皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
辻村深月(つじむら みづき)さんは、1980年2月29日生まれ、山梨県出身の小説家です。千葉大学教育学部を卒業後、2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞し、24歳で作家デビューを果たしました。幼い頃から読書家で、特に綾辻行人さんの『十角館の殺人』に衝撃を受けてミステリーにのめり込んだ経験があります。
辻村さんの作品は、ミステリーを中心に青春、恋愛、ホラーなど幅広いジャンルに及びます。特に、思春期の少年少女が抱える孤独感や痛みを、繊細な心理描写で描き出すことに定評があります。物語の各所に散りばめられた伏線が、終盤で一気につながっていく構成力も魅力の一つです。読者の間では、作風によって心温まる「白辻村」と、人間の黒い感情を抉り出す「黒辻村」に分類されることもあります。これまでに『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』で直木賞、『かがみの孤城』で本屋大賞など、数々の文学賞を受賞しており、現代を代表する人気作家の一人です。
数多くの名作を生み出している辻村深月さん。どの作品から読めばいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。辻村作品の魅力を存分に味わうための選び方をいくつかご紹介します。
まずは、初心者でも読みやすい代表作や、映像化された話題作から手に取ってみるのがおすすめです。また、辻村作品は、異なる物語に同じ登場人物が現れるなど、作品同士がリンクしていることがあるため、シリーズや関連作品を順番に読んでいくと、より深く世界観を楽しむことができます。心温まる物語が好きな方は「白辻村」、人間の深層心理に触れたい方は「黒辻村」といったように、作風で選ぶのも一つの方法です。これから、それぞれの選び方に合わせたおすすめ作品を紹介していきますので、ぜひあなたにぴったりの一冊を見つける参考にしてください。
辻村深月さんの作品を初めて読む方には、まず代表作から入るのがおすすめです。特に『かがみの孤城』は、2018年に本屋大賞を受賞した作品で、ファンタジーの要素を取り入れつつ、思春期の少年少女の心の機微を丁寧に描いており、多くの読者の共感を呼びました。世代を問わず楽しめる一冊です。
また、死者との再会を仲介する使者を描いた『ツナグ』も、心温まる感動的な物語で、初心者の方にも読みやすい作品です。デビュー作である『冷たい校舎の時は止まる』は、後の作品にもつながる辻村ワールドの原点ともいえる青春ミステリーで、読み応えのある長編に挑戦したい方におすすめです。これらの作品は、辻村さんの作風や魅力が凝縮されており、その世界観に触れる第一歩として最適です。
辻村深月さんの作品は、ファンの間でその作風から「白辻村」と「黒辻村」に分けられることがあります。どちらの作風も魅力的で、その日の気分に合わせて選ぶのもおすすめです。
「白辻村」は、読後に希望の光や温かい気持ちになれる作品が多く、優しい物語を読みたいときにぴったりです。『かがみの孤城』や『島はぼくらと』、『ツナグ』などが代表作として挙げられます。一方、「黒辻村」は、人間の心の闇や嫉妬、見栄といった黒い感情を鋭く描き出す作品が特徴です。少しビターで刺激的な読書体験をしたい方には、『盲目的な恋と友情』や『噛みあわない会話と、ある過去について』、『太陽の坐る場所』などがおすすめです。
辻村深月さんの作品は、その人気の高さから数多く映像化されています。映画やドラマ、アニメで物語に触れてから原作を読むと、また違った楽しみ方ができるかもしれません。
代表的な映像化作品としては、2018年に本屋大賞を受賞し、2022年に劇場アニメ化もされた『かがみの孤城』が挙げられます。また、吉川英治文学新人賞を受賞した『ツナグ』や、直木賞受賞作の『鍵のない夢を見る』も映画化やドラマ化がされています。その他にも、アニメ業界の裏側を描いた『ハケンアニメ!』や、不妊治療をテーマにした『朝が来る』、婚活のリアルを描いた『傲慢と善良』など、話題となった作品が多数映像化されています。
辻村深月作品の大きな魅力の一つに、異なる作品間で登場人物や世界観がリンクしている点が挙げられます。順番に読むことで、物語をより深く、立体的に楽しむことができます。
