ボカロ楽曲を原作とした小説作品「ボカロ小説」は、音楽の世界観を物語として楽しめる新しいエンターテイメントとして人気を集めています。初音ミクや鏡音リン・レンなどのキャラクターが登場する作品から、楽曲の歌詞をもとに広がる独創的なストーリーまで、多彩な作品が出版されています。
本記事では、シリーズ累計900万部を超える大ヒット作から最新の注目作まで、ボカロ小説の名作を厳選してランキング形式でご紹介します。原曲ファンはもちろん、ボカロをあまり知らない方も楽しめる作品をピックアップしました。

ボカロ小説って音楽と文学の融合だから、原曲を知っていればさらに楽しめるし、知らなくても物語として面白いんだよね。物語を読んだ後に曲を聴くと、また違った角度から作品を楽しめるのも魅力的!
ボカロ小説とは?音楽と物語が融合した魅力的な世界
ボカロ小説とは、VOCALOID(ボーカロイド)と呼ばれる歌声合成ソフトウェアを使用して作られた楽曲をノベライズした小説のことです。初音ミクや鏡音リン・レンなどのキャラクターが歌う楽曲の世界観や歌詞をもとに、物語が展開されます。
ボカロ小説の特徴は、原曲の歌詞や世界観を起点に、より深く広がる物語を楽しめることです。数分の楽曲では描ききれなかった背景やキャラクターの心情、物語の全貌が小説として紡がれることで、新たな魅力が発見できます。
原曲を知っている方はより深く作品世界に入り込めますが、曲を知らなくても独立した小説として楽しめるのもボカロ小説の特徴です。読書の後に原曲を聴くと、また違った角度から作品を楽しめる点も魅力のひとつです。



ボカロ小説ってジャンルも多彩で、恋愛もの、ファンタジー、ミステリー、SFなど幅広いから、自分の好みに合わせて選べるのが嬉しいよね。中には実写映画化やアニメ化された人気作品もあるし、文学としても質の高い作品が多いんだ!
第1位:カゲロウデイズ -in a daze-
著者:じん(自然の敵P)
出版社:KADOKAWA
発売日:2012年5月30日
音楽家であり小説家でもあるクリエイター・じん(自然の敵P)が手掛ける「カゲロウプロジェクト」の小説版第1作目です。シリーズ累計部数は900万部を突破し、ボカロ小説を代表する作品といえるでしょう。
物語は、真夏の8月15日に起きた一つの事件を中心に展開します。「目」にまつわる不思議な力を持った少年少女たちが集まる「メカクシ団」のメンバーたちが、複雑に絡み合う謎を解明していく群像劇です。
原曲「カゲロウデイズ」や「如月アテンション」などの世界観が繋がり、壮大なストーリーが展開されます。個性的なキャラクターや伏線の張り方、その回収の見事さから、一気読みしたくなる作品です。



カゲロウデイズはボカロ小説の金字塔的存在だね!複雑なストーリー展開と伏線回収の妙がたまらない。じんさんの世界観構築力はマジですごいよ。アニメも漫画も出たけど、小説版が一番じっくり世界観を味わえると思う!
第2位:カゲロウデイズ -the children reason-
著者:じん(自然の敵P)
出版社:KADOKAWA
発売日:2012年12月29日
「カゲロウプロジェクト」小説版第2作目となる本作は、「カゲロウデイズ -in a daze-」の続編です。メカクシ団の核心に迫り、メンバーたちの秘密と彼らを繋ぐ運命の真相が明かされていきます。
真夏の日に繰り返される不思議な現象の裏側で、何者かが動いていることが明らかになります。過去と現在が交錯する中で、メカクシ団のメンバーたちの「目の能力」の秘密や彼らを結ぶ因縁が徐々に明らかになっていきます。
第1巻よりもさらに複雑に絡み合う伏線が解かれていき、シリーズを通して読者を引き込む力のある作品です。じん(自然の敵P)の緻密な世界観構築と物語の巧みさが光ります。



