皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
「百合小説」と聞いて、あなたはどんな物語を思い浮かべますか?
百合とは、女性同士の恋愛や、恋愛に近い強い友情を描いた作品ジャンルのことです。一口に百合と言っても、甘酸っぱい青春を描いたものから、心揺さぶるシリアスな物語、さらにはSFやミステリーの要素を取り入れたものまで、その世界は驚くほど豊かで多様です。
百合小説の最大の魅力は、登場人物たちの繊細な心の動きや、複雑で美しい関係性の描写にあります。友情以上、恋人未満のもどかしい距離感や、社会的な障壁を乗り越えようとする強い絆など、女性同士だからこそ描ける感情の機微が、多くの読者の心を掴んで離しません。この記事では、そんな奥深い百合小説の中から、特におすすめの作品をランキング形式でご紹介します。あなたの心に響く、特別な一冊がきっと見つかるはずです。
お待たせしました!ここからは、今絶対に読んでほしい百合小説のおすすめランキングを、30位から一気にご紹介していきます。
ライトノベルの話題作から、時代を超えて愛される文芸作品、ちょっぴりダークなミステリーまで、様々なジャンルの名作がランクインしました。あなたの好みにぴったりの作品を見つけて、百合小説の世界を存分に楽しんでくださいね。
輝かしい第1位は、入間人間先生が描く『安達としまむら』です。この作品は、多くの百合小説ファンから絶大な支持を得ており、「百合ラノベの金字塔」とも言える一作です。物語は、体育館の2階で偶然出会った二人の女子高生、安達としまむらの関係性をゆったりと、そして丁寧に描いていきます。
授業をサボって卓球をしたり、一緒に買い物をしたりと、何気ない日常を過ごす中で、安達はしまむらに対して特別な感情を抱き始めます。その気持ちが友情なのか恋なのか、自分でも分からないまま少しずつ変化していく二人の距離感が、本作の大きな魅力です。繊細な心理描写と、どこか詩的な文章でつづられる彼女たちの物語は、読者の心を温かく包み込んでくれるでしょう。
二人の関係がゆっくり進むのが本当に尊いんだ。焦らずに見守りたくなる、そんな作品かな。
第2位は、百合というジャンルを語る上で欠かせない不朽の名作、『マリア様がみてる』です。1998年に刊行が開始され、百合ブームの火付け役となった作品とも言われています。物語の舞台は、良家の子女が通う私立リリアン女学園。そこには「スール(姉妹)」と呼ばれる、上級生が下級生の面倒を見るという伝統的な制度がありました。
ごく平凡な高校1年生の福沢祐巳が、学園のアイドル的存在である2年生の小笠原祥子から突然スールに選ばれたことから、物語は大きく動き出します。お姉様と妹、そして友人たちが織りなす、清らかで気品あふれる学園生活が描かれています。女性だけの閉鎖的な空間で育まれる、少女たちの特別な絆の物語は、今なお多くのファンを魅了し続けています。
リリアン女学園の独特な世界観がたまらないよね。わたしも祥子さまみたいな「お姉さま」が欲しかったな!
第3位には、大人気百合漫画『やがて君になる』のスピンオフ小説、『佐伯沙弥香について』がランクインしました。作者は1位の『安達としまむら』と同じく入間人間先生。本編の主要キャラクターである佐伯沙弥香の視点から、彼女の過去と現在が深く掘り下げられていきます。
小学生時代のある出来事をきっかけに、誰かを「特別」に思うことに臆病になってしまった沙弥香。そんな彼女が、様々な出会いと別れを経験し、やがて燈子と巡り会うまでの軌跡が描かれています。本編を読んだ方はもちろん、この小説から入っても楽しめる、一人の女性の成長と葛藤を描いた感動的な物語です。
沙弥香さんの苦悩と成長が本当に丁寧に描かれていて、思わず感情移入しちゃった。本編と一緒に読むと、もっと物語が深まるよ!