特におすすめなのが、デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』から始まる一連の作品群です。『冷たい校舎の時は止まる』を読んだ後、『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『名前探しの放課後』と読み進めていくと、登場人物たちの成長や意外な関係性が見えてきます。また、クリエイターの卵たちが集うアパートを描いた『スロウハイツの神様』は、作中に登場する作家チヨダ・コーキのデビュー作という設定の『V.T.R.』と合わせて読むことで、楽しみが倍増します。これらの作品群を追いかけることで、辻村ワールドの奥深さに触れることができるでしょう。
ここからは、いよいよ辻村深月さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。デビュー作から最新作、心温まる感動作から背筋が凍るミステリーまで、多彩なラインナップが揃いました。
あなたのお気に入りの一冊がきっと見つかるはずです。各作品のあらすじや魅力も解説していきますので、ぜひ最後までお楽しみください。
学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生のこころ。ある日、自室の鏡が光り出し、吸い込まれるようにして入った先には、不思議な城がそびえ立っていました。そこには、こころと似た境遇の7人の中学生が集められていたのです。
2018年に本屋大賞を受賞した、辻村深月さんの代表作です。「オオカミさま」と名乗る謎の少女に「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いも一つだけ叶える」と告げられた7人。彼らが共に時間を過ごす中で、少しずつ心を通わせ、それぞれの抱える問題に立ち向かっていく姿が描かれます。生きづらさを感じるすべての人に贈る、感動の物語です。
ラストは涙なしには読めないよ。登場人物一人ひとりを、ぎゅっと抱きしめたくなるんだ。
一生に一度だけ、死んだ人との再会を叶えてくれるという使者「ツナグ」。その役目を祖母から受け継ぐことになった高校生の歩美が、依頼者たちのさまざまな想いに触れて成長していく物語です。
2011年に吉川英治文学新人賞を受賞し、映画化もされた感動の連作短編集。亡くした恋人、病死した親友、行方不明の婚約者。依頼人たちが抱える後悔や伝えられなかった想いが、死者との再会を通して描かれます。温かい涙とともに、生きることの尊さを教えてくれる一冊です。
もしわたしが誰かに会えるとしたら…なんて、つい考えちゃうよね。心があたたかくなる物語だよ。
婚約者の真実(まみ)が、ある日突然姿を消した。彼女の居場所を探すため、架(かける)は彼女の過去を辿り始めます。そこで明らかになるのは、これまで知らなかった彼女の姿と、現代の婚活に潜む「傲慢」と「善良」の姿でした。
恋愛や婚活における男女の心理を鋭く描き出し、多くの読者から圧倒的な支持を得た作品です。なぜ真実は消えなければならなかったのか。自分の中にもあるかもしれない「傲慢さ」や「善良さ」について、深く考えさせられる物語。恋愛小説でありながら、ミステリー要素も楽しめます。
耳が痛い…!でも、自分と向き合うきっかけをくれるんだ。恋愛に悩む人には特に読んでほしいな。
少し不思議な「SF(すこし・ふしぎ)」な視点で世界を見る主人公、芦沢理帆子。写真家の母と二人暮らしの彼女は、ある日、行方不明だった父の足跡を辿ることになります。物語の随所に「ドラえもん」のひみつ道具や名言が登場するのも特徴です。
他の作品とのリンクも多い、辻村ワールドの入門編としてもおすすめの一冊。家族との関係や自身のアイデンティティに悩む理帆子の成長を描いた青春小説です。少し切なくも心温まる読後感で、読み終えた後にはきっと優しい気持ちになれるでしょう。
ドラえもんが好きな人なら、もっと楽しめるはずだよ。理帆子の「SF」な視点がユニークで面白いんだ。
人気脚本家がオーナーを務めるアパート「スロウハイツ」には、漫画家や映画監督の卵など、クリエイターたちが集い、共同生活を送っています。夢を追いかける若者たちの、きらめきと葛藤に満ちた日々を描いた青春群像劇です。
伏線回収が見事で、後半の怒涛の展開に圧倒されること間違いなしの傑作。登場人物たちの人間関係や、それぞれの創作への情熱が丁寧に描かれており、読んでいるうちにスロウハイツの住人たちを大好きになってしまうでしょう。物語を愛するすべての人に読んでほしい一冊です。
クリエイターたちの熱い想いに胸が打たれるよ!最後の展開は本当にびっくりするから、覚悟して読んでね!
