世界中で愛されるミステリー・推理小説。知的好奇心を刺激する緻密なプロット、予想を裏切る展開、鮮やかなトリックに心躍らせる人も多いでしょう。
しかし、膨大な数の作品から自分好みの一冊を選ぶのは難しいもの。そこで今回は、推理小説の魅力から厳選した名作40選まで、わかりやすくご紹介します。
名探偵から刑事、一般市民まで多彩な主人公が活躍する作品の数々。この記事を参考に、あなたにぴったりの一冊を見つけてください!
- ミステリー小説とは?推理の魅力と楽しみ方
- ミステリー小説おすすめランキングTOP40
- 第1位:白夜行(東野圭吾)
- 第2位:容疑者Xの献身(東野圭吾)
- 第3位:告白(湊かなえ)
- 第4位:そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティー)
- 第5位:十角館の殺人(綾辻行人)
- 第6位:オリエント急行の殺人(アガサ・クリスティー)
- 第7位:火車(宮部みゆき)
- 第8位:アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)
- 第9位:手紙(東野圭吾)
- 第10位:葉桜の季節に君を想うということ(歌野晶午)
- 第11位:流星の絆(東野圭吾)
- 第12位:ハサミ男(殊能将之)
- 第13位:マスカレード・ホテル(東野圭吾)
- 第14位:屍人荘の殺人(今村昌弘)
- 第15位:硝子の塔の殺人(知念実希人)
- 第16位:幻夜(東野圭吾)
- 第17位:リバース(湊かなえ)
- 第18位:謎解きはディナーのあとで(東川篤哉)
- 第19位:すべてがFになる(森博嗣)
- 第20位:ストーンサークルの殺人(M・W・クレイヴン)
- 第21位:ある閉ざされた雪の山荘で(東野圭吾)
- 第22位:地雷グリコ(青崎有吾)
- 第23位:最後の証人(柚月裕子)
- 第24位:さまよう刃(東野圭吾)
- 第25位:新参者(東野圭吾)
- 第26位:イニシエーション・ラブ(乾くるみ)
- 第27位:夢幻花(東野圭吾)
- 第28位:マスカレード・ナイト(東野圭吾)
- 第29位:#真相をお話しします(結城真一郎)
- 第30位:三毛猫ホームズの推理(赤川次郎)
- 第31位:medium 霊媒探偵 城塚翡翠(相沢沙呼)
- 第32位:緋色の研究(コナン・ドイル)
- 第33位:かがみの孤城(辻村深月)
- 第34位:青の炎(貴志祐介)
- 第35位:禁忌の子(山口未桜)
- 第36位:氷菓(米澤穂信)
- 第37位:どうしても生きてる(村田沙耶香)
- 第38位:花束は毒(岩井圭也)
- 第39位:爆弾(呉勝浩)
- 第40位:向日葵の咲かない夏(道尾秀介)
- 編集部からひとこと
ミステリー小説とは?推理の魅力と楽しみ方
推理小説とは、事件や謎を論理的に解決していく小説のジャンルです。「ミステリー小説」「探偵小説」とも呼ばれ、1841年のエドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』が始まりとされています。
最大の魅力は、読者も一緒に謎を解く楽しさ。作品によって犯人探し、トリックの見破り、隠された動機の推理など、さまざまな楽しみ方があります。
初心者の方は映像化された作品や短編集から始めると取り組みやすいでしょう。まずは自分の興味に合わせて、気軽に推理小説の世界へ足を踏み入れてみてください。
ミステリー小説おすすめランキングTOP40
第1位:白夜行(東野圭吾)
『白夜行』は、大阪の廃墟ビルで起きた殺人事件から始まる、東野圭吾の傑作長編です。被害者の息子・亮司と容疑者の娘・雪穂という2人の孤独な魂の19年にわたる軌跡を描いています。
