【2025年最新】児童文学の名作おすすめランキングTOP30

親子で読みたい児童文学の名作おすすめランキング

子どもだけでなく、大人も一緒に楽しめるのが児童文学の魅力です。かつて夢中になった物語をわが子と共有したり、新しい発見を語り合ったりする時間は、親子のコミュニケーションを豊かにしてくれます。

物語に込められた友情、勇気、そして生きる上で大切なメッセージは、時代を超えて私たちの心に響きます。このランキングでは、そんな色あせない名作の中から、特に親子で読んでほしい作品を厳選しました。ぜひ、家族の素敵な読書体験の参考にしてください。

児童文学の名作おすすめランキングTOP30

ここからは、世代を超えて愛され続ける児童文学の名作をランキング形式でご紹介します。ファンタジー、冒険、日常の物語など、さまざまなジャンルの作品がそろっています。きっと、あなたの心に残る一冊が見つかるはずです。

1位『モモ』ミヒャエル・エンデ

『モモ』は、「時間」とは何かを問いかける、ドイツの作家ミヒャエル・エンデによる不朽の名作です。物語の主人公は、町はずれの円形劇場跡に住みついた不思議な少女モモ。彼女には、人々の話をじっくりと聞くことで、相手に勇気や希望を取り戻させる特別な才能がありました。

しかし、町に「灰色の男たち」と名乗る時間泥棒が現れ、人々から時間を奪い始めます。 大人たちは心のゆとりを失い、効率ばかりを追い求めるように。 モモは、時間を司るマイスター・ホラや不思議なカメのカシオペイアの助けを借りて、奪われた時間を取り戻すための冒険に出ます。 忙しい現代社会に生きる私たちに、本当に大切なものは何かを教えてくれる物語です。

2位『星の王子さま』サン＝テグジュペリ

世界中で愛され続ける『星の王子さま』は、子どもだけでなく大人にも深い感動を与える物語です。サハラ砂漠に不時着した飛行士が、小さな星からやってきた王子さまと出会うところから物語は始まります。王子さまは、自分の星に残してきた一輪のバラの花とけんかをして、旅に出たのでした。

旅の途中でさまざまな星を訪れ、地球にたどり着いた王子さまは、キツネとの出会いを通して「かんじんなことは、目に見えない」という大切なことを学びます。 この物語は、愛、友情、そして失ってしまった子どもの心とは何かを、私たちに優しく問いかけてくれます。

3位『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ

『はてしない物語』は、『モモ』の作者でもあるミヒャエル・エンデが贈る、もう一つの傑作ファンタジーです。いじめられっ子の少年バスチアンが、古本屋で手にした一冊の本。その本「はてしない物語」を読み進めるうちに、彼は物語の世界「ファンタージエン」に入り込んでしまいます。

ファンタージエンは、「虚無」によって消滅の危機に瀕していました。バスチアンは、物語の登場人物たちと共に、世界を救うための壮大な冒険を繰り広げます。本を読むことの素晴らしさ、そして想像力が持つ無限の力を教えてくれるこの物語は、本好きなら誰もが胸を熱くするでしょう。

4位『ハリー・ポッター』シリーズ J・K・ローリング

J・K・ローリングによる『ハリー・ポッター』シリーズは、世界中に魔法ブームを巻き起こした現代の傑作ファンタジーです。 孤独な少年ハリー・ポッターは、11歳の誕生日に自分が魔法使いであることを知らされ、ホグワーツ魔法魔術学校に入学します。

親友のロンやハーマイオニーと共に学校生活を送る中で、ハリーは友情や愛、そして自己犠牲の精神を学びます。 シリーズを通して、両親を殺した闇の魔法使いヴォルデモートとの宿命の対決が描かれ、ハリーは仲間たちと共に大きな困難に立ち向かっていきます。 魔法の世界の緻密な描写と、登場人物たちの成長物語が、子どもから大人まで幅広い世代を魅了し続けています。

5位『赤毛のアン』L・M・モンゴメリ

カナダのプリンス・エドワード島を舞台に、孤児院からカスバート家に引き取られた少女アン・シャーリーの成長を描いた物語です。 男の子と間違えられてやってきたアンは、赤毛でそばかすだらけの容姿を気にしていますが、想像力豊かでとてもおしゃべりな女の子。

