どんでん返し小説とは?予想外の結末に驚く物語の魅力
「まさかそんな結末だったなんて!」
どんでん返し小説とは、物語の最後に予想外の真相が明かされ、それまでの読者の解釈を覆す作品のことです。巧妙に張り巡らされた伏線が最後に見事に回収され、それまで読者が信じていた前提が崩れる瞬間は、小説ならではの醍醐味と言えるでしょう。
多くの場合、ミステリーやサスペンスジャンルで見られますが、恋愛小説や青春小説でも「どんでん返し」は効果的に用いられています。



最後の10ページで世界が変わる小説って本当に震えるよね。何度も読み返したくなる魅力があるんだよ!
優れたどんでん返し小説の特徴は「騙されたけど納得」できる点にあります。単に驚かせるだけでなく、振り返ると「あの場面が伏線だったのか」と気づかせてくれる作品は、読後の余韻も長く続きます。
それでは、読書体験を豊かにしてくれる、おすすめのどんでん返し小説をランキング形式で紹介していきましょう。
どんでん返し小説おすすめランキングTOP20
第1位 六人の嘘つきな大学生/浅倉秋成
2022年に出版され、瞬く間に支持を集めた話題作です。IT企業の最終選考に残った6人の就活生が、突然「告発文」をきっかけに疑心暗鬼に陥っていく展開は、息をつく暇もありません。
就活という誰もが経験する状況を背景に、人間の心理描写が非常に緻密で、読み進めるほどに登場人物の印象が二転三転します。最終的な真相は誰も予測できないでしょう。



就活のリアルな空気感がゾクゾクするよ。最後に全てが繋がった時の爽快感は最高レベル!
2024年に映画化も決定しており、読んでおいて損はない一冊です。複数の視点から語られる語りの妙も見事で、何度読み返しても発見がある奥深い作品となっています。
第2位 リバース/湊かなえ
平凡なサラリーマン・深瀬和久が美しい女性・美穂子と出会い、幸せな日々を送っていました。しかし、ある日「深瀬和久は人殺しだ」という告発文が届き、状況は一変します。
物語は巧みに過去と現在を行き来しながら、真実へと近づいていきます。読者の予想を裏切る展開の連続で、ラストの衝撃は忘れられないものになるでしょう。



最後の10ページが怖いほど素晴らしい…。ハッピーエンドかと思わせておいての裏切りに心臓バクバクしたよ!
湊かなえの作品の中でも特に人気が高く、どんでん返し小説の代名詞とも言える作品です。登場人物の心理描写も秀逸で、一度読んだら忘れられない衝撃を与えてくれます。
第3位 白ゆき姫殺人事件/湊かなえ
化粧品会社の美人社員・白雪比呂美が殺害され、同僚の城ヶ崎が容疑者として浮上する事件を描いた作品です。友人、同僚、家族など、様々な視点から語られる白雪の姿は、章が進むごとに変化していきます。
SNSやネットの書き込みが事件に与える影響も描かれ、現代社会の闇も浮き彫りにされる骨太な内容です。



誰もが知っている白雪姫をモチーフにしているのに、全く別物の物語に変化していくのが面白いんだよね!
湊かなえらしい多視点構成によって真実が少しずつ明らかになる展開は、最後まで飽きることなく読み進められます。映画化もされた人気作品です。
第4位 マリオネットの罠/赤川次郎
赤川次郎のデビュー作であり、どんでん返し小説の原点とも言われる名作です。フランス留学から帰国した主人公が、恩師の紹介で家庭教師として峯岸家の美人姉妹を教えることになります。
地下の牢獄に幽閉されている三女の雅子を助けようとする主人公。しかし、それが新たな連続殺人の始まりとなります。



1976年の作品なのに今読んでも全然古さを感じない!赤川次郎の原点を見られる貴重な一冊だよ。
息もつかせぬ展開と予想外の結末は、現代の読者も十分に楽しめるレベル。何度読んでも新たな発見がある、細部まで練り上げられた傑作です。
第5位 硝子の塔の殺人/知念実希人
雪深い森の中に建つ「硝子の塔」。ミステリーを愛する大富豪が招いた人々の間で起きる連続殺人事件を、天才名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬が解き明かしていきます。
本格ミステリーの王道でありながら、随所に散りばめられた伏線と予想外の真相は読者を驚かせずにはいられません。



クローズドサークルの設定、名探偵の存在、不思議な館…ミステリー好きにはたまらない要素が詰まってるよね!
2021年に映画化もされた話題作で、新世代を代表するミステリー作家の傑作として高い評価を得ています。
第6位 方舟/夕木春央
山奥の地下建築「方舟」で、地震による水没の危機に直面した人々の間で起きる出来事を描いたサバイバルミステリーです。
脱出するには誰かを犠牲にする必要があるという極限状態での心理戦が緻密に描かれています。時間制限のある中で進む予測不能のストーリー展開は、読者の心拍数を確実に上げるでしょう。



