【2025年最新】5年生・6年生におすすめの小説ランキングTOP29

小説ヨミタイ編集部 監修者
株式会社viviane
小説ヨミタイ編集部

あらゆる面白いおすすめ小説を紹介する小説専門サイト「小説ヨミタイ」の編集部です。

目次

5年生・6年生におすすめの小説選び|読書の楽しさが広がる一冊を見つけよう

5年生・6年生は、子どもから大人へと心と体が大きく成長するとても大切な時期です。この頃になると、少し複雑なストーリーや登場人物の気持ちも深く理解できるようになり、読書の世界がぐっと広がります。本を通して、自分とは違う誰かの気持ちを想像する思いやりや、物事を深く考える力が身につくでしょう。

本を選ぶときは、友情、冒険、成長など、今の子どもたちにも通じる普遍的なテーマの作品がおすすめです。また、ミステリーやファンタジー、SFなど、これまで読んだことのないジャンルに挑戦してみるのも良いでしょう。さまざまな物語に触れることで、物事をいろいろな角度から見る力が養われます。

この記事で紹介する本は、どれも夢中になって読める面白いものばかりです。ぜひ、親子で本について話したり、次は何を読むか一緒に選んだりして、読書の楽しさを広げていってくださいね。

5年生・6年生におすすめの小説ランキングTOP29

ここからは、5年生・6年生にぜひ読んでほしい小説をランキング形式でご紹介します。長く愛される名作から、現代の子どもたちの心に響く新しい物語まで、幅広く選びました。夢中になれる一冊がきっと見つかるはずです。

1位『モモ』ミヒャエル・エンデ

『モモ』は、ドイツの作家ミヒャエル・エンデによって1973年に発表された、世界中で愛され続ける児童文学の名作です。

物語の舞台は、イタリアの小さな町。古い円形劇場の廃墟に住みついた不思議な少女モモが主人公です。モモには、人々の話をじっくりと聞くことで、悩みを解決に導く特別な才能がありました。しかしある日、「時間泥棒」と名乗る灰色の男たちが町に現れ、大人たちから時間を奪い始めます。人々は心の余裕をなくし、せかせかと生きるようになってしまいました。モモは、時間を司るマイスター・ホラやかめのカシオペイアの助けを借りて、みんなの時間を取り戻すための冒険に出ます。

この物語は、「時間とは何か」「本当の豊かさとは何か」を問いかける、哲学的で深いテーマを持っています。効率ばかりが重視される現代社会へのメッセージとしても読むことができ、子どもだけでなく大人も深く考えさせられるでしょう。東京大学の学生が小学生の時に読んで感銘を受けた本として、常に上位に挙げられる一冊でもあります。

ふくちい

「時間」について考えさせられるよね。わたしもモモに話を聞いてほしいな。

2位『ぼくらの七日間戦争』宗田理

1985年に発表されて以来、世代を超えて読み継がれる宗田理のベストセラー小説です。

物語は、夏休みを翌日に控えた終業式の日、東京下町の中学校で1年2組の男子生徒全員が姿を消すという衝撃的な事件から始まります。彼らは、校則や大人たちの管理に反抗し、河川敷の廃工場に立てこもっていたのです。そこを「解放区」と名付け、知恵と勇気を武器に、自分たちのやり方で大人たちとの“戦争”を始めます。女子生徒たちも協力し、奇想天外な作戦で大人たちを翻弄しますが、やがて本物の誘拐事件にも巻き込まれていきます。

理不尽な大人たちに立ち向かう子どもたちの姿は、読んでいて爽快な気持ちにさせてくれます。主人公の菊池英治をはじめとする個性的なキャラクターたちの友情や成長も見どころの一つ。ドキドキハラハラする展開に、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしのエンターテインメント作品です。

ふくちい

大人に反抗するのってワクワクするよね!わたしも仲間に入れてほしいな。

3位『バッテリー』あさのあつこ

あさのあつこによる大人気シリーズで、累計発行部数は1000万部を突破しています。1997年には野間児童文芸賞を受賞しました。

中学入学を控えた春休み、天才ピッチャーの原田巧は、父の転勤で岡山県の山あいの町に引っ越してきます。自分の才能に絶対の自信を持つ巧は、そこでキャッチャーの永倉豪と出会い、最高のバッテリーを組むことを熱望されます。しかし、巧の自信に満ちた言動は、中学校の野球部の仲間たちとの間にあつれきを生んでしまいます。この物語は、少年たちが野球を通して悩み、ぶつかり合いながらも、互いを信じ、成長していく1年間を描いた青春小説です。