カゲロウシリーズは読み進めるほど謎が深まりつつ解明されていく構成がすごいよね。「あぁ、そういうことだったのか!」って何度も感動させられる。個人的に木戸つぼみの真相を知った時は衝撃だった…!
第3位:悪ノ大罪 悪徳王の最期
著者:悪ノP(mothy)
出版社:PHP研究所
発売日:2018年8月22日
悪ノP(mothy)が手掛ける「悪ノシリーズ」の集大成となる作品です。「悪ノ娘」から続く物語の全貌が明かされ、シリーズが完結します。
架空の国エヴィリオスを舞台に、少女リリアンヌとその召使いとなった双子の弟アレンを中心とした壮大な物語が展開します。「傲慢」という原罪にまつわる物語から始まり、様々な罪と因果が絡み合う中で、世界の真実が明らかになっていきます。
複数の楽曲が繋がり合って一つの大きな物語を形成する、悪ノシリーズの集大成と言える作品です。原作者自身が小説化を手掛けることで、楽曲の世界観をより深く、広く展開させています。



悪ノシリーズはmothyさんの世界観構築の凄さを痛感させられる作品!七つの大罪をモチーフにした物語が緻密に絡み合って、最後に全てが繋がる感動がすごいんだよね。「わぁ、そうだったのか!」と驚きの連続で読み終えた後の満足感がハンパない!
第4位:小説 千本桜 壱
原案:黒うさP(WhiteFlame)
著者:一斗まる
出版社:KADOKAWA
発売日:2013年3月1日
黒うさP(WhiteFlame)の国民的ボカロ曲「千本桜」を原作とした物語で、「小説 千本桜シリーズ」の第1巻目です。大正時代を舞台にした和風ファンタジーとして、多くのファンに支持されています。
主人公は14歳の少女・初音未來。家族と花見をしていた彼女は、「千本桜」と呼ばれる桜の森で迷い込み、気がつくと大正時代の帝都桜京にいました。そこで未來は、妖異「影憑(かげつき)」との戦いに巻き込まれていきます。
大正時代の雰囲気とアクション要素を織り交ぜた作品で、原曲の疾走感ある世界観が忠実に表現されています。細部まで描写された世界観と、キャラクターたちの生き生きとした活躍が魅力です。



千本桜の世界観が小説になると、こんなに広がるんだってびっくり!大正時代の空気感が細かく描写されてて、読んでいるとまるで映画を観ているような没入感があるよね。アクションシーンも臨場感があって、原曲の疾走感そのままに楽しめる作品だと思う!
第5位:脳漿炸裂ガール 私は脳漿炸裂ガール
原案:れるりり
著者:吉田恵里香
出版社:KADOKAWA
発売日:2012年8月1日
れるりりの代表曲「脳漿炸裂ガール」をモチーフにしたミステリーサスペンスで、シリーズ累計60万部を突破する大ヒット作です。2015年には楽曲ノベライズ作品史上初の実写映画化も果たしました。
女子高生・市位ハナが目覚めると、クラスメイトたちと共に檻の中に閉じ込められていました。彼らは携帯電話を使った命懸けのサバイバルゲームに参加させられることになります。生き残るために、ハナたちは互いを疑いながらも協力しなければなりません。
スリリングな展開と謎解き要素を交えた物語で、一気読みしたくなる展開が魅力です。学園を舞台にしたデスゲームという設定ながら、キャラクターの心理描写も丁寧で、読者を引き込む力があります。



脳漿炸裂ガールは最初から最後まで目が離せない展開の連続で、一気読みしちゃったよ!デスゲーム系の作品が好きな人には特におすすめ。登場人物たちの心理描写も細かく、「誰を信じるべきか」という緊張感がページをめくるたびに高まっていくんだよね。
第6位:六兆年と一夜物語
原案:KEMU VOXX
著者:西本紘奈
出版社:KADOKAWA
発売日:2013年9月25日
KEMU VOXXの人気楽曲「六兆年と一夜物語」をノベライズした作品です。孤独な少年と少女の出会いから始まる物語で、KEMU VOXX関連楽曲の世界観を深く掘り下げています。
忌み子と呼ばれる少年リクと孤独な少女アイの出会いから物語は始まります。人間らしい温かさを知り始めたリクですが、アイは彼の前から突然姿を消してしまいます。傷心のリクの前に現れたのは「マキちゃん」と名乗る不思議な少女で、彼女は「願いを叶える」と言うのですが…。
原曲の切なさをさらに深く表現した物語で、読者の心を強く打つ感動作です。リクとアイの関係性が丁寧に描かれ、読後には原曲をもう一度聴きたくなる作品です。



