高校生におすすめの小説とは?人気と名作の選び方
高校時代は、多感で新しい世界に触れる絶好の機会です。この時期に出会う小説は、これからの人生観や価値観に大きな影響を与えることも少なくありません。
人気小説から古典的名作まで、幅広いジャンルの物語に触れることで、新たな視点や考え方を身につけることができます。特に青春・恋愛小説は同世代の気持ちに共感できる一方、ミステリーやファンタジーは想像力を刺激してくれるでしょう。
高校生におすすめの小説を選ぶ際は、自分の興味のある分野から入るのがベストです。また、文体の読みやすさや物語の長さも大切なポイント。
まずは気軽に読める短編集から始めて、徐々に長編や古典に挑戦していくのも良いでしょう。今回は様々なジャンルから、高校生が今読むべき小説20作品をランキング形式でご紹介します。
高校生におすすめの小説ランキングTOP20
第1位 汝、星のごとく
2023年本屋大賞に輝いた凪良ゆうの傑作恋愛小説です。瀬戸内の小さな島で出会った青埜櫂と井上暁海という高校生の男女の恋と成長を描いています。
恋愛至上主義の母親に振り回されてきた櫂と、父親の不倫で精神を病んだ母を持つ暁海。似た境遇から惹かれ合う二人の関係性を通して、心に孤独と欠落を抱えた若者たちの姿が繊細に描かれています。
現代の高校生が抱える複雑な家庭環境や心情を丁寧に描き、成長していく姿に共感できる作品です。



本屋大賞を取った理由がわかる…。家族の問題を抱えた二人の関係性が切なすぎて、何度も泣いちゃった。高校生の今だからこそ響く部分が多い名作だよ。
第2位 夜は短し歩けよ乙女
森見登美彦による、京都を舞台にした奇想天外なファンタジーテイストの恋愛小説です。「黒髪の乙女」に密かな恋心を抱く「先輩」が、彼女の姿を求めて京都の街中を奔走します。
先斗町の夜や古本市、大学の学園祭など、京都の風景を彩る四季折々の情景の中で、個性豊かなキャラクターたちが織りなす冒険と恋の物語が展開されます。山本周五郎賞受賞作で、本屋大賞の2位にも選ばれた人気作です。



京都のファンタジー感がたまらないんだよね!普通の恋愛小説に飽きた人には絶対おすすめ。映画化もされたけど、原作の世界観はもっと魅力的だから高校生のうちに読んでおくべき!
第3位 君の膵臓をたべたい
住野よるが手がけた、秘密を共有する高校生の男女のかけがえのない日々を描いた感動作です。主人公が偶然拾った「共病文庫」には、クラスメイトの山内桜良が膵臓の病気で余命わずかだという秘密が綴られていました。
立場も性格も正反対な2人が距離を縮め、残された日々を共に過ごす姿が胸を打ちます。命の尊さや日常の大切さを教えてくれる、青春小説の傑作として高く評価されています。



「読まなきゃ損」って本当にそう思える作品!最初は重いテーマかなと思ったけど、意外と明るくて前向きな物語に引き込まれるよ。映画やアニメも素晴らしいけど、やっぱり小説版が一番心に残る。
第4位 ノルウェイの森
村上春樹による、1960年代の学生運動期を背景にした恋愛小説です。主人公のワタナベが直子との過去を回想する形で物語が進行します。
37歳の主人公がビートルズの「ノルウェイの森」を聴いて思い出すのは、1969年の秋の出来事。高校時代の友人の自殺と、その友人の恋人だった直子との関係を軸に、若者の性愛と喪失感が繊細に描かれています。
国内累計部数1300万部を超える村上春樹の代表作で、世界中で愛される普遍的な青春小説です。



村上春樹ってなんか難しそうって思ってたけど、意外と読みやすくてびっくり!大人になるということの複雑さや恋愛の切なさが描かれていて、高校生の今だからこそ心に刺さる部分があるはず。
第5位 阪急電車
有川浩による、阪急電車を舞台にした温かな人間ドラマです。兵庫県の阪急今津線の8駅を利用する人々の人間模様が描かれ、さまざまな年代・立場の乗客に焦点を当てた短編が駅ごとに展開されます。
小さな偶然が重なり希望へと繋がっていく心温まる物語が魅力です。「片道15分のローカル線で起きる小さな奇跡」をテーマに、人々の交差する人生が美しく描かれています。



