ・ルンパという奇妙な小人たちが待ち受けていました。奇想天外な工場見学を通して、子どもたちは次々と教訓的な結末を迎えることになります。この物語は、家族愛や正直さといった普遍的なテーマを、ダールならではのユーモアと少しの毒を交えて描いています。これまでに二度も映画化されるなど、その人気は衰えを知りません。

2位『マチルダはちいさな大天才』

『マチルダはちいさな大天才』は、本を読むのが大好きな天才少女マチルダが主人公の物語です。彼女は、自分の才能を理解してくれない両親や、子どもたちを力で支配しようとする乱暴な校長先生に立ち向かっていきます。

マチルダは、逆境に屈せず、知恵と勇気、そして不思議な力を使って道を切り開いていく強い女の子です。物語の中では、理不尽な大人たちを懲らしめる痛快なシーンが描かれ、読者に爽快感を与えてくれます。本が好きで賢いマチルダの姿は、多くの読者に勇気と希望を与えてくれるでしょう。

3位『あなたに似た人』

『あなたに似た人』は、ロアルド・ダールの「奇妙な味」と評される作風が存分に発揮された大人向けの短編集です。この作品集で、ダールはアメリカ探偵作家クラブ賞を受賞し、短編の名手としての地位を確立しました。

収録されている物語は、日常に潜む人間の狂気や異常心理を、ブラックユーモアを交えて巧みに描き出しています。例えば、ワインの銘柄を当てる賭けが思わぬ結末を迎える『味』や、夫を殺害した妻が完全犯罪を目論む『おとなしい凶器』など、どの話も読者の予想を裏切る展開が待ち受けています。児童文学のイメージとは全く異なる、ダールのもう一つの顔を楽しめる一冊です。

4位『キス・キス』

『キス・キス』は、『あなたに似た人』と並んでロアルド・ダールのブラックユーモアが冴えわたる短編集です。この作品集には、人間の心の奥底に潜む欲望や狂気を、より一層鋭い視点で描いた物語が収められています。

例えば、赤ん坊の奇妙な能力を描いた『ロイヤル・ジェリー』や、奇妙な宿の女主人を描く『女主人』など、一度読んだら忘れられない強烈なインパクトを持つ作品ばかりです。ダール特有の皮肉とウィットに富んだ語り口で、読者を奇妙で少し怖い世界へと引き込みます。

5位『魔女がいっぱい』

『魔女がいっぱい』は、子どもたちに恐ろしくも魅力的な魔女の世界を描いた物語です。この物語に登場する魔女は、黒いとんがり帽子をかぶってほうきに乗るような典型的な魔女ではありません。普段は普通の人間のふりをして、子どもたちを消し去る機会をうかがっているのです。

主人公の少年は、偶然にも魔女たちの集会に紛れ込み、彼女たちの恐ろしい計画を知ってしまいます。ネズミに変えられてしまった少年が、おばあちゃんと協力して魔女たちに立ち向かう冒険の物語です。少し怖いけれど、勇気と知恵で困難に立ち向かう大切さを教えてくれる作品で、何度も映画化されています。

6位『ガラスの大エレベーター』

『ガラスの大エレベーター』は、大人気作『チョコレート工場の秘密』の続編にあたる物語です。チョコレート工場を手に入れたチャーリーと家族、そしてウィリー・ウォンカ氏が、ガラス張りのエレベーターに乗って大冒険を繰り広げます。

物語は、エレベーターが地球の周回軌道まで飛び出してしまうという、前作以上に奇想天外な展開から始まります。彼らは宇宙ホテルにドッキングしたり、アメリカ大統領と遭遇したり、さらには恐ろしい怪物と戦うことになったりと、息つく暇もない冒険が続きます。ダールの豊かな想像力が爆発した、壮大なスケールのファンタジー作品です。

7位『おばけ桃が行く』

『おばけ桃が行く』は、ロアルド・ダールの初期の代表的な児童書として知られています。物語の主人公は、いじわるな二人の叔母さんと暮らす孤独な少年ジェームスです。ある日、魔法の力で巨大になった桃の中に乗り込み、個性豊かな虫たちと一緒に冒険の旅に出ます。

桃は丘を転がり落ちて海を越え、ニューヨークを目指します。その道中では、サメの群れに襲われたり、空を飛んだりと、ハラハラドキドキの展開が続きます。孤独だった少年が、虫たちとの友情を通して成長していく姿が感動的に描かれています。この作品は「ジャイアント・ピーチ」というタイトルでアニメーション映画化もされました。