雪が降る日、学校に閉じ込められた8人の高校生。彼らは、2ヶ月前の学園祭で自殺した同級生の死の真相を思い出そうとしますが、どうしてもその子の名前が思い出せません。時は止まり、開かない扉。彼らは脱出することができるのでしょうか。
辻村深月さんのデビュー作にして、第31回メフィスト賞を受賞した記念碑的作品です。500ページを超える大長編で、思春期特有の痛みや孤独、友情が濃密に描かれています。閉ざされた空間で展開される青春ミステリーの傑作であり、辻村ワールドの原点を味わうことができます。
この分厚さに最初は驚くかもしれないけど、読み始めたら止まらないんだ。彼らの記憶の謎に引き込まれるよ。
地方の町で暮らす女性たちの、ありふれた日常に潜む小さな綻びや悪意を描いた5編からなる連作短編集です。盗み、放火、ストーカー…彼女たちが犯してしまった、あるいは巻き込まれてしまった事件の背景にある切ない人間模様が描かれます。
2012年に第147回直木賞を受賞した作品。誰もが心のどこかに持っているかもしれない、些細なきっかけで一線を越えてしまう危うさを巧みに描き出しています。読み終えた後、自分の周りの世界が少し違って見えるかもしれません。
日常に潜むちょっとした怖さがリアルなんだ。短編集だから、辻村作品が初めての人にも読みやすいかもね。
ある日、小学校で飼っていたうさぎが惨殺される事件が起こります。そのショックで心を閉ざしてしまった幼なじみのふみちゃんのために、「ぼく」は自分だけが持つ“ある力”を使って犯人に復讐することを決意します。
罪と罰、そして赦しという重いテーマを扱いながらも、少年少女の純粋な想いが胸を打つ長編ミステリー。「ぼく」が下す決断とは何なのか。正義とは何かを深く問いかけられる作品です。他の作品との繋がりも深く、辻村ワールドの核心に触れる一冊とも言えるでしょう。
本作における復讐の定義は極めて哲学的であり、その遂行過程は読者の倫理観を鋭く問うものだ。
瀬戸内海に浮かぶ島を舞台に、島で生まれ育った4人の高校生の成長と、島にやってきた一人の移住者との交流を描いた物語。過疎化や島の伝統など、現実的な問題に直面しながらも、彼らは自分たちの未来を切り開いていこうとします。
2014年の本屋大賞で3位に選ばれた、爽やかな読後感が魅力の青春小説です。美しい島の風景とともに、高校生たちの友情や葛藤、そして未来への希望が瑞々しく描かれています。心が洗われるような、温かい感動に包まれる一冊です。
島の景色が目に浮かぶようで、旅行した気分になれるよ。4人の友情が本当に素敵なんだ!
アニメ業界を舞台に、新人監督、プロデューサー、アニメーターなど、アニメ制作に情熱を注ぐ人々を描いたお仕事小説。同じクールに放送される2本のアニメ。どちらが覇権(ハケン)を握るのか。熱い戦いの火蓋が切られます。
2015年の本屋大賞で3位にランクインし、映画化もされた話題作です。知られざるアニメ制作の裏側や、クリエイターたちの葛藤、そして作品にかける熱い想いがリアルに描かれています。ものづくりに関わるすべての人、そしてアニメが好きなすべての人に読んでほしい、胸が熱くなる物語です。
アニメを作るのってこんなに大変なんだ!って驚いたよ。みんなの情熱に、こっちまで燃えてくるんだ!
かつてカルト団体と批判された〈ミライの学校〉の跡地から、少女の白骨遺体が発見されます。弁護士の法子は、その遺体が小学生時代に夏合宿で出会った友人・ミカではないかと胸騒ぎを覚えます。30年前の記憶を辿るうち、幼い日の友情と罪が浮かび上がってきます。
人間の繊細な心理描写が素晴らしく、ミステリー要素を含みながらも、深いヒューマンドラマが展開されます。過去と現在はどう繋がるのか。忘れかけていた夏の記憶が、圧巻のラストへと繋がっていきます。
過去の記憶って、時々すごく曖昧だよね。法子と一緒に、ドキドキしながら真実を探しちゃったよ。
コロナ禍でさまざまな活動が制限される中、茨城、東京、長崎に住む中高生たちが、オンラインで繋がり「スターキャッチコンテスト」に挑む物語です。それぞれが抱える悩みや葛藤を乗り越え、一つの目標に向かって協力していきます。
映画化も予定されている、今を生きる若者たちの姿を描いた青春小説。会えないからこそ深まる絆や、夜空を見上げることで共有できる想いが描かれています。哀しさ、優しさ、あたたかさ、人間の感情のすべてが詰まった、宝物のような一冊です。
リモートだけど、みんなの心が繋がっていくのがすごく良かったな。星空って、どこから見ても同じだもんね!