野球の好きな子はもちろん、登場人物たちの細やかな心理描写が魅力なので、友情や人間関係について考えたい人にもおすすめです。思春期ならではの揺れ動く心が丁寧に描かれており、物語に深く引き込まれます。

ふくちい

才能があるからこその孤独ってあるよね。巧と豪が最高のバッテリーになる瞬間がたまらないんだ。

4位『夏の庭 The Friends』湯本香樹実

1992年に刊行され、日本児童文学者協会新人賞など数々の賞を受賞した湯本香樹実の小説です。世界十数か国で翻訳され、映画化や舞台化もされています。

小学6年生の「僕」は、クラスメイトの祖母の葬式をきっかけに「死」について興味を持ちます。そして友人2人と一緒に、近所に住むおじいさんが「死ぬ瞬間」を観察しようと計画します。夏休み、3人はこっそりとおじいさんの家を見張り始めますが、次第におじいさんと交流を持つようになり、庭の草むしりなどを手伝うようになります。生きる屍のようだったおじいさんは、少年たちとの交流を通して少しずつ元気を取り戻していきます。そして少年たちは、おじいさんの戦争体験など、その壮絶な過去を知ることになるのです。

「死」への好奇心から始まった少年たちのひと夏の冒険が、やがて老人との深い心の交流へと変わっていく様子を描いた物語です。生と死、友情、戦争といった重いテーマを扱いながらも、少年たちの視点を通して瑞々しく描かれています。

ふくちい

最初は変な動機だったのに、かけがえのない関係になるのが泣けるよ。おじいさんの過去がつらいな…。

5位『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤洋

斉藤洋のデビュー作で、1986年に講談社児童文学新人賞を受賞した名作です。

物語は、飼い猫の黒猫ルドルフが、ひょんなことから長距離トラックの荷台に乗ってしまい、遠い東京の街に迷い込むところから始まります。そこで出会ったのは、たくさんの名前を持つ大きなトラネコのボス「イッパイアッテナ」でした。イッパイアッテナは、ルドルフに野良猫として生きていくための知恵や、文字を読むことなどの「教養」の大切さを教えてくれます。ルドルフは、イッパイアッテナや他の猫たちとの交流を通して、たくましく成長していきます。

猫たちの視点から描かれる、愛と友情の物語です。厳しい野良猫の世界で生き抜くための知識だけでなく、仲間を思いやる心や教養の大切さなど、人間にとっても大切なテーマが詰まっています。猫好きはもちろん、心温まる成長物語を読みたい人におすすめの一冊です。

ふくちい

イッパイアッテナみたいな兄貴分、わたしもほしいな!教養が生きる力になるのは猫の世界も同じなんだね。

6位『二分間の冒険』岡田淳

1985年に刊行された岡田淳によるファンタジー小説の傑作です。日本屈指のファンタジー小説とも称されています。

小学6年生の悟は、ある日校庭で「ダレカ」と名乗る不思議な黒猫に出会います。「見えないトゲ」を抜いてあげたお礼に、考える時間がほしいという悟の願いを叶えるため、ダレカは悟を異世界へと送り込みます。その世界では、現実世界のわずか二分間が、悟が老人になるほどの長い時間に感じられるのです。元の世界に戻るには、「この世界でいちばんたしかなもの」に姿を変えたダレカを見つけ出さなければなりません。竜が支配するその世界で、悟はなぞなぞで竜に挑み、冒険を繰り広げます。

「時間」や「若さと老い」、「たしかなものとは何か」といった深いテーマを扱いながらも、スリリングな冒険物語としてぐいぐい引き込まれます。読者も悟と一緒になぞなぞの答えを考えながら、物語の世界に没頭できるでしょう。

ふくちい

たった二分間の冒険に一生分の経験が詰まってるのがすごい!「いちばんたしかなもの」って何だろうって考えちゃうよ。

7位『精霊の守り人』上橋菜穂子

文化人類学者でもある作家、上橋菜穂子による「守り人」シリーズの第一作目です。緻密に作り込まれた世界観が魅力の、日本を代表するファンタジー小説の一つです。

物語の主人公は、30歳の女用心棒バルサ。ある日、川に落ちた新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを助けたことから、彼女の運命は大きく変わります。チャグムの体には精霊の卵が宿っており、それを疎んだ父である帝から命を狙われていたのです。チャグムの母から息子の護衛を託されたバルサは、帝が放つ刺客や、異界の魔物と戦いながら、チャグムを守るための旅に出ます。