暗闇の中でも前に進み続けるという「白夜行」の意味通り、心を失った2人が互いを求めて生き抜く姿に心打たれます。伏線の回収や叙情的な文体など、あらゆる面で完成度が高く、東野作品の最高傑作との呼び声も高い一冊です。
第2位:容疑者Xの献身(東野圭吾)
『容疑者Xの献身』は「ガリレオシリーズ」の第3作で、天才数学者が愛する女性のために完全犯罪を企てるという物語です。第134回直木三十五賞受賞作でもあります。
一見解決不能に思える事件の真相に、物理学者・湯川学が科学的思考で挑みます。本作の魅力は**「愛とは何か」という普遍的なテーマと、論理的推理の応酬**にあり、ミステリー初心者にもおすすめの入門書といえるでしょう。
第3位:告白(湊かなえ)
『告白』は湊かなえのデビュー作で、第6回本屋大賞を受賞したベストセラーです。中学校教師の森口悠子が終業式のホームルームで、自分の娘は生徒に殺されたと告白するところから物語が始まります。
複数の視点から語られる物語は、次第に事件の全貌を明らかにしていきます。後味の悪さが印象的な「イヤミス」の代表作で、現代社会の闇を鋭く描いた問題作としても高く評価されています。
第4位:そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティー)
『そして誰もいなくなった』は、ミステリーの女王アガサ・クリスティーの最高傑作と称される不朽の名作です。孤島に集められた10人が、マザーグースの「十人の兵隊さん」の歌詞通りに次々と殺されていくという恐怖の物語です。
「クローズドサークル」「アリバイ崩し」など、ミステリーの醍醐味が詰まった完璧な構成が魅力です。80年以上前の作品ながら、今なお世界中で愛される理由がわかる傑作ミステリーといえるでしょう。
第5位:十角館の殺人(綾辻行人)
『十角館の殺人』は綾辻行人のデビュー作であり、「館シリーズ」の第1作です。伝説の建築家が残した十角形の奇妙な館で起きる連続殺人事件を描いています。
密室殺人、不可能犯罪、奇妙な暗号など本格ミステリーの要素を盛り込んだ作品で、「新本格ミステリー」ブームの火付け役となりました。予想を裏切る驚愕の結末は、ミステリー史上でも屈指の衝撃度と称されています。
第6位:オリエント急行の殺人(アガサ・クリスティー)
『オリエント急行の殺人』は名探偵エルキュール・ポアロが活躍する、アガサ・クリスティーの代表作です。雪で立ち往生した豪華列車内で起きた殺人事件の謎に、ポアロが挑みます。
12人の乗客それぞれに完璧なアリバイがある状況で、ポアロはどのように真相にたどり着くのか。緻密なプロットと意外な結末で、初めてミステリーに触れる方にもおすすめの一冊です。
第7位:火車(宮部みゆき)
『火車』は宮部みゆきの社会派ミステリーで、山本周五郎賞を受賞した作品です。失踪した婚約者の行方を追う元刑事の本間が、クレジットカード社会の闇に迫る物語です。
「火車」とは「借金」を意味する隠語で、消費者金融や多重債務問題など社会問題を鋭く描いています。緻密な取材に基づく現実味ある描写と、人間の業を鮮やかに描く筆力が高く評価された傑作です。
第8位:アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)
『アヒルと鴨のコインロッカー』は伊坂幸太郎の青春ミステリーで、第25回吉川英治文学新人賞を受賞した作品です。広辞苑1冊のために本屋を襲おうと誘う河崎と、その誘いに乗る椎名の奇妙な物語が展開します。
伊坂作品の特徴である奇想天外なストーリー展開と、軽快な文体が魅力です。伏線が美しく回収される結末は、胸を熱くする感動も併せ持っています。
第9位:手紙(東野圭吾)
