皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
「戦争」と聞くと、どこか遠い国の出来事、あるいは歴史の1ページのように感じてしまうかもしれません。
しかし、小説を通して私たちは、その時代を生きた人々の喜び、悲しみ、そして葛藤を、まるで自分のことのように体験できます。
歴史の教科書が語る大きな出来事の裏には、一人ひとりの名もなき人々の、語られざる物語が隠されています。
この記事では、小説ヨミタイ編集部が国内外の傑作から、今こそ読んでほしい戦争小説を厳選し、ランキング形式でご紹介します。
それでは、早速ランキングを見ていきましょう。
今回は、日本の作品から海外の翻訳作品まで、幅広いジャンルの戦争小説を27作品厳選しました。あなただけの一冊を見つける手助けになれば幸いです。
2022年の本屋大賞を受賞し、社会現象を巻き起こした傑作です。
独ソ戦を舞台に、穏やかな村での日常をドイツ軍に奪われ、母を殺された少女セラフィマが復讐を誓い、ソ連軍の女性狙撃手となる物語です。
過酷な訓練と実戦を経て、セラフィマは一流の狙撃手へと成長していきます。
しかし、彼女が戦場で目の当たりにしたのは、敵であるドイツ兵の残虐さだけでなく、味方であるはずのソ連兵の非情な一面でした。
戦争という極限状態の中で、「本当の敵とは誰なのか」という根源的な問いを突きつけられるセラフィマ。
その姿を通して、戦争の不条理さと人間の尊厳について深く考えさせられる作品です。
復讐のために最強の狙撃手になる少女、っていう設定がまずアツいよね。師であるイリヤとの関係性も、ただの師弟じゃなくて…尊い…。
太平洋戦争の終盤、特攻で命を落とした祖父の生涯を、孫が調査していくストーリーです。
祖父・宮部久蔵は、海軍一の臆病者と蔑まれながらも、天才的な操縦技術を持つ零戦パイロットでした。
なぜ「生きて帰ること」に執着した彼が、自ら特攻を選ばなければならなかったのか。
関係者の証言を繋ぎ合わせていく中で、宮部の本当の想いと、戦争の残酷な真実が明らかになっていきます。
家族への愛、戦争の理不尽さ、そして命の尊さを描いた、涙なくしては読めない不朽のベストセラーです。
映画化もされ、多くの人々の心を揺さぶりました。
臆病者で天才パイロットっていう二面性を持つおじいちゃんの真実に泣ける…。愛する人のために生きたいと願う気持ち、すごく伝わってきたよ。
第二次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、極限の飢餓状態に置かれた日本兵の姿を描いた作品です。
作者自身の戦争体験が基になっており、その圧倒的なリアリティは読む者に衝撃を与えます。
主人公の田村一等兵は部隊を追われ、食べるものもなくジャングルをさまよいます。
生きるために「人肉を食べるか否か」という究極の選択を迫られる中で、人間の尊厳とは何かを問いかけます。
日本戦争文学の最高峰と称される、一度は読んでおくべき一冊です。
極限状態で人間はどうなるのか、深く考えさせられたな。人肉食っていうテーマは衝撃的だけど、それだけ戦争が悲惨だってことだよね。
2015年にノーベル文学賞を受賞した、ベラルーシの女性作家によるノンフィクション・ノベルです。
第二次世界大戦に従軍した500人以上のソ連の女性たちの証言を丹念に集め、戦争の真実を生々しく伝えています。
狙撃手、看護師、パルチザン、洗濯婦など、様々な立場で戦争に関わった女性たち。
彼女たちの語る一つ一つの言葉が、歴史の記録からはこぼれ落ちてしまう、個人の人生がいかに戦争によって破壊されるかを物語っています。
男性の視点で語られがちな戦争の歴史を、女性たちの声を通して再構築した画期的な作品です。
