【2025年最新】アストリッド・リンドグレーンの小説おすすめランキングTOP18

アストリッド・リンドグレーンのおすすめ小説をランキングで紹介！

スウェーデンが誇る児童文学作家、アストリッド・リンドグレーン。彼女の作品は世界中の子どもたち、そして大人にも長年愛され続けています。物語は70以上の言語に翻訳され、100カ国以上で出版されていることからも、その人気がうかがえるでしょう。

この記事では、リンドグレーンの数ある名作の中から特におすすめの作品をランキング形式でご紹介します。「長くつ下のピッピ」のような世界的に有名な作品から、知る人ぞ知る隠れた名作まで幅広く選びました。これからリンドグレーンの世界に触れる方も、昔読んだ作品を懐かしみたい方も、ぜひお気に入りの一冊を見つける参考にしてください。

世界中の子どもたちに愛される作家 アストリッド・リンドグレーンとは

アストリッド・リンドグレーン（1907-2002）は、スウェーデン出身の児童文学作家です。作品は全世界で1億6500万部以上販売されており、「子どもの本の女王」とも呼ばれています。代表作には『長くつ下のピッピ』『やかまし村の子どもたち』『山賊のむすめローニャ』などがあり、数々の作品が映画化やアニメ化もされました。

リンドグレーンの物語の特徴は、大人の「こうあるべき」という常識にとらわれず、子どもたちが自由闊達に生きる姿を描いている点にあります。彼女自身がスウェーデンの自然豊かな農場で伸び伸びと過ごした子ども時代の経験が、作風に大きく影響しているのです。また、18歳で妊娠し19歳で未婚の母となり、息子と離れて暮らさなければならなかった苦労の多い青春時代も、作品に深い奥行きを与えています。1958年には国際アンデルセン賞作家賞を受賞するなど、その功績は世界的に認められています。

アストリッド・リンドグレーンのおすすめ小説ランキングTOP18

ここからは、アストリッド・リンドグレーンのおすすめ小説をランキング形式で発表します。世界中で愛される元気な女の子の物語から、心温まるファンタジー、そして少しシリアスなテーマを扱った作品まで、多彩なラインナップでお届けします。

子どもはもちろん、大人の心にも響く名作ばかりです。あなたの心に残る一冊が、きっとこの中に見つかるはず。それでは、TOP18を見ていきましょう。

1位『長くつ下のピッピ』シリーズ

栄えある1位は、リンドグレーンの名を世界に知らしめた代表作『長くつ下のピッピ』シリーズです。主人公は、赤毛のおさげと左右違う色の靴下がトレードマークの9歳の女の子、ピッピ。馬をひょいと持ち上げるほどの力持ちで、トランクいっぱいの金貨を持っており、猿のニルソンさんと一緒に「ごたごた荘」で一人暮らしをしています。

学校に行ったことがなく、社会の常識にとらわれないピッピが巻き起こす騒動は、痛快そのもの。大人の言う「こうあるべき」を軽々と飛び越えていく姿は、子どもたちに絶大な支持を得ました。娘カーリンのために語った即興の物語が元になって生まれたこの作品は、今もなお世界中の子どもたちに自由と勇気を与え続けています。

2位『やかまし村の子どもたち』シリーズ

スウェーデンの小さな村を舞台に、子どもたちののどかで楽しい日常を描いたのが『やかまし村の子どもたち』シリーズです。やかまし村にはたった3軒の家しかなく、そこに6人の子どもたちが暮らしています。物語は、子どもたちが自然の中で季節の移ろいと共に遊ぶ様子をユーモラスに描いています。

大きな事件が起こるわけではありませんが、日々の暮らしの中にある小さな発見や喜びが丁寧に綴られており、読む人の心を温かくします。リンドグレーン自身の幸福な子ども時代の思い出が色濃く反映されていると言われており、愛情深い両親に見守られながらも、子どもたちが自分たちの力で遊びを見つけ出していく姿が印象的です。

3位『山賊のむすめローニャ』

森の古城を舞台に、山賊の娘ローニャの成長を描いたファンタジー小説です。嵐の夜に生まれたローニャは、山賊の頭である父マッティスや仲間たちに愛され、たくましく育ちます。ある日、森で対立する山賊一族の息子ビルクと出会い、二人は「きょうだい」として固い友情で結ばれます。

大人たちのいがみ合いに心を痛めたローニャとビルクは、家を出て森で暮らし始めます。北欧の厳しいながらも美しい大自然を背景に、親子の葛藤と和解、そして子どもたちの自立と成長が力強く描かれています。宮崎吾朗監督によってアニメ化されたことでも知られ、日本でも多くのファンを持つ作品です。

4位『はるかな国の兄弟』

病弱な弟と心優しい兄の強い絆を描いた、リンドグレーン作品の中でも特に感動的なファンタジーです。物語は、死後の世界「ナンギヤラ」を舞台に、兄弟が力を合わせて悪に立ち向かう姿を描きます。