短編集だから気軽に読めるところがいいよね。それぞれの話が最後につながっていくところに感動!電車に乗るたびに「私も誰かとドラマが交差してるのかな」って考えちゃう素敵な本だと思う。
第6位 六人の嘘つきな大学生
浅倉秋成による就職活動をテーマにした青春ミステリーです。急成長中のIT企業の最終選考に進んだ6人の大学生が交流を深めますが、選考直前に課題が変更され6人のうち1人しか選ばれないという状況に陥ります。
選考会で届いた6通の封筒には、それぞれの嘘と罪が告発されていました。緊迫した心理戦と巧みな伏線回収、将来への不安と希望が描かれた青春ミステリー小説です。



就活って遠い先の話だと思ってたけど、この本読んだら今からどんな大学生活を送るべきか考えさせられたよ。ミステリー要素がすごく面白くて、一気に読めちゃう!伏線回収のうまさに脱帽だわ。
第7位 世界の中心で、愛をさけぶ
片山恭一による「セカチュー」の愛称で親しまれ社会現象を巻き起こした恋愛小説です。高校2年生の朔太郎が、病で亡くなった同級生の恋人・アキとの日々を回想する形で物語が展開します。
出会いから発病・入院に至るまでの思い出が綴られ、最愛の人を失う喪失の痛みと残された人々の生き方が描かれています。切ない純愛ストーリーを読みたい高校生におすすめの人気作です。



映画やドラマで知ってる人も多いと思うけど、原作はもっと深くて感動的なんだよね。「アイシテル」って言葉の重みを考えさせられる作品。切ないけどハッピーエンドな結末に救われる気持ちになるよ。
第8位 氷菓
米澤穂信による「古典部シリーズ」の第1作目となる本格学園ミステリーです。消極的な高校生・折木奉太郎は姉の命令で古典部に入部し、千反田えると出会って33年前の事件の真相を追うことになります。
高校の古典部を舞台に日常の謎を解き明かしていく様子が描かれ、個性的な登場人物たちの青春模様と高校生の等身大の悩みが浮かび上がる作品です。アニメ化もされた人気シリーズの始まりの1冊です。



奉太郎のクールな推理と千反田の「わたし、気になります!」のやりとりが本当に面白い!日常の小さな謎を探偵みたいに解決していくストーリーが爽快。アニメも素晴らしいけど、原作の奥深さは別格だよ。
第9位 ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野圭吾による過去と現在を超えて手紙でつながる奇跡を描いたファンタジー小説です。盗みを働いた3人の若者が空き店舗の「ナミヤ雑貨店」に逃げ込むと、数十年前からの悩み相談の手紙が届き始めます。
店へ舞い込む悩み相談の手紙を通じた人生模様が5編の連作短編で語られ、それぞれの物語が思いがけない形でリンクしていく構成が魅力。迷える背中を押してくれるような爽やかなファンタジー小説です。



東野圭吾のミステリーっぽくない作品だけど、めちゃくちゃ心に響くんだよね。過去と現在がつながっていく不思議な感覚と、人生の悩みに寄り添うメッセージが詰まってる。進路や将来に悩む高校生にピッタリの一冊!
第10位 冷たい校舎の時は止まる
辻村深月による学校に閉じ込められた高校生たちの青春ミステリーです。雪の降る日に登校した8人の高校生が誰もいなくなった学校に閉じ込められます。
2ヶ月前に自殺した同級生について考えるも、誰も顔と名前を思い出せない状況に陥ります。凍てつく校舎で思い出せないクラスメイトの正体と理由を明らかにしていく物語で、高校生の等身大の内面がていねいに描かれています。