西洋ファンタジーとは一味違う、アジア的な雰囲気を持つ独創的な世界が広がっています。強くかっこいい女性であるバルサの活躍や、バルサとチャグムの間に芽生える親子の情のような絆も見どころです。壮大な冒険物語が好きな子にぴったりの一冊です。

ふくちい

バルサがとにかくカッコいいんだ!チャグムとの関係が深まっていくのがいいよね。

8位『きみの友だち』重松清

2005年に刊行された、重松清による連作短編集です。思春期の少年少女たちの繊細な心の動きを丁寧に描き出しています。

物語の中心となるのは、交通事故で足が不自由になった恵美と、病気がちで孤独な由香。クラスで孤立していた二人は、やがて誰よりも強い絆で結ばれていきます。本作は、この二人を軸に、恵美の弟やクラスメイトなど、様々な登場人物の視点から「友だち」とは何かを問いかける10編の短編で構成されています。物語の語り手が誰なのか、という謎も読み進める上での楽しみの一つです。

「みんな」と仲良くすることだけが正解じゃない、色々な形の友情があることを教えてくれます。学校生活での人間関係に悩んだり、本当の友だちって何だろうと考えたりする時期に、心に寄り添ってくれるような一冊です。

ふくちい

友だちはたくさんいれば良いわけじゃないんだよね。恵美と由香みたいな関係ってすごく素敵だと思うな。

9位『チョコレート工場の秘密』ロアルド・ダール

イギリスの作家ロアルド・ダールが1964年に発表した、世界中で愛される児童文学です。ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演で映画化された『チャーリーとチョコレート工場』の原作としても有名です。

物語の主人公は、貧しいけれど心優しい少年チャーリー・バケット。彼の家のそばには、謎に包まれたウィリー・ウォンカの巨大なチョコレート工場がありました。ある日、ウォンカ氏は5枚だけ生産されたゴールデンチケットをチョコレートの中に入れ、見つけた子どもを工場見学に招待すると発表します。奇跡的にチケットを手に入れたチャーリーは、食いしん坊のオーガスタス、わがままなベルーカなど、個性的でちょっと問題のある4人の子どもたちと一緒に、不思議な工場へと足を踏み入れます。

チョコレートの川や、働く小人のウンパルンパなど、奇想天外で魅力的な工場内の描写に、誰もがワクワクするはずです。欲張りでわがままな子どもたちが次々と脱落していく様子を少しブラックなユーモアで描きながら、正直で優しい心を持つことの大切さを教えてくれます。

ふくちい

チョコレートの川って夢みたいだよね!わたしもウォンカの工場に行ってみたいな。

10位『霧のむこうのふしぎな町』柏葉幸子

1975年に刊行された柏葉幸子のデビュー作で、数々の児童文学賞を受賞した日本のファンタジー小説の金字塔です。宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』に影響を与えた作品としても知られています。

小学6年生のリナは、夏休みに一人で「霧の谷」という場所を訪れます。道に迷ったリナは、風に飛ばされた傘を追いかけるうちに、西洋風の建物が並ぶ不思議な町にたどり着きます。そこは「気ちがい通り」と呼ばれる、魔法使いの子孫たちが住む町でした。リナはピコットばあさんの下宿に住むことになりますが、「働かざる者食うべからず」という決まりのもと、町の本屋さんやおもちゃ屋さんで働くことになります。

不思議な町のユニークな住人たちとの交流を通して、リナが成長していくひと夏の物語です。働くことの楽しさや、人との繋がりの大切さを感じさせてくれます。どこか懐かしくて温かい、魅力的なファンタジーの世界に浸ってみてください。

ふくちい

知らない町で働くのってドキドキするけど楽しそう!わたしもピコットばあさんのお店で働いてみたいな。

11位『怪人二十面相』江戸川乱歩

日本の推理小説の父、江戸川乱歩による「少年探偵団」シリーズの記念すべき第1作目です。1936年に発表されて以来、80年以上もの間、子どもたちを夢中にさせてきました。

物語は、変装の名人で神出鬼没の大泥棒「怪人二十面相」が、ロマノフ王家に伝わるダイヤモンドを狙って羽柴家に予告状を送りつけるところから始まります。名探偵・明智小五郎は留守のため、助手の小林少年が事件の解決に乗り出します。二十面相は巧みな変装と策略で小林少年や警察を翻弄し、次々と大胆な犯行を重ねていきます。小林少年は、探偵の七つ道具を駆使して、この恐るべき怪盗に立ち向かいます。

