小学5・6年生は読書の幅が大きく広がる時期です。この記事では、感性豊かなこの時期だからこそ出会ってほしい名作から話題の新作まで、厳選した30作品をランキング形式でご紹介します。
思春期の入り口に立つ子どもたちの心に寄り添い、成長を後押しする素晴らしい物語との出会いをお手伝いします。
- 小学5・6年生の小説選びのポイント
- 小学5・6年生におすすめの小説ランキングTOP30
- 第1位 モモ
- 第2位 霧のむこうのふしぎな町
- 第3位 ルドルフとイッパイアッテナ
- 第4位 二分間の冒険
- 第5位 バッテリー
- 第6位 怪人二十面相
- 第7位 西遊記
- 第8位 魔女の宅急便
- 第9位 デブの国ノッポの国
- 第10位 コロボックル物語
- 第11位 シャーロットのおくりもの
- 第12位 ナルニア国物語
- 第13位 星の王子さま
- 第14位 走れメロス
- 第15位 オズの魔法使い
- 第16位 シャーロック・ホームズの冒険
- 第17位 チョコレート工場の秘密
- 第18位 精霊の守り人
- 第19位 Wonder ワンダー
- 第20位 夏の庭
- 第21位 5000キロ逃げてきたアーメット
- 第22位 ぼくらの七日間戦争
- 第23位 赤毛のアン
- 第24位 銀河鉄道の夜
- 第25位 大きな森の小さな家
- 第26位 アガサ・クリスティ短編集
- 第27位 十五少年漂流記
- 第28位 みどりのゆび
- 第29位 飛ぶ教室
- 第30位 君たちはどう生きるか
- 本好きの子どもを育てるヒント
小学5・6年生の小説選びのポイント
小学校高学年になると、複雑なストーリーや登場人物の心情も理解できるようになります。共感できる主人公や世界観があり、読み応えと読みやすさのバランスが取れた作品がおすすめです。
この時期は好奇心が旺盛で感性も豊かなため、さまざまなジャンルの本に触れることで視野が広がります。ファンタジー、冒険、ミステリー、歴史、SF、日本文学など、多様なジャンルから子どもの興味に合わせて選んでみましょう。
小学5・6年生におすすめの小説ランキングTOP30
第1位 モモ
ミヒャエル・エンデによる時間泥棒と闘う少女の物語は、時間の大切さを教えてくれる名作です。時間についての深い洞察と温かなメッセージが心に響き、小学生から大人まで何度も読み返したくなります。
エンデ特有の豊かなイメージと哲学的な深みがありながら、子どもたちもワクワクしながら読み進められるストーリー展開が魅力です。
第2位 霧のむこうのふしぎな町
柏葉幸子のファンタジー作品で、夏休みに霧の谷へやってきた少女リナの不思議な体験を描いています。「働かざる者、食うべからず」がモットーの魔法使いの町で、リナは自分自身と向き合います。
宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」の元になったとも言われるこの作品は、異世界体験を通じて自分の成長を感じられる物語です。
第3位 ルドルフとイッパイアッテナ
斉藤洋の描く、家を離れた黒猫ルドルフと大都会で出会った野良猫イッパイアッテナの友情物語です。違う環境で育った2匹の猫のアドベンチャーは、笑いと涙と勇気に満ちています。
子どもの頃に読むと特に心に残る本で、友情の素晴らしさや勇気を持つことの大切さを教えてくれます。中盤からぐっと引き込まれる展開に、読み終えるころには感動で胸がいっぱいになるでしょう。
第4位 二分間の冒険
岡田淳の傑作で、日常から突然非日常の世界へと旅立つ物語です。わずか二分間の冒険が、主人公の少年の心に大きな変化をもたらします。
日本のファンタジー小説の名作として、多くの子どもたちを夢中にさせてきました。ぐいぐい引き込まれるストーリー展開と、力強くも前向きなメッセージが絶妙にマッチしています。
第5位 バッテリー