戦争を女性の視点から描いているのが新しいよね。兵士だけじゃなく、様々な立場の女性たちの声が聞けて、戦争の多面性を知ることができたよ。
広島への原爆投下をテーマにした、日本文学の金字塔的作品です。
主人公の閑間重松は、姪の矢須子に持ち上がった縁談をまとめるため、彼女が被爆していないことを証明しようと、被爆当日の日記を清書し始めます。
しかし、実際には矢須子は致死量の放射能を含んだ「黒い雨」を浴びており、やがて原爆症の症状が現れ始めます。
穏やかな日常が、静かに、しかし確実に非日常に侵食されていく恐怖。
原爆の恐ろしさと戦争の不条理さを、淡々とした筆致で描くことで、かえって力強く訴えかけます。
原爆の悲劇を静かに描いているのが、逆に心に響いたな。日常が壊れていく怖さと、家族の想いが切なかったよ。
アウシュヴィッツ強制収容所内に実在した「秘密の図書館」で、図書係を務めた14歳の少女ディタの実話に基づく物語です。
本を持っているだけで死を意味する収容所で、彼女は命がけでたった8冊の本を守り抜きます。
絶望的な状況下でも、物語の力を信じ、希望を失わずに生き抜こうとする人々の姿が描かれています。
本が人間に与える勇気と希望の大きさを教えてくれる、感動的な一冊です。
絶望的な収容所で本が希望になるって、すごくない?本を読むことの意味を改めて考えさせられたし、ディタの勇気に感動したよ。
ホロコーストを、強制収容所の所長の息子である8歳の少年ブルーノの無垢な視点から描いた物語です。
ブルーノは、有刺鉄線のフェンスの向こう側に住む「縞模様のパジャマ」を着た少年シュムエルと出会い、秘密の友情を育んでいきます。
しかし、二人の無邪気な友情が、やがてあまりにも悲劇的な結末を迎えることに。
子供の純粋な目を通して、大人の世界の狂気と愚かさを残酷なまでに浮き彫りにした作品です。
子供の視点だからこそ、戦争の残酷さが際立つよね。ブルーノとシュムエルの友情が悲しくて、ラストは本当に言葉を失った…。
太平洋戦争末期、必死の兵器「人間魚雷・回天」の搭乗員となった若者たちの青春群像劇です。
甲子園の優勝投手だった並木浩二は、なぜ自ら死を選ぶ兵器への搭乗を決意したのでしょうか。
死と隣り合わせの極限状況の中で、友情、恋愛、そして家族への想いに揺れ動く若者たちの姿が鮮烈に描かれています。
戦争という過酷な運命に翻弄されながらも、懸命に生きようとした彼らの青春が胸を打ちます。
特攻兵器に乗る若者たちの青春って、切なすぎる…。死を覚悟しながらも、友情や恋に悩む姿にすごく感情移入しちゃったよ。
第二次世界大戦終結直後のドイツ・ベルリンを舞台にした、極上の歴史ミステリーです。
主人公のドイツ人少女アウグステは、ナチスの高官だった父が残した謎のメモを手がかりに、ある人物の行方を追い始めます。
戦争で荒廃したベルリンの街並みや、人々の心に深く刻まれた傷跡がリアルに描かれています。
戦争がもたらしたものを多角的に捉え、その後の世界をどう生きていくのかを問いかける、重厚な読後感の作品です。
終戦直後のベルリンが舞台って設定が最高だよね。ミステリーとしても面白いし、戦争が終わっても苦しみは続くんだってことを痛感したよ。
第二次世界大戦末期のビルマ(現ミャンマー)を舞台に、音楽を通じて平和への願いを描いた児童文学の名作です。
日本軍の兵士である水島上等兵は、ビルマの伝統楽器「竪琴」を奏でることで、敵味方の区別なく人々の心を癒していきます。
しかし、戦争は彼の運命を大きく変えてしまいます。
戦後もビルマに残り、異国の地で亡くなった兵士たちの魂を弔うことを決意した水島の姿は、多くの人々の心を打ちました。
音楽で人の心を繋ぐって素敵だよね。水島上等兵がビルマに残る決意をした場面は、何度読んでも泣ける…。平和への祈りが込められた作品だよ。