少年探偵と怪盗の手に汗握る知恵比べは、今読んでも色あせない面白さです。この物語の終盤で、小林少年を団長とする「少年探偵団」が結成され、ここから彼らの長い活躍が始まります。ミステリーや冒険物語が好きな子なら、きっと夢中になるはずです。

ふくちい

変装を見破るのって難しそうだよ!わたしも小林少年みたいに探偵の七つ道具がほしいな。

12位『西の魔女が死んだ』梨木香歩

1994年に刊行された梨木香歩のデビュー作で、日本児童文学者協会新人賞などを受賞した、世代を超えて愛される物語です。

中学に入学して間もなく、学校に行けなくなってしまった少女まい。彼女は、初夏からのひと月あまりを、田舎で暮らす大好きなおばあちゃんのもとで過ごすことになります。イギリス人であるおばあちゃんは自らを「西の魔女」と呼び、まいは「魔女修行」の手ほどきを受けることになります。その修行で最も大切なことは、「何でも自分で決めること」。規則正しい生活やジャム作りなど、自然に囲まれた穏やかな日々の中で、まいは少しずつ元気を取り戻していきます。

派手な魔法が出てくるわけではありませんが、おばあちゃんの言葉一つひとつが、まるで魔法のようにまいの心を癒していきます。生きることの喜びや、自分の足で立つことの大切さを、優しく教えてくれる物語です。心が疲れた時に読むと、温かい気持ちになれるでしょう。

ふくちい

おばあちゃんの言葉が心にじんわり染みるんだよね。自分で決めるって、簡単なようで一番難しいことかも。

13位『君たちはどう生きるか』吉野源三郎

1937年に出版されて以来、時代を超えて読み継がれてきた吉野源三郎の名著です。ジャーナリストの池上彰さんは「子どもたちに向けた哲学書であり、道徳の書」と評しています。

物語の主人公は、旧制中学二年生の本田潤一、通称「コペル君」。彼は、学校生活での友人との関わりや、いじめ、貧困といった様々な出来事を通して、社会や人間について深く考えていきます。物語は、コペル君の日常の出来事を描くパートと、それを受けて彼のおじさんが書いたノートのパートが交互に展開されます。おじさんのノートは、コペル君が経験したことをより広い視点から捉え直す手助けとなり、彼を精神的な成長へと導きます。

友情、勇気、格差、教養など、人生における普遍的なテーマについて、深く考えるきっかけを与えてくれる一冊です。少し難しいと感じるかもしれませんが、漫画版も出版されており、小学生にも手に取りやすくなっています。

ふくちい

タイトルからしてもう深いよね。コペル君と一緒に、自分ならどうするかなって考えちゃうんだ。

14位『星の王子さま』サン=テグジュペリ

1943年にフランスの作家サン=テグジュペリによって発表された、世界中で翻訳されている不朽の名作です。

物語は、サハラ砂漠に不時着した飛行士が、小さな小惑星「B-612」からやってきたという王子さまと出会うところから始まります。王子さまは、自分の星に残してきた一輪のバラの花のことや、旅の途中で訪れた様々な星で出会った、風変わりな大人たちの話を飛行士に語ります。地球で出会ったキツネとの交流を通して、王子さまは「かんじんなことは、目に見えない」という大切な秘密を教わります。この言葉によって、彼は自分のバラが、世界にたった一つの特別な存在であることに気づくのです。

子どもだけでなく、大人になってから読むとさらに深い感動を覚える物語です。友情、愛、そして人生で本当に大切なものは何かを、詩的な言葉で優しく問いかけてくれます。

ふくちい

「かんじんなことは、目に見えない」って本当にその通りだよね。王子さまの純粋な心にハッとさせられるんだ。

15位『かがみの孤城』辻村深月

2018年の本屋大賞を受賞した、辻村深月によるベストセラー小説です。生きづらさを感じているすべての人に贈る物語として、多くの読者の感動を呼びました。

主人公は、いじめが原因で学校に行けなくなってしまった中学1年生の安西こころ。ある日、彼女の部屋の姿見が突然光りだし、吸い込まれるように鏡を通り抜けると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城が建っていました。城の中には、こころと同じように学校での居場所をなくした6人の中学生が集められていました。狼のお面をかぶった謎の少女「オオカミさま」は、城に隠された「願いの鍵」を見つけ出せば、どんな願いでも一つだけ叶えてあげると言います。7人は、戸惑いながらも、城での共同生活を始めるのですが…。