アンは、その豊かな感受性と前向きな性格で、さまざまな失敗を繰り返しながらも、周囲の人々を魅了し、愛される存在へと成長していきます。 親友ダイアナとの友情や、ライバルのギルバートとの関係など、アンの多感な少女時代の出来事が、島の美しい自然描写とともに生き生きと描かれています。

6位『魔女の宅急便』角野栄子

角野栄子による『魔女の宅急便』は、一人前の魔女になるための修行を描いた、心温まる物語です。13歳の魔女キキは、古いしきたりに従い、黒猫のジジを連れて親元を離れ、新しい町で一年間暮らすことになります。

海辺の町コリコにたどり着いたキキは、空飛ぶ魔法を活かして「お届けもの屋さん」を始めます。さまざまな人々との出会いや仕事を通して、喜びや困難を経験しながら、キキは少しずつ成長していきます。自立することの素晴らしさと大変さを、優しく教えてくれる作品です。

7位『かがみの孤城』辻村深月

辻村深月による『かがみの孤城』は、学校での居場所をなくし、家に閉じこもっていた中学生たちの物語です。主人公こころの部屋の鏡が突然光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはお城と見ず知らずの中学生6人がいました。

「オオカミさま」と名乗る少女に、城に隠された鍵を見つければどんな願いも叶うと告げられた7人は、戸惑いながらも共に時間を過ごすようになります。次第に明らかになるそれぞれの事情や心の傷。彼らが心を通わせ、現実世界で再び一歩を踏み出すまでを描いた、感動のファンタジーミステリーです。

8位『銀河鉄道の夜』宮沢賢治

宮沢賢治の代表作である『銀河鉄道の夜』は、孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと共に銀河鉄道に乗って宇宙を旅する幻想的な物語です。星祭りの夜、丘の上で一人星空を眺めていたジョバンニは、気づくと銀河鉄道の中にいました。

二人は、白鳥の停車場や鷲の停車場など、美しい星々を巡りながら、さまざまな人々と出会います。しかし、その旅はどこか切なく、そして「ほんとうのさいわい」とは何かという深い問いを投げかけます。美しくも謎めいた言葉で綴られる、日本を代表するファンタジーです。

9位『ナルニア国物語』シリーズ C・S・ルイス

C・S・ルイスによる『ナルニア国物語』は、子どもたちが異世界ナルニアで繰り広げる冒険を描いた、壮大なファンタジーシリーズです。物語は、ペベンシー家の4人きょうだいが、古い衣装だんすの奥から雪の降る国ナルニアへと迷い込むところから始まります。

ナルニアは、言葉を話す動物や神話の生き物たちが暮らし、偉大なライオンのアスランによって治められる国です。子どもたちは、ナルニアの危機を救うため、白い魔女やさまざまな敵と戦います。勇気や正義、そして信じることの大切さを教えてくれる、胸躍る冒険物語です。

10位『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット

『エルマーのぼうけん』は、9歳の少年エルマーが、どうぶつ島に囚われているりゅうの子どもを助けに行く冒険物語です。 ある雨の夜、のらねこからりゅうの話を聞いたエルマーは、助け出すことを決意します。

エルマーはリュックサックに、チューインガムや輪ゴム、歯ブラシといった身近な道具を詰め込んで、どうぶつ島へと向かいます。 島ではトラやライオン、サイなどの猛獣たちが次々と現れますが、エルマーは知恵と勇気でピンチを切り抜けていきます。 ドキドキハラハラする展開が、子どもたちの冒険心をくすぐる一冊です。

11位『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤洋

斉藤洋による『ルドルフとイッパイアッテナ』は、ひょんなことから長距離トラックで東京に運ばれてしまった黒猫ルドルフの物語です。飼い主の元に帰りたくても帰れないルドルフは、そこで出会った大きなボス猫「イッパイアッテナ」に助けられます。

イッパイアッテナは、その名の通りたくさんの名前を持つ教養豊かな猫で、ルドルフに野良猫として生きていくための知恵や文字の読み書きを教えます。友情や成長、そして生きるためのたくましさを描いた、笑いあり涙ありの物語です。

12位『ふたりはともだち』アーノルド・ローベル

アーノルド・ローベル作の『ふたりはともだち』は、仲良しのがまくんとかえるくんの、心温まる友情を描いた物語です。のんびり屋で少し気難しいがまくんと、しっかり者で友達思いのかえるくん。性格は正反対ですが、二人はいつも一緒にいます。