同じ高校に通うクラスメイトでありながら、ほとんど話したことのない依田と坂崎。ある日、坂崎は依田から「死んだ同級生は誰か、思い出せないんだ」と奇妙な相談を受けます。二人は失われた記憶を求め、放課後の探索を始めます。
『冷たい校舎の時は止まる』など、他の作品とのリンクが色濃い一冊です。青春小説の切なさと、ミステリーの謎解きが絶妙に融合しています。忘れていたはずの過去と向き合うことで見えてくる真実とは。衝撃のラストがあなたを待っています。
この作品は、他の話を読んでからだと「あっ!」ってなるんだ。辻村ワールドの深さを感じる一冊だよ。
大学生の月子は、弟の失踪事件をきっかけに、奇妙な殺人事件に巻き込まれていきます。事件の裏に見え隠れするのは、かつて弟が熱中していたRPGゲーム「ユートピア」。ゲームと現実が交錯する中で、月子は恐ろしい真実に近づいていきます。
上下巻に分かれた長編で、ダークな雰囲気が漂うミステリー作品です。後半にかけての加速感が凄まじく、一度読み始めたら止まらなくなるでしょう。人間の狂気や心の闇を描き出す、いわゆる「黒辻村」の代表作の一つです。
本作が描き出すゲームと現実の境界線の曖昧さは、現代社会におけるアイデンティティの脆弱性への警鐘と解釈できる。
子どもを産めなかった夫婦と、子どもを育てられなかった14歳の母。特別養子縁組によって結ばれた家族に、ある日、子どもを「返してほしい」という一本の電話がかかってきます。その電話の主は、子どもを産んだ実の母親を名乗る女でした。
不妊治療や特別養子縁組というテーマに正面から向き合い、映画化もされた社会派小説。家族とは何か、母性とは何かを深く問いかけます。それぞれの登場人物が抱える光と影が丁寧に描かれ、読む人の心を強く揺さぶる感動作です。
すごく重いテーマだけど、読むのをやめられなかったよ。それぞれの「母親」の気持ちを考えると、胸が苦しくなるんだ。
主人公のチエミは、音信不通だった大学時代の友人・みずほが失踪したことを知ります。みずほの母親から行方を探してほしいと頼まれたチエミは、彼女の足跡を追ううちに、自分たちが目を背けてきた過去と向き合うことになります。
女性同士の友情の複雑さや、母親との関係性をリアルに描いた作品です。過去の出来事が現在の自分にどう影響しているのか。登場人物たちの心の動きが繊細に描かれており、特に女性読者から多くの共感を集めています。
女の子同士の友情って、時々すごく複雑だよね。チエミと一緒に、みずほの気持ちを探る旅に出る感じだったな。
美しく、誰もが羨むような恋人がいる蘭花。しかし、彼女の親友である留利絵だけは、その完璧な恋愛に違和感を覚えていました。蘭花の知らないところで、留利絵はある計画を進めていたのです。これは、友情と恋、そして復讐の物語。
「白辻村」と「黒辻村」の両方の側面を併せ持つ、衝撃的な一冊。物語は二人の視点から交互に語られ、読み進めるうちに隠された真実が明らかになります。人間の嫉妬や独占欲といった感情が渦巻く、どろりとした読書体験が待っています。
友情と愛情の境界線について深く考察させられる。本作の結末は、読者に強烈な印象を残すだろう。
小学5年生のトシとワタル。クラスの人気者だったトシと、気弱なワタル。親しくなった二人は、ある日、家出を決意します。二人の小さな冒険を描いた表題作を含む、5編を収録した短編集です。
辻村深月さんが初めて発表した短編集で、デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフともいえる作品です。思春期特有の揺れ動く友情や、大人になることへの不安が、切なくも瑞々しく描かれています。青春小説が好きな方におすすめの一冊です。
小学生の時の気持ちを思い出すなあ。ちょっとした冒険にドキドキしたよね。懐かしい気持ちになれるよ。
『ツナグ』の続編となる本作では、使者としての役目を本格的に引き継いだ歩美の成長が描かれます。歴史上の人物に会いたいという歴史学者や、亡きアイドルにもう一度会いたいと願うファンなど、新たな依頼者たちが彼の元を訪れます。
前作で描かれたテーマをさらに深く掘り下げ、人と人との「縁」の尊さを教えてくれる物語。死者との再会を通して、依頼者だけでなく、使者である歩美自身もまた、さまざまな想いを受け止め、成長していきます。前作と合わせて読むことで、より一層感動が深まります。
歩美くんが立派な使者になっていく姿に感動しちゃった。今回も、いろんな形の「会いたい」気持ちに涙が出たよ。
大学時代の友人、かつての教え子、疎遠になっていた親戚。久しぶりに再会した相手との会話に、どこか奇妙な違和感が…。美しい思い出として記憶されていたはずの過去が、会話をきっかけにその恐ろしい裏側を見せ始めます。