8位『ぼくのつくった魔法のくすり』

『ぼくのつくった魔法のくすり』は、いつも意地悪なおばあちゃんを懲らしめるために、少年ジョージが奮闘するユーモラスな物語です。ジョージは、家にある様々なものを混ぜ合わせて、特別な「魔法のくすり」を作り上げます。

その薬を飲んだおばあちゃんは、体がゴムのように伸びたり、巨大化したりと、とんでもない変化を遂げます。ダールらしい少し過激でブラックなユーモアが満載で、子どもたちが大笑いしながら楽しめる一冊です。物語の奇想天外な展開に、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。

9位『アッホ夫婦』

『アッホ夫婦』は、その名の通り、とても意地悪で汚いアッホ夫婦が主人公の物語です。夫婦はお互いにひどいいたずらを仕掛け合って暮らしており、その内容は読者が思わず顔をしかめてしまうほどです。

例えば、奥さんの杖にカエルを忍ばせたり、旦那さんのスパゲッティにミミズを混ぜたりと、ブラックユーモアに満ちたエピソードが続きます。しかし、彼らの悪行はそれだけにとどまらず、飼っているサルたちにも虐待を加えていました。物語の後半では、サルたちが夫婦に仕返しをする痛快な展開が待っています。

10位『すばらしき父さん狐』

『すばらしき父さん狐』は、知恵と勇気で家族を守る、かっこいい父さん狐の物語です。父さん狐は、3人の意地悪な農場主から、毎晩のようにニワトリやアヒル、七面鳥を盗み出し、家族を養っていました。

しかし、それに腹を立てた農場主たちは、父さん狐の家族を根絶やしにしようと、大掛かりな計画を実行します。絶体絶命のピンチに陥った父さん狐が、驚くべきアイデアで反撃を開始する姿はまさに痛快です。この物語は、ウェス・アンダーソン監督によってストップモーション・アニメとして映画化され、高い評価を受けました。

11位『オ・ヤサシ巨人BFG』

『オ・ヤサシ巨人BFG』は、孤独な少女ソフィーと、心優しい巨人BFG（ビッグ・フレンドリー・ジャイアント）との心温まる交流を描いたファンタジーです。ある夜、ソフィーは巨人に自分の国へと連れ去られてしまいます。

しかし、BFGは他の巨人たちと違って人間を食べない、とても優しい巨人でした。彼は、子どもたちに楽しい夢を吹き込むことを仕事にしています。二人は次第に友情を育んでいきますが、他の恐ろしい巨人たちが人間を食べようと計画していることを知ります。ソフィーとBFGは、イギリスの女王様を巻き込んで、巨人たちに立ち向かう壮大な冒険を繰り広げます。この作品は、スティーブン・スピルバーグ監督によって映画化もされました。

12位『ダニーは世界チャンピオン』

『ダニーは世界チャンピオン』は、父親と息子の強い絆を描いた、心温まる物語です。主人公のダニーは、優しいお父さんと二人で、田舎のガソリンスタンドで暮らしていました。ダニーにとってお父さんは世界で一番すばらしい人で、二人はとても仲良しでした。

ある日、ダニーはお父さんから秘密を打ち明けられます。それは、地主であるヘイズル氏の森で、ひそかにキジを密猟しているということでした。物語は、ダニーがお父さんと一緒に、ヘイズル氏を出し抜くための壮大なキジの密猟計画に挑むという、ユニークな冒険を描いています。父と子の愛情が深く描かれた、ダール作品の中でも特に感動的な一冊です。

13位『こちらゆかいな窓ふき会社』

『こちらゆかいな窓ふき会社』は、ペリカン、キリン、サルというユニークな動物たちが活躍する、楽しい物語です。彼らは「首の長いキリン」「しなやかなペリカン」「すばしこいサル」の特技を活かして、どんな高いところの窓でもピカピカにする「窓ふき会社」を経営しています。

物語は、お菓子屋さんになりたい少年ビリーが、この不思議な会社と出会うところから始まります。彼らは一緒に仕事をする中で、イギリスで一番お金持ちの公爵様の屋敷に呼ばれ、そこで思わぬ事件に遭遇します。動物たちのユニークな能力とチームワークが光る、心躍る冒険物語です。