『手紙』は東野圭吾が犯罪者の家族を描いた感動作です。弟の大学進学のために強盗殺人を犯した兄・雅也と、「犯罪者の弟」というレッテルに苦しみながらも生きる弟・秀雄の物語です。
犯罪者の家族という、社会的弱者の立場から描かれる物語は、深い余韻を残します。罪と罰、絆の意味を問いかける、ミステリーの枠を超えた感動作といえるでしょう。
第10位:葉桜の季節に君を想うということ(歌野晶午)
『葉桜の季節に君を想うということ』は第57回日本推理作家協会賞を受賞した、叙述トリックの傑作です。霊感商法事件を調査する自称探偵の成瀬将虎と、自殺未遂から救った女性との恋の行方を描いています。
一見すると恋愛小説のような淡い雰囲気の中に、緻密なトリックが仕掛けられています。読み終えた後、必ず二度三度と読み返したくなる、記憶に残るミステリー作品です。
第11位:流星の絆(東野圭吾)
『流星の絆』は両親を惨殺された3兄妹の復讐計画を描いた作品です。幼い頃に流れ星に仇討ちを誓った3人が、14年後にようやく真犯人に迫る瞬間を迎えます。
完璧に思えた復讐計画が、妹の恋心によって狂い始めるという展開が見事です。3兄妹の強い絆と家族愛が胸を打つドラマ性の高さと、緻密な伏線回収が魅力的なミステリーです。
第12位:ハサミ男(殊能将之)
『ハサミ男』は殊能将之のデビュー作でメフィスト賞を受賞した傑作です。連続美少女殺人鬼「ハサミ男」が、自分のやり方を真似た殺人犯を追うという異色の設定が斬新です。
犯人視点で物語が進行する緊張感と、予想を裏切る衝撃的な結末が読者を魅了します。サイコキラーの精神世界を緻密に描き、「悪」の正体に迫る問題作でもあります。
第13位:マスカレード・ホテル(東野圭吾)
『マスカレード・ホテル』は一流ホテルを舞台に連続殺人事件の謎に挑む物語です。潜入捜査のためホテルマンを演じる刑事・新田と、彼を指導するフロント係・山岸の活躍を描いています。
ホテルという閉鎖空間ならではの謎と、職業的プライドを持つホテルマンたちの姿が見事に融合しています。「ホテルマンVS刑事」という異なる価値観の衝突も見どころの一つです。
第14位:屍人荘の殺人(今村昌弘)
『屍人荘の殺人』は第18回本格ミステリ大賞を受賞した今村昌弘のデビュー作です。大学ミステリ愛好会の男女3人が、孤立したペンションで連続殺人に巻き込まれる物語です。
閉ざされた空間で繰り広げられる不可能犯罪と、そこに絡む**「生者と死者」という奇想天外な設定**が魅力です。新しい感覚の本格ミステリーとして、多くの読者を魅了した注目作といえるでしょう。
第15位:硝子の塔の殺人(知念実希人)
『硝子の塔の殺人』は2022年本屋大賞ノミネート作品で、現役医師である知念実希人による本格ミステリーです。雪深き森に建つ硝子の塔で起こる連続殺人の謎に、名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬が挑みます。
美しい硝子の建築物という幻想的な舞台設定と、複雑に入り組んだプロットが見事に調和しています。**推理小説の醍醐味である「読者への挑戦状」**も含まれた、読み応えのある作品です。
第16位:幻夜(東野圭吾)
『幻夜』は阪神・淡路大震災を背景に描かれる、衝撃的な運命の物語です。震災の混乱の中で偶然出会った男女が、複雑な罪と愛の関係に落ちていく様子を描いています。
一見すると単なる恋愛ストーリーに見えますが、次第に謎が謎を呼ぶ展開に変わっていきます。予想を裏切る伏線の数々と、その回収の見事さは、東野圭吾の真骨頂といえるでしょう。
第17位:リバース(湊かなえ)
『リバース』は平凡なサラリーマン・深瀬和久が主人公の湊かなえ作品です。彼はコーヒーがきっかけで出会った女性と交際を始めますが、「深瀬和久は人殺しだ」という告発状が届きます。