タイトルからして不気味だけど、これが意外と青春小説としても秀逸なんだよね。学校という閉鎖空間での人間関係の複雑さがリアルに描かれていて、ミステリー要素と相まって一気に引き込まれるよ!
第11位 すべてがFになる
森博嗣による第1回メフィスト賞に輝いたミステリー小説です。孤島のハイテク研究所で隔離された生活を送ってきた天才工学博士・真賀田四季の部屋から両手両足を切断されたウエディングドレス姿の死体が発見されます。
偶然島を訪れていたN大助教授と女子学生が密室殺人の謎に挑む物語で、理系知識を用いる緻密なトリックと伏線回収が見どころです。「理系ミステリィ」の代表作として高く評価されています。



理系知識がふんだんに使われてるのに、理系じゃなくても楽しめるミステリーってすごいと思う。犀川先生と草薙さんのコンビが最高で、シリーズ全部読みたくなる第一作!推理小説好きな高校生なら絶対ハマるはず。
第12位 砂漠
伊坂幸太郎による入学した大学で知り合った5人の男女の絆と成長を描いた青春小説です。何事にも冷めた視点の北村が仙台市の大学に進学し、個性的な4人の学生と知り合います。
通り魔犯との遭遇や捨て犬の救出など様々な出来事を通して5人は絆を深めていきます。自分の未熟さに悩みながらも前に進もうとする青春時代の痛みや愛おしさがコミカルに描かれた作品です。



伊坂幸太郎の独特な会話のテンポとユーモアセンスがたまらない!大学生活が始まる前の高校生にはぴったりの一冊かも。「砂漠」という題名の意味が最後にわかったときの感動が忘れられないよ。
第13位 夜のピクニック
恩田陸による夜を通して80kmを歩く高校の伝統行事に参加した高校生たちの一晩を描いた青春小説です。北高校の「歩行祭」は全校生徒が24時間かけて80kmを歩くという行事です。
3年生の甲田貴子は3年間抱え続けた秘密を精算するためこの行事を通してある賭けに挑みます。非日常的なイベントを通して高校生たちの感情が描かれ、青春の日々の尊さやほろ苦さが表現されています。



80kmって想像以上に長いけど、その長い旅の中で繰り広げられる人間ドラマに引き込まれるよ。高校の行事って実は人生の宝物になるんだなって実感させられる作品。本屋大賞を取ったのも納得!
第14位 新世界より
貴志祐介による第29回日本SF大賞第1位に輝いたSFファンタジーです。念動力を獲得した1000年後の日本を舞台に、「悪鬼」「業魔」と呼ばれる伝説に怯えながらも平和な社会を謳歌する人類が描かれます。
神栖66町で暮らす子どもたちは念動力の使い方を学びながら学校生活を送りますが、禁を犯したことで平和な日常が崩れ始めます。不穏な未来世界で人類の隠された歴史を暴いていく冒険物語です。



最初は普通のファンタジーかと思ったら、社会の闇や人間の本質に迫る壮大なストーリーだったよ!SF初心者でも読みやすいし、アニメ化もされたから知ってる人も多いかも。高校の現代文の教科書に載ってても違和感ないレベルの名作だと思う。
第15位 死んだ山田と教室
金子玲介による交通事故で死亡し、教室のスピーカーに憑依した同級生との日々を描いた青春小説です。人気者だった山田が飲酒運転の車に轢かれて死亡した後、2学期初日のスピーカーから突然山田の声が聞こえてきます。
クラスメイトと声だけの存在として過ごす山田との日々が描かれ、男子高校生たちのくだらなくも愛おしい青春模様と青春時代の残酷さが巧みに表現されています。



タイトルからして不思議な設定だけど、実際の高校生活のリアルさがめちゃくちゃ伝わってくる作品!ファンタジー要素があるのに日常感があって、思わず友達との日々を大切にしたくなるよ。
第16位 地雷グリコ
青崎有吾による高校生がさまざまなゲームに挑む頭脳戦ミステリーです。類まれな勝負強さを発揮する女子高生・射守矢真兎が日常で次々と風変わりなゲームに巻き込まれます。
罠の位置を読みながら階段を登ったり、百人一首の絵札で神経衰弱をしたりといった多彩な勝負が描かれます。ジャンケンやポーカーなどを元にしたゲームを全5編の連作短編で描き、ロジカルな攻略と緊張感ある心理戦が魅力です。