第4位は、SF、ホラー、そして百合が見事に融合した『裏世界ピクニック』です。この物語は、実話怪談として語られる「くねくね」や「八尺様」といった存在が出現する危険な異世界「裏世界」を舞台にしています。主人公は、紙越空魚と仁科鳥子の二人。彼女たちは、それぞれの目的のために裏世界を探検し、怪異と対峙していきます。
死と隣り合わせの過酷な状況の中で、互いを唯一の頼りとして深まっていく二人の絆が、本作の大きな魅力です。友情とも愛情ともつかない、しかし何よりも強い繋がりで結ばれた彼女たちの関係性から目が離せません。スリルと感動が同時に味わえる、ユニークな百合小説です。
怪談と百合の組み合わせが斬新すぎる!ハラハラドキドキしながらも、二人の関係にキュンとしちゃうんだよね。
第5位は、日本の百合小説の源流とも言える古典的名作、『乙女の港』です。ノーベル文学賞作家である川端康成が、作家の中里恒子の原案をもとに執筆したこの作品は、戦前の女学校を舞台に、少女たちの繊細で純粋な関係性を描いています。
物語の中心となるのは、上級生の洋子に憧れを抱く下級生の三千子。手紙のやり取りや、ささやかな交流を通して育まれる二人の特別な絆は、「エス(S)」と呼ばれ、当時の少女たちの間で流行しました。現代の百合作品とはまた違う、文学的で美しい少女たちの世界に触れることができる貴重な一冊です。
時代を超えても色褪せない少女たちの心のきらめきが描かれているんだ。文学の香りがして、なんだか背筋が伸びる感じがするよ。
第6位は、高橋みか先生による『あまいゆびさき』です。この作品は、女性同士の恋愛を真正面から描き、多くの読者の共感を呼びました。物語は、高校の同級生だった夏子と冬子の再会から始まります。過去のある出来事をきっかけに疎遠になっていた二人ですが、偶然の再会によって、心の奥にしまい込んでいた想いが再び動き出します。
好きだからこそ触れたい、でも触れられない。そんなもどかしくも切ない感情が、リアルな筆致で丁寧に描かれています。登場人物たちの心の機微を深く掘り下げた、大人のための恋愛小説と言えるでしょう。甘く、そして少しほろ苦い、二人の恋の行方を見届けてください。
もどかしい二人の距離感に、胸がぎゅっとなるんだよね。大人の恋愛の複雑さと甘さが詰まった作品だよ。
第7位には、京都アニメーションによるアニメ化でも大きな話題を呼んだ武田綾乃先生の『響け!ユーフォニアム』シリーズがランクイン。北宇治高校吹奏楽部を舞台に、部員たちが全国大会を目指して奮闘する姿を描いた青春小説です。
本作の魅力は、熱い演奏シーンや部活内の人間ドラマだけではありません。主人公の黄前久美子と、孤高のトランペッター高坂麗奈の間に流れる、特別な関係性です。「特別になりたい」と願う麗奈と、そんな彼女に惹かれていく久美子。二人の間に生まれる友情とも愛情ともつかない強い絆は、多くのファンの心を掴みました。吹奏楽に打ち込む少女たちの、きらめくような青春と繊細な感情の揺らぎを描いた傑作です。
部活にかける青春と、久美子と麗奈の特別な関係性が最高なんだ!「愛の告白」のシーンは何度読んでも感動しちゃうな。
第8位は、芥川賞作家・綿矢りさ先生が描く、鮮烈な恋愛小説『生のみ生のままで』です。24歳の主人公・逢衣は、恋人のいる男性と関係を持ちながらも、どこか満たされない日々を送っていました。そんなある日、彼女はレディースのバイクチームで総長を務める年上の女性、彩夏と出会い、激しく惹かれていきます。
これまでの恋愛観を根底から覆されるような、強烈な出会い。逢衣は、自分の中の常識やためらいを乗り越え、彩夏への想いを募らせていきます。二人の女性が、互いの生き様をぶつけ合いながら惹かれ合う姿を、疾走感あふれる文体で描いた作品です。恋愛の多様な形について考えさせられる、力強い一冊です。