過去の事件を語り始める深瀬と、徐々に明らかになる真相が読者を引き込みます。湊かなえ特有の人間の業を描く鋭い視点と、予想を超える衝撃のラストが話題を呼んだ傑作です。
第18位:謎解きはディナーのあとで(東川篤哉)
『謎解きはディナーのあとで』は、2011年本屋大賞を受賞した爽快ミステリーです。財閥令嬢でありながら新米刑事の宝生麗子と、毒舌執事の影山が難事件を解決していきます。
コメディ要素満載の軽快な展開と、影山の**「お嬢様の目は節穴でございますか?」**といった辛辣な台詞が魅力です。難解な事件も論理的に解決していく痛快さに、多くの読者が魅了されました。
第19位:すべてがFになる(森博嗣)
『すべてがFになる』は理系ミステリーの先駆けとなった森博嗣のデビュー作で、第1回メフィスト賞を受賞しました。孤島の研究所で起きた密室殺人に、助教授・犀川創平と学生・西之園萌絵が挑む物語です。
論理的思考と科学的根拠に基づいた推理が特徴で、「天才工学博士」という設定も斬新でした。緻密な伏線と意外な結末は、ミステリー好きを唸らせる完成度の高さを誇ります。
第20位:ストーンサークルの殺人(M・W・クレイヴン)
『ストーンサークルの殺人』は英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞作です。イギリス・カンブリア州のストーンサークルで次々と発見される焼死体の謎に、停職中の警察官ポーが挑みます。
重厚な雰囲気のブリティッシュ・ミステリーの魅力を存分に味わえる作品です。風光明媚な湖水地方の風景描写と、地域に根差した文化や歴史を背景にした深みのある物語が高く評価されています。
第21位:ある閉ざされた雪の山荘で(東野圭吾)
『ある閉ざされた雪の山荘で』は雪山の山荘を舞台にした密室ミステリーです。俳優志願の男女7人が集まり「1人ずつ順番に消えていく」という殺人劇の舞台稽古をすることになります。
しかし実際に人が消え始め、演じているのか本当に事件が起きているのか、現実と虚構の境目が曖昧になっていく恐怖を描いています。読者の予想を裏切る結末が衝撃的な一冊です。
第22位:地雷グリコ(青崎有吾)
『地雷グリコ』は第24回本格ミステリ大賞、第77回日本推理作家協会賞、第37回山本周五郎賞をトリプル受賞した話題作です。高校生の射守矢真兎が、日常で巻き込まれる変わったゲーム勝負を描いています。
グリコやジャンケンなど、一見単純なゲームに意外な仕掛けが施されており、息詰まる頭脳戦が展開されます。かつてないほど緻密な論理と戦略が詰め込まれた、新感覚の本格ミステリーです。
第23位:最後の証人(柚月裕子)
『最後の証人』は「佐方貞人シリーズ」の作品で、検事から弁護士に転身した主人公が殺人事件の弁護を引き受ける物語です。依頼された殺人事件の裏には、7年前の交通事故との関連が隠されていました。
法廷での攻防や、正義とは何かを問いかける展開が見どころです。事件の真相にたどり着くまでの緊張感あふれる展開と、人間ドラマの深さが読者を引き込みます。
第24位:さまよう刃(東野圭吾)
『さまよう刃』は少年犯罪と遺族の復讐をテーマにした問題作です。娘を殺された父親が犯人へ復讐を企てるという重いテーマを扱っています。
法と倫理の狭間で苦悩する主人公の姿を通して、「復讐とは何か」「正義とは何か」という普遍的な問いを投げかけます。社会派ミステリーとしての側面も持ち、読後に深い余韻を残す作品です。
第25位:新参者(東野圭吾)
『新参者』は下町情緒あふれる日本橋を舞台にした人情ミステリーです。刑事・加賀恭一郎が、日本橋の商店街で起きた女性殺害事件の謎に挑みます。
事件解決の鍵は、人情深い町の住人たちが握っています。下町の生活が生き生きと描かれ、人と人との絆が温かく描かれているのが特徴です。ミステリーでありながら、読後に優しい余韻が残る作品といえるでしょう。