人間の無自覚な悪意や思い込みの怖さを描いた、4編からなる短編集です。読み進めるうちにじわじわと背筋が寒くなるような、まさに「黒辻村」の真骨頂ともいえる作品。読後、自分の過去の言動を振り返りたくなるかもしれません。
記憶の主観性というテーマは、人間の認識の限界を浮き彫りにする。本作は、その危うさを巧みに描き出している。
ある日突然、母親に連れられて家を出た少年、幹生。母と息子のあてのない逃避行が始まります。なぜ逃げなければならないのか、どこへ向かっているのかも知らされないまま、幹生は母との二人きりの生活の中で、少しずつ成長していきます。
ロードムービーのような雰囲気を持つ本作は、母と子の絆を深く描いた物語です。旅の途中で出会う人々との交流を通して、幹生は世界の広さを知ります。切なくも温かい、希望に満ちたラストが胸を打ちます。
お母さんと二人だけの逃避行、ちょっとドキドキするよね。理由がわからないのが、またミステリアスなんだ。
学校や会社に、あなたの周りに「闇」を振りまく人はいませんか?ごく普通の日常に、じわりじわりと広がる不穏な空気。その中心にいるのは、一見するとごく普通の一家でした。彼らがもたらす災厄は「闇ハラスメント」と呼ばれ、人々の心を蝕んでいきます。
辻村深月さんが初めて本格的に挑んだ、ホラーミステリー作品です。じっとりとした恐怖が、静かに、しかし確実に心を侵食してくるような一冊。人間の内に潜む悪意の恐ろしさを描いた、まさに「ヒトコワ系」小説です。
本作における恐怖の源泉は、超常現象ではなく人間そのものである。日常に潜む悪意の描写は、読者に現実的な恐怖を喚起させる。
中学2年生のマチは、同じクラスの塚原くんのことが気になっています。しかし、塚原くんには秘密がありました。彼の兄は、かつてこの中学校で伝説的な人気を誇った生徒会長でしたが、卒業後に亡くなっていたのです。兄の影を追い求める塚原くんと、彼を見守るマチの、切ない恋と成長の物語。
中学生の淡い恋心や友情を瑞々しく描いた、爽やかな青春小説です。亡き兄への想い、友人との関係、そして初めての恋。多感な時期の心の揺れ動きが丁寧に描かれています。読後には、温かい春の日差しのような優しい気持ちになれるでしょう。
中学生の恋って、甘酸っぱくていいよね。塚原くんの秘密が気になって、一気に読んじゃったよ。
『冷たい校舎の時は止まる』や『凍りのくじら』など、初期の長編作品に登場したキャラクターたちのその後を描いた短編集です。あの時、物語を終えた彼らが、今どこで、どんな風に生きているのか。ファンにとってはたまらない一冊となっています。
これまでの作品を読んできた読者への、辻村さんからのプレゼントのような作品集。それぞれの物語で彼らが経験した痛みや喜びが、その後の人生にどう繋がっているのかが描かれます。必ず、関連する長編を読んだ後に手に取ることをおすすめします。
あのキャラクターたちの後日談が読めるなんて最高だよ!みんなが前に進んでいる姿に、すごく嬉しくなったな。
結婚、就職、進学など、人生のさまざまなステージで家族が直面する出来事を描いた7編の短編集。一つ屋根の下で暮らしていても、実は知らないことばかり。ささいなすれ違いや、言えない本音。それでもやっぱり、家族は温かい。
日常にありふれた家族の風景を、温かい眼差しで切り取った作品集です。どの物語にも共感できる部分があり、読みながら自分の家族のことを思い出してしまうかもしれません。読後には、家族に会いたくなるような、心温まる一冊です。
うちの家族にもこんなことあったなあって、つい重ね合わせちゃうんだ。クスッと笑えたり、じんわりきたりするよ。
「人を殺したい」――。ごく普通の女子高生である「私」は、同じクラスの少し変わった女の子・小林アンナに、そう打ち明けます。アンナは「私」の願いを叶えるため、完璧な殺人計画を立て始めます。二人の少女の歪んだ友情と、暴走する殺意の行方を描く物語。
人間の心の脆さや危うさを描いた、衝撃的な青春ミステリー。なぜ「私」は人を殺したいと思うようになったのか。少女たちの繊細で危険な心理描写に引き込まれます。ぞっとするような展開の中に、思春期の切実な叫びが聞こえてくるような作品です。
本作は、思春期における自己同一性の拡散と、それに伴う破壊衝動をテーマとしている。その描写は極めて鋭利だ。
とある結婚式場を舞台に、大安吉日の一日を描いた物語。結婚式プランナー、新郎新婦、親族、友人、そして謎の脅迫犯まで、さまざまな人々の視点が交錯しながら、4組の結婚式の裏側で起こるドタバタ劇が展開されます。
ミステリー要素あり、コメディ要素ありの、エンターテインメント性あふれる一冊。次々と起こるトラブルを、式場のスタッフたちはどう乗り越えるのか。テンポの良い展開で、一気に読むことができます。幸せな気持ちと、少しのハラハラドキドキを味わえる作品です。
結婚式の裏側ってこんなに大変なんだ!って思ったよ。いろんな人の想いが詰まった一日って素敵だね!