第二次世界大戦中のソ連・レニングラードを舞台に、17歳の少年レフが、大佐の娘の結婚式のために「卵1ダース」を探すという奇妙な任務を与えられる物語です。
飢餓に苦しむ街で、卵を探すというほとんど不可能なミッションを通して、戦争の不条理さや人間のたくましさをユーモラスに描いています。
過酷な状況下での友情や冒険が、読者をぐいぐい引き込みます。
ブラックユーモアとシリアスな現実が絶妙にミックスされた、ユニークな一冊です。
戦争中に卵を探すっていう発想が面白い!ユーモアもあるけど、戦争の悲惨さもしっかり描かれていて、不思議な読後感だったな。
現代の女子高生・百合が、1945年の日本にタイムスリップしてしまうという物語です。
そこで出会ったのは、特攻隊員の青年・彰でした。
彰に惹かれていく百合ですが、彼はいつか飛び立たなければならない運命を背負っています。
戦争という時代に翻弄される二人の切ない恋模様を描いた、涙なしでは読めない作品です。
映画化もされ、若い世代を中心に大きな支持を集めています。
現代の女子高生と特攻隊員の恋なんて、切なすぎるでしょ…。二人の未来を思うと、涙が止まらなかったよ。平和な時代に生まれたことのありがたさを感じたな。
作者自身の戦争体験を基にした、ノンフィクション小説です。
東京大空襲で母親と二人の妹を亡くした少女・敏子の姿を描いています。
焼け跡から見つけ出した、父が作ってくれたガラスのうさぎを心の支えに、敏子は懸命に生きていこうとします。
戦争が奪ったものの大きさと、それでも失われない家族の絆を描いた、世代を超えて読み継がれるべき感動の物語です。
作者の実体験だからこそ、言葉の一つ一つが重いよね。ガラスのうさぎが、戦争の悲しさと家族の愛の象徴みたいで、胸が締め付けられたよ。
神戸大空襲で母親を亡くし、父親とは離れ離れになった14歳の兄・清太と4歳の妹・節子の物語です。
親戚の家を追い出され、二人きりで防空壕での生活を始めますが、やがて栄養失調で衰弱していきます。
戦争がもたらす悲劇を、幼い兄妹の視点から描いた、あまりにも有名な作品です。
社会から見捨てられ、二人だけの世界で生きようとした兄妹の姿は、読む者の胸を強く打ち、戦争の罪を問いかけます。
何度読んでも、清太と節子のことを思うと辛くなる…。戦争の悲劇が、幼い兄妹に凝縮されているみたいで、本当にやりきれない気持ちになるよ。
旧満州国を舞台に、架空の都市「李家鎮」の建設と崩壊を描いた壮大な歴史小説です。
測量と地図作りを命じられた日本人青年と、復讐を誓う中国人青年の二人の視点から、物語は進んでいきます。
戦争、革命、そして個人の運命が複雑に絡み合う中で、「国とは何か」「歴史とは何か」という根源的な問いを投げかけます。
圧倒的なスケールと緻密な構成で、読者を物語の世界に引き込む、直木賞受賞作です。
満州国っていう、歴史の教科書でしか知らなかった場所が、すごくリアルに感じられたよ。地図を作るっていう行為が、国の成り立ちと重なっていて、スケールの大きさに圧倒されたな。
第一次世界大戦を、ドイツ兵の視点から描いた反戦小説の古典です。
愛国心に燃えて出征した若者たちが、塹壕での過酷な現実を目の当たりにし、心身ともに打ちのめされていく様を描いています。
英雄になることを夢見ていた青年パウルが、戦争の無意味さと虚しさを悟っていく過程は、読む者の胸に深く突き刺さります。
題名である「西部戦線異状なし」という報告が意味する衝撃のラストは、あまりにも有名です。
100年以上前の小説なのに、今の心にも突き刺さるのがすごい。学校で習う英雄譚とは真逆の、名もなき兵士の絶望がリアルだったな。
神戸を舞台に、沖縄出身の人々の心の傷と再生を描いた物語です。