第26位:イニシエーション・ラブ(乾くるみ)
『イニシエーション・ラブ』は「必ず2回読みたくなる」と称される、驚愕のどんでん返しが印象的な作品です。就職活動中の大学生・鈴木と彼女・マユの遠距離恋愛を描いています。
恋愛小説のような甘い展開から始まり、少しずつ2人の間にすれ違いが生じていく様子がリアルに描かれます。そして最後の2行で全てがひっくり返される衝撃の結末は、叙述トリックの金字塔と呼ばれています。
第27位:夢幻花(東野圭吾)
『夢幻花』は第26回柴田錬三郎賞を受賞した東野圭吾の作品です。「黄色いアサガオだけは追いかけるな」という謎のメッセージを発端に、禁断の花をめぐる物語が展開します。
花を通して描かれる人間模様と、次第に明らかになる登場人物たちの宿命が見事に絡み合います。美しい花の描写と、人間の業の暗さが対比的に描かれた、大人向けのミステリー作品です。
第28位:マスカレード・ナイト(東野圭吾)
『マスカレード・ナイト』は『マスカレード・ホテル』の続編です。一流ホテル・コルテシア東京でのカウントダウンパーティーを舞台に、刑事・新田浩介とホテルマン・山岸尚美が再び難事件に挑みます。
仮面舞踏会という華やかな設定と殺人事件というダークな要素が絶妙に融合しています。前作からキャラクターの関係性が深まり、人間ドラマとしても楽しめる続編となっています。
第29位:#真相をお話しします(結城真一郎)
『#真相をお話しします』は現代的なテーマと本格ミステリーが融合した話題作です。5つの短編を収録しており、SNSや不妊治療、地方の過疎化など現代社会を反映したテーマが扱われています。
特に収録作『#拡散希望』は日本推理作家協会賞短編部門を受賞しました。緻密かつ大胆な構成と、予想を裏切るどんでん返しの連続に、多くの読者が驚きました。
第30位:三毛猫ホームズの推理(赤川次郎)
『三毛猫ホームズの推理』は、刑事・片山と猫探偵・ホームズが活躍するライトミステリーの代表作です。長寿シリーズの記念すべき第1作であり、多くの読者に親しまれてきました。
血・アルコール・女性が苦手な独身刑事と、時々物思いにふける三毛猫というコンビが織りなすコミカルな展開が魅力です。難解なトリックよりも、読みやすさとユーモアを重視した、ミステリー初心者にもおすすめの一冊です。
第31位:medium 霊媒探偵 城塚翡翠(相沢沙呼)
『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』は死者の言葉を聞ける霊媒師・城塚翡翠と、彼女の力を借りて事件を解決する作家・香月史郎の活躍を描く物語です。このミステリーがすごい!などで5冠を達成した話題作です。
超常現象を扱いながらも、論理的な推理で事件を解決していく展開が斬新でした。「すべてが伏線」と評されるほどの緻密なプロットも魅力で、読者を最後まで惹きつけます。
第32位:緋色の研究(コナン・ドイル)
『緋色の研究』は名探偵シャーロック・ホームズが初登場する記念碑的長編です。ホームズとワトスンの運命的な出会いから、アメリカ人旅行者の奇妙な殺人事件の解決までが描かれています。
ホームズの超人的な観察力と推理力が存分に発揮される作品で、探偵小説の原点ともいえる一冊です。130年以上前の作品でありながら、今読んでも色褪せない魅力を持っています。
第33位:かがみの孤城(辻村深月)
『かがみの孤城』は2018年本屋大賞を受賞したファンタジー要素を含むミステリーです。学校に居場所をなくした中学1年生の少女・こころが、鏡の中の城で出会う7人の同級生との交流を描いています。
リアルとファンタジーが絶妙に融合した世界観と、少年少女の成長を描く感動的なストーリーが魅力です。謎が明かされる結末は、驚きと感動の両方を届けてくれます。