ファンタジーの世界を舞台にしながらも、思春期の少年少女が抱える痛みや孤独をリアルに描いています。城に集められた7人の間にある驚きの共通点が明らかになる時、大きな感動に包まれるでしょう。ミステリーとしても楽しめる、一気読み必至の傑作です。

ふくちい

みんな同じ悩みを抱えてるって知ると安心するよね。ラストの謎が解けた時の衝撃と感動が忘れられないよ。

16位『むこう岸』安田夏菜

2018年に刊行され、第59回日本児童文学者協会賞を受賞した安田夏菜の作品です。現代社会が抱える貧困や格差の問題を、中学生の視点から描いています。

有名進学校での勉強についていけず、公立中学に転校してきた和真。彼はそこで、父を亡くし、生活保護を受けて暮らす少女、樹希と出会います。全く違う環境で育った二人は、地域の子どもたちのための居場所「カフェ・居場所」で顔を合わせながらも、互いに反発し合います。しかし、あることをきっかけに、和真は樹希の弟分に勉強を教えることになり、貧しさゆえに進学を諦めている樹希の状況を知ります。和真は自分にできることはないかと考え始め、行動を起こします。

難しい社会問題をテーマにしながらも、少年少女の心の成長を描いた希望の物語です。自分とは違う立場の人を理解しようとすることの大切さや、中学生でも社会に対してできることがある、という力強いメッセージが込められています。

ふくちい

育った環境が違うと考え方も全然違うんだなって思うよ。和真が樹希のために行動するところがカッコいいんだ。

17位『走れメロス』太宰治

1940年に発表された太宰治の代表的な短編小説です。友情と信頼をテーマにした物語として、長年、国語の教科書にも採用され、多くの人に親しまれてきました。

物語の舞台は古代ギリシャ。正義感の強い羊飼いのメロスは、人間不信から多くの人を処刑している暴君ディオニス王の話を聞き激怒します。王を討とうとしますが捕らえられ、死刑を宣告されます。メロスは、妹の結婚式に出席するため、3日間の猶予を願い出ます。その間の人質として、親友のセリヌンティウスを差し出しました。王は、メロスが戻ってこないと確信し、これを承諾します。妹の結婚式を終え、メロスは友が待つシラクスの市へ向かって走り出しますが、彼の前には川の氾濫や山賊の襲撃など、数々の困難が待ち受けていました。

約束を守るために、人間の弱さと戦いながら走り続けるメロスの姿は、読む人の胸を熱くします。人を信じることの尊さを力強く描いた、不朽の名作です。

ふくちい

もうダメだって思うのに、それでも走るメロスがすごい!友情の力って本当に偉大だよね。

18位『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』斎藤惇夫

1972年に刊行された斎藤惇夫による児童文学で、ネズミたちの壮大な冒険を描いた物語です。アニメ『ガンバの冒険』の原作としても知られています。

町のドブネズミ、ガンバは、船乗りネズミのパーティーで、傷だらけの島ネズミ・忠太と出会います。忠太は、自分たちの島がノロイという名の恐ろしい白イタチとその一族に支配され、絶滅の危機にあることを訴え、助けを求めます。ノロイの恐ろしさを知る船乗りネズミたちは誰も行こうとしませんが、ガンバはただ一匹、島へ向かうことを決意します。その勇気に心を動かされ、15ひきの仲間たちがガンバと行動を共にすることになりました。こうして、ガンバと15ひきの仲間たちは、絶望的な戦いに挑むため、夢見が島へと旅立ちます。

自分たちよりずっと大きく、数の上でも圧倒的な敵に、知恵と勇気で立ち向かうネズミたちの姿に、ハラハラドキドキが止まりません。仲間との友情や、絶望的な状況でも諦めないことの大切さを教えてくれる、胸が熱くなる冒険物語です。

ふくちい

ガンバの勇気がすごいよね!たった一匹で立ち向かう姿に仲間がついてくるのがアツいんだ。

19位『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子

女優・タレントの黒柳徹子さんが自身の小学生時代を描いた自伝的小説です。1981年に出版され、日本国内で戦後最大のベストセラーとなり、世界中でも翻訳されています。

物語は、主人公のトットちゃん(徹子さん)が、落ち着きがないという理由で小学1年生の途中で学校を退学になってしまうところから始まります。次に入学したのは、自由が丘にあった「トモエ学園」というユニークな学校でした。トモエ学園では、廃車になった電車が教室になっていたり、時間割がなく好きな科目から勉強できたりと、子どもたちの個性を尊重する教育が行われていました。校長の小林宗作先生は、初めて会った日にトットちゃんの話を4時間も聞き、「君は、ほんとうは、いい子なんだよ」と言ってくれました。