神戸から沖縄の小さな町に引っ越してきた少女ふうちゃんは、戦争の記憶に苦しむ人々に出会います。
明るく優しい沖縄の人々が、心の奥底に抱える深い悲しみ。
ふうちゃんとの屈託のない交流を通して、彼らが少しずつ心の傷を癒していく姿が描かれています。
戦争の悲惨さだけでなく、人間の優しさや強さをも教えてくれる、希望の物語です。
沖縄戦のことは知っていたけど、この本を読んで、人々の心の傷の深さを改めて感じたよ。ふうちゃんの明るさが、みんなの心を少しずつ溶かしていくのが救いだったな。
第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台に、アメリカ軍のコック兵となった19歳のティムの物語です。
戦闘に参加しながら、兵士たちのために食事を作るという過酷な任務を通して、ティムは成長していきます。
物語は5つの章からなる連作短編形式で、各章でティムがささやかな謎解きに挑むミステリー要素も楽しめます。
戦争の日常と非日常を、「食」というユニークな視点から描いた作品です。
戦場で料理をするって、どんな感じなんだろうって興味を持ったよ。ミステリー要素もあって、戦争小説だけど読みやすかったな。食べるってことが、生きる希望になるんだね。
第一次世界大戦下のドイツを舞台に、飛行船の女性パイロットを目指す少女リラの物語です。
男性社会である軍隊の中で、リラは様々な困難に立ち向かいながら、自分の夢を追いかけ続けます。
戦争という大きな時代のうねりの中で、自分の意志を貫こうとするリラの姿は、現代の私たちにも勇気を与えてくれます。
歴史に埋もれた女性たちの活躍に光を当てた、フェミニズム的な視点も魅力的な作品です。
第一次世界大戦の女性パイロットって、かっこよすぎる!夢を追いかけるリラの姿に、すごく勇気をもらえたよ。こういう歴史に埋もれた女性の話、もっと知りたいな。
昭和初期の東京を舞台に、ある中流家庭で女中として働いていたタキの回想を通して、戦時下の日本の日常を描いた作品です。
直木賞を受賞した本作は、モダンで華やかな生活を送っていた一家が、静かに、しかし確実に戦争の影に覆われていく様子を、タキの視点から淡々と、しかし鮮やかに描いています。
大きな事件ではなく、庶民の暮らしの変化を通して戦争を描くことで、その恐ろしさがかえって際立ちます。
戦争が人々の生活をどのように変えていったのかを知ることができる、貴重な一冊です。
戦時中の普通の人の暮らしが、すごくリアルに感じられたよ。華やかな生活が、だんだん戦争の色に染まっていくのが怖かったな。タキさんの視点が、すごく温かいんだよね。
ホロコーストを生き延びたユダヤ人の少年シュリクの、実話に基づく物語です。
ワルシャワのゲットーから脱出したシュリクは、たった一人で森の中を逃げ続けます。
いつ捕まるか分からない恐怖と飢えの中で、彼は生きることを決して諦めませんでした。
子供の視点から描かれる過酷な逃亡生活と、それでも失われない生きる力強さが、読む者の胸を締め付けます。
たった一人で森を逃げ続けるなんて、想像を絶するよ…。シュリクの生きる力強さに、ただただ圧倒された。実話だっていうのが、さらに衝撃的だよね。
第二次世界大戦中のアメリカを舞台に、日系アメリカ人二世たちの苦悩と葛藤を描いた大河小説です。
主人公の天羽賢治は、アメリカ人として生きるべきか、日本人として生きるべきかという、アイデンティティの引き裂かれるような選択を迫られます。
日米開戦によって、彼らの運命は大きく翻弄されていきます。
強制収容所での生活、日系人部隊への志願、そしてアメリカ兵としての日本派遣。
二つの祖国の間で引き裂かれる人々の姿を通して、戦争がもたらす複雑で深刻な悲劇を描き出します。