六兆年と一夜物語は読んでいて胸が締め付けられるような切なさがあるよね。リクとアイの儚い関係性が本当に心に残る。最後まで読み終えた後に原曲を聴くと、また違った感動があって涙が止まらなくなるんだよね…KEMUさんの世界観の深さを改めて感じる作品!
第7位:悪ノ娘 黄のクロアテュール
著者:悪ノP(mothy)
出版社:PHP研究所
発売日:2010年8月4日
悪ノP(mothy)が自ら執筆した「悪ノ娘」「悪ノ召使」を軸にした物語で、ボカロ小説という新たなジャンルを確立した先駆的作品です。シリーズ累計100万部を突破し、漫画化や舞台化もされています。
物語の舞台は、14歳の暴君王女・リリアンヌが統治する架空の大国・ルシフェニア王国。絶対的な権力のもと、搾取と暴虐の限りを尽くす王女のわがままで国は荒れ、戦争に発展していきます。
実は王女には双子の弟アレンがいましたが、幼い頃に死んだことにされていました。アレンは召使として王女のそばにいながら、残酷な選択を迫られることになります。
悪ノ娘はボカロ小説の原点とも言える作品で、シリーズを通して読むとその世界観の広がりに感動するよ!リリアンヌとアレンの兄妹の関係性が本当に複雑で面白い。残酷な物語でありながらも、どこか読者の心を掴んで離さない魅力があるんだよね。
第8位:グッバイ宣言
原作・監修:Chinozo
著者:三月みどり
出版社:KADOKAWA
発売日:2021年10月25日
Chinozoの人気曲「グッバイ宣言」をノベライズした青春ラブストーリーです。夢を追いかける勇気と、自分自身と向き合うことの大切さを描いた爽やかな物語が多くの読者の心を掴んでいます。
桐谷翔は学校をサボり気味で日々に退屈している男子高校生。3年生に進級し、天真爛漫な美少女・七瀬レナに出会います。ハリウッドスターになるという夢を真っすぐに追いかけるレナに影響され、次第に翔の人生は大きく動き出します。
問題児のレナに振り回されながらも、本当の自分自身に向き合い、成長していく翔の姿が魅力的に描かれています。夢を持つ素晴らしさと前に進む勇気をもらえる、読後感の良い作品です。
グッバイ宣言は青春小説として本当に心地よい読後感があるよね!レナの夢に向かってまっすぐな姿勢と、そんな彼女に影響されていく翔の変化が自然で共感できる。読み終わった後は「よし、自分も何か頑張ってみよう!」って元気をもらえる作品だと思う!
第9位:ロミオとシンデレラ 永遠の恋人たち
原作:doriko
著者:森橋ビンゴ
出版社:KADOKAWA
発売日:2011年6月10日
doriko作曲の名曲「ロミオとシンデレラ」をノベライズした恋愛小説です。Romeo&Cinderellaの名の通り、恋に悩む現代の少女と、古典的な恋愛のパラレルが描かれる物語になっています。
高校生の美織は、両親に反対されながらも恋人の和也との関係を続けようとしています。美織は「このまま2人で駆け落ちできたら…」と夢想しますが、現実はそう簡単ではありません。そんな中、彼女は不思議な力を持つ少女と出会い、恋の試練に立ち向かうことになります。
甘く切ない青春の恋愛ストーリーで、原曲の世界観が見事に小説化されています。10代の読者には共感できる部分が多く、大人の読者には青春時代を思い出させてくれる作品です。



ロミオとシンデレラは甘酸っぱい青春恋愛のエッセンスが詰まった作品だよね。両親に反対される恋って、どの時代にも共通するテーマだけど、現代的な解釈と古典的な要素が絶妙にミックスされてて面白い!原曲の「親には内緒で〜」って歌詞の世界観がしっかり活かされてるのも素敵だなって思う。
第10位:ボカロ短編小説アンソロジー メランコリック
著者:多数
出版社:アスキーメディアワークス
発売日:2011年3月10日
複数のボカロPと作家のコラボレーションから生まれた短編集です。様々な人気ボカロ曲をモチーフにした物語が収録されており、ボカロ小説の多様性を感じられる一冊になっています。
「メランコリック」「ピアノ×フォルテ×スキャンダル」「ハッピーシンセサイザ」など、様々なジャンルのボカロ楽曲をもとにした短編が収録されています。それぞれの作家が原曲の世界観を独自に解釈し、魅力的な物語に仕上げています。
短編集なので読みやすく、様々なボカロ曲の世界観を一冊で楽しめるのが魅力です。ボカロ小説の入門書としても最適で、お気に入りの曲の小説を見つけるきっかけにもなります。



