【2025年最新】短編集おすすめ5選！スキマ時間に極上の物語を

短編集の魅力とは？

忙しい毎日の中で、まとまった読書時間を確保するのは難しいと感じていませんか？そんなあなたにこそおすすめしたいのが「短編集」です。短編集には、長編小説とはまた違った魅力がたくさん詰まっています。

• スキマ時間に読める手軽さ：1話が短いので、通勤時間や寝る前のちょっとした時間で気軽に読み切れます。
• 一冊で多様な世界観：収録された作品ごとに異なる物語やテーマに触れられ、まるで文学のフルコースを味わうようなお得感があります。
• 作家の新たな一面を発見：ひとりの作家が持つ多彩な作風や実験的な試みに出会えることも、短編集ならではの楽しみです。

この記事では、小説専門メディア『小説ヨミタイ』の編集長であるわたしが、絶対に読んでほしい珠玉の短編集を5作品厳選してご紹介します。きっと、あなたの心に残る一冊が見つかるはずです。

【2025年最新】おすすめの短編集5選

『カブトムシ』村田沙耶香

「普通」とは何か、「正常」とは何か。現代社会に潜む同調圧力や常識の歪みを、独特の世界観で描き出す村田沙耶香さんの短編集です。表題作『カブトムシ』では、ある日突然カブトムシになった夫と、それを受け入れる妻の奇妙な日常が淡々と描かれます。不気味なのにどこかユーモラスで、読後は頭の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられるような感覚に。村田ワールドの真骨頂を味わえる一冊です。

著者	村田沙耶香
出版社	新潮社
発表年	2024年

『息吹』テッド・チャン

緻密な科学的知見と、深遠な哲学的問いを融合させたSF短編集の金字塔。タイムトラベル、AI、異次元といったテーマを扱いながらも、物語の中心には常に「人間とは何か」という普遍的な問いが横たわっています。どの作品も驚きと感動に満ちており、読後は世界を見る目が少しだけ変わるはず。知的好奇心を刺激されたい、骨太な物語を読みたいという方に全力でおすすめします。

著者	テッド・チャン
訳者	大森望
出版社	早川書房
発表年	2019年

『ナインストーリーズ』J・D・サリンジャー

『ライ麦畑でつかまえて』で知られるサリンジャーによる、9つの物語が収められた短編集。何気ない会話や風景の中に、登場人物たちの繊細な心の機微や孤独、そして一瞬のきらめきを見事に描き出しています。特に有名な『バナナフィッシュにうってつけの日』は、その衝撃的な結末と切ない余韻で多くの読者を魅了し続けてきました。時代を超えて愛される、色褪せない魅力を持った一冊です。

著者	J・D・サリンジャー
訳者	野崎孝
出版社	新潮社
発表年	1953年

『夜市』恒川光太郎

美しくもどこか恐ろしい、幻想的な世界観が魅力のホラーファンタジー。表題作『夜市』は、欲しいものが何でも手に入る代わりに、何かを売り渡さなければならない不思議な市場が舞台です。一度足を踏み入れたら、もう元の世界には戻れないかもしれない。そんな妖しい魅力と背筋が凍るような恐怖が同居する物語は、読者を一気に引き込みます。夏の夜に読むのにぴったりの、奇妙で忘れられない読書体験を約束します。

著者	恒川光太郎
出版社	KADOKAWA
発表年	2005年

『紙の動物園』ケン・リュウ

ヒューゴー賞、ネビュラ賞、世界幻想文学大賞という史上初の三冠を達成した表題作を収録した、現代SFを代表する傑作短編集。母が息を吹き込むと命を宿す折り紙の動物たち。その魔法を通して描かれる、文化の断絶と家族の愛の物語は、涙なしには読めません。SFというジャンルを超えて、すべての人の心を揺さぶる感動的な物語がここにあります。

著者	ケン・リュウ
訳者	古沢嘉通
出版社	早川書房
発表年	2015年

まとめ

今回は、ジャンルも国も様々な5つの短編集をご紹介しました。気になる作品は見つかりましたか？

短編集は、新しい作家や未知のジャンルへの扉を開けてくれる最高のきっかけになります。一冊の中に詰まった多様な物語の世界を旅して、あなたの読書ライフをさらに豊かなものにしてくださいね。