【2025年最新】タイムリープ小説のおすすめランキングTOP39

はじめに：時を超えるタイムリープ小説の魅力

「もしも、あの時に戻れたら…」誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。タイムリープ小説は、そんな願いを叶えてくれる、時を超える物語です。主人公が過去に戻って失敗をやり直したり、未来を変えるために奮闘したりと、その物語は私たちを非日常の世界へと誘ってくれます。

タイムリープという言葉は、筒井康隆の小説『時をかける少女』で登場した和製英語です。SF、ミステリー、恋愛など、様々なジャンルと融合し、同じ時間を繰り返す中で成長していく主人公の姿は、多くの読者の心を掴んで離しません。この記事では、そんな魅力あふれるタイムリープ小説をご紹介します。

タイムリープ小説のおすすめランキングTOP39

ここからは、小説ヨミタイ編集部が厳選した、おすすめのタイムリープ小説をランキング形式でご紹介します。

不朽の名作から、映像化された話題作、ライトノベルまで、様々なジャンルの作品がランクイン！あなたの心に響く一冊がきっと見つかるはずです。それでは、早速見ていきましょう。

1位: 『時をかける少女』 筒井康隆

タイムリープ小説の金字塔といえば、やはり筒井康隆の『時をかける少女』は外せません。1965年の発表以来、何度も映画やアニメ、ドラマ化され、世代を超えて愛され続けている不朽の名作です。

主人公は、理科室でのある出来事をきっかけに、時間を飛び越える能力を手に入れた中学3年生の芳山和子。最初は些細なことに能力を使っていた彼女ですが、やがてその能力がもたらす大きな運命に巻き込まれていきます。甘酸っぱくも切ない青春物語は、多くの読者の心を掴んで離しません。

2位: 『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン

SF界の巨匠ロバート・A・ハインラインによる、1956年に発表された古典的名作です。厳密にはタイムリープとは少し異なりますが、時間SFの傑作として世界中のSFファンに愛されています。

主人公の発明家ダニエルは、婚約者と親友に裏切られ、冷凍睡眠させられてしまいます。30年後の未来で目覚めた彼は、愛猫ピートとともに失われたものを取り戻すため、過去へと繋がる「夏への扉」を探す壮大な物語です。どんな逆境にも負けない主人公の姿と、見事な伏線回収が光る、読後感の良い一冊です。

3位: 『七回死んだ男』 西澤保彦

特殊設定ミステリーの名手、西澤保彦による傑作SFミステリーです。「同じ一日を9回繰り返す」という特異体質を持つ主人公が、祖父殺しの犯人を探すために奮闘します。

主人公の久太郎は、自分の意思とは関係なく「反復落とし穴」と呼ばれるループ現象に陥ってしまう体質の持ち主です。ループするたびに新たな事実が判明し、事態はどんどん複雑になっていきます。タイムリープというSF的な設定を本格ミステリーのロジックに完璧に落とし込んだ構成力は圧巻の一言。驚きの結末に、あなたもきっと唸るはずです。

4位: 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾

人気作家、東野圭吾が描く、時を超えた手紙が繋ぐ心温まるファンタジーミステリーです。2012年に刊行され、映画化もされました。

悪事を働いた3人組が逃げ込んだのは、かつて悩み相談で有名だった「ナミヤ雑貨店」。シャッターの郵便受けに投げ込まれた一通の手紙は、なんと32年前に書かれたものでした。過去と現在が手紙で繋がり、雑貨店を訪れる人々の運命が交錯していく様子が描かれます。心温まる奇蹟の物語に、読み終えた後、優しい気持ちになれる一冊です。

5位: 『リプレイ』 ケン・グリムウッド

43歳で心臓発作により死亡した主人公が、18歳の自分の肉体に戻り、記憶を持ったまま人生をやり直す物語です。1987年に発表され、1988年に世界幻想文学大賞を受賞しました。

25年分の未来の記憶を持つ主人公は、その知識を活かして億万長者になりますが、やがて虚しさを感じ始めます。彼は何度も人生を「リプレイ」する中で、自分と同じように人生を繰り返す「リプレイヤー」の存在を知り、人生の意味を問い直していきます。「もし人生をやり直せたら？」という普遍的なテーマを深く掘り下げた、大人向けのタイムリープ小説です。