疾走感がすごくて、一気に読んじゃった!常識とか全部取っ払って、ただ惹かれ合う二人の姿がかっこいいんだよね。
第9位は、『食堂かたつむり』などで知られる小川糸先生の『愛の国』です。この物語の舞台は、同性婚が認められている未来の日本。主人公の「僕」は、女性として生まれましたが、性別適合手術を受け、男性として生きています。そんな彼が、愛する女性「君」との結婚を前に、これまでの人生と愛の軌跡を振り返る形で物語は進みます。
穏やかで優しい筆致でつづられるのは、性別や常識を超えた、普遍的な愛の物語です。二人が築き上げてきた日常の愛おしさや、互いを深く思いやる気持ちが、読者の心に温かく染み渡ります。多様な愛の形が認められる世界の優しさを感じられる、希望に満ちた一冊です。
すごく優しくて温かい物語なんだ。性別とか関係なく、人を愛することの素晴らしさを教えてくれるよ。
第10位は、ロックバンド「WEAVER」のドラマーとしても活躍する作家・河邉徹先生の『雨の塔』です。この作品は、雨が降り続く不思議な世界にそびえ立つ「雨の塔」を舞台にしたファンタジー小説。主人公の少女アネモネは、ある目的を果たすため、謎めいた少女リコリスと共に塔の頂上を目指します。
閉鎖的な塔の中という特殊な環境で、二人きりの時間を過ごすうちに、少女たちの間には特別な絆が芽生えていきます。幻想的で美しい世界観と、そこで描かれる繊細な心の交流が本作の魅力です。ミステリアスなストーリーに引き込まれながら、二人の少女が育む純粋な関係性に心を打たれるでしょう。
雨が降り続く世界の描写がすごく綺麗なんだ。ミステリアスな雰囲気の中で深まっていく二人の絆から目が離せないよ。
第11位は、異世界転生と百合を組み合わせた大人気シリーズ『私の推しは悪役令嬢。』です。主人公のOL・大橋零は、ある日、自分が大好きだった乙女ゲームの世界に転生してしまいます。しかし彼女が恋をしたのは、攻略対象の王子様ではなく、意地悪な悪役令嬢のクレア様でした。
「推し」であるクレアに喜んでもらうため、ゲームの知識を駆使して彼女に尽くす主人公の姿が、コミカルかつ情熱的に描かれます。最初は主人公を疎ましく思っていたクレアが、次第に心を開いていく過程は必見です。明るく楽しいラブコメディでありながら、身分差や社会の偏見といったテーマにも切り込んだ、読み応えのある作品です。
とにかく主人公のクレア様への愛がすごい!一途な想いが世界を変えていく、痛快なラブコメディだよ。
第12位は、ファンタジーとコメディが融合したライトノベル『ひきこまり吸血姫の悶々』です。主人公は、名門吸血鬼一家の令嬢でありながら、血が嫌いで引きこもりのテラコマリ・ガンデスブラッド(コマリ)。彼女がある日突然、帝国の将軍に大抜擢されてしまったことから、物語はドタバタと展開していきます。
本作は、コマリと彼女に忠誠を誓うメイドのヴィルヘイズとの関係性が大きな魅力の一つです。コマリを献身的に(時には過激に)支えるヴィルの姿や、二人のコミカルなやり取りは、多くの読者を笑顔にしました。個性豊かなキャラクターたちが織りなす、ハイテンションなファンタジーコメディとして楽しめる作品です。
コマリ様とヴィルの主従関係が最高なんだよね!ドタバタコメディかと思いきや、熱い展開もあって飽きさせない作品だよ。
第13位は、大正から昭和にかけて活躍した作家・吉屋信子の代表作『花物語』です。この作品は、日本の少女小説、そして百合作品の源流の一つとして、文学史的にも非常に重要な位置を占めています。様々な女学校を舞台に、少女たちの友情や憧れを、花にまつわるエピソードと共に描いた短編集です。
描かれるのは、恋愛よりももっと純粋で、精神的な結びつきを重視した少女たちの関係性。当時の女学生たちが熱狂した「エス」の世界観を、美しい文章で堪能することができます。現代の作品とは一味違った、古典ならではの奥ゆかしくも情熱的な少女たちの物語に触れてみてはいかがでしょうか。