ゲーム理論を使ったバトルがこんなに面白いとは思わなかった!短編集だから読みやすいし、それぞれの話に独特の緊張感があるんだよね。真兎ちゃんのキャラも魅力的で、理系女子の憧れになりそう。
第17位 オルタネート
加藤シゲアキによる高校生限定の架空のアプリを軸に展開される青春群像劇です。高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が欠かせない世界で、スマホ情報を提供することで適した恋人や友達をマッチングさせてくれます。
東京のある高校の3人の高校生の運命が交差していき、アプリで導かれる出会いや別れ、運命に対する葛藤が描かれます。他者との繋がりや自分との向き合い方がテーマとなっています。



SNSに頼りすぎる現代の高校生の姿が反映されてて共感できる部分が多いよ。加藤シゲアキって元アイドルなのに小説めちゃくちゃうまいんだよね!テクノロジーと人間関係の本質を考えさせられる一冊。
第18位 十角館の殺人
綾辻行人による「新本格ミステリ」の流れをもたらした傑作です。大学のミステリ研究会の合宿として孤島・角島を訪れた7人の男女が、十角形の奇妙な館で事件に巻き込まれます。
建築家が謎の死を遂げた無人島で学生の1人が殺害され連続殺人事件が発生します。島と本土の両視点から謎に迫る構成と衝撃的な結末が見どころの作品で、ミステリー小説の面白さを体感できる名作です。



古典的なミステリーとして超有名な作品!新本格ミステリーの先駆けとして今でも色あせない魅力がある。本格ミステリー入門として高校生のうちに一度は読んでおくべき作品だよね。
第19位 成瀬は天下を取りにいく
宮島未奈による滋賀県を舞台に破天荒な少女・成瀬あかりの日常を描いた青春小説です。中学2年の夏休みに成瀬は閉店を控えた西武大津店に毎日通い、テレビ局の中継に映る宣言をします。
高校生になってからもお笑いの頂点を目指して漫才大会に出場するなど次々と挑戦を続ける成瀬の痛快な日々が6編の短編形式で描かれ、ポジティブで元気をもらえる青春小説となっています。



成瀬ちゃんのポジティブな行動力にエネルギーをもらえる作品!何事にも挑戦する姿勢に勇気づけられるよ。短編集だからサクサク読めるし、滋賀県の描写も魅力的で旅行したくなっちゃう。
第20位 きみはポラリス
三浦しをんによる多種多様な愛の形を表現した11編の短編集です。各短編が「信仰」「初恋」「三角関係」などのテーマで執筆され、片想い・同性愛・禁断の愛など一筋縄ではいかない愛が美しい表現で描かれています。
何かを愛する際の純粋なだけではない気持ちが綴られており、恋愛小説をあまり読まない高校生にもおすすめの作品です。



色んな形の「愛」がコンパクトにまとまってて、恋愛の多様性を知るきっかけになる一冊!三浦しをんの繊細な筆致が素敵で、特に同性愛の描写が自然で心に残るよ。短編集だから電車の通学時間にもピッタリ。
高校生におすすめの小説で青春を豊かに過ごそう
高校生におすすめの小説ランキングTOP20を紹介してきましたが、いかがでしたか?青春・恋愛小説から本格ミステリー、SFファンタジーまで、様々なジャンルの名作を取り上げました。
高校時代は自分の世界観を広げるチャンスです。これらの小説を通して、同世代の悩みに共感したり、未知の世界に想像を膨らませたりすることで、より豊かな心を育むことができるでしょう。
ランキングに登場した小説は、いずれも高校生の感性に響く作品ばかり。本屋大賞受賞作から古典的名作まで、あなたの書棚に加えるべき一冊がきっと見つかるはずです。
まずは気になった1冊から手に取って、物語の世界に飛び込んでみてください。読書を通じて得られる感動や気づきが、高校生活をより実りあるものにしてくれるでしょう。