「誰かを見捨てなければ全員が死ぬ」という究極の選択…。人間の本性が露わになるシーンは胸が締め付けられるよ。
エピローグで明かされる驚きの真相は、それまでの展開を全く別のものに見せる衝撃的なものです。登場人物の心理描写も見事で、一気読み必至の作品です。
第7位 カラスの親指/道尾秀介
人生に敗れ、詐欺を生業とする中年二人組の元に、ある日少女が舞い込んできます。徐々に同居人が増えていく中、彼らが企てる大きな計画とは何か?
表面上はほっこりとした人間ドラマでありながら、その実は計算し尽くされた伏線と、息をのむようなどんでん返しが待っています。



詐欺師たちの物語なのに、なぜか彼らに感情移入してしまう不思議な魅力がある作品だよ。最後の種明かしは鳥肌もの!
道尾秀介の代表作として高い評価を受けており、映画化もされました。心温まる部分と冷たい現実が絶妙に融合した傑作です。
第8位 告白/湊かなえ
中学校の女性教師・森口悠子が、愛娘を校内で殺されたと生徒たちに告白するところから物語が始まります。犯人は彼女のクラスにいる生徒だと言うのです。
様々な登場人物の視点から語られる多層的な物語構造によって、事件の全体像が徐々に明らかになっていきます。



教師、生徒、親…それぞれの視点から見える「真実」が違うのが面白い!最後まで重苦しい緊張感から解放されないよ。
湊かなえのデビュー作であり、直木賞候補にもなった問題作です。イヤミス(嫌な気持ちになるミステリー)の代表作として、多くの読者に衝撃を与えました。
第9位 死刑にいたる病/櫛木理宇
大学生・筧井雅也に届いた連続殺人犯・榛村大和からの手紙をきっかけに展開するミステリーです。「最後の一件だけは冤罪だ」と主張する榛村の言葉を信じ、事件の再調査を始める筧井。
しかし、榛村の存在が筧井の心を少しずつ蝕んでいきます。人の心を巧みに操る榛村の存在が物語を複雑にしていきます。



サイコパスの魅力と恐怖がリアルに描かれてて、読んでるこっちまで取り込まれそうになるよ…。心理描写がすごい!
犯罪心理学の要素も取り入れられており、読後に「人間とは何か」を考えさせられる深い作品です。映画化もされた話題作です。
第10位 焦茶色のパステル/恩田陸
競馬界の闇を描いたミステリー小説で、江戸川乱歩賞を受賞した恩田陸のデビュー作です。牧場での殺人事件と銃撃されたサラブレッドの母子、競馬界の裏に隠された恐るべき秘密が明らかになっていきます。
緻密な伏線と豊かな描写で、競馬というテーマをミステリーとして見事に昇華させています。



馬のことをあまり知らなくても全然大丈夫!むしろ競馬の世界に引き込まれる素晴らしい入門書になってるよ。
30年以上前の作品ながら、古さをほとんど感じさせない普遍的な魅力を持つ名作です。競馬場という特殊な舞台設定も物語に深みを与えています。
第11位 アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎
一見無関係に見える「本屋襲撃の話」と「ペット虐待犯を追う話」が徐々に交差していく不思議な物語です。伊坂幸太郎ならではの独特な世界観と、テンポの良い文体が魅力的です。
タイトルの意味が明かされる瞬間、読者は「なるほど」と膝を打つでしょう。



最初は「何この不思議な話?」って思うんだけど、徐々に全てが繋がっていく快感がすごいよね!伊坂ワールド全開の一冊。
伊坂幸太郎の代表作の一つとして、多くの読者に愛され続けている作品です。映画化もされ、幅広い層から支持されています。
第12位 同志少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬
第二次世界大戦中のソ連を舞台に、家族を殺されたロシア人少女セラフィマが女性狙撃兵となって戦いに身を投じる物語です。
一見すると戦争小説のようですが、「本当の敵とは何か」を問いかける深い哲学が込められています。2022年本屋大賞を受賞した話題作です。



歴史小説としても戦争文学としても一級品なんだけど、最後のどんでん返しでジャンルを超えた作品になってる!
綿密な歴史考証に基づいた描写は臨場感にあふれ、読者を第二次世界大戦の最前線へと連れていきます。女性の視点から描かれる戦争の残酷さと悲しみが胸に迫ります。
第13位 ハンティング・タイム/ジェフリー・ディーヴァー
DV夫から逃亡した女性アリソンを、元夫と殺し屋が追う息詰まるサスペンスです。英国フィナンシャル・タイムズが「最後の逆転にやられる確率100%」と絶賛した、どんでん返しの連続に読者は振り回されます。
予測不能の展開と緊迫感あふれる描写で、最後まで目が離せません。



「もうこれ以上どんでん返しないでしょ?」って思った瞬間にさらなる逆転が…。息つく暇もないほどのスピード感がすごいよ!
海外サスペンスの醍醐味を存分に味わえる一冊で、映画のような臨場感あふれる展開に引き込まれること間違いなしです。
第14位 極夜の灰/クリス・プティ
1967年、北極圏の陸軍極秘基地で起きた火災の調査に訪れた精神科医ジャックが活躍するミステリーです。焼死体の状態の謎から始まり、少しずつ真実が見えてくる構成が秀逸です。
北極という極限環境下で繰り広げられる心理戦は、読者の想像力を刺激します。