日本の「百合」のルーツとも言える作品だよ。少女たちの繊細な心の交流が、詩のように美しく描かれているんだ。
第14位には、7位の『響け!ユーフォニアム』シリーズのスピンオフ作品、『リズと青い鳥』がランクインしました。本作は、シリーズに登場する鎧塚みぞれと傘木希美の二人に焦点を当てた物語です。高校三年生になり、最後のコンクールを前にした二人の、揺れ動く繊細な関係性を描いています。
オーボエを担当するみぞれにとって、フルートを吹く希美は全てでした。しかし、二人の間には、才能や進路をめぐる微妙なすれ違いが生じ始めます。童話「リズと青い鳥」の物語と、二人の関係性がシンクロしながら進んでいくストーリーは、息をのむほど美しく、そして切ないです。少女たちの友情と依存、そして自立を描いた傑作です。
二人の関係性が本当に繊細で、見ていて胸が苦しくなるほどだった…。音楽と物語が完璧にシンクロしていて、忘れられない作品だよ。
第15位は、『僕は友達が少ない』などで知られる平坂読先生が送る、ハイテンションな百合ラブコメディ『〆切前には百合が捗る』です。物語は、家出少女の白川愛結が、人気小説家・海老ヒカリの世話係兼監視役として働くことになるところから始まります。
原稿をサボってばかりの自由奔放なヒカリと、彼女に振り回されながらも次第に惹かれていく愛結。二人の軽快なテンポの掛け合いと、時折見せる甘い雰囲気が本作の魅力です。作家とアシスタントという関係から始まる、ドキドキの同居生活を描いた、明るく楽しい一冊です。
作家と家出少女っていう設定が面白いよね!テンポの良い会話劇が楽しくて、サクサク読めちゃうラブコメだよ。
第16位は、『告白』で社会現象を巻き起こした湊かなえ先生の『少女』です。この作品は、百合小説としてだけでなく、人間の心の闇を描いた「イヤミス(後味の悪いミステリー)」としても高く評価されています。主人公は、由紀と敦子という二人の女子高生。彼女たちは、それぞれ心に闇を抱えながら、歪んだ友情で結ばれています。
親友の転校生が「人の死を見たことがある」と語ったことから、二人は「自分も人の死を見てみたい」という恐ろしい願望を抱くようになります。夏休み、それぞれの場所で死の瞬間に立ち会おうと計画する二人を待ち受ける衝撃の結末とは。少女たちの危うい心理と、彼女たちの間に存在する特別な関係性を描いた、スリリングな一作です。
本作における無機質なまでのシンプルな語り口からは作者の覚悟をひしひしと感じざるを得ない。少女たちの危うさが、読む者の心を深く抉る。
第17位は、深沢潮先生による『雲南の妻』です。この物語は、国際結婚をテーマに、二人の女性の愛と葛藤を描いた作品です。主人公の日本人女性・茉莉は、仕事で訪れた中国・雲南省で、少数民族の女性・雪梅と出会い、恋に落ちます。二人は困難を乗り越えて結婚し、日本で暮らし始めますが、文化や価値観の違いから、次第にすれ違いが生じていきます。
愛し合っていても、共に生きることの難しさ。本作は、そんな現実をリアルに描き出しています。異文化コミュニケーションの壁や、家族との関係など、社会的なテーマも織り交ぜながら、二人の女性が本当のパートナーシップを築いていくまでを丁寧に描いた、深みのある恋愛小説です。
国際結婚ならではの喜びや難しさがリアルに描かれているんだ。愛の形について、深く考えさせられる物語だよ。
第18位は、木爾チレン先生が描く、切なくも美しい愛の物語『マンゴスチンの恋人』です。本作は、タイのバンコクを舞台に、二人の日本人女性、莉子と美月の10年以上にわたる関係性を描いています。かつて恋人同士だった二人ですが、ある出来事をきっかけに別れ、それぞれの道を歩んでいました。しかし、運命は再び彼女たちを引き合わせます。