6位: 『蒲生邸事件』 宮部みゆき

日本SF大賞を受賞し、直木賞候補にもなった宮部みゆきの傑作で、歴史ミステリーとSFが融合した作品です。主人公の受験生・尾崎孝史は、宿泊していたホテルで火災に巻き込まれ、謎の男によって昭和11年（1936年）の東京へとタイムスリップしてしまいます。

彼がタイムスリップしたのは、まさに二・二六事件が勃発する日でした。歴史の大きな渦に巻き込まれながら、孝史は事件の裏に隠された謎と、自分を過去へ連れてきた男の目的を探ります。緻密な時代描写と、先の読めないミステリー展開が魅力の一冊です。

7位: 『流星ワゴン』 重松清

人生に絶望した主人公が、亡くなったはずの父子が運転する不思議なワゴンカーに乗り、過去の大切な場所を巡る旅に出る物語です。2002年に刊行され、テレビドラマ化もされました。

リストラされ、妻と子にも見放された主人公・永田一雄。死を決意した彼の前に現れたのは、5年前に亡くなった橋本父子が乗る「流星ワゴン」でした。過去に戻り、人生の分岐点を追体験する中で、一雄は家族との絆や後悔と向き合っていきます。心温まる感動を呼び、家族の大切さを再認識させてくれる作品です。

8位: 『All You Need Is Kill』 桜坂洋

日本のライトノベルが原作で、トム・クルーズ主演のハリウッド映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(原題『Edge of Tomorrow』)の原作としても知られるSFアクションです。

舞台は、異星人が地球を侵略する近未来。主人公のキリヤ・ケイジは、初出撃であっけなく戦死しますが、なぜか出撃前に時間が戻るループに囚われてしまいます。同じ一日を何度も繰り返し、死と再生を重ねる中で、彼は最強の兵士へと成長していきます。圧倒的な絶望感と、それを乗り越えようとする主人公の熱い戦いが魅力です。

9位: 『リピート』 乾くるみ

『イニシエーション・ラブ』で知られる乾くるみによる、タイムリープを題材にしたミステリー小説です。「10ヶ月前の過去に戻れる」という不思議な現象「リピート」に参加した10人の男女が、次々と不可解な出来事に巻き込まれていきます。

過去に戻って人生をやり直そうとする参加者たち。しかし、彼らの運命は少しずつ狂い始め、予想外の危機が訪れます。タイムリープの設定が巧みに使われたサスペンスフルな展開に、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしの一冊です。

10位: 『地下鉄(メトロ)に乗って』 浅田次郎

吉川英治文学新人賞を受賞した浅田次郎の代表作の一つで、映画化もされた感動的な物語です。主人公の小沼真次は、ある日、地下鉄の通路で亡き父の姿を見かけ、後を追ううちに昭和39年の東京へとタイムスリップしてしまいます。

過去の世界で若き日の父や、知らなかった家族の姿に触れることで、真次はこれまで憎んでいた父への想いを変化させていきます。過去と現在を行き来しながら、家族の愛と絆を描いた、涙なくしては読めないヒューマンドラマです。

11位: 『マイナス・ゼロ』 広瀬正

1970年に刊行された、日本のタイムトラベルSFの草分け的存在ともいえる作品です。主人公の浜田俊夫は、18年前に死んだはずの隣人の娘が、当時の姿のままタイムマシンで現れるという不思議な出来事に遭遇します。

俊夫は彼女との交流を通じて未来の出来事を知り、やがて自らもタイムトラベルを経験することになります。過去と未来が複雑に絡み合い、切ない運命を描いた物語は、刊行から半世紀以上経った今でも多くの読者を魅了し続けています。緻密なプロットと叙情的な文体が特徴です。

12位: 『タイム・リープ あしたはきのう』 高畑京一郎

「意識だけが過去の自分に乗り移る」という、後の作品に大きな影響を与えたタイムリープの定義を明確に示した画期的な作品です。1995年に刊行され、ドラマ化や映画化もされました。