手紙を待つがまくんのためにかえるくんが手紙を書くお話や、なくしたボタンを探すお話など、何気ない日常の中にある優しさや思いやりが、ユーモラスに描かれています。友達がいることの素晴らしさを、しみじみと感じさせてくれる一冊です。

13位『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子

黒柳徹子の自伝的小説『窓ぎわのトットちゃん』は、第二次世界大戦中のユニークな学校「トモエ学園」での日々を描いた物語です。小学校を退学になったトットちゃん（徹子）は、新しくトモエ学園に通うことになります。

そこでは、校長先生の小林宗作先生のもと、子どもたちの個性を尊重したユニークな教育が行われていました。トットちゃんは、トモエ学園でのびのびと成長していきます。子ども一人ひとりの可能性を信じることの大切さを教えてくれる、感動的な作品です。

14位『霧のむこうのふしぎな町』柏葉幸子

柏葉幸子による『霧のむこうのふしぎな町』は、小学6年生の少女リナが、霧の谷にある不思議な町「霧の町」で過ごすひと夏の物語です。夏休みに一人で旅に出たリナは、ひょんなことからこの奇妙な町に下宿することになります。

そこは、魔法使いの子孫やケンタウロス、小鬼たちが当たり前のように暮らす町でした。リナは、下宿先のピコット屋敷の方針で本屋やおもちゃ屋などで働きながら、町の住人たちと交流し、さまざまな不思議な出来事を経験します。ファンタジックな世界観と、リナの成長が魅力的な物語です。

15位『都会のトム＆ソーヤ』シリーズ はやみねかおる

はやみねかおるによる『都会のトム＆ソーヤ』は、平凡な中学生・内藤内人と、大財閥の息子で天才的な頭脳を持つ竜王創也のコンビが活躍する冒険ミステリーシリーズです。自称「究極のゲーム」を作るため、二人は「都会（まち）」を舞台にさまざまな事件に挑みます。

サバイバルの知識が豊富な内人と、明晰な頭脳で謎を解く創也。正反対の二人が力を合わせ、困難な状況を切り抜けていく姿は爽快です。友情、冒険、そして謎解きと、子どもたちが夢中になる要素が詰まった人気シリーズです。

16位『長くつ下のピッピ』アストリッド・リンドグレーン

スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンが生んだ『長くつ下のピッピ』は、世界一強く、自由奔放な女の子ピッピが主人公の物語です。赤毛のおさげに左右違う色の長い靴下、そして大きな靴がトレードマークのピッピは、馬や猿と一緒に「ごたごた荘」で一人暮らしをしています。

ピッピは、とてつもない力持ちで、常識にとらわれない行動で周りの大人たちを驚かせますが、その心はとても優しく、友達思いです。ピッピの痛快な活躍は、子どもたちに自由な発想の楽しさと、自分らしく生きる勇気を与えてくれます。

17位『チョコレート工場の秘密』ロアルド・ダール

ロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』は、貧しいけれど心優しい少年チャーリー・バケットが、謎に満ちたチョコレート工場の後継者に選ばれるまでを描いた物語です。 世界的に有名なウィリー・ウォンカのチョコレート工場が、5人の子どもを招待するというニュースが世界中を駆け巡ります。

チャーリーは幸運にも、世界に5枚しかないゴールデンチケットの1枚を手に入れます。 工場の中は、チョコレートの川が流れる奇想天外な世界でした。 しかし、チャーリー以外の4人のわがままな子どもたちは、次々と脱落していきます。 最後に残ったチャーリーを待っていた驚きの結末とは？ 家族愛や正直さの大切さを教えてくれる、夢いっぱいの物語です。

18位『トム・ソーヤーの冒険』マーク・トウェイン

マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』は、19世紀半ばのアメリカ、ミシシッピ川沿いの町を舞台にした、わんぱく少年トムの冒険物語です。 いたずら好きで学校嫌いのトムは、親友のハックルベリー・フィンと共に、毎日を冒険と遊びに費やしています。

ある夜、墓地で殺人事件を目撃してしまったトムは、良心の呵責に悩みながらも、裁判で真実を証言する勇気を見せます。 その後も、無人島での海賊ごっこや、洞窟での宝探しなど、トムの冒険は続きます。 少年時代のドキドキとワクワクが詰まった、不朽の名作です。