エキゾチックなバンコクの街並みを背景に、過去と現在が交錯しながら、二人の愛の軌跡が紐解かれていきます。忘れられない恋の痛みと、それでもなお相手を想い続ける強い気持ちが、読者の胸を打ちます。美しくも儚い、大人の女性たちのためのラブストーリーです。
バンコクの空気が伝わってくるような文章が素敵なんだ。忘れられない恋の切なさと美しさが詰まっていて、泣いちゃった…。
第19位は、羽田宇佐先生によるライトノベル『週に一度クラスメイトを買う話』です。タイトルからしてインパクトのある本作は、主人公の宮城が、クラスメイトの仙台の時間を週に一度、五千円で買うという一風変わった関係から始まります。宮城は、買った時間の中で仙台に様々な命令を下すのですが、その内容は次第にエスカレートしていき……。
「命令」という歪んだ形でしか繋がれない、二人の不器用な関係性が本作の魅力です。なぜ宮城は仙台を「買う」のか、そして仙台はなぜそれを受け入れるのか。物語が進むにつれて明らかになる二人の過去や本心に、心を揺さぶられます。切なくて甘い、独特な世界観を持つ百合小説です。
「お金で時間を買う」っていう設定が斬新だよね。歪んだけど純粋な二人の関係から目が離せなくなるんだ。
第20位は、『氷菓』などの〈古典部〉シリーズで知られるミステリー作家、米澤穂信先生の『儚い羊たちの祝宴』です。この作品は、上流階級のコミュニティ「バベルの会」を舞台にした、5つの短編からなるゴシック・ミステリ。一見、華やかで優雅に見える彼女たちの日常の裏には、恐ろしい秘密と悪意が渦巻いています。
本作に収録されている「玉野五十鈴の誉れ」は、メイドとお嬢様の関係性を描いた、主従百合の傑作として名高い一編です。ミステリーとしての完成度の高さはもちろん、そこに漂う仄暗い百合の雰囲気が、多くの読者を魅了しました。美しくも恐ろしい、米澤穂信ならではの世界観を堪能できる一冊です。
優雅な世界の裏に隠された悪意と狂気。そのコントラストが本作の魅力を際立たせている。特に「玉野五十鈴の誉れ」における主従関係の描写は、百合という文脈においても特筆すべき完成度を誇る。
第21位は、その衝撃的な内容で話題を呼んだ斜線堂有紀先生の『恋に至る病』です。この物語は、寄生虫を愛する少女・宮嶺と、彼女に歪んだ愛情を抱くクラスメイトの少女・八田を中心に展開されます。八田は、宮嶺の気を引くために、自らの体に寄生虫を宿らせようと試みるなど、常軌を逸した行動を繰り返していきます。
「恋」という感情が、いかに人を狂わせるか。その恐ろしさと純粋さを、極限まで突き詰めて描いた問題作です。グロテスクな描写も含まれますが、その根底にあるのは、あまりにも一途で切実な愛情。読者の倫理観を激しく揺さぶる、唯一無二の読書体験があなたを待っています。
愛という名の狂気を描かせたら、この作者の右に出る者はいないだろう。本作は、恋愛感情が持つ破壊的な側面を、一切の妥協なく描き切っている。
第22位は、真下みこと先生による『わたしの結び目』です。この作品は、ある地方の町を舞台に、二人の少女の歪んだ関係と、彼女たちを取り巻く謎を描いたミステリー小説です。主人公の女子高生・結衣は、幼なじみで親友の真優から、奇妙な「お願い」をされるようになります。それは、真優が指定する相手と結衣が関係を持つという、信じがたい内容でした。
なぜ真優はそんなことを要求するのか。結衣は疑問を抱きながらも、彼女を失うことを恐れて要求を受け入れ続けます。少女たちの間に存在する、共依存的で危うい関係性と、物語の最後に明かされる衝撃の真実。ページをめくる手が止まらなくなる、中毒性の高い一作です。
二人の危うい関係にハラハラしちゃうんだ。ミステリーとしても面白くて、最後のどんでん返しには本当に驚いた!