この本は、トットちゃんがトモエ学園で過ごした、驚きと喜びに満ちた日々を描いています。一人ひとりの個性を大切にすることの素晴らしさを教えてくれる、心温まる物語です。黒柳さんが、恩師である小林先生への感謝を伝えるために書いた作品でもあります。

ふくちい

こんな学校があったなんて素敵だよね!わたしも小林先生みたいな大人に出会いたかったな。

20位『赤毛のアン』L・M・モンゴメリ

1908年にカナダの作家L・M・モンゴメリによって発表された、世界中で愛され続ける少女小説の古典です。

物語の舞台は、カナダのプリンス・エドワード島。この島で暮らす年配の兄妹、マシューとマリラ・カスバートは、農作業の手伝いのために男の子の孤児を引き取ることにします。しかし、手違いでやってきたのは、赤毛でそばかすだらけ、おしゃべりで想像力豊かな11歳の少女、アン・シャーリーでした。マリラはアンを孤児院に送り返そうとしますが、アンの明るく前向きな性格に触れるうちに、カスバート家の一員として迎え入れることを決めます。物語は、アンが親友ダイアナとの友情を育み、ライバルのギルバートと競い合いながら、グリーン・ゲイブルズで成長していく5年間を描いています。

アンの豊かな想像力から生まれる言葉や、次々と巻き起こす騒動に、笑ったり、共感したり、引き込まれること間違いなしです。どんな状況でも希望を忘れず、自分の力で人生を切り開いていくアンの姿は、読む人に勇気を与えてくれます。

ふくちい

アンの想像力って本当にすごいよね!わたしも身の回りのものに素敵な名前をつけたくなっちゃうな。

21位『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズ 廣嶋玲子

廣嶋玲子による大人気の児童書シリーズで、2013年から刊行が続いています。小学生が選ぶ「“こどもの本”総選挙」で第1位に輝くなど、子どもたちから絶大な支持を得ています。

幸運な人だけがたどり着ける「銭天堂」。このふしぎな駄菓子屋の店主・紅子さんがすすめるお菓子は、食べた人の悩みを解決したり、願いを叶えたりする魔法の力を持っています。「人魚グミ」を食べれば泳げるようになり、「ドクターラムネキット」で作ったドリンクは人を元気にします。しかし、どのお菓子にも説明書があり、食べ方や使い方を間違えたり、欲張りすぎたりすると、思わぬ不幸が訪れることも…。

一話完結の短いお話がたくさん詰まっているので、本を読むのが苦手な子でも気軽に楽しめます。願いが叶うワクワク感と、もしかしたら不幸になるかもしれないというちょっとしたスリルが、子どもたちを夢中にさせる秘密です。

ふくちい

「え、そっち!?」って声が出ちゃう結末が多いんだ。短いのに満足感がすごいから朝読書にぴったりだよね。

22位『ナルニア国物語』シリーズ C・S・ルイス

イギリスの作家C・S・ルイスによる、全7巻からなるファンタジーの金字塔です。特に有名なのが、シリーズ1作目の『ライオンと魔女』です。

物語は、第二次世界大戦中のイギリスで、ペベンシー家の4人きょうだい(ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシー)が田舎の古い屋敷に疎開するところから始まります。ある日、末っ子のルーシーがかくれんぼの途中で入った衣装だんすの奥が、雪に覆われた魔法の国「ナルニア」につながっていることを発見します。ナルニアは、冷酷な白い魔女によって100年もの間、冬の世界に変えられていました。子どもたちは、ナルニアの創造主である偉大なライオン・アスランと共に、魔女と戦い、ナルニアに春を取り戻すための冒険に乗り出します。

衣装だんすの向こうに広がる魔法の世界、話す動物たち、そして壮大な戦い。ファンタジーの魅力がすべて詰まった、胸躍る冒険物語です。勇気や正義、そして自己犠牲といったテーマが、壮大な物語を通して描かれています。

ふくちい

うちのクローゼットもナルニアにつながってないかなって探しちゃうよ!アスランの登場シーンは最高にカッコいいんだ。

23位『シャーロック・ホームズ』シリーズ コナン・ドイル

19世紀末にイギリスの作家アーサー・コナン・ドイルが生み出した、世界で最も有名な名探偵の物語です。長編4作、短編56作が発表されており、今なお世界中の人々を魅了し続けています。