主人公の女子高生・鹿島翔香は、ある日突然、昨日の自分に意識が戻ってしまう「タイム・リープ」に巻き込まれます。最初は戸惑う彼女ですが、やがてその現象の裏に隠された大きな謎に気づき、解決のために奔走します。スリリングな展開と論理的な謎解きが楽しめる、SFミステリーの傑作です。

13位: 『僕だけがいない街』 三部けい

漫画が原作で、アニメ化、実写映画化もされた大ヒットミステリーです。売れない漫画家の藤沼悟は、悪いことが起きる直前に時間が巻き戻る「リバイバル」という能力を持っています。

ある日、母親が殺害された事件をきっかけに、悟の意識は18年前の小学生時代へと大きくリバイバルします。彼は母親を救うため、そして当時起きた連続児童誘拐事件の真相を突き止めるため、過去の改変に挑みます。サスペンスフルな展開と、仲間との友情、家族愛が描かれた感動的な物語です。

14位: 『コーヒーが冷めないうちに』 川口俊和

「過去に戻れる喫茶店」を舞台にした、4つの心温まる物語が収録された連作短編集です。2015年に刊行され、本屋大賞にもノミネート、映画化もされました。

この喫茶店には、「過去に戻っても現実は変わらない」「コーヒーが冷めるまでの短い時間しかいられない」など、いくつかのルールがあります。それでも過去に戻りたいと願う人々が、後悔と向き合い、未来への一歩を踏み出す姿を描いています。優しさと感動に包まれた、涙なしには読めない一冊です。

15位: 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』 汐見夏衛

現代の女子高生が1945年の戦時中の日本にタイムスリップしてしまう、切ないラブストーリーです。TikTokで話題となり、2023年には映画化もされました。

親や学校に不満を抱える主人公の加納百合は、ある日、防空壕で目を覚ますと、そこは戦争末期の日本でした。そこで出会った特攻隊員の佐久間彰と恋に落ちますが、彼には「出撃」という過酷な運命が待ち受けていました。戦争の悲惨さと、その中で懸命に生きる人々の姿、そして二人の切ない恋模様が描かれています。

16位: 『時生』 東野圭吾

不治の病を患う息子・時生が、父親の若い頃にタイムスリップし、共に時間を過ごすという異色の設定で描かれる感動の物語です。

主人公・宮本拓実の前に、未来から来たと名乗る「トキオ」という青年が現れます。彼は、拓実の息子だと告げ、拓実の過去の謎を解き明かす手助けをします。未来の息子との奇妙な共同生活を通して、拓実は人生や家族と向き合い成長していきます。東野圭吾作品の中でも、特に温かい感動を呼ぶ一冊として人気です。

17位: 『ターン』 北村薫

ある日突然、自分以外の誰もいない世界に迷い込んでしまった主人公が、同じ一日を繰り返すループに囚われる物語です。北村薫の「時と人三部作」の一つに数えられます。

主人公の真希は、交通事故に遭った瞬間、誰もいない静寂の世界で目覚めます。孤独と絶望の中で同じ一日を繰り返す彼女のもとに、ある日一本の電話がかかってきます。静かで淡々とした筆致で、極限状況における人間の心理が巧みに描かれており、読後は不思議な余韻に包まれます。

18位: 『スキップ』 北村薫

『ターン』『リセット』と並ぶ、北村薫の「時と人三部作」の一作です。こちらは、17歳の女子高生・真理子が、階段から落ちた衝撃で25年後の42歳の自分へと、心だけがタイムスリップしてしまう物語です。

突然、失われた25年間の記憶。知らない間に結婚し、子供もいる現実に戸惑いながらも、真理子は「42歳の自分」として生きようと奮闘します。失われた時間への切なさと、それでも前を向いて生きていこうとする主人公の姿が、瑞々しく描かれています。

19位: 『青天の霹靂』 劇団ひとり

お笑い芸人である劇団ひとりが書き下ろした小説で、自身が監督・主演を務め映画化もされました。売れないマジシャンの主人公が、昭和48年の浅草にタイムスリップし、若き日の両親と出会う物語です。