第23位には、13位の『花物語』と同じく、吉屋信子先生の作品『わすれなぐさ』がランクインしました。こちらも日本の少女小説、エス文化を代表する古典的名作です。物語は、親友同士である露子と園子の間に、一人の青年が現れたことから、複雑な三角関係へと発展していきます。
少女同士の純粋な友情が、異性の存在によって揺れ動く様を、繊細な筆致で描いています。友を想う気持ちと、異性への恋心との間で揺れ動く少女たちの葛藤は、時代を超えて読者の共感を呼びます。日本の百合文学の原点に触れる上で、欠かすことのできない重要な一冊です。
少女たちの心の揺れ動きが、手に取るように伝わってくるんだ。古典だけど、今読んでも新鮮な感動があるよ。
第24位は、豪華執筆陣による『彼女。 百合小説アンソロジー』です。このアンソロジーには、様々なジャンルで活躍する人気作家たちが、「彼女」をテーマに書き下ろした短編が収録されています。一冊で多様な百合の世界に触れることができるのが、最大の魅力です。
甘酸っぱい青春の物語から、少しビターな大人の関係、さらにはSFやファンタジーの世界を舞台にしたものまで、作家それぞれの個性あふれる「彼女」たちの物語が詰まっています。お気に入りの作家の新たな一面を発見したり、新しい作家と出会うきっかけにもなる、百合小説の入門書としてもおすすめの一冊です。
色々な作家さんの百合が一度に楽しめて、すごくお得な気分になれるよ!きっとお気に入りの「彼女」が見つかるはず。
第25位は、岬先生による『ふつおたはいりません!』です。この作品は、女子高生声優の二人がパーソナリティを務めるラジオ番組を舞台にした、ユニークな設定の物語。学校では犬猿の仲の二人ですが、ラジオ番組では仲良しコンビを演じなければならず、そのギャップがコミカルに描かれます。
最初は反発し合っていた二人ですが、共に番組を作り上げていく中で、次第にお互いを意識し始めます。仕事上のパートナーとしての絆が、やがてそれ以上の感情へと変わっていく過程が、丁寧に描かれています。声優業界の裏側を覗き見できる楽しさと、王道のラブコメ展開が魅力の一冊です。
犬猿の仲の二人がラジオで仲良しを演じるっていう設定が面白い!ツンデレな関係性の変化にニヤニヤしちゃうよ。
第26位は、その長いタイトルも印象的な、みかみてれん先生のライトノベルです。通称『ありおと』として知られるこの作品は、タイトル通り、「女同士の恋愛なんてありえない」と公言する藤崎沙季を、クラスメイトの才川マルが百日間で落とそうと奮闘する物語です。
毎日、様々なアプローチで沙季に迫るマルの姿と、それに戸惑いながらも少しずつ心を動かされていく沙季の様子が、テンポ良く描かれます。果たしてマルは、百日後に沙季を「落とす」ことができるのか。二人の恋の駆け引きから目が離せない、甘くて楽しいラブコメディです。
タイトルからしてもう面白いよね!毎日少しずつ距離が縮まっていく二人の関係が、読んでいてすごく楽しいんだ。
第27位は、谷崎由依先生の『ほかに誰がいる』です。この作品は、30代の二人の女性、千紘と美緒の関係性を、静かで美しい筆致で描いた物語です。二人は恋人同士というわけではなく、かといって単なる友人でもない、言葉では定義しがたい特別な関係で結ばれています。そんな彼女たちの穏やかな日常と、その中に潜む心の揺らぎを丁寧にすくい取っていきます。