生と死、愛と勇気といった重厚なテーマを扱いながらも、その美しい物語は多くの読者の心を打ちました。子どもだけでなく、大人が読んでも深く考えさせられる、リンドグレーンの傑作の一つです。

5位『名探偵カッレくん』シリーズ

探偵に憧れる少年カッレが、仲間たちと結成した「白バラ団」として、隣町の「赤バラ団」と遊びの戦争を繰り広げる冒険物語です。時には本物の事件に巻き込まれながらも、知恵と勇気で立ち向かっていきます。

リンドグレーンが犯罪学者の秘書として働いていた経験が生かされており、子ども向けの作品ながら本格的なミステリー要素も楽しめます。子どもたちのワクワクするような冒険と、ハラハラする展開が魅力の人気シリーズです。

6位『ミオよ わたしのミオ』

孤独な少年が、実は「はるかな国」の王子だったという運命を知り、悪と戦うために冒険の旅に出る壮大なファンタジー小説です。親の愛を知らずに育った主人公が、本当の父親と出会い、自分の使命に目覚めていく姿が描かれます。

美しい情景描写と、心に響く詩的な文章が特徴で、リンドグレーンのファンタジー作品の中でも特に評価の高い一冊です。孤独や恐怖を乗り越えて成長していく主人公の姿に、勇気をもらえます。

7位『ロッタちゃん』シリーズ

元気でちょっぴりわがままな5歳の女の子、ロッタちゃんが主人公のシリーズです。お兄ちゃんやお姉ちゃんがいる末っ子のロッタちゃんは、自分の思い通りにならないことがあると、すぐに家出を計画したり、騒動を巻き起こしたりします。

そんなロッタちゃんの日常は、子どもならではの発想と行動力に満ちていて、読んでいると思わず笑顔になってしまいます。映画化もされており、その愛らしいキャラクターは日本でも人気を集めました。子どもらしさ全開のロッタちゃんに、誰もが魅了されることでしょう。

8位『さすらいの孤児ラスムス』

孤児院を抜け出した9歳の少年ラスムスが、陽気な風来坊のオスカルと出会い、本当の家族を探して旅をする物語です。旅の途中で強盗事件に巻き込まれるなど、様々な困難に直面しますが、オスカルとの温かい交流を通して、ラスムスは強く成長していきます。

規則ずくめの孤児院での生活から飛び出し、自由な旅の中で人間愛に触れる姿が描かれています。この作品でリンドグレーンは国際アンデルセン賞を受賞し、作家としての評価を不動のものにしました。

9位『わたしたちの島で』

スウェーデンの美しい群島を舞台に、4人の子どもたちが送る夏休みを描いた物語です。都会からやってきた少女が、島の生活や自然の素晴らしさに触れ、成長していく姿が生き生きと描かれています。

アザラシの赤ちゃんと友達になったり、自分たちだけの島を見つけたりと、子どもたちの冒険は魅力に満ちています。リンドグレーン作品に共通する、自然への愛情と、子どもたちの自立心が光る一冊です。

10位『ブリット-マリはただいま幸せ』

リンドグレーンが作家としてデビューするきっかけとなった記念すべき作品です。少女ブリット-マリが、新しい町での生活や人々との交流を通して、心の成長を遂げていく様子を瑞々しく描いています。

1944年に出版社が公募した少女小説コンテストで2位に入賞し、リンドグレーンは職業作家としての道を歩み始めました。思春期の少女の繊細な心情を丁寧に描いた、初期の名作です。

11位『マディケン』シリーズ

第一次世界大戦中のスウェーデンの小さな町を舞台に、おてんばな女の子マディケンの日常を描いた物語です。マディケンは、ピッピを彷彿とさせるような、自由奔放で心優しい女の子。

妹のリサベットや、個性的な町の人々との交流を通して、マディケンが様々な経験をしながら成長していく姿がユーモラスに描かれています。時代背景はありながらも、子どもたちの日常は普遍的で、読む人の心を和ませてくれます。

12位『太陽の草原』

リンドグレーンが手掛けた、様々なテーマの物語が詰まった短編集です。貧しい兄妹が夢の中で楽園を訪れる表題作「太陽の草原」をはじめ、心温まる話や少し不思議な話など、多彩な物語が楽しめます。

一話一話が短いため、リンドグレーンの世界に初めて触れる人にもおすすめです。彼女の物語作家としての幅広さを感じることができる一冊となっています。

13位『暴力は絶対だめ！』

この作品は小説ではなく、リンドグレーンが1978年にドイツ書店協会平和賞を受賞した際のスピーチを元にした絵本です。彼女はスピーチの中で、子どもへの体罰に反対し、暴力の連鎖を断ち切ることの重要性を力強く訴えました。

このスピーチは大きな反響を呼び、翌年スウェーデンで子どもへの体罰を禁止する法律が制定されるきっかけにもなりました。作家としてだけでなく、社会活動家としての一面も持つリンドグレーンの、平和への強いメッセージが込められています。