あさのあつこによる野球小説ですが、単なるスポーツ物語ではありません。中学1年生のピッチャー巧と、そのバッテリーを組むキャッチャー豪太の成長を描いた青春小説です。
友情や葛藤、大人と子どものはざまにいる中学生の微妙な心情を繊細に描いており、野球を知らなくても十分楽しめます。思春期特有の悩みや人間関係に共感できる要素が詰まっています。
第6位 怪人二十面相
江戸川乱歩の少年探偵シリーズの代表作で、怪人二十面相と名探偵明智小五郎の対決を描きます。二十の顔を持つ怪盗と、名探偵との頭脳戦は手に汗握る展開です。
ミステリーの名作として、世代を超えて読み継がれてきた本作は探偵小説入門としても最適です。子どもの冒険心と好奇心を刺激する物語に夢中になること間違いなしです。
第7位 西遊記
中国四大奇書の一つで、三蔵法師と孫悟空たちの天竺への旅を描く冒険物語です。妖怪や神々との戦いを通じて、仲間の大切さや成長を感じられます。
日本でも馴染み深いこの物語は、ファンタジー要素と道徳的教訓が見事に融合しています。子どもたちが楽しみながら読める編訳版も多く出版されており、異文化理解の入り口としても最適です。
第8位 魔女の宅急便
角野栄子の代表作で、13歳の魔女の少女キキが一人前の魔女になるために旅立つ物語です。新しい町での出会いと成長を描いた心温まるファンタジーです。
ジブリ映画でも有名ですが、原作はより奥深く、キキの内面の変化や成長が丁寧に描かれています。思春期の子どもたちが自立への一歩を踏み出す勇気をもらえる物語です。
第9位 デブの国ノッポの国
アンドレ・モロア作の寓話的ファンタジーで、デブ人とノッポ人に分かれた国の対立と和解を描いています。違いを理由に争う愚かさと、互いを認め合うことの大切さを教えてくれます。
長新太のイラストも魅力的で、見た目や国籍などの違いから生まれる差別や戦争について、子どもにも分かりやすく伝えています。平和について考えるきっかけを与えてくれる作品です。
第10位 コロボックル物語
佐藤さとるによる日本のファンタジー名作で、小さな妖精「コロボックル」と人間の少年との交流を描いています。日本の自然を舞台にした美しい情景描写も魅力です。
「だれも知らない小さな国」から始まるシリーズは、コロボックルという小さな存在の尊厳と、彼らと人間との信頼関係が丁寧に描かれています。子どもの頃の純粋な心を思い出させてくれる物語です。
第11位 シャーロットのおくりもの
E.B.ホワイトのアメリカ児童文学の名作で、子豚のウィルバーとクモのシャーロットの友情を描いています。命の尊さや友情の美しさを教えてくれる感動作です。
シャーロットの無償の愛と知恵が、ウィルバーの命を救う物語は、読む人の心に深い感動を与えます。生と死について、友情の大切さについて、子どもにも理解できる言葉で語りかけてくれます。
第12位 ナルニア国物語
C.S.ルイスのファンタジー小説シリーズで、衣装だんすを通って不思議な国「ナルニア」へ行く子どもたちの冒険を描いています。勇気、友情、信頼などのテーマを持つ壮大な物語です。
映画化もされた「ライオンと魔女」を始めとするシリーズは、読み手の想像力を刺激し、正義と勇気について考えさせてくれます。別世界への憧れを抱く子どもたちを魅了する傑作です。
第13位 星の王子さま
サン=テグジュペリの哲学的童話で、小さな星から来た王子さまと語り手の交流を通じて、大人になることの意味を問いかけています。シンプルな言葉に深い知恵が込められた作品です。
「大切なものは目に見えない」という有名な一節を含む本作は、子どもの頃に読んで、大人になってから再読すると新たな発見がある珠玉の名作です。人生において本当に大切なものは何かを考えさせてくれます。
第14位 走れメロス
太宰治の短編小説で、友情と信頼をテーマにした感動的な物語です。約束を守るために走り続けるメロスの姿は、読者の心に強く訴えかけます。