短編集だから気軽に読めるし、いろんなボカロ曲の世界観が楽しめるのがいいよね!気に入った話があったら、その原曲を聴いてみるっていう楽しみ方もできるから、ボカロ小説の入門編として最適だと思う。個人的には「メランコリック」の話が特に好きでした!
第11位:桜ノ雨 僕らはひとりじゃない
原作・原案:halyosy
著者:藤田遼
出版社:PHP研究所
発売日:2014年2月28日
中高生の卒業ソングとして愛される名曲「桜ノ雨」を元にしたボカロ小説です。”初音ミクたちが学園生活をしていたら”というコンセプトのもと生まれた青春物語で、2016年には実写映画化もされました。
音浜高校合唱部に所属する未来は、ひょんなことから合唱部に入部した個性豊かな新入部員たちを迎えることになります。合唱部を中心に歌や友情、恋に悩み、東奔西走する未来の輝くような青春が描かれます。
合唱部での活動を通して成長していく部員たちの等身大の姿が丁寧に描かれ、読者の心を温かくする作品です。初音ミク以外のVOCALOIDキャラクターも多数登場し、ファンにはたまらない設定になっています。



卒業ソングとして有名な「桜ノ雨」の世界観がこんな風に広がるんだって思うと感動するよね。合唱部の仲間たちとの絆や成長が丁寧に描かれていて、読んでいると自分の学生時代を思い出して胸がじんわり温かくなる。特に最後の合唱シーンは映像が浮かぶようで感動的!
第12位:初音ミクの消失 小説版
著者:阿賀三夢也
出版社:一迅社
発売日:2012年7月7日
cosMo@暴走Pの名曲「初音ミクの消失」をノベライズした作品です。ボカロイドと人間の関係性をテーマに、切なくも深い物語が展開されます。
平凡な大学生・篠里朝乃が託されたのは、”人工人間”初音ミクが現実の環境で機能できるかのテストでした。戸惑いながらもミクと心を通わせていく朝乃ですが、ミクには大きな秘密があることが徐々に明らかになっていきます。
人工知能とは何か、歌うことの意味とは何かを問いかける深いテーマ性を持ちながらも、読みやすい文体で描かれた作品です。原曲の切なさがさらに深まる物語で、読後には原曲をもう一度聴きたくなります。



「初音ミクの消失」って曲自体がすごく哲学的だけど、小説になるとさらにその世界観が広がって深くなるよね。ミクの存在意義や、人工知能と人間の関係について考えさせられる作品。読み終わった後に原曲を聴くと、歌詞の「あなたのためにうたいたい」という一節に涙してしまう…。
第13位:ベノム 求愛性少女症候群
原作・監修:かいりきベア
著者:城崎
出版社:KADOKAWA
発売日:2021年4月24日
かいりきベアの人気楽曲「ベノム」「ダーリンダンス」「失敗作少女」をモチーフにした物語です。現代に生きる少女たちが「求愛性少女症候群」という不思議な現象に見舞われる様子を描いています。
SNSの裏アカウントで噂される「求愛性少女症候群」。日常に不満を抱える10代の女子だけに発症するという噂の現象は、やがて主人公たちの現実に降りかかります。そして彼女たちの人生は大きく変わっていくことになります。
「求愛性少女症候群」を発症した3人の女子高生それぞれの視点から物語が進行し、現代に生きる少女たちの等身大の悩みや感情が繊細に描かれています。原曲の世界観を拡張しながらも、独自の展開で読者を魅了する一冊です。



「ベノム」って曲からこんな物語が広がるなんて想像もしてなかったけど、読み始めたら止まらなくなる面白さ!現代のSNS文化や女子高生のリアルな心情描写が秀逸だと思う。「求愛性少女症候群」っていう設定も斬新で、ファンタジーでありながら現実社会の問題にもしっかり切り込んでる作品だよね。
第14位:厨病激発ボーイ
原案:れるりり
著者:藤並みなと
出版社:KADOKAWA
発売日:2013年10月25日
れるりりの「厨病激発ボーイ」をノベライズした学園コメディです。アニメ化や舞台化など、多数のメディアミックスもされた人気シリーズの第1作目になります。
平穏な高校生活を望む転校生・聖瑞姫が出会ったのは、厨二病をこじらせた残念な男子高校生4人組。彼女は「ヒーロー部」として活動する彼らの妄想と暴走に巻き込まれ、ツッコミも追いつかない怒涛の日々を送ることになります。
発言も行動も個性あふれる高校生たちの青春模様が、コメディタッチで描かれています。笑いあり涙ありの展開で、読者を飽きさせない魅力的な作品です。



