皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
「スチームパンク」という言葉を聞いたことはありますか? ファッションやイラスト、ゲームなど様々なカルチャーで人気のテーマですが、もともとは小説のジャンルから始まりました。SF(サイエンス・フィクション)のサブジャンルの一つで、蒸気機関が目覚ましい発展を遂げた19世紀の産業革命期ごろの世界観を舞台にしているのが特徴です。
歯車やゴーグル、飛行船といったアイテムが頻繁に登場し、ヴィクトリア朝時代のイギリスを彷彿とさせるレトロでアンティークな雰囲気が魅力です。「もし蒸気機関が現代まで発展し続けていたら?」という歴史改変ものの面白さと、どこかダークで幻想的な世界観が融合し、多くの読者を虜にしてきました。
ここからは、奥深いスチームパンクの世界へ足を踏み入れたいあなたに、おすすめの小説をランキング形式でご紹介します。スチームパンクという言葉を世に知らしめた記念碑的作品から、日本の作家が描く独創的な物語、そしてゾンビやミステリーといった他ジャンルと融合した刺激的な作品まで、幅広く選んでみました。
緻密に作り込まれた世界観にどっぷり浸れる作品ばかりです。蒸気と歯車が織りなす、ロマンあふれる冒険へ旅立つ準備はよろしいですか? あなたのお気に入りの一冊が、きっとこの中に見つかるはずです。
スチームパンクを語る上で絶対に外せないのが、この『ディファレンス・エンジン』です。サイバーパンクジャンルの旗手として知られるウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングによって執筆され、スチームパンクというジャンルを確立した金字塔的な作品です。
舞台は19世紀のロンドン。もしも、発明家チャールズ・バベッジの階差機関(ディファレンス・エンジン)が実用化され、蒸気機関による情報革命が起きていたら…という大胆な歴史改変を描いています。産業革命と情報革命が同時に進行する社会の混沌と陰謀を、緻密な世界観で描き出した傑作です。
サイバーパンクの巨匠が描く蒸気の世界ってだけでワクワクするよね。歴史の「もしも」を考えるのが楽しいんだ!
夭折した天才SF作家・伊藤計劃が遺した未完の原稿を、盟友である円城塔が引き継いで完成させた、奇跡の一作です。19世紀末、フランケンシュタインの技術によって死者を労働力として活用する「屍者」技術が普及したヨーロッパが舞台となっています。
主人公は、かの有名なジョン・H・ワトソン。彼は諜報員として、魂の再生技術の秘密が記された「ヴィクターの手記」を追い、世界中を駆け巡ります。スチームパンクのガジェット感と、生命倫理を問うゴシックホラー的なテーマが融合した、壮大で知的な冒険譚です。
死者を労働力にするっていう発想がすごい…。伊藤計劃さんの世界観はいつも心をえぐってくるんだよね。
「都市が都市を喰う」という衝撃的なキャッチコピーで知られる、壮大な冒険ファンタジーです。遠い未来、最終戦争で文明が崩壊した世界では、巨大なキャタピラをつけた都市が荒野を移動し、小さな都市を捕食することで資源を得ていました。
主人公は移動都市ロンドンに住む少年トムと、顔に傷を持つ謎の少女ヘスター。二人の出会いから始まる物語は、王道のボーイミーツガール活劇に胸が躍ります。圧倒的なスケールで描かれる世界観と、魅力的なキャラクターたちが織りなすドラマは、あなたを夢中にさせるでしょう。実写映画化もされた人気シリーズの第一作です。
都市が動いて他の都市を食べるなんて、発想が最高!王道の冒険小説として純粋に楽しめる作品だよ。
スチームパンクにファンタジーやホラーを融合させた「ニュー・ウィアード」というジャンルの代表作です。舞台は、魔法と蒸気科学が混在し、人間やサボテン人間、昆虫人間など多様な種族が暮らす巨大都市ニュー・クロブゾン。
異端の科学者である主人公の研究が、都市全体を揺るがす恐ろしい厄災を引き起こしてしまいます。非常に濃密で幻想的な世界観と、奇妙でグロテスクながらも魅力的なクリーチャーたちの描写は唯一無二。一度ハマると抜け出せない、強烈な読書体験があなたを待っているでしょう。
このごちゃ混ぜ感、たまらないな。ちょっとグロテスクだけど、一度ハマると抜け出せない魅力があるんだよね。
第一次世界大戦下のヨーロッパを舞台にした、歴史改変ファンタジーです。この世界では、蒸気機関などの機械技術を発展させたドイツを中心とする「クラッカー軍」と、遺伝子操作によって生物兵器を生み出したイギリスなどの「ダーウィニスト軍」が対立しています。
物語の主人公は、クラッカー軍であるオーストリア=ハンガリー帝国の皇子アレックと、ダーウィニスト軍の巨大な飛行戦艦に男装して乗り込む少女デリン。敵対する二人が出会い、共に困難を乗り越えていく冒険活劇は、胸が熱くなるでしょう。YA(ヤングアダルト)小説なので、読みやすいのも魅力です。
機械と生物、どっちのテクノロジーも魅力的だよね。敵同士の二人の関係がどうなるかハラハラしちゃう!