14位『奇才ヘンリー・シュガーの物語』

『奇才ヘンリー・シュガーの物語』は、ダールの多彩な才能が光る短編集です。表題作は、透視能力を身につけた大金持ち、ヘンリー・シュガーの数奇な運命を描いています。彼はその能力を使ってカジノで大儲けをしますが、やがてその使い道に悩み始めます。

この短編集には、ダール自身のパブリックスクールでの体験や、戦闘機パイロット時代の話など、自伝的な要素を含んだ物語も収録されています。児童書とは一味違った、現実とフィクションが入り混じるダールの世界観を堪能できる一冊です。近年、ウェス・アンダーソン監督によって映画化され、再び注目を集めました。

15位『へそまがり昔ばなし』

『へそまがり昔ばなし』は、誰もが知っている古典的なおとぎ話を、ロアルド・ダール流にひねりを加えて書き直した、ユニークな詩集です。シンデレラや赤ずきん、三びきのこぶたといったおなじみの物語が、ブラックユーモアと皮肉たっぷりの、全く新しい物語として生まれ変わっています。

例えば、シンデレラはお姫様になるよりもジャム屋さんと結婚することを選び、赤ずきんはオオカミを毛皮のコートにしてしまいます。原作のイメージを大胆に覆す展開は、痛快で思わず笑ってしまうこと間違いなしです。ダールの「へそまがり」な視点が存分に楽しめる、大人にこそおすすめの一冊です。

16位『魔法のゆび』

『魔法のゆび』は、動物を愛する少女が持つ不思議な力を描いた物語です。主人公の8歳の女の子は、怒りを感じると、人差し指から魔法の光線が飛び出し、相手に罰を与えてしまいます。

物語の中で、彼女は狩りが大好きな隣人のグレッグ一家に対して怒りを爆発させます。すると、魔法の力によって、グレッグ一家は翼を持つ小さな人間に、そして彼らがいつも狩っていたカモは、腕のある大きな姿に変わってしまいます。立場が逆転することで、命の尊さや動物愛護のメッセージを問いかける、示唆に富んだ作品です。

17位『飛行士たちの話』

『飛行士たちの話』は、ロアルド・ダール自身の第二次世界大戦中のイギリス空軍パイロットとしての体験が色濃く反映された短編集です。この作品は、彼の作家としてのデビュー作を含む、初期の物語が収められています。

戦闘機のスリリングな空中戦や、過酷な状況下での兵士たちの心理が、リアリティをもって描かれています。児童文学作品に見られるファンタジックな要素はなく、戦争の現実や人間の極限状態をテーマにしたシリアスな内容が中心です。ダールの作家としての原点を知ることができる、貴重な一冊と言えるでしょう。

18位『ことっとスタート』

『ことっとスタート』は、内気でシャイなホッピーさんと、彼が思いを寄せるアパートの階下に住むシルバー夫人の心温まる恋物語です。ホッピーさんは、ベランダでカメを飼っているシルバー夫人に恋をしていますが、なかなか想いを伝えることができません。

ある日、カメの成長が遅いことを嘆くシルバー夫人のために、ホッピーさんはある壮大な計画を思いつきます。それは、たくさんのカメをこっそり入れ替えて、彼女のカメが大きくなったように見せかけるというものでした。一途な恋心を成就させるための、ユニークで可愛らしい作戦がユーモラスに描かれています。原題の「Esio Trot」は、カメを意味する「Tortoise」を逆さから読んだ言葉遊びになっています。

19位『したかみ村の牧師さん』

『したかみ村の牧師さん』は、ロアルド・ダールが生涯最後に書いた児童書です。物語の主人公は、失読症（ディスレクシア）という、文字を読むのが苦手な障害を抱えた牧師さんです。彼はそのことを誰にも打ち明けられず、長年悩み続けていました。

しかし、あるユニークな方法でその困難を乗り越え、村の人気者になっていきます。この物語は、コンプレックスを抱えながらも、自分らしく前向きに生きることの大切さを教えてくれます。ダールらしいユーモアの中に、温かいメッセージが込められた感動的な作品です。

おわりに

ロアルド・ダールの小説おすすめランキングをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。彼の作品は、奇想天外なストーリーとブラックユーモアの中に、子どもから大人まで楽しめる普遍的なテーマが描かれています。

児童書では夢と冒険の世界を、大人向けの短編では人間の本質に迫るスリルを味わうことができます。まだ読んだことのない作品があれば、ぜひこの機会に手に取って、ダールの不思議な魅力に満ちた世界を体験してみてください。