恋愛や友情といった既存の枠組みには収まらない、人と人との多様な結びつきの形を考えさせられる作品です。大きな事件が起こるわけではありませんが、二人の間に流れる空気感や、繊細な感情の描写が、読者の心に深く残ります。静謐な読書体験を求める方におすすめの一冊です。
静かで、でもすごく心に残る物語なんだ。恋人でも友達でもない、そんな二人の関係性がとても美しいと思ったよ。
第28位は、平出奔先生による『アキちゃん』です。この物語は、田舎町で暮らす二人の少女、主人公の「わたし」と、都会から来た転校生「アキちゃん」の、ひと夏の交流を描いています。閉鎖的な田舎町で、どこか浮いた存在である二人は、自然と惹かれ合い、特別な関係を築いていきます。
思春期特有の不安定な心や、同性への淡い恋心を、瑞々しい感性で描いた作品です。夏の終わりのような、きらめきと切なさが同居する独特の雰囲気が魅力。少女時代の忘れられない一瞬を切り取ったような、ノスタルジックな気持ちにさせてくれる一冊です。
ひと夏の思い出って、どうしてこんなに切ないんだろうね…。少女時代のきらめきと痛みが詰まった、宝物みたいな物語だよ。
第29位は、中国の作家・陸秋槎先生による本格ミステリー小説『雪が白いとき、かつその時に限り』です。この作品は、閉ざされた名門女子高を舞台に、ある生徒の死の謎を追う物語。ミステリーとしての巧妙なプロットと、そこで描かれる少女たちの繊細な関係性が見事に融合しています。
作者自身が百合好きを公言していることもあり、作中には少女たちの間の特別な友情や愛情が色濃く描かれています。謎解きの面白さはもちろん、事件の裏にある人間ドラマにも引き込まれること間違いなし。本格ミステリーファンと百合小説ファンの両方を満足させる、読み応え抜群の一冊です。
本格ミステリーと百合の組み合わせが最高なんだ!謎が解けていく快感と、少女たちの切ない関係性に夢中になっちゃうよ。
ランキングの最後を飾る第30位は、詩人、劇作家として知られる寺山修司の異色作『苺ばたけのならず者』です。この作品は、家出してきた二人の少女、アンとモーモの放浪の旅を描いた物語。現実と幻想が入り混じる、寺山修司ならではのシュールでアバンギャルドな世界観が展開されます。
社会の規範から外れた「ならず者」である二人の少女が、自由を求めてさまよう姿は、どこか痛々しくも、力強い生命力に満ちています。百合小説という枠には収まりきらない、実験的で芸術性の高い一冊です。唯一無二の読書体験を求める方に、ぜひ挑戦してほしい作品です。
寺山修司さんの世界観が炸裂してる!不思議でちょっと怖いけど、なぜか惹きつけられちゃう、そんな魅力があるんだよね。
【2025年最新】百合小説のおすすめランキングTOP30、いかがでしたでしょうか?
王道の青春物語から、SF、ミステリー、そして時代を超えて愛される古典まで、本当に幅広い作品がランクインしましたね。一口に「百合」と言っても、その描かれ方やテーマは様々で、奥深い世界の入り口を少しだけ覗けたような気がします。
このランキングが、あなたが新しいお気に入りの一冊と出会うきっかけになれば、編集長としてこれほど嬉しいことはありません。気になる作品があったら、ぜひ手に取って、あなただけの物語の世界を旅してみてください。きっと、あなたの心を豊かにしてくれる、忘れられない読書体験が待っていますよ。