大学生の男女7人が集まる学生寮。彼らは毎晩のように「嘘つきジェンガ」というゲームに興じていました。それは、ジェンガを抜きながら、自分の嘘を告白していくというゲーム。しかし、その嘘の中には、ある事件に関わる重大な秘密が隠されていました。
ゲームを通して、登場人物たちの過去や本性が少しずつ暴かれていくサスペンスミステリー。誰が本当のことを言っているのか、誰の嘘が事件の核心に繋がるのか。疑心暗鬼に満ちた人間模様と、巧みな伏線が光る一冊です。
嘘と本当が入り混じって、誰を信じたらいいかわからなくなるよ。ジェンガみたいに、関係が崩れていくのが怖かったな。
高校時代、クラスの中心にいて太陽のような存在だった響子。10年後のクラス会で、彼女の成功を妬む者、彼女の影で生きてきた者、それぞれの想いが交錯します。そして、クラス会の裏で、ある事件が起ころうとしていました。
スクールカーストや女性同士の嫉妬といった、人間のどろりとした感情を描き切った「黒辻村」作品。過去と現在を行き来しながら、登場人物たちの隠された本性が暴かれていきます。読後、ずしりとした重みが残る、強烈なインパクトを持つ一冊です。
本作はスクールカーストという閉鎖空間における権力構造と、それが個人のアイデンティティに及ぼす永続的な影響を冷徹に描破している。
大正時代から続く歴史ある社交場「東京會舘」。その建物の建て替えを前に、そこで繰り広げられた数々の人間模様を、會舘で働く人々の視点から描いた連作短編集です。主人公は、東京會舘そのものとも言えるかもしれません。
時代を超えて、人々の出会いや別れ、喜びや悲しみを見守ってきた場所の物語。辻村さん自身の東京會舘への愛情が感じられる、温かくノスタルジックな一冊です。歴史や建築が好きな方にもおすすめです。
建物が語り手っていうのが面白いよね。たくさんの人の人生が、この場所で交差してきたんだなあって、歴史を感じたよ。
この作品は、なんと『スロウハイツの神様』に登場する人気作家チヨダ・コーキが執筆したデビュー作、という設定で書かれた小説です。主人公のティーのもとに、ある日かかってきた一本の電話。それは、彼の運命を大きく変えるものでした。
『スロウハイツの神様』を読んだ人なら、絶対に楽しめる仕掛けに満ちた一冊。物語の中の物語が、現実の書籍として読めるという不思議な体験ができます。もちろん、単体のミステリー小説としても完成度が高く、楽しむことができます。
チヨダ・コーキのデビュー作が本当に読めるなんて!ファンにはたまらない企画だよね。もちろん、話もすごく面白かったよ!