日本文学の入門としても最適な作品で、友情の尊さや約束を守ることの大切さを教えてくれます。簡潔ながらも力強い文体で描かれた名作は、小学生の心に熱いメッセージを届けます。
第15位 オズの魔法使い
L・フランク・ボームのアメリカ児童文学の古典で、竜巻でオズの国に飛ばされたドロシーの冒険を描いています。勇気と知恵、思いやりの大切さを教えてくれる物語です。
オズの国で出会う仲間たちとの旅を通じて、本当の幸せとは何かを考えさせてくれます。100年以上も読み継がれてきた理由がわかる、子どもの心を豊かにする冒険ファンタジーです。
第16位 シャーロック・ホームズの冒険
コナン・ドイルによる世界的に有名な探偵小説シリーズです。名探偵ホームズの鋭い観察眼と論理的思考で難事件を解決していく姿は、子どもたちの知的好奇心を刺激します。
ミステリーの古典として、現代の推理小説にも大きな影響を与えた作品群です。短編集から入ることで読みやすく、論理的思考力や問題解決能力を育む助けになります。
第17位 チョコレート工場の秘密
ロアルド・ダールのファンタジー小説で、不思議なチョコレート工場を訪れた子どもたちの冒険を描いています。奇想天外な展開と教訓的な要素が絶妙にマッチした作品です。
映画化もされた本作は、想像力豊かな世界観と、子どもの心をつかむユーモアが魅力です。善良な心の大切さを伝えながらも、決して説教くさくならない、子どもも大人も楽しめる傑作です。
第18位 精霊の守り人
上橋菜穂子によるファンタジー小説で、主人公バルサが王子チャグムを守るために旅をする物語です。緻密に設定された世界観と、力強い女性主人公が魅力的です。
物語の舞台となる新ヨゴ皇国の文化や風習も細かく描かれ、異世界ファンタジーとしての完成度が高い作品です。勇気と責任、そして運命に立ち向かう姿勢を学べる物語です。
第19位 Wonder ワンダー
R.J.パラシオによる感動小説で、生まれつき顔に障がいを持つ少年オーガストの学校生活を描いています。思いやりや受容の大切さを教えてくれる現代の名作です。
様々な登場人物の視点から物語が展開し、一人ひとりの内面や成長が丁寧に描かれています。「人を見た目で判断しない」という普遍的なテーマを、子どもたちに深く考えさせる力を持った作品です。
第20位 夏の庭
湯本香樹実の青春小説で、小学生最後の夏に「死」に興味を持った少年たちとおじいさんとの交流を描いています。生と死について深く考えさせられる感動作です。
映画化もされた本作は、少年たちの好奇心と純粋さ、そしておじいさんとの予想外の交流を通じた成長が見事に描かれています。思春期の繊細な感情と命の尊さを静かに伝える作品です。
第21位 5000キロ逃げてきたアーメット
オンジャリ・Q・ラウフによる現代社会を映し出す物語です。難民の少女アーメットと、彼女を助けようとするクラスメイトたちの友情と勇気を描いています。
世界の現実問題を子どもの目線で描いた本作は、異なる文化や背景を持つ人々への理解と共感を育みます。友情の力で困難に立ち向かう子どもたちの姿に、読者も勇気をもらえる物語です。
第22位 ぼくらの七日間戦争
宗田理のベストセラー少年小説で、大人への反抗を決意した中学1年生たちが廃工場に立てこもる物語です。自由と責任、そして成長をテーマにした青春小説の名作です。
時代を超えて子どもたちの共感を呼ぶストーリーは、大人と子どものはざまで揺れ動く思春期の心情を見事に描き出しています。自分の頭で考え行動することの大切さを教えてくれる作品です。
第23位 赤毛のアン
L・M・モンゴメリーによるカナダの児童文学で、孤児の少女アンの成長を描いた物語です。想像力豊かで前向きなアンの生き方に、多くの子どもたちが勇気をもらっています。