北極の極夜という特殊な環境が物語に独特の緊張感を与えてるよ。閉鎖空間のプレッシャーがじわじわと伝わってくる…。
後半の大きなどんでん返しは読者を驚かせるに十分で、本格ミステリーとしての面白さも兼ね備えた作品です。
第15位 イニシエーション・ラブ/乾くるみ
「必ず二回読みたくなる」というキャッチコピーで有名なミステリー小説です。詳しいあらすじは明かせませんが、1980年代の恋愛模様が丁寧に描かれています。
何気ない描写の中に巧妙に隠された伏線が、最後に明かされる真実への驚きを倍増させます。



ラストの衝撃で「えっ?」となって、すぐに最初から読み返したくなるよ。気づかなかった伏線に驚くこと間違いなし!
映画化もされた人気作で、小説ならではの「騙される楽しさ」を堪能できる傑作です。未読の方は、ネタバレに触れずに読むことをお勧めします。
第16位 満願/米澤穂信
山本周五郎賞受賞作品で、「満願」「死人宿」「柘榴」「万灯」「夜警」「関守」の六篇を収録した短編集です。一見バラバラに見える物語が、実は巧妙に繋がっています。
短編でありながら濃密な内容で、それぞれにどんでん返しがあり、多彩な読書体験ができます。



どの話も「あ、そういうことか!」って思わせる見事な短編集。短い話なのに奥深くて、何度も読み返したくなるよ。
米澤穂信の繊細な筆致と深い洞察は、読者の心に長く残ります。日本のミステリー短編集の中でも屈指の名作です。
第17位 鏡の国/椹野道流
大御所ミステリー作家・室見響子の遺稿「鏡の国」に隠された秘密を追う物語です。「本の中の本」という二重構造の作品で、あらゆる要素が伏線となっています。
人間ドラマとしての魅力も高く、最後まで予測不可能な展開に引き込まれます。



「鏡」というモチーフが秀逸で、何が本当で何が嘘なのか混乱しちゃう…。ぜひ一気読みすることをおすすめするよ!
メタフィクション的な要素も含む重層的な構造は、読後の考察も楽しい作品です。複雑な人間関係が絡み合う中で浮かび上がる真実に驚くこと間違いなしです。
第18位 仮面山荘殺人事件/東野圭吾
山荘に集まった8人の男女のもとに逃亡中の銀行強盗が侵入。外部との連絡が断たれる中で一人が殺され、犯人は強盗ではないと判明します。
互いに疑心暗鬼に陥っていく7人の心理描写が見事で、最後に明かされる衝撃的な真相は東野圭吾ならではのどんでん返しです。



東野圭吾の初期作品だけど、今読んでも全然色あせてないよね。クローズドサークルの緊張感がすごい!
1989年に発表された作品ながら、現代の読者も十分に楽しめる普遍的な魅力を持っています。東野圭吾のミステリー作家としての才能が光る一冊です。
第19位 聖母/麻耶雄嵩
近所で起きた幼稚園児殺害事件をきっかけに、娘を守るために行動を起こした主婦・保奈美の物語です。「ラスト20ページ、世界は一変する」というキャッチコピー通り、後半のどんでん返しは予測不可能です。
読み返すと至る所に伏線が張られていることに気づき、構成の巧みさに感心させられます。



母性愛がテーマだと思っていたら…。最後の衝撃に言葉を失うよ。ここまで騙されるとは思わなかった!
第23回日本ホラー小説大賞を受賞した作品で、ミステリーとしての面白さとホラー要素が絶妙にブレンドされています。
第20位 葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午
どんでん返し小説の金字塔として多くの読者に衝撃を与えてきた名作です。1992年の発表から30年以上経った今も色褪せない魅力を放っています。
詳しいあらすじは読者自身の発見に委ねますが、人間の思い込みの恐ろしさを実感させる展開は必見です。



最初に読んだ時の衝撃は忘れられない…。単に騙されるだけじゃなくて、何か温かい気持ちも残る不思議な作品だよ。
映画化もされたこの作品は、未読の方にはぜひネタバレに触れずに読んでほしい一冊です。全ての伏線が最後に見事に回収される構成美は圧巻です。
どんでん返し小説の楽しみ方と読後の感動
どんでん返し小説を最大限に楽しむためには、いくつかのポイントがあります。まず、ネタバレを避けることが重要です。知らない状態で読むからこそ、驚きが何倍にも膨らみます。
また、一度読み終えた後に再読してみると、最初は見逃していた伏線に気づくことができ、作品の深みをより味わえるでしょう。



ファンタジーやラブストーリーでもどんでん返しはあるよ!ジャンルにとらわれず色んな作品を読んでみて。
今回紹介した20作品は、それぞれが独自の魅力を持ち、読者を驚かせる力を備えています。あなたの好みに合わせて、ぜひ手に取ってみてください。
予想外の結末に心躍る体験は、小説ならではの贅沢な時間です。素晴らしいどんでん返し小説との出会いが、あなたの読書生活をより豊かにしてくれることでしょう。