人生に希望を失っていた主人公・晴夫は、過去の世界でマジシャンとして奮闘する父と、自分を身ごもりながらも明るく生きる母の姿に触れます。両親の秘密や自分自身の出生の謎を知り、晴夫は人生を見つめ直していきます。笑いと涙の中に、温かい親子愛が描かれた感動作です。

20位: 『果しなき流れの果に』 小松左京

日本SF界の巨匠・小松左京による、壮大なスケールで描かれた時間SFの傑作です。数億年の時空を超えた人類の戦いと進化を描いています。

砂の中から発見された古代の遺物。それは、未来の出来事を予知するものでした。過去、現在、未来が複雑に交錯し、壮大なスケールの物語が展開されます。難解ながらも、読者を圧倒的な世界観に引き込む力を持つ作品です。

21位: 『リライト』 法条遙

タイムリープ能力を持つ主人公が、幼なじみの死の真相を追うSFミステリーです。第17回スニーカー大賞で《大賞》を受賞したデビュー作で、複雑な伏線と衝撃の結末が話題を呼びました。

主人公・保彦は、時間を巻き戻す「リライト」の能力を持っています。彼は、謎の死を遂げた幼なじみ・みちるを救うため、何度も過去をやり直します。しかし、過去を書き換えるたびに、事態は思わぬ方向へと変化していきます。切ない青春物語と、緻密に計算されたミステリーが見事に融合した一冊です。

22位: 『空ろの箱と零のマリア』 御影瑛路

ライトノベルの中でも特に高い評価を得ている、ループものの傑作です。「どんな願いも叶える」という謎の「箱」を巡り、高校生たちが壮絶なデスゲームに巻き込まれていきます。

主人公・星野一馬のクラスに転校してきた謎の美少女・音無麻理亜。彼女は「私はお前を壊しに来た」と告げます。その日から、同じ一日が何度も繰り返される「拒絶の教室」が始まりました。閉鎖された空間で繰り広げられる頭脳戦と心理戦は、読者を物語に引き込みます。グロテスクな描写も含まれるため、読む人を選ぶ作品でもあります。

23位: 『サクラダリセット』 河野裕

特殊能力を持つ少年少女たちが暮らす街「咲良田（サクラダ）」を舞台にした、青春SFミステリーです。アニメ化、実写映画化もされました。

主人公の浅井ケイは、記憶を完全に保持する「記憶保持」能力を持っています。そして、彼のパートナーである春埼美空は、世界を最大3日分巻き戻す「リセット」の能力者です。二人の能力を組み合わせることで、彼らは街で起こる様々な事件を解決に導きます。独特の静かな雰囲気と、哲学的な会話劇が魅力のシリーズ作品です。

24位: 『僕が愛したすべての君へ / 君を愛したひとりの僕へ』 乙野四方字

「読む順番で結末が変わる」という斬新なコンセプトで話題となった、2冊で1つの物語を構成するSF恋愛小説です。2022年には2作同時アニメ映画化もされました。

人々が日常的に異なる並行世界（パラレルワールド）へ移行する世界が舞台。それぞれの物語は、主人公の少年がある選択をした後の、二つの異なる人生を描いています。どちらから読むかによって、物語の印象や感動が大きく変わる仕掛けになっており、切ない恋の物語が読者の心を揺さぶります。

25位: 『また、同じ夢を見ていた』 住野よる

『君の膵臓をたべたい』の著者、住野よるによる感動的な物語です。主人公は、おませな小学生の女の子・小柳奈ノ花。彼女が、手首に傷のある「リストカットの女の人」や、優しいおばあちゃんとの交流を通して成長していく姿を描きます。

厳密なタイムリープものではありませんが、物語の終盤で明かされるタイトルの意味と、奈ノ花の見る「夢」の正体には、時間SF的な仕掛けが隠されています。「幸せとは何か」という普遍的なテーマを、少女の視点から優しく問いかける、心温まる一冊です。