アメリカで生まれたのに、日本人だからって敵として扱われるなんて理不尽すぎるよね。どっちの国も故郷なのに、その間で苦しむ人々の気持ちを思うと、本当に辛いよ。
太平洋戦争末期から戦後にかけての日本を舞台にした、社会派ミステリーの巨匠・松本清張による作品です。
召集された主人公の青年は、上官から理不尽ないじめを受け、彼の人生は大きく狂わされていきます。
戦後、復員した青年は、自分を貶めた上官への復讐を誓います。
戦争が個人の心にどれほど深い傷跡を残し、それが戦後どのような悲劇を引き起こすのかを描いた、人間の執念の物語です。
戦争が終わっても、個人の戦いは終わらないんだってことを痛感したよ。上官への復讐っていうのが、ミステリーとしても引き込まれるし、戦争の闇の深さを感じたな。
第二次世界大戦中の東ヨーロッパを舞台に、ホロコーストを逃れて田舎を放浪する6歳の少年の物語です。
黒い髪と黒い瞳を持つ少年は、行く先々で異質な存在として、人間たちから動物以下の残虐な迫害を受けます。
人間の持つ差別意識や底知れぬ悪意を、少年の純粋な視点を通して容赦なく描き出した、文学史に残る衝撃的な作品です。
その過激な内容から、発禁処分になった国もあるほど、読む人を選びますが、人間の本質をえぐる一冊です。
これは本当に衝撃的な小説だった…。人間の醜い部分がこれでもかってくらい描かれていて、読むのが辛かったけど、目を背けちゃいけない現実だとも思ったよ。
第一次世界大戦で、砲弾によって両手両足、そして顔の感覚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚)を失った兵士ジョーの物語です。
意識はあるものの、外界と完全に遮断された彼は、病院のベッドの上でただひたすら思考を巡らせます。
戦争が人間から何を奪うのか、人間の尊厳とは何かを、これ以上ないほど強烈に突きつけてくる作品です。
反戦映画としても有名な、戦争文学の傑作です。
意識だけがあって、何もできないっていう状況が、想像を絶する恐怖だった…。戦争が人間を「モノ」として扱うっていうのが、すごく伝わってきたよ。
『1984年』や『動物農場』で知られるジョージ・オーウェルが、自らの体験を基にスペイン内戦を描いたルポルタージュ文学です。
ファシズムと戦うという理想を掲げ、義勇兵として内戦に参加したオーウェル。
しかし、彼が目の当たりにしたのは、敵との戦いだけでなく、味方であるはずの共和派内部での、特にソ連の支援を受けた共産党による他の分派への権力闘争と裏切りでした。
戦争の複雑さと、政治の欺瞞を、ジャーナリストとしての鋭い視点で描き出した作品です。
オーウェルが実際に戦争に参加してたなんて知らなかった!理想を抱いて戦場に行ったのに、味方同士で争うなんて、皮肉だよね。政治の怖さを感じたな。
日露戦争を、一人の日本人通訳の視点から描いた、歴史小説の巨匠・司馬遼太郎による短編の名作です。
主人公の青年は、ロシア語が堪能であることから、軍の通訳として戦地に赴きます。
敵国であるロシアの文化や人々に触れ、その言葉を理解する中で、彼は次第に戦争そのものの虚しさを感じ始めます。
短い物語の中に、司馬遼太郎ならではの深い歴史観と人間観が凝縮された、味わい深い作品です。
敵国の言葉を話せるからこそ、戦争の虚しさを感じてしまうっていうのが、すごく皮肉だよね。短いけど、司馬遼太郎の歴史を見る目の深さを感じられる作品だったよ。
ここまで、27作品の戦争小説をご紹介してきましたが、気になる一冊は見つかりましたでしょうか。
戦争小説は、私たちに戦争の悲惨さを伝えるだけでなく、平和の尊さ、そして極限状況でも失われない人間の強さや優しさを教えてくれます。
今回ご紹介した作品が、皆さんの読書ライフをより豊かなものにするきっかけとなれば、小説ヨミタイ編集部としてこれほど嬉しいことはありません。