皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
綿矢りささんは、1984年京都府生まれの小説家です。早稲田大学在学中の2004年に、『蹴りたい背中』で史上最年少となる19歳で芥川賞を受賞し、一躍文壇の寵児となりました。その2年前、高校在学中の2001年には『インストール』で文藝賞を受賞し、17歳で鮮烈なデビューを果たしています。
綿矢さんの作品の魅力は、登場人物の心理を美しく丁寧な言葉で描き出す点にあります。思春期の複雑な心境や、現代社会で生きる人々の孤独感、承認欲求といった感情を、独特の感性とユーモアを交えて鋭く切り取ります。その等身大の人物描写は、多くの読者の共感を呼んでいます。『勝手にふるえてろ』や『ひらいて』など、多くの作品が映像化されていることからも、その人気の高さがうかがえます。
ここからは、小説ヨミタイ編集部が厳選した綿矢りささんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。
デビュー作から近年の話題作まで、多彩なラインナップを揃えました。綿矢作品に初めて触れる方はもちろん、熱心なファンの方も、次の一冊を見つける参考にしてみてください。
堂々の1位は、綿矢りささんの名を世に知らしめた芥川賞受賞作『蹴りたい背中』です。当時19歳という史上最年少での受賞は、社会現象にもなりました。
物語の主人公は、高校に入学したもののクラスに馴染めずにいる少女ハツ。彼女が同じく孤立しているクラスメイト「にな川」に奇妙な仲間意識を抱き、彼の背中を追いかけるうちに、孤独だった日常が少しずつ変化していく様子を描いています。思春期特有の自意識や、言葉にならないもどかしい感情が、瑞々しい筆致で表現されています。10代のヒリヒリとした空気感と、誰かと繋がりたいと願う切実な思いが胸に迫る、青春小説の金字塔です。
わかる、この距離感…。近づきたいけど近づけない感じがリアルだよね。
2位は、2017年に松岡茉優さん主演で映画化され、大きな話題を呼んだ『勝手にふるえてろ』です。“こじらせ女子”の恋愛模様をコミカルかつ切実に描いた作品として、多くの女性から共感を集めました。
主人公は、中学時代から片思いしている「イチ」との脳内恋愛に浸る24歳のOL・ヨシカ。そんな彼女の前に、会社の同期であるリアルな男性「ニ」が現れ、告白されたことから、彼女の平和な日常は揺らぎ始めます。妄想と現実の間で暴走するヨシカの姿は、痛々しくも愛おしく、読者をぐいぐい引き込みます。恋愛に臆病になっているすべての人に読んでほしい一冊です。
ヨシカの脳内会議、めっちゃ面白い!わたしもよくやるから気持ちわかるなあ。
3位にランクインしたのは、綿矢さんが17歳の時に執筆し、第38回文藝賞を受賞した衝撃のデビュー作『インストール』です。
高校を中退し、目的のない日々を送る主人公の少女・のぞみ。彼女が、ひょんなことから出会った小学生・かずよしのすすめでチャットレディのアルバイトを始めるという物語です。インターネット黎明期のどこか危うい空気感と、希薄な人間関係の中で抱える虚無感や孤独が、少女の視点から淡々と、しかし鋭く描かれています。その早熟な才能と、時代を切り取る感性に驚かされること間違いなしの作品です。
17歳でこれを書いたなんて信じられない…。独特の空気感がたまらないんだよね。
4位は、第6回大江健三郎賞を受賞した『かわいそうだね?』です。人間の内面に渦巻く嫉妬や同情、承認欲求といった複雑な感情を、二人の女性の視点から巧みに描き出した作品です。
物語は、恋人の樹(いつき)を献身的に支えるカナエと、そのカップルを羨望と嫉妬の目で見つめるリナ、二人の独白形式で進みます。「かわいそう」という言葉の裏に隠された、人間の本質をえぐるような心理描写は圧巻。読んでいるうちに、自分の中にもあるかもしれない黒い感情を突きつけられ、心を揺さぶられるでしょう。綿矢さんの人間観察の鋭さが光る一冊です。