物語の舞台は、霧深いロンドンの街。主人公は、卓越した観察眼と論理的な推理力を持つ私立探偵シャーロック・ホームズです。警察がお手上げの難事件を、相棒の元軍医ジョン・H・ワトソン博士と共に次々と解決していきます。ワトソン博士が事件を記録し、読者に語りかけるという形式で物語は進みます。「緋色の研究」で二人が出会い、「バスカヴィル家の犬」では不気味な伝説に挑むなど、どの事件も個性的でスリリングです。

ホームズの鮮やかな謎解きは、まるで魔法のようです。「ありえないことをすべて取り除けば、最後に残ったものが、どんなに信じがたいことでも、真実だ」といった名言も数多く残されています。推理小説の面白さのすべてが詰まった、ミステリーの入門書として最適なシリーズです。

ふくちい

ホームズの推理力は本当にすごいよね。わたしが気づかないような小さなことから全部見抜いちゃうんだ。

24位『ハリー・ポッター』シリーズ J・K・ローリング

イギリスの作家J・K・ローリングによる、世界的な大ベストセラーとなったファンタジー小説シリーズです。児童文学の枠を超え、子どもから大人まで幅広い世代を夢中にさせました。

物語は、いじわるな親戚の家で孤独な日々を送っていた少年ハリー・ポッターが、11歳の誕生日に自分が魔法使いであることを知るところから始まります。ホグワーツ魔法魔術学校への入学許可証を受け取ったハリーは、魔法の世界へと足を踏み入れます。学校では、ロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーという生涯の友と出会い、楽しい学校生活を送ります。しかし、かつてハリーの両親を殺害し、魔法界を恐怖に陥れた闇の魔法使い「ヴォルデモート」が、再び力を取り戻そうとしていました。ハリーは、仲間たちと共に、ヴォルデモートとの過酷な戦いに身を投じていきます。

友情、勇気、愛、そして善と悪の戦いといった普遍的なテーマが、壮大な魔法の世界を舞台に描かれています。1巻から7巻まで、ハリーたちの成長と共に物語も深みを増していき、夢中になって読み進めてしまうことでしょう。

ふくちい

ホグワーツからの手紙、わたしもずっと待ってるんだ!どの寮に組分けされるか考えるだけでワクワクするよね。

25位『5分後に意外な結末』シリーズ Gakken

「朝の読書」の時間など、短い時間で読書を楽しめるように作られた、小中学生に大人気のショートストーリー集です。シリーズ累計発行部数は430万部を突破しています。

このシリーズの最大の特徴は、その名の通り「5分程度で読めて、最後には必ず意外な結末が待っている」こと。収録されている話は、思わず笑ってしまうユーモラスな話、ゾッとする怖い話、あっと驚くミステリー、心温まる感動話など、バラエティ豊かです。どの話も短いながら、しっかりとした伏線が張られており、最後のどんでん返しには「やられた!」と唸ってしまうことでしょう。

1話完結なので、どの巻からでも、どの話からでも気軽に読み始められます。読書が苦手な子や、普段あまり本を読まない子でも、ゲーム感覚で謎解きを楽しめるため、読書の楽しさを知るきっかけになるかもしれません。大人が読んでも楽しめる、質の高いショートショートが満載です。

ふくちい

「え、そっち!?」って声が出ちゃう結末が多いんだ。短いのに満足感がすごいから朝読書にぴったりだよね。

26位『都会のトム&ソーヤ』シリーズ はやみねかおる

『怪盗クイーン』シリーズでも知られる、はやみねかおるによる大人気冒険ミステリーシリーズです。2003年から刊行が始まり、多くの子どもたちを夢中にさせてきました。

主人公は、自称「ごく平凡」ながら、どんな状況でも生き抜くサバイバル能力に長けた中学生・内藤内人(ないとう ないと)。彼の相棒は、学校始まって以来の秀才で、大財閥「竜王グループ」の御曹司でもある竜王創也(りゅうおう そうや)。性格も育ちも正反対の二人が、自分たちだけの「究極のゲーム」を作るため、デパートやテレビ局といった「都会(まち)」を舞台に、様々な冒険を繰り広げます。謎の天才ゲームクリエイター・栗井栄太との頭脳戦も見どころの一つです。

身近な都会が冒険の舞台になるワクワク感と、内人のサバイバル術、創也の知識が組み合わさって謎を解いていく爽快感がたまりません。読書が苦手な子でも楽しめるように書かれており、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしです。