19位『飛ぶ教室』エーリヒ・ケストナー

エーリヒ・ケストナーの『飛ぶ教室』は、クリスマスを前にした寄宿学校で暮らす5人の少年たちの友情と成長を描いた物語です。詩人を目指すヨナタン、秀才のマルティン、力持ちのマティアス、内気なウーリ、そして彼らを見守るヨハン先生。

彼らは、自分たちで考えた劇「飛ぶ教室」の準備を進める中で、他校の生徒との争いや、それぞれの悩みに直面します。少年たちが互いを思いやり、困難を乗り越えていく姿が温かく描かれています。友情の尊さや、人を信じることの大切さを教えてくれる一冊です。

20位『若草物語』ルイザ・メイ・オルコット

ルイザ・メイ・オルコットの『若草物語』は、19世紀のアメリカを舞台に、マーチ家の四姉妹、メグ、ジョー、ベス、エイミーの成長を描いた物語です。南北戦争で父が不在の中、母と共に慎ましくも愛情豊かな家庭で暮らす姉妹たち。

しっかり者で美しい長女メグ、活発で作家を夢見る次女ジョー、内気で心優しい三女ベス、そしておませで絵の才能がある四女エイミー。性格の違う四人が、それぞれの夢や悩みに向き合い、助け合いながら成長していく姿が生き生きと描かれています。時代を超えて多くの女性に愛される、家族の絆の物語です。

21位『大どろぼうホッツェンプロッツ』オトフリート・プロイスラー

オトフリート・プロイスラー作の『大どろぼうホッツェンプロッツ』は、ドイツの田舎町を舞台にした痛快な物語です。 大どろぼうのホッツェンプロッツに、おばあさんの大切なコーヒーひきを盗まれてしまったカスパールとゼッペル。

二人はホッツェンプロッツを捕まえようと決心し、知恵を絞って彼のねぐらを突き止めますが、逆に捕まってしまいます。 しかし、二人はあきらめません。魔法使いや妖精も登場するファンタジー要素も加わり、物語は奇想天外な展開に。 少年たちの勇気と知恵が光る、ユーモアたっぷりの作品です。

22位『ゲド戦記』シリーズ アーシュラ・K・ル＝グウィン

アーシュラ・K・ル＝グウィンによる『ゲド戦記』は、多島海世界「アースシー」を舞台に、大魔法使いゲドの生涯を描く壮大なファンタジーです。若き日のゲドは、自らの力に驕り、禁じられた魔法を使ったことで、自分自身の「影」を呼び出してしまいます。

影から逃れるために旅に出たゲドは、さまざまな経験を通して、世界の均衡を保つことの重要性や、力との向き合い方を学んでいきます。生と死、光と影といった深遠なテーマを扱い、児童文学の枠を超えた哲学的な問いを投げかける、読み応えのあるシリーズです。

23位『ムーミン』シリーズ トーベ・ヤンソン

フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが描く『ムーミン』シリーズは、ムーミン谷に住むムーミントロールとその仲間たちの物語です。のんびり屋で心優しいムーミントロール、思慮深いムーミンパパ、愛情あふれるムーミンママ、そして自由を愛するスナフキンや、いじわるなちびのミイなど、個性豊かなキャラクターたちが登場します。

ムーミン谷では、洪水が起きたり、彗星が近づいたりと、さまざまな出来事が起こりますが、彼らはそれらをしなやかに受け入れ、日々の暮らしを楽しんでいます。物語に流れる哲学的な言葉の数々は、子どもだけでなく大人の心にも深く響きます。

24位『秘密の花園』フランシス・ホジソン・バーネット

フランシス・ホジソン・バーネットによる『秘密の花園』は、心を閉ざした少女が、見捨てられた庭を再生させることを通して、自身も生きる喜びを取り戻していく感動的な物語です。 インドで両親を亡くし、イギリスの伯父の屋敷に引き取られたメアリーは、わがままで気難しい少女でした。

ある日メアリーは、10年間誰も入ったことのない「秘密の花園」の鍵を見つけます。 自然を愛する少年ディコンや、病弱ないとこのコリンと共に、荒れ果てた花園をよみがえらせようと奮闘する中で、メアリーの閉ざされた心も少しずつ開かれていきます。 自然が持つ力と、人とのつながりの大切さを教えてくれる名作です。

25位『西の魔女が死んだ』梨木香歩

梨木香歩の『西の魔女が死んだ』は、学校に行けなくなった中学生のまいが、田舎で暮らす「西の魔女」、つまりイギリス人のおばあちゃんと過ごした日々の物語です。まいは、おばあちゃんから「魔女修行」として、早寝早起きや食事作りなど、規則正しい生活と自己コントロールの方法を学びます。

