皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
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皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
コルソン・ホワイトヘッドは、1969年ニューヨーク生まれの現代アメリカ文学を代表する作家のひとり。ハーバード大学を卒業後、ジャーナリストとしての活動を経て、1999年に作家デビューを果たしました。
彼の名を世界に轟かせたのが、2017年の『地下鉄道』と2020年の『ニッケル・ボーイズ』による、2度のピュリッツァー賞フィクション部門受賞です。この偉業はウィリアム・フォークナーなど過去に3人しかおらず、ホワイトヘッドは史上4人目の快挙。彼の作品は、アメリカの歴史や人種問題を鋭い視点と独創的な手法で描き、世界中の読者と批評家から高く評価されています。
数々の傑作を生み出してきたコルソン・ホワイトヘッド。その中でも特に評価が高く、彼の魅力を知る上で欠かせない3作品をランキング形式でご紹介します。
どの作品もアメリカ社会が抱える根深い問題に光を当てつつ、読者を惹きつけてやまない強力な物語性を備えています。これから紹介する3冊は、いずれも彼の代表作であり、現代アメリカ文学の最前線を知るための必読書と言えるでしょう。
堂々のランキング1位は、2017年にピュリッツァー賞を受賞した『地下鉄道』。物語の舞台は19世紀アメリカ、ジョージア州のプランテーションで奴隷として生きる少女コーラが、自由を求めて北部を目指す逃亡の旅を描きます。
本作最大の特徴は、史実では逃亡奴隷を支援した秘密結社の通称だった「地下鉄道」を、本当に地下を走る蒸気機関車として描いた点。この大胆なファンタジー設定が、奴隷制度の過酷な現実を浮き彫りにしつつ、スリリングな冒険小説としても楽しめる傑作たらしめています。主な受賞歴は以下の通りです。
史実とファンタジーの融合がすごすぎるよ。コーラの旅を思うと、胸が締め付けられる…。
2位は、ホワイトヘッドに2度目のピュリッツァー賞をもたらした『ニッケル・ボーイズ』。この小説は、1960年代のフロリダ州に実在した少年矯正施設「ドジャー校」での虐待事件をモデルにしています。
公民権運動に希望を抱く優等生の黒人少年エルウッドは、無実の罪で「ニッケル学院」という名の施設へ送られます。そこで彼が目の当たりにしたのは、暴力と差別が支配する地獄のような現実でした。『地下鉄道』の幻想的な作風とは対照的に、徹底したリアリズムでアメリカ社会の暗部を冷徹に描き出した一作です。
本作における、事実を淡々と積み重ねていく無機質な語り口からは、作者の告発への強い意志を感じざるを得ない。
3位は、これまでの作風から一転、エンターテイメント性の高い『ハーレム・シャッフル』がランクイン。1950年代から60年代のニューヨーク・ハーレムを舞台にした、極上の犯罪小説です。
主人公は、表向きは実直な家具店の店主、裏では盗品をさばく二重生活を送るレイ・カーニー。次々と厄介な事件に巻き込まれるカーニーの姿を、ユーモアを交えながらスリリングに描きます。社会派なテーマを内包しつつ、家族小説やクライムノベルとしての面白さも兼ね備えた、ホワイトヘッドの新たな魅力が詰まった一冊。「ハーレム三部作」の第一作であり、続編にも期待が高まります。
カーニーの二重生活にハラハラドキドキ! 60年代ハーレムの雰囲気が最高におしゃれなんだよ。
ここまで3作品を紹介してきましたが、どれから読むか迷ったら、まずはランキング1位の『地下鉄道』を手に取ってみてください。ピュリッツァー賞や全米図書賞といった主要文学賞を総なめにし、ホワイトヘッドの名を世界に知らしめた金字塔的な一作です。
史実とファンタジーを融合させるという独創的なアイデアと、読者を惹きつけて離さない物語の力は、まさに圧巻の一言。コルソン・ホワイトヘッドという作家のすごみと、彼が描き出す世界の奥深さを知るため、最初の一冊としてこれ以上ない作品と言えるでしょう。