14位『リンドグレーンの戦争日記 1939－1945』

第二次世界大戦中にリンドグレーンがつけていた日記をまとめた一冊です。当時まだ作家としてデビューする前の、一人の母親としての彼女が、戦争という日常の中の非日常をどのように見つめていたかが克明に記されています。

子どもたちの未来を案じ、世の中の出来事に心を痛める姿は、彼女の作品に流れる人間愛の原点を感じさせます。児童文学作家として知られるリンドグレーンの、これまであまり知られてこなかった一面に触れることができる貴重な記録です。

15位『赤い目のドラゴン』

ある日、ブタ小屋で生まれた一匹の小さなドラゴンと、兄妹の心温まる交流を描いた絵本です。子どもたちは、言葉を話さないけれど真っ赤な目で気持ちを伝えるドラゴンを大切に育てます。

ユーモラスで少し変わったドラゴンと、子どもたちの純粋な愛情が生き生きと描かれています。出会いと別れを通して、子どもたちが経験する切ない気持ちが、美しい余韻を残す作品です。

16位『みまわりこびと』

雪に閉ざされた冬の農場を舞台に、夜ごと家や動物たちを見回るこびと（トムテ）の姿を描いた静かで美しい絵本です。北欧の伝承に登場する農家を守る妖精トムテを題材にしています。

厳しい冬の夜、静かにみんなを見守るこびとの存在が、心に安らぎと温もりを与えてくれます。クリスマスの時期にもぴったりの一冊です。

17位『ゆうれいフェストとこぞう』

古いお城に住むゆうれいのフェストと、人間の男の子の間に芽生える不思議な友情を描いた物語です。怖いはずのゆうれいが、実は寂しがり屋で心優しい存在として描かれています。

種族を超えた二人の交流を通して、友情の大切さや、見かけで判断しないことの重要性を教えてくれます。リンドグレーンらしい、ユーモアと温かさに満ちた一冊です。

18位『夕あかりの国』

病気で歩けなくなった少年が、不思議なおじさん「リリョンクバスト」に誘われ、夢の中の世界「夕あかりの国」を旅する物語です。「夕あかりの国」では、現実ではできないことも何でもできます。

少年は空を飛び、電車を運転し、様々な冒険を楽しみます。生と死というテーマを扱いながらも、リンドグレーンの優しいまなざしが感じられる美しいファンタジー絵本です。つらい現実を抱える子どもにそっと寄り添うような、希望に満ちた作品です。

アストリッド・リンドグレーン作品の選び方のポイント

アストリッド・リンドグレーンの作品は子どもから大人まで楽しめるものが多く、どれから読めばいいか迷ってしまうかもしれません。そこで、作品選びのポイントを2つご紹介します。

これから紹介するポイントを参考に、ぜひ自分に合った一冊、あるいはお子さんにぴったりの一冊を見つけてみてください。

子どもの年齢に合わせて選ぶ

リンドグレーン作品は対象年齢が幅広いのが特徴です。お子さんへのプレゼントとして選ぶなら、年齢に合った作品を選ぶのがおすすめです。

例えば、幼いお子さんには『ロッタちゃん』シリーズや『赤い目のドラゴン』などの絵本や短い物語が良いでしょう。小学校低学年から中学年なら、『長くつ下のピッピ』や『やかまし村の子どもたち』が、物語の楽しさを存分に味あわせてくれます。そして、高学年以上になったら、『山賊のむすめローニャ』や『はるかな国の兄弟』といった、より深いテーマを扱った作品に挑戦してみるのも素敵です。

対象年齢	おすすめの作品例
幼児〜	『ロッタちゃん』シリーズ、絵本作品
小学校低学年〜	『長くつ下のピッピ』、『やかまし村の子どもたち』
小学校高学年〜	『山賊のむすめローニャ』、『はるかな国の兄弟』

シリーズ作品は刊行順に読むのがおすすめ

『長くつ下のピッピ』や『やかまし村の子どもたち』、『名探偵カッレくん』など、リンドグレーンには魅力的なシリーズ作品がたくさんあります。これらのシリーズは、登場人物の成長や人間関係の変化も楽しみの一つです。

そのため、もしシリーズ作品を手に取るなら、できるだけ刊行された順番で読んでいくことをおすすめします。物語の世界をより深く、時系列に沿って楽しむことができます。もちろん、どの巻から読んでも楽しめるように作られていますが、順番に読むことでキャラクターへの愛着も一層深まるはずです。

色褪せないアストリッド・リンドグレーンの小説をランキングから見つけよう

アストリッド・リンドグレーンの作品は、発表から何十年経った今でもその輝きを失うことはありません。彼女の物語が描き出す、自由で力強く、そして心優しい子どもたちの姿は、時代を超えて私たちの心に響きます。

今回ご紹介したランキングを参考に、ぜひ気になる作品を手に取ってみてください。きっと、あなたの人生にとって大切な一冊となるような、素晴らしい物語との出会いが待っているはずです。リンドグレーンの豊かな世界を、心ゆくまでお楽しみください。