おばあちゃんの愛情と自然に囲まれた生活の中で、まいは少しずつ元気を取り戻していきます。おばあちゃんが教えてくれる、何でも自分で決めることの大切さや、生きる上での知恵は、まいだけでなく、読者の心にも深く染み渡ります。思春期の揺れる心と、世代を超えた魂の交流を描いた作品です。

26位『バッテリー』シリーズ あさのあつこ

あさのあつこによる『バッテリー』は、天才的なピッチャーである原田巧と、彼のボールを受け止めるキャッチャー永倉豪の二人の、中学野球部での成長と葛藤を描いた物語です。孤高の天才である巧は、自分の才能に絶対的な自信を持っていますが、そのために周囲と衝突してしまいます。

一方、豪は巧の才能に魅了され、彼と共に最高のバッテリーになることを夢見ます。野球を通して描かれる、少年たちのひたむきな情熱や、ぶつかり合いながらも深まっていく友情、そして家族との関係。思春期ならではの鋭い感受性と、スポーツにかける熱い思いが胸を打つシリーズです。

27位『二十四の瞳』壺井栄

壺井栄の『二十四の瞳』は、昭和初期から終戦直後までの激動の時代を背景に、瀬戸内海の小豆島に赴任した新米女性教師・大石先生と12人の教え子たちの交流を描いた物語です。 明るく洋風な大石先生は、村の古い慣習に戸惑いながらも、生徒たち一人ひとりに愛情を注ぎます。

しかし、貧しさや戦争の影が、子どもたちの未来に暗い影を落としていきます。 時代の波に翻弄されながらも、変わることのない師弟の絆を描いたこの作品は、戦争の悲惨さと平和の尊さを静かに、しかし力強く訴えかけます。

28位『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』斎藤惇夫

斎藤惇夫による『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』は、町育ちのネズミ、ガンバが仲間たちと共に巨大な白イタチ、ノロイに立ち向かう冒険物語です。ある日、傷ついたネズミから、島のネズミたちがノロイに苦しめられていることを聞いたガンバは、仲間たちと島へ向かうことを決意します。

ガンバと個性豊かな15ひきの仲間たちは、それぞれの特技を活かし、力を合わせて絶望的な戦いに挑みます。仲間との友情、勇気、そしてリーダーシップとは何かを描いた、手に汗握る冒険譚です。

29位『ぼくらの七日間戦争』宗田理

宗田理の『ぼくらの七日間戦争』は、厳しい校則や大人たちに反抗した中学生たちが、廃工場に立てこもって繰り広げる解放区闘争の物語です。主人公の菊地英治をはじめとする男子生徒たちは、女子生徒たちも巻き込み、知恵とユーモアを武器に大人たちを相手に大作戦を展開します。

立てこもりという過激な行動の中にも、少年少女たちの瑞々しい感性や友情、そして淡い恋心が描かれています。管理社会への反発というテーマを、エンターテイメント性豊かに描いたこの作品は、多くの読者に爽快感と勇気を与えました。

30位『あのころはフリードリヒがいた』ハンス・ペーター・リヒター

ハンス・ペーター・リヒター作の『あのころはフリードリヒがいた』は、ナチス・ドイツ時代を、ユダヤ人の少年フリードリヒと、その隣人で語り手であるドイツ人の少年との友情を通して描いた物語です。同じ年に同じ家で生まれた二人は、兄弟のように育ちます。

しかし、ナチスの台頭と共に、ユダヤ人であるというだけでフリードリヒの日常は少しずつ、しかし確実に破壊されていきます。ごく普通の少年たちの視点から、差別や偏見がもたらす理不尽さと、戦争の恐ろしさを淡々と、しかし鋭く描き出しています。歴史の事実を、個人の物語として深く考えさせられる一冊です。

心に残る一冊を。児童文学の名作おすすめランキングを参考に

ここまで、数々の児童文学の名作をご紹介してきましたが、気になる作品は見つかりましたか？児童文学は、子どもたちに豊かな世界を教えてくれるだけでなく、大人が忘れかけていた大切な何かを思い出させてくれます。

今回ご紹介したランキングを参考に、ぜひ親子で、あるいは自分自身のために、心に残る一冊を見つけてみてください。ページをめくるたびに、きっと新しい発見と感動が待っているはずです。