26位: 『いなくなれ、群青』 河野裕

『サクラダリセット』の河野裕が描く、ミステリアスな青春ファンタジー小説で、「階段島」シリーズの第1作目です。実写映画化もされました。

捨てられた人々がたどり着く謎の島「階段島」。主人公の七草は、この島で幼なじみの真辺由宇と再会します。悲観主義者の七草と、理想を追い求める真辺。二人は島の謎と、そこに隠された自分たちの過去に向き合っていきます。タイムリープ要素は直接的ではありませんが、閉鎖された空間と失われた記憶という設定が、ループものに通じる魅力を放っています。

27位: 『幻告』 五十嵐律人

『法廷遊戯』で知られる五十嵐律人による、法律とタイムリープを組み合わせた異色の法廷ミステリーです。主人公は、タイムリープ能力を持つ弁護士・宇久井傑。

彼は、ある殺人事件の被告人を救うため、評決が下されるまでの4日間を何度も繰り返します。ループするたびに新たな証拠や証言が現れ、事件の様相は二転三転。法廷という密室で繰り広げられる論理戦と、タイムリープのギミックが融合した、新感覚のミステリーです。

28位: 『時空旅行者の砂時計』 方丈貴恵

タイムトラベルと本格ミステリーを融合させた「竜泉家の一族」シリーズの第2作目です。前作を読んでいなくても楽しめますが、読むとより深く味わえます。

主人公の加茂冬馬は、過去に5分間だけ戻れる「リピート」能力を持っています。彼は、雪に閉ざされた山荘で起きた連続殺人事件の謎を解くため、タイムトラベル能力を持つ探偵と共に過去へと飛びます。過去改変によるパラドックスなど、時間SFならではの複雑なルールが、本格ミステリーの謎解きに深みを与えています。

29位: 『スターティング・オーヴァー』 三秋縋

ウェブ上で絶大な支持を得た作家・三秋縋（ウェブ上での名義は「げんふうけい」）のデビュー作です。人生をリセットできる「リセットボタン」を手に入れた青年の物語。

何をやってもうまくいかない主人公は、10年前に戻れる「リセットボタン」を押します。しかし、やり直した人生もまた、うまくいきません。彼は何度も人生をリセットするうちに、その代償の大きさに気づいていきます。人生のほろ苦さや切なさを描きつつも、読後に希望を感じさせてくれる作品です。

30位: 『二度めの夏、二度と会えない君』 赤城大空

不治の病を患う転校生との、一度きりの夏を描いた切ない青春ラブストーリーです。アニメ映画化もされました。

主人公の篠原智は、転校生の森山燐とバンドを組み、文化祭でライブを成功させます。しかしその直後、燐は亡くなってしまいます。後悔に苛まれる智が目を覚ますと、時間は文化祭の前に巻き戻っていました。彼は、今度こそ燐を笑顔にするために、自分の想いを隠して「二度めの夏」をやり直します。切ない恋と友情が描かれた、感動的な物語です。

31位: 『神はサイコロを振らない』 大石英司

10年前に消息を絶った旅客機が、乗員乗客全員が当時の姿のまま現代に帰還するという、壮大な設定で描かれるSFヒューマンドラマです。テレビドラマ化もされました。

宮古島沖に突如現れた、10年前に失踪したはずの402便。乗っていた人々は、失われた10年という現実に直面し、残された家族との間で様々なドラマが生まれます。タイムスリップという非日常的な出来事をきっかけに、家族の絆や愛、そして人間の生と死が深く描かれています。

32位: 『終りに見た街』 山田太一

数々の名作ドラマを手掛けた脚本家・山田太一による小説です。ある日、劇団員たちが稽古中に、昭和20年（1945年）の東京大空襲の直前の時代へとタイムスリップしてしまう物語。

現代の若者たちが、戦争という過酷な現実を目の当たりにし、そこで生きる人々と交流する中で、何を感じ、どう行動するのかを描いています。戦争の悲惨さと、平和の尊さを静かに、しかし力強く訴えかける作品です。

33位: 『秋の牢獄』 恒川光太郎

ホラー小説の名手・恒川光太郎による、奇妙で美しい世界観が魅力の作品です。表題作「秋の牢獄」は、ある大学の寮で、11月7日の一日が永遠に繰り返されるループに囚われた学生たちの物語です。