厨病激発ボーイはとにかく笑えるよね!厨二病全開のキャラクターたちの言動がクセになって、読んでいて思わず吹き出しちゃう。でも単なるコメディじゃなくて、彼らの熱さや友情、そして瑞姫の成長も丁寧に描かれてるから、読後感がすごくいいんだよね。シリーズで読みたくなる魅力がある作品!
第15位:告白予行練習
原案:HoneyWorks
著者:藤谷燈子
出版社:KADOKAWA
発売日:2014年2月1日
HoneyWorksの代表曲「告白予行練習」をノベライズした青春ラブストーリーです。シリーズ関連作品累計で300万部を突破する「告白シリーズ」の第1作目になります。
女子高生・夏樹と、彼女の幼なじみで片思い相手の優が本作品の中心です。優に告白しようとした夏樹でしたが、素直になれずに優を告白の練習相手だと告げてしまいます。本当の気持ちを誤魔化すうちに、同じ美術部所属の友人たちとも関係がこじれていきます。
複数の片思いが同時進行で絡み合う青春群像劇で、恋や友情に悩む高校生たちのリアルな感情が繊細に描かれています。甘酸っぱくもどかしい恋愛模様が、読者の心を掴む作品です。



告白予行練習は高校時代の切ない恋心が丁寧に描かれていて、共感しちゃうよね。「好きって言えばよかった」「あの時勇気を出せばよかった」って後悔、誰にでもあるよね。複数のキャラの恋模様が交差していくのも面白くて、二人の行き違いにもどかしさを感じながらも、ハラハラしながら読み進められる作品だよ!
第16位:千年の独奏歌
原作:yanagi
著者:波摘
出版社:PHP研究所
発売日:2015年10月17日
yanagiの人気曲「千年の独奏歌」の世界観を物語にした作品です。荒廃した世界で忘れてしまった「大切な人」の面影を追う、幻想的な物語として多くの読者に愛されています。
目覚めたとき、全ての記憶を失っていた主人公。人もおらず、荒れ果てた大地で一人、自らの「魔法」を使って土地が持つ過去の記憶を辿り始めます。そうして思い出したのは、どうしても会わなければならない大切な人の存在でした。
土地の記憶とともに旅をしていく中で明らかになっていく、人々の温かな想いが胸を打つ物語です。挿絵も繊細で美しく、読後には静かな感動が残ります。



千年の独奏歌は静かだけど心に強く響く物語だよね。荒廃した世界の描写と、それでも希望を失わない主人公の姿に心を打たれる。挿絵も本当に美しくて、物語の世界観にぴったり合っていて、読み進めるたびに引き込まれていく。最後の展開は涙なしには読めないよ…。
第17位:イカサマライフゲイム
原案:KEMU VOXX
著者:一歳椿
出版社:PHP研究所
発売日:2013年2月1日
KEMU VOXXの人気楽曲「イカサマライフゲイム」をノベライズした作品です。「人生リセットボタン」「インビジブル」に連なるノベル化シリーズの3作目ですが、単独でも楽しめる内容になっています。
事故で両親を亡くし、そのトラウマから身に起こる不幸に極度に怯えてしまう少年・ナツヒコ。ある日「マキちゃん」と名乗る謎の少女と出会い、未来を予知する不思議なカードを手に入れます。そこから彼の運命は静かに動き始めます。
人生の選択と運命をテーマにした物語で、読み進めるほどに引き込まれる展開が魅力です。原曲の世界観を忠実に再現しながらも、小説ならではの深みを加えた作品です。



イカサマライフゲームは「人生って何だろう」って考えさせられる作品だよね。ナツヒコの不安や葛藤が細かく描かれていて、読んでいるうちに自分の人生の選択について考えてしまう。「マキちゃん」の存在も謎めいていて、最後まで読み進めたくなる引力がある。KEMUさんの曲の世界観がしっかり活かされた良作だと思う!
第18位:ECHO
原作:Crusher-P
著者:日日日
出版社:PHP研究所
発売日:2016年7月25日
Crusher-Pが手掛けた狂気のボカロ曲「ECHO」を元に、小説家・日日日が物語を再構築したダークファンタジー小説です。不気味な世界観とミステリー要素が読者を引き込みます。
高校2年生の電気屋眸(でんきやひとみ)は、突然、夢か現実かもわからない異世界へ飛ばされてしまいます。そこで出会った同じく高校生の男女たちと共に、原因も場所も分からないまま、眸たちは脱出を試みようとしますが…。
グロテスクな描写とともに、冒頭からさまざまな謎が入り乱れるミステリー性の高い作品です。海外発の曲を日本人作家が解釈するという、異色のコラボレーションも注目ポイントです。