美しい自然描写と、個性豊かなキャラクターに彩られた本作は、困難を乗り越えて成長していく少女の姿が感動的です。明るく前向きな主人公の魅力は性別を問わず心に響きます。
第24位 銀河鉄道の夜
宮沢賢治の代表作で、少年ジョバンニと友人カムパネルラの不思議な銀河鉄道の旅を描いています。詩的な美しさと哲学的な深さを持つ日本文学の傑作です。
生と死、友情と犠牲といった深いテーマが込められた物語は、読む年齢によって様々な解釈ができる奥深さを持っています。澄み切った美しい文体で描かれる宇宙旅行は、読者の想像力を広げてくれます。
第25位 大きな森の小さな家
ローラ・インガルス・ワイルダーの自伝的小説で、19世紀アメリカの開拓時代を生きた一家の物語です。大自然の中での自給自足の暮らしが生き生きと描かれています。
現代の便利な生活とは全く異なる環境での家族の絆や知恵、工夫が感動を呼ぶ作品です。異なる時代と文化の中で生きる人々の姿を通して、今の生活を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
第26位 アガサ・クリスティ短編集
推理小説の女王アガサ・クリスティの短編集です。名探偵ポワロやミス・マープルが活躍する短い推理話は、子どもでも読みやすく、論理的思考を育みます。
トリックの見事さと、簡潔ながらも魅力的なキャラクター描写が光る作品集です。一話完結の短編形式なので読みやすく、推理小説入門としても最適です。
第27位 十五少年漂流記
ジュール・ヴェルヌの冒険小説で、嵐で無人島に漂着した15人の少年たちの生存と成長を描いています。協力と知恵で困難を乗り越える姿に勇気をもらえる冒険譚です。
サバイバル小説の古典として、今なお多くの子どもたちを魅了し続けている作品です。協力することの大切さ、知恵と工夫の素晴らしさを教えてくれる、冒険好きな子どもに特におすすめの物語です。
第28位 みどりのゆび
モーリス・ドリュオンによる寓話的物語で、触れたものに植物を生やす不思議な能力を持つ少年の物語です。環境問題や平和について考えさせる深いテーマを持っています。
主人公の少年チトが成長するにつれて大人社会の矛盾に気づき、自分の特別な能力で世界を変えていく姿が描かれています。子どもの純粋な視点から大人社会を見つめ直す、風刺の効いた作品です。
第29位 飛ぶ教室
エーリヒ・ケストナーによるドイツの児童文学で、寄宿学校の少年たちの友情と成長を描いた物語です。クリスマスを前にした学校生活の様々な出来事が生き生きと描かれています。
仲間との絆や、大人への一歩を踏み出す少年たちの姿に共感できる作品です。ユーモアと優しさに満ちた筆致で描かれる学校生活は、国や時代を超えて子どもたちの心に響きます。
第30位 君たちはどう生きるか
吉野源三郎の哲学的児童書で、少年コペル君と叔父さんとのやり取りを通じて、人間としての生き方を考える物語です。1937年の出版以来、多くの人に読み継がれてきました。
現代社会においても通じる普遍的な問いかけが、分かりやすい形で提示されています。子どもながらに「どう生きるべきか」を真剣に考える機会を与えてくれる、思春期の子どもに特におすすめの1冊です。
本好きの子どもを育てるヒント
子どもの読書習慣を育てるには、強制ではなく自然に本に親しめる環境づくりが大切です。親自身が読書を楽しむ姿を見せることで、子どもも本に興味を持ちやすくなります。
子どもが読んでいる本について会話をしたり、図書館や書店に一緒に出かけたりすることも効果的です。また、子どもの興味に合わせた本選びを心がけ、読書の楽しさを実感できるようサポートしましょう。
読書は単なる趣味ではなく、想像力や思考力、共感力を育み、人生を豊かにする大切な力となります。小学5・6年生という多感な時期に出会った本は、子どもたちの心の糧となり、一生の宝物になるでしょう。