皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
パティ・スミスは、「パンクの女王」や「パンク・ロックの詩人」と称される、アメリカのシンガーソングライターであり、詩人です。1970年代のニューヨーク・パンクシーンを牽引した存在として、音楽史にその名を刻んでいます。彼女の魅力は、音楽だけにとどまりません。
もともと詩人としてキャリアをスタートさせたパティ・スミスは、文学とロックミュージックを融合させた独自のスタイルで知られています。詩の朗読にギター演奏を乗せるパフォーマンスから活動を始め、1975年に発表したデビューアルバム『ホーセス』は今なお名盤として語り継がれています。彼女の作品は、音楽ファンだけでなく、文学を愛する人々からも熱い支持を集めているのです。
ミュージシャンとしてだけでなく、文筆家としても才能を発揮するパティ・スミス。彼女が紡ぐ言葉は、詩的でありながら力強く、多くの読者を魅了し続けています。その作品群は、自伝的要素を含みつつも、まるで一つの物語のように私たちの心に響きます。
今回は、そんなパティ・スミスの数ある著作の中から、小説ヨミタイ編集部が「これだけは読んでほしい!」と厳選した3作品をランキング形式でご紹介します。彼女の文学の世界への入り口として、ぜひ手に取ってみてください。
パティ・スミスの名を文芸界に轟かせた代表作が、2010年に全米図書賞を受賞した『ジャスト・キッズ』です。この作品は、若き日のパティと、のちに世界的な写真家となるロバート・メイプルソープとの出会いから別れまでを描いた、感動的な青春回想録となっています。
物語は1967年の夏、パティが20歳でニューヨークにやってきて、ロバートと運命的に出会う場面から始まります。まだ何者でもなかった二人が、貧しいながらも互いを支え合い、アーティストとして共に成長していく姿が、瑞々しい文章で綴られています。アンディ・ウォーホルやジャニス・ジョプリンなど、当時のカルチャーシーンを彩った人物たちとの交流も描かれ、60〜70年代のニューヨークの熱気を追体験できる一冊です。
二人の純粋な魂の繋がりに涙が止まらなかったよ。これは芸術への愛と献身の物語なんだ。
『ジャスト・キッズ』で過去を鮮やかに描き出したパティ・スミスが、現在の思索を綴ったのが『Mトレイン』です。本書は彼女の心の中を巡る旅を描いた、詩的で瞑想的な一冊となっています。物語は、彼女がなじみのカフェでコーヒーを飲む日常の風景から始まります。
夢と現実、過去と現在が交錯する幻想的な文章で、亡き夫フレッド・ソニック・スミスへの想いや、旅の記憶、愛する本や作家たちについてが断片的に語られます。全編を通して流れるのは、喪失と追憶、そして静かな生への眼差しです。日本を旅した際の思い出も綴られており、彼女のプライベートな一面に触れることができます。
この本を読んでると不思議とコーヒーが飲みたくなるんだ。パティの心の中を一緒に旅してる気分になれるよ。
『Mトレイン』の続編とも位置づけられる回想録三部作の第三弾が『イヤー・オブ・ザ・モンキー』です。タイトルは本書の舞台である2016年の干支「申年」に由来しており、この一年間の彼女の旅の記録が綴られています。事実とフィクション、そして夢日記が融合したような、幻想的な作風が魅力です。
親しい友人たちの死や、変化していくアメリカの社会情勢などを背景に、夢と現実の境界をさまようような思索の旅が描かれます。喪失感を抱えながらも、未来への希望を静かに見出そうとするパティ・スミスの姿が印象的です。これまでの作品とはまた一味違った、不思議な読書体験があなたを待っています。
なんだか不思議な夢を見ている気分になるよ。現実と夢の境目がわからなくなる感じに惹きつけられちゃうんだ。
回想録で知られるパティ・スミスですが、彼女の文学的キャリアの原点は「詩」にあります。ミュージシャンとしてデビューする以前から詩作を行い、その言葉は多くの人々を魅了してきました。彼女の詩の世界に触れることで、その表現の核心に近づくことができるでしょう。
代表的な詩集として挙げられるのが『バベル』や『無垢の予兆』です。特に『無垢の予兆』は、亡き夫や家族といった愛する人々への想いを綴った詩が収められており、彼女の優しくも力強い眼差しを感じることができます。回想録とはまた違った、凝縮された言葉の力に触れてみてはいかがでしょうか。