第34位:青の炎(貴志祐介)
『青の炎』は17歳の高校生・秀一が主人公の青春ミステリーです。母と妹の平和な暮らしを壊す元夫・曾根から家族を守るため、秀一は殺人を決意します。
犯罪に手を染める主人公の心理描写が見事で、読者は罪の意識と葛藤を一緒に体験することになります。若者の切なさと、残酷な現実社会における正義の問題を鋭く描いた傑作です。
第35位:禁忌の子(山口未桜)
『禁忌の子』は現役医師である山口未桜のデビュー作で、第34回鮎川哲也賞を受賞した医療×本格ミステリーです。救急医・武田航のもとに運ばれてきた溺死体が、自分と瓜二つだったことから物語が始まります。
医学的知識に基づいた緻密な設定と、意外性に富んだどんでん返しが魅力です。医療現場の描写のリアリティと、ミステリーとしての面白さを両立させた意欲作といえるでしょう。
第36位:氷菓(米澤穂信)
『氷菓』は米澤穂信のデビュー作で、「古典部シリーズ」の第1作目です。「省エネ」を地で行く高校生・折木奉太郎と、好奇心旺盛な千反田えるを中心とした古典部の活動を描いています。
33年前の文化祭で起きた事件の謎に挑む展開は、緊張感こそないものの知的好奇心を刺激します。青春小説としての魅力と、日常の謎を解く推理の面白さが絶妙にマッチした作品です。
第37位:どうしても生きてる(村田沙耶香)
『どうしても生きてる』は芥川賞作家・村田沙耶香によるミステリー小説です。主人公・京子はある時から「私はこの世にいないはず」と思うようになり、自分の存在証明のために奇妙な行動を取り始めます。
存在と不在、生と死の境界をテーマにした実験的な作品です。哲学的な問いかけと、ミステリー要素が融合した意欲作で、従来のミステリーの枠を超えた新たな読書体験を提供してくれます。
第38位:花束は毒(岩井圭也)
『花束は毒』は未来屋小説大賞受賞作で、戦慄のミステリーとして話題を呼びました。芳樹が幼少期から憧れていた家庭教師の真壁が脅迫されていることを知り、探偵に調査を依頼するところから物語が始まります。
複雑に絡み合う人間関係と、過去のいじめの記憶が現在に影を落とす様子が巧みに描かれています。背筋も凍るようなラストは、多くの読者に衝撃を与えた傑作です。
第39位:爆弾(呉勝浩)
『爆弾』はこのミステリーがすごい!2023年版で1位を獲得した話題作です。「スズキタゴサク」を名乗る男が警察に連行された直後、彼の予言通りに爆発が起きるという衝撃的な展開から物語が始まります。
予測不能な展開と、警察と犯人のかけひきは息詰まる緊張感をもたらします。社会への問題提起も含んだ重層的なテーマ性と、エンターテインメントとしての完成度の高さが高く評価されています。
第40位:向日葵の咲かない夏(道尾秀介)
『向日葵の咲かない夏』は小学生の少年が主人公の青春ミステリーです。クラスメイトの自殺現場を目撃した少年が、その後消えた死体の謎を妹と共に追いかけるという物語です。
ミステリーとホラー、ファンタジーの要素が絶妙に融合した独特の世界観が魅力です。少年少女の視点で描かれる夏休みの冒険は、ノスタルジックでありながらも不気味な雰囲気を醸し出しています。
編集部からひとこと
推理小説の醍醐味は、作家と読者の知的な駆け引きにあります。伏線を見逃さず、真犯人を見破れたときの達成感は格別です!
初心者の方には『容疑者Xの献身』や『謎解きはディナーのあとで』などの読みやすい作品から始めることをおすすめします。慣れてきたら『十角館の殺人』や『白夜行』など、より複雑な展開の作品に挑戦してみてください。
ミステリー小説の世界は無限に広がっています。この記事をきっかけに、あなたのお気に入りの一冊が見つかることを願っています!