過疎の村、睦ッ代村。村おこしのロックフェスに、村出身の女優・由貴美が帰郷します。高校生の広海は彼女に心惹かれますが、彼女は村への復讐という秘密を抱えていました。閉鎖的な村を舞台に、二人の危険な関係と村の闇が描かれる物語です。
閉鎖的な村の雰囲気って、独特の怖さがあるよね。由貴美の復讐の理由が気になって、ページをめくる手が止まらなかったな。
「怪談」をテーマにした12編の短編集。しかし、ここに登場するのはお化けや幽霊だけではありません。亡くなった人への想い、失われた過去への郷愁、そして生きていく中でのささやかな後悔。人の「喪失」に寄り添う、少し不思議で切ない物語が詰まっています。
辻村深月さんが新境地を切り開いた、絆を感じる傑作短編集です。怖いけれど、どこか温かい。読み終えた後、失くしてしまった大切な誰かや何かを、そっと思い出させてくれるような一冊です。
ただ怖いだけじゃないんだ。切なくて、じんわり心に染みるお話ばかりだったよ。誰かを想う気持ちって、素敵だね。
学校の怪談や都市伝説をモチーフにした、5編のホラー短編集。「合わせ鏡の間に立つと未来の自分の顔が見える」「体育館の舞台袖の鏡には…」など、誰もが一度は聞いたことのあるような話が、辻村さんの手によって新たな恐怖となって生まれ変わります。
思春期の少女たちの 불안や嫉妬といった感情が、怪談と結びつくことで、より一層の恐怖を生み出します。日常が少しずつ侵食されていくような、じわじわとした怖さを味わいたい方におすすめです。
本作における恐怖の構造は、超自然的な存在そのものよりも、それを触媒として露呈される人間の内なる闇に起因する。
早くに母親を亡くした杏子は、父の再婚相手である「まま母」のことが、どうしても好きになれませんでした。しかし、時を経て杏子自身も母親になった時、まま母が抱えていた想いや秘密を少しずつ理解していくことになります。
血の繋がらない母と娘の、数十年にわたる関係性を描いた家族小説。ぎこちなく、すれ違いながらも、少しずつ形を変えていく二人の関係が丁寧に描かれています。家族のあり方は一つではないと教えてくれる、温かい感動に満ちた一冊です。
まま母の気持ちも、杏子の気持ちも、どっちもわかる気がするんだ。時間をかけて家族になっていくって、素敵だね。
月面探査機が捉えた白い影を「月のウサギだ!」と主張したのび太は、ドラえもんのひみつ道具「異説クラブメンバーズバッジ」を使って、月の裏側にウサギ王国を作ります。そこで出会った不思議な少年ルカと共に、壮大な冒険を繰り広げます。
辻村深月さん自身が脚本を担当した、2019年公開の映画のノベライズ版です。大のドラえもん好きを公言する辻村さんならではの、原作への愛とリスペクトに満ちた物語。子どもから大人まで、すべてのドラえもんファンが楽しめる一冊です。
辻村さんが書くドラえもん、最高だよ!友情とか、信じる心とか、ドラえもんの大事なテーマが詰まってるんだ。
島本理生さん、宮部みゆきさん、森絵都さんという3人の直木賞作家とともに、「はじめて〇〇したときに読む物語」をテーマに書き下ろしたアンソロジー。辻村深月さんは「はじめて家出したときに読む物語」として『ユーレイ』という短編を寄稿しています。
豪華な作家陣による、テーマ競作の短編集です。辻村さんの『ユーレイ』は、家出をした少女が不思議な出会いを経験する、少し切なくも心温まる物語。他の作家さんの作品と読み比べるのも楽しい一冊です。
すごい作家さんたちが集まっていて、贅沢な一冊だよね。辻村さんのお話は、やっぱり優しくて、ちょっと不思議だったな。
『ハケンアニメ!』の公式スピンオフ作品。伝説の監督・王子千晴が率いる「スタジオえっじ」のメンバーたちが、新たなアニメ制作に挑みます。本編では描かれなかったキャラクターたちの過去や、知られざるエピソードが満載です。
『ハケンアニメ!』を読んだファンなら、さらに楽しめること間違いなしの一冊。天才監督・王子千晴の新たな挑戦や、彼を取り巻くスタッフたちの熱い想いが描かれます。本編と合わせて読むことで、より深くアニメ業界の世界に浸ることができます。
王子監督の過去が知れて、もっと好きになっちゃった!『ハケンアニメ!』のファンは絶対に読むべきだよ!
