皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
【2025年最新】メアリー・シェリーのおすすめ小説ランキングTOP3
PR
目次
メアリー・シェリーの小説を読む前に知っておきたいこと
メアリー・シェリーと聞くと、多くの人が怪奇小説『フランケンシュタイン』を思い浮かべるかもしれません。しかし、彼女がどのような人物で、どのような時代背景のもとにあの傑作を生み出したのかを知ることで、作品はさらに深く、魅力的に感じられるはずです。
この記事では、SFの始祖とも呼ばれるメアリー・シェリーの生涯や、彼女の代表作が生まれた経緯を解説します。さらに、不朽の名作『フランケンシュタイン』を含む、彼女の小説の中から特におすすめの3作品をランキング形式でご紹介。各作品のあらすじや魅力に迫ります。
SFの始祖、メアリー・シェリーとはどんな作家？
メアリー・シェリーは、1797年にイギリス・ロンドンで生まれた小説家です。 彼女の人生は、まさに波乱万丈でした。父は無政府主義の思想家ウィリアム・ゴドウィン、母はフェミニズムの先駆者として知られるメアリー・ウルストンクラフトという、非常に進歩的な両親のもとに生まれました。 しかし、メアリーを産んだ直後に母が亡くなるという悲劇に見舞われます。
その後、彼女はロマン派を代表する詩人パーシー・ビッシュ・シェリーと恋に落ち、駆け落ちの末に結婚します。 彼女の代表作である『フランケンシュタイン』は、科学技術によって生命が創造される物語であり、世界初のSF小説と高く評価されています。 この功績から、メアリー・シェリーは「SFの母」あるいは「SFの始祖」として文学史にその名を刻んでいます。
ゴシック小説の傑作が生まれるまで
『フランケンシュタイン』が誕生した背景には、非常に有名なエピソードがあります。1816年、当時18歳だったメアリーは、夫のパーシー、そして稀代の詩人バイロン卿らと共に、スイスのレマン湖畔にあるディオダティ荘に滞在していました。
その年は悪天候が続き、一行は室内で過ごすことを余儀なくされます。退屈しのぎにバイロンが「皆で一つずつ怪奇譚を書こう」と提案したことが、すべての始まりでした。 この「ディオダティ荘の怪奇談義」と呼ばれる出来事がきっかけとなり、メアリーは科学者が生命を創造してしまうという悪夢に着想を得て、不朽の名作『フランケンシュタイン』を書き上げたのです。
この作品は、中世の古城などを舞台に超自然的な恐怖を描く、当時流行していたゴシック小説の系譜に連なる傑作としても知られています。
メアリー・シェリーのおすすめ小説ランキングTOP3
ここからは、SFの母メアリー・シェリーが遺した数々の作品の中から、特におすすめしたい小説をランキング形式で3作品ご紹介します。
言わずと知れた不朽の名作から、パンデミック後の世界を描いた先駆的なSF小説、そして彼女自身の人生が色濃く反映された禁断の物語まで、メアリー・シェリーの多彩な才能に触れてみてください。
1位『フランケンシュタイン』
若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインが生命の謎を探求するあまり、死体をつなぎ合わせて人造人間を創造してしまう物語です。 しかし、生まれた怪物の醜さに恐怖したフランケンシュタインは彼を見捨ててしまいます。 創造主に見放され、社会から拒絶された怪物は、深い孤独と絶望から創造主への復讐を誓うのでした。
この小説は、単なる怪奇譚ではありません。科学技術の倫理、生命の尊厳、そして愛と孤独といった普遍的なテーマを問いかけてきます。 創造主と被造物の悲劇的な関係を通して、人間の傲慢さと、それによって生み出された存在の悲しみが描かれています。 多くの映画や舞台の原作となり、現代の創作にも影響を与え続けている、まさに必読の傑作です。
ふくちい生命創造という禁忌に触れた人間の傲慢さと、それによって生まれた怪物の孤独。本作が内包するテーマの普遍性こそが、200年以上読み継がれる不朽の名作たる所以であろう。
この本を読む
2位『最後のひとり』
21世紀末、謎の疫病によって人類が滅亡の危機に瀕する世界を描いた、終末SF小説の先駆的な作品です。 物語は、疫病が蔓延し、社会が崩壊していく中で生き延びようとする主人公ライオネル・ヴァーニーの視点で語られます。
愛する家族や友人を次々と失いながら、主人公は絶望的な状況をさまよいます。 やがて、彼が地球上で「最後のひとり」になったとき、何を思うのか。壮大なスケールで描かれる孤独と喪失の物語は、現代のパンデミック後の世界を生きる私たちに深く響くものがあるでしょう。 なお、登場人物には夫パーシー・シェリーや詩人バイロンをモデルにした人物が登場し、半自伝的な小説とも言われています。
ふくちい人類が滅んでいく中で、たった一人残された主人公の孤独を思うと胸が苦しくなるよ。壮大なスケールの物語だね。
この本を読む
3位『マチルダ』
『フランケンシュタイン』の翌年に執筆された、父と娘の近親相姦という禁断のテーマを扱った中編小説です。 物語は、若き女性マチルダが自らの死を前にして、その苦悩に満ちた人生を告白するという形式で進みます。
母親の死後、父から異常な愛情を向けられたマチルダの精神的な苦悶と、それに続く悲劇が痛切に描かれています。 その衝撃的な内容から、メアリーの父ゴドウィンが出版を認めず、彼女の死後100年以上経った1959年まで公にされなかったという経緯を持つ問題作です。 メアリー自身の孤独な幼少期や、複雑な家族関係が色濃く反映されているとも言われ、彼女の内面を深く知る上で欠かせない一作と言えるでしょう。
ふくちいお父さんとの関係がすごく衝撃的だったよ。メアリー自身の人生が反映されてると思うと、さらに考えさせられるね。
この本を読む