日本の本格ミステリ作家・芦辺拓が描く、スチームパンクとミステリーが融合した快作です。舞台は、蒸気機関が高度に発達した架空の帝都東京。蒸気自動車や飛行船が空を行き交うレトロフューチャーな街で、自称「世界で三番目の名探偵」を名乗る少女アニー・クラウンが活躍します。
活気あふれる帝都の雰囲気と、魅力的なキャラクター、そして本格ミステリならではのしっかりとした謎解きが楽しめる連作短編集です。日本の読者ならどこか懐かしさを感じる世界観で、スチームパンク入門としても最適な一冊です。
日本の帝都が舞台っていうのが良いよね。ミステリとしても面白いから、一粒で二度おいしい感じ!
スチームパンクにゾンビと西部劇の要素を大胆にミックスした、異色のエンターテイメント小説です。19世紀アメリカ、巨大掘削機「ボーンシェイカー」の暴走事故により、シアトルの街はゾンビ化ガスに汚染され、高い壁で隔離されてしまいます。
事故を起こした発明家の未亡人である主人公ブリジットは、壁の中に姿を消した息子を救うため、たった一人でゾンビが徘徊する死の街へと足を踏み入れます。スリル満点のサバイバルアクションと、困難に立ち向かう母の愛の物語が胸を打つでしょう。
スチームパンクとゾンビの融合は必然と言えよう。極限状況下で試される母性というテーマは、物語に普遍的な強度を与えている。
「もしも朝鮮王朝に蒸気機関が存在したら?」というユニークな設定のもと、韓国の作家たちが競作したアンソロジー(短編集)です。蒸気で動く牛車や空飛ぶ亀甲船、機械仕掛けの暗殺者など、西洋のスチームパンクとは一味違った、アジアならではの発想が光る作品群です。
朝鮮の歴史や文化をベースにしているため、非常に独創的で新鮮なスチームパンクの世界が広がっています。一冊で様々な作家の個性的な物語が楽しめるのも、アンソロジーならではの魅力です。
西洋風だけがスチームパンクじゃないんだね。朝鮮の歴史と蒸気機関の組み合わせが、すごく新鮮で面白いよ。
トカゲに似た知的生命体が支配する19世紀のロンドンを舞台にした、奇想天外なスチームパンク小説です。詩人である主人公オーファリアスは、恋人を爆弾テロで失い、その背後に隠された巨大な陰謀へと巻き込まれていきます。
自動人形(オートマタ)や飛行船といったスチームパンクらしいガジェットはもちろん、実在の文学作品や歴史上の人物を大胆に登場させるなど、遊び心にあふれています。シュールで幻想的な世界観は、他の作品では味わえない独特の読後感をもたらしてくれます。
トカゲが人間を支配する世界ってどういうこと!?設定が奇抜すぎて、逆に気になっちゃう作品だね。
「日本SFの父」と称される海野十三が、スチームパンクという言葉が生まれる遥か以前に執筆していた、まさに先駆的な作品です。長らく未発表でしたが、2013年に発見された原稿をもとに書籍化されました。
舞台は19世紀末のロンドン。日本人留学生の庄田が、名探偵と共に蒸気や電気を駆使した怪事件に挑む冒険活劇です。日本のSF黎明期の熱気と、古き良き探偵小説のロマンが詰まった一冊。歴史的価値もさることながら、純粋なエンターテイメントとしても楽しめます。
スチームパンクって言葉ができる前にこんな作品が書かれていたなんて驚きだよ。日本のSFの歴史を感じる一冊だね。
世界中で人気のYAファンタジー「シャドウハンター」シリーズの前日譚にあたる三部作の第一作です。舞台はヴィクトリア朝時代のロンドン。兄を探してアメリカから渡英した少女テッサは、悪魔を狩る一族「シャドウハンター」と出会い、自らの持つ不思議な能力に目覚めていきます。
ロンドンの裏社会で暗躍する謎の組織との戦いを描きながら、二人のシャドウハンターの少年との間で揺れ動く、甘く切ないロマンスも大きな魅力です。スチームパンクの雰囲気に、ファンタジーと少女漫画的な要素が加わり、ページをめくる手が止まらなくなるはずです。
戦うヒロインってかっこいいよね!恋の三角関係もあって、ドキドキしながら読めるのが最高なんだ。
ここまで11作品のスチームパンク小説をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。歴史のifを描く壮大な物語から、ミステリー、ホラー、ファンタジーと融合した作品まで、その世界観は非常に幅広く、奥深いことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
今回ご紹介したランキングを参考に、あなたが最も心惹かれる一冊をぜひ手に取ってみてください。蒸気と歯車、そして冒険とロマンに満ちたスチームパンクの世界が、あなたを待っています。この記事が、新たな物語との素敵な出会いのきっかけになれば編集長としてこれほど嬉しいことはありません。