ふくちい

内人のサバイバル術は本当にすごいよね!いつもの街が冒険のフィールドに見えてくるんだ。

27位『青い鳥』メーテルリンク

ベルギーの劇作家モーリス・メーテルリンクによって1908年に発表された、世界中で愛される童話劇です。幸福の象徴として「青い鳥」という言葉が使われるようになった、もとの物語でもあります。

クリスマスイブの夜、貧しい木こりの兄妹チルチルとミチルのもとに、一人の妖女が訪れます。妖女は、病気の娘のために「幸福の青い鳥」を探してきてほしいと二人に頼みます。魔法の帽子をかぶったチルチルとミチルのもとに、光の精や、犬、猫、パン、砂糖といった物の精たちと一緒に、不思議な旅に出ます。「思い出の国」や「夜の御殿」、「未来の王国」などを巡り、様々な青い鳥を見つけますが、捕まえると色が変わってしまったり、死んでしまったりして、なかなかつかまりません。

長い旅を終えて家に帰ってきた二人が見つけたものとは…。この物語は、「幸福は、遠くを探し回るものではなく、すぐ身近なところにある」という大切なメッセージを教えてくれます。幻想的で美しい冒険物語を通して、幸福とは何かを考えるきっかけになるでしょう。

ふくちい

幸せって意外とすぐ近くにあるんだね。当たり前の日常がすごく大切に思えてくるよ。

28位『銀河鉄道の夜』宮沢賢治

『注文の多い料理店』などで知られる宮沢賢治の代表作の一つです。賢治が亡くなるまで何度も書き直された未完の物語ですが、その美しくも切ない世界観は、多くの人々の心を捉えてやみません。

物語の主人公は、病気の母を助けるためにアルバイトをしながら、孤独な日々を送る少年ジョバンニ。星祭りの夜、仲間はずれにされたジョバンニは、一人で丘の上にいました。すると、どこからか「銀河ステーション」という声が聞こえ、気づくと彼は銀河を走る汽車に乗っていたのです。汽車には、親友のカムパネルラも乗っていました。二人は、不思議な乗客たちと出会いながら、美しい星空の旅を続けます。しかし、旅の終わりには、切ない別れが待っていました。

幻想的な銀河の旅を通して、「ほんとうのさいわい(本当の幸せ)」とは何かを問いかける、深く哲学的な物語です。自己犠牲や他者のための生き方といったテーマが、美しい言葉で綴られています。読む人によって様々な解釈ができる、何度でも読み返したくなる作品です。

ふくちい

銀河を旅する鉄道なんてロマンチックだよね。でも、ただ綺麗なだけじゃなくてすごく切ないお話なんだ。カムパネルラ…。

29位『クローディアの秘密』E・L・カニグズバーグ

1967年にアメリカの作家E・L・カニグズバーグによって発表され、翌年にニューベリー賞を受賞した児童文学の名作です。

主人公は、もうすぐ12歳になる少女クローディア。彼女は、家で正当に評価されていないと感じ、計画的な家出を決意します。家出先に選んだのは、なんとニューヨークのメトロポリタン美術館。節約家でお金を貯め込んでいる弟のジェイミーを仲間に引き入れ、二人は美術館での秘密の生活を始めます。美術館に展示された美しい天使の像が、もしかしたらミケランジェロの作品ではないかという謎に出会った二人は、その秘密を解き明かそうと奮闘します。そして、像の元の所有者であるフランクワイラー夫人という、風変わりで裕福な老婦人に会いに行くのですが…。

美術館に忍び込んで暮らすという、子どもなら誰もが一度は夢見るようなワクワクする設定が魅力です。ただの家出ではなく、「いつもと違う自分になりたい」と願うクローディアの成長物語でもあります。知的好奇心をくすぐる、おしゃれで知的な冒険物語です。

ふくちい

美術館に住むなんて最高の家出だよね!わたしもクローディアみたいに大きな謎を解き明かしてみたいな。

ランキングを参考に5年生・6年生で心に残る小説を見つけよう

ここまで、5年生・6年生におすすめの小説を29冊ご紹介してきましたが、気になる一冊は見つかりましたか?

この時期に読む本は、ただ面白いだけでなく、これからの人生で大切にしたい考え方や価値観に出会うきっかけにもなります。今回ご紹介した本は、冒険やファンタジーの世界に胸を躍らせるものから、友情や人生について深く考えさせられるものまで、様々なジャンルにわたります。

ランキングを参考に、ぜひ図書館や本屋さんで実際に本を手に取ってみてください。表紙の絵やあらすじを読んで、「これだ!」と思う一冊が、きっとあなたの心に残る大切な宝物になるはずです。

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