学校の図書室を舞台に、本と人との出会いを描いた連作短編集。悩みを抱えた生徒たちが、司書や本との出会いを通して、新たな一歩を踏み出すきっかけを見つけていきます。辻村さん自身が学生時代に経験したことや、読んできた本への想いが詰まった一冊です。
本が好き、図書室が好き、そんなすべての人に贈る物語。読書がもたらしてくれる世界の広がりや、人生を変える一冊との出会いの奇跡が、温かく描かれています。読後、きっと図書室に行きたくなるはずです。
本が誰かの背中を押してくれるって、すごく素敵だよね。わたしも、自分の人生の一冊を探したくなっちゃった。
宮部みゆきさん、辻村深月、薬丸岳さん、東山彰良さん、宮内悠介さんという、現代を代表する作家5名によるアンソロジー。それぞれが「罪」をテーマに、個性あふれるミステリーを書き下ろしています。
豪華作家陣の競演が楽しめる、ミステリー好きにはたまらない一冊。辻村さんは、ある家族の秘密を描いた短編を寄稿。作家ごとに異なる「罪」の解釈やアプローチの違いを味わうのが、このアンソロジーの醍醐味です。
いろんな作家さんのミステリーが一度に読めるなんて、お得な気分だね。それぞれの個性が光っていて面白かったよ。
言葉をテーマにしたエッセイや対談、短編小説などを収録した一冊。作家・辻村深月が、日々の生活や創作活動の中で、いかに言葉と向き合っているのか。その真摯な姿勢が伝わってきます。
小説家としての創作の裏側や、言葉に対する深い洞察に触れることができる貴重な作品集です。辻村深月さんのファンはもちろん、言葉に興味がある方、文章を書くのが好きな方にもおすすめです。
作家さんの頭の中ってどうなってるんだろう?って思うことあるよね。この本を読むと、辻村さんの言葉の世界を少し覗ける気がするよ。
辻村深月さんが、山梨日日新聞で連載していたエッセイをまとめた一冊。作家としての日常、家族とのエピソード、故郷・山梨への想いなど、辻村さんのプライベートな一面が垣間見えます。
小説とはまた違った、辻村さんの飾らない言葉や温かい人柄に触れることができます。クスッと笑える話から、じんわりと心に響く話まで、辻村さんのファンならずとも楽しめるエッセイ集です。
辻村さんの普段の生活が知れて、なんだか親近感が湧いちゃった。作家さんも、わたしたちと同じように毎日を過ごしてるんだね。
辻村深月さんの読書愛が詰まったエッセイ集。幼い頃に夢中になった本、作家になってから影響を受けた本など、辻村さんの人生を形作ってきた数々の本について、熱く、そして愛情たっぷりに語られます。
この本を読めば、辻村さんがいかに本を愛しているかが伝わってきます。紹介されている本を、思わず読みたくなってしまうこと間違いなし。読書の楽しさ、素晴らしさを再発見させてくれる一冊です。
本好きにはたまらない一冊だよ!辻村さんのおすすめ本、全部読みたくなっちゃう。読みたい本がまた増えちゃったな。
辻村深月さんが初めて手がけた絵本作品。りすの「りっくん」とくまの「くーちゃん」の心温まる友情の物語です。「すき」という気持ちを言葉にして伝えることの大切さを、優しく教えてくれます。
可愛らしいイラストと共に、子どもから大人まで楽しめるストーリーが展開されます。大切な人に「すき」と伝えたくなる、温かい気持ちになれる絵本です。親子で一緒に読むのもおすすめです。
絵本も書いちゃうなんて、辻村さんってすごいなあ。りっくんとくーちゃんが可愛くて、心がぽかぽかしたよ。
こちらも辻村深月さんが手がけた絵本です。迷子のこねこの「チッチ」が、お母さんを探して冒険する中で、さまざまな出会いを経験し、成長していく物語。幸せは、意外と身近なところにあるのかもしれません。
チッチの冒険を通して、勇気を出すことや、周りの優しさに気づくことの大切さを描いています。読み終えた後、優しい気持ちで満たされる一冊。子どもへの読み聞かせにもぴったりです。
チッチの小さな冒険に、ドキドキしながらも応援しちゃった。お母さんに会えてよかったねって、涙が出そうになったよ。
辻村深月さんのデビュー10周年を記念して刊行された、豪華なファンブック。人気作家によるトリビュート小説やイラスト、ロングインタビュー、対談、全著作解説など、盛りだくさんの内容です。
辻村深月ワールドを、さまざまな角度から深く掘り下げた一冊。これまで辻村作品を読んできたファンはもちろん、これから読んでみようという方にも、最高のガイドブックとなるでしょう。辻村さんの新たな一面を発見できるかもしれません。
辻村さんの魅力が全部詰まった、お祭りのような本だよ!いろんな作家さんが辻村さんの話を書いているのも面白いんだ。
ここまで、辻村深月さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。心温まる青春小説から、人間の心理を鋭く描くミステリー、背筋が凍るホラーまで、その作風は非常に多彩です。
もしどの作品から読むか迷ったら、本記事で紹介した「選び方」を参考に、今のあなたの気分に合った一冊を手に取ってみてください。きっと、あなたを夢中にさせる物語に出会えるはずです。さあ、あなたも辻村深月の世界の扉を開けて、忘れられない読書の旅に出かけましょう。