ECHOは最初から最後まで不気味な空気が漂う独特な作品だよね。日日日さんの世界観構築は素晴らしくて、読み進めるたびに「これはいったい何なんだ?」と謎が深まっていく感覚がたまらない。原曲の持つ狂気的な雰囲気がしっかり文章で表現されていて、ホラー要素も程よく、一気に読み終えてしまった!
第19位:ショットガン・ナウル
原作・監修:Chinozo
著者:三月みどり
出版社:KADOKAWA
発売日:2023年10月25日
Chinozo監修のもと、「グッバイ宣言」の続編として描かれたボカロ小説です。女優を目指す七瀬レナと脚本家志望のエヴァ・スミスの夢への挑戦を描いた青春物語として、多くの読者に支持されています。
「グッバイ宣言」に登場した七瀬レナは、ハリウッドスターになるという夢を追いかけて奮闘しています。一方、脚本家を目指すエヴァ・スミスはレナの物語に触発され、自分の道を歩み始めます。それぞれの夢に向かって走り続ける2人の姿が、鮮やかに描かれています。
夢を追いかけることの大変さや、それでも諦めない情熱が伝わってくる作品です。「グッバイ宣言」を読んでから読むとより感動が深まりますが、本作単独でも十分に楽しめる内容になっています。



グッバイ宣言の続編として、レナの夢への挑戦がさらに詳しく描かれていて感動するよ。エヴァという新キャラも魅力的で、2人が互いに影響し合いながら成長していく姿に勇気をもらえる。夢を追いかける大変さや挫折も描かれているから、リアリティがあって共感できる部分が多い作品だね!
第20位:ド屑
原作・監修:なきそ
著者:五月什一
出版社:KADOKAWA
発売日:2023年5月25日
なきその人気曲「ド屑」をノベライズした作品です。タイトル通りの”ド屑”な主人公の行動と、衝撃的な真実が明かされていく展開が読者を引き込みます。
容姿端麗な大学生・葛城霞は、高校時代のクラスメイト・百目鬼雲母を口説き落とします。しかし遊び飽きた雲母に一方的に別れを告げようとした時、雲母は衝撃的な真実を打ち明けるのです。
タイトルどおり”ド屑”な主人公の行動に呆れつつも、物語が進むにつれて引き込まれていく展開が魅力の作品です。予想外の展開の連続で、一気読みしてしまう方も多い話題作です。



タイトルの通り主人公がとにかく「ド屑」で、最初は「ああ、こういう男嫌だな」って思うんだけど、読み進めるうちに「なぜこうなったのか」という背景や、雲母の真実が明かされていくストーリー展開が本当に面白い!途中からページをめくる手が止まらなくなる作品だよ。
ボカロ小説の魅力と楽しみ方
ボカロ小説は、音楽の世界観をさらに広げてくれる素晴らしいエンターテイメントです。本記事でご紹介した作品は、原曲を知っている方はもちろん、ボカロ曲を聴いたことがない方にもおすすめの読み応えのある小説ばかりです。
ボカロ小説の楽しみ方はさまざまですが、特におすすめなのは以下の方法です:
- 原曲を聴いてから読む: 曲の世界観を頭に入れてから小説を読むことで、より深く作品を楽しめます。
- 読書の後に原曲を聴く: 物語を知った上で曲を聴くと、歌詞の意味がより深く理解できます。
- シリーズものは順番に: 「カゲロウデイズ」や「悪ノシリーズ」など、複数の作品が繋がっているものは順番に読むとより楽しめます。
- 自分の好きなジャンルから選ぶ: ボカロ小説は恋愛、ファンタジー、ミステリーなど様々なジャンルがあるので、普段好んで読むジャンルから選ぶのもおすすめです。
音楽と文学の素晴らしい融合を、ぜひ体験してみてください。あなたのお気に入りのボカロ小説はありましたか? これを機に、新たな作品との出会いがあれば嬉しいです。