終わらない一日の中で、学生たちの人間関係や精神は少しずつ変化していきます。ループから脱出することはできるのか。幻想的でありながら、どこか不気味な雰囲気が漂う独特の世界観に引き込まれます。ホラーや不思議な物語が好きな方におすすめです。

34位: 『酔歩する男』 小林泰三

奇想天外なアイデアで知られるSF作家・小林泰三の短編集です。表題作「酔歩する男」は、時間の流れを認識できなくなった男の物語。

主人公は、時間の流れをバラバラにしか体験できず、過去と未来をランダムに行き来してしまいます。まるで酔っ払いが千鳥足で歩くように、時間を不規則に「酔歩」する彼の視点から描かれる世界は、非常にユニークで哲学的です。時間とは何か、意識とは何かを考えさせられる、SFファン必読の一冊です。

35位: 『リセット』 垣谷美雨

人生に不満を抱える3人の主婦が、高校時代にタイムスリップし、人生をやり直すチャンスを得る物語です。「もしあの頃に戻れたら、違う人生を歩んでいたはず」と願う彼女たちが、二度目の青春で何を選択し、何を得るのかを描きます。

過去に戻ったことで、忘れていた夢や、見えていなかった現実に気づいていく主人公たち。コミカルなタッチで描かれながらも、人生の選択や家族のあり方について考えさせられる、爽やかな読後感の作品です。

36位: 『名前探しの放課後』 辻村深月

ある高校のクラスメイトたちが、自殺した同級生を救うために、同じ一日を繰り返すタイムリープに挑む青春ミステリーです。

主人公たちは、なぜ彼が死を選んだのか、その理由を探るために過去をやり直します。しかし、ループするたびに、知らなかったクラスメイトたちの悩みや秘密が明らかになっていきます。思春期特有の繊細な心の動きを丁寧に描きながら、友情や命の重さを問いかける、感動的な物語です。

37位: 『タイムマシン』 H・G・ウェルズ

1895年に発表された、タイムトラベルという概念を世に広めたSF小説の古典中の古典です。この作品なくして、後のタイムトラベル作品は語れません。

主人公の発明家が、自ら開発したタイムマシンに乗り込み、はるか未来の世界へと旅立ちます。彼が西暦80万2701年で見たのは、地上で暮らす美しくも無気力な種族「エロイ」と、地下で機械を操り彼らを支配する恐ろしい種族「モーロック」に分化した、人類の末裔の姿でした。社会風刺の要素も含まれた、SFの原点ともいえる作品です。

38位: 『君の名残を』 浅倉卓弥

現代の高校生たちが平安時代末期にタイムスリップしてしまう、歴史エンターテインメント小説です。幼なじみの高校生3人が、雨の日に突然、源平合戦の時代の京都へと飛ばされてしまいます。

彼らは、歴史上の人物である源義経や武蔵坊弁慶らと出会い、動乱の時代を生き抜いていきます。現代の知識や価値観を持つ彼らが、過去の世界でどう奮闘するのか。壮大な歴史ロマンと、時を超えた友情や恋愛が描かれています。

39位: 『どこよりも遠い場所にいる君へ』 阿部暁子

7年後の未来から届く手紙をきっかけに、時を超えた恋が始まる切ないラブストーリーです。ミステリー要素も巧みに織り交ぜられています。

主人公のアパートに届く、見知らぬ女性「ミツリ」からの手紙。その手紙を頼りに彼女を探し始めた主人公は、やがて衝撃の事実にたどり着きます。時を超えて繋がる二人の想いが、優しく胸に響く一冊です。

まとめ：お気に入りのタイムリープ小説を見つけよう

ここまで、おすすめのタイムリープ小説を39作品、ランキング形式でご紹介してきました。気になる作品は見つかりましたか？

SF、ミステリー、恋愛、ヒューマンドラマまで、一口にタイムリープ小説といってもその魅力は様々です。ぜひこの機会に、時を超える物語の世界に飛び込んで、あなただけのお気に入りの一冊を見つけてみてくださいね。