「かわいそう」って言葉の裏にある感情、えぐいよね…。ちょっとゾクっとしちゃった。
5位には、2021年に映画化もされた恋愛小説『ひらいて』がランクイン。高校生の歪んだ恋心と、暴走する激情を描いた衝撃作です。
主人公は、成績優秀で人気者の高校3年生・愛。彼女は、クラスの目立たない男子「たとえ」に、病的なまでの恋心を抱いています。しかし、「たとえ」には秘密の恋人がいました。その事実を知った愛の感情は、やがて予測不能な方向へと暴走していきます。好きという感情の持つ暴力性と、思春期の危うさが絡み合い、読む者の心をかき乱す物語。純粋で残酷な恋愛小説を読みたい方におすすめです。
愛の執着心、すごすぎる…!好きって気持ちが暴走するとこうなっちゃうのかな。
6位は、第26回島清恋愛文学賞を受賞した『生のみ生のままで』です。恋愛、結婚、出産といった女性のライフステージにおける様々な局面を、リアルな筆致で描いた連作短編集です。
恋人との関係に悩む女性、婚活に励む女性、そして女性同士のカップルなど、多様な登場人物たちがそれぞれの人生を懸命に生きていく姿が描かれています。現代を生きる女性たちが抱える不安や葛藤、そして喜びが丁寧にすくい取られており、どの物語にも共感できる部分が見つかるはず。自分の人生と重ね合わせながら、じっくりと味わいたい一冊です。
いろんな女性の人生が詰まってて、どれも「わかる!」ってなっちゃう。考えさせられる一冊だよ。
7位は、芸能界の光と闇を描き、WOWOWでドラマ化もされた『夢を与える』です。子役スターとして脚光を浴びた少女の栄光と転落の物語が描かれています。
母親の夢を一身に背負い、幼い頃から芸能界で生きてきた主人公・夕子。成長するにつれて、彼女は世間のイメージと本当の自分とのギャップに苦しみ、次第に心を蝕まれていきます。華やかな世界の裏側にある過酷な現実と、そこで翻弄される少女の痛切な叫びが胸に迫ります。人間の欲望やメディアの残酷さを描ききった、社会派な一面も持つ作品です。
キラキラした世界の裏側ってこうなってるんだ…。主人公の心の叫びが聞こえてくるようだったよ。
8位は、2020年にのんさん主演で映画化された『私をくいとめて』。30代おひとりさま女子の恋と人生を、ユーモラスに描いた作品です。
主人公は、31歳の黒田みつ子。彼女の脳内には、的確なアドバイスをくれる相談役「A」が存在します。Aとの平和なシングルライフを送っていたみつ子でしたが、取引先の年下男子・多田くんに恋をしたことで、その日常が大きく揺らぎ始めます。年を重ねることへの不安や、恋愛への臆病さを抱えながらも、一歩前に踏み出そうとする主人公の姿に、勇気をもらえることでしょう。『勝手にふるえてろ』の主人公・ヨシカを彷彿とさせる、新たな“こじらせ女子”の物語です。
脳内のA、わたしにも欲しい!みつ子の気持ち、わかりすぎて胸が痛いよ。
9位には、綿矢さんの故郷である京都を舞台にした『手のひらの京』がランクイン。三姉妹の視点を通して、家族の絆や京都の文化を描いた私小説的な作品です。
京都で生まれ育った三姉妹が、それぞれの人生を歩みながら、故郷や家族との関係を見つめ直していく物語。美しい京都の街並みや独特の風習が、綿矢さんならではの繊細な筆致で描かれており、まるで自分もその場にいるかのような気分を味わえます。姉妹それぞれの視点から語られることで、家族という共同体の複雑さや温かさが浮き彫りになる、味わい深い一冊です。
京都の街並みが目に浮かぶようだったな。三姉妹の関係性もすごくリアルで好き。
10位は、現代社会の人間関係の機微を鋭く切り取った短編集『嫌いなら呼ぶなよ』です。SNS時代のコミュニケーションの難しさや、自意識のぶつかり合いがテーマとなっています。
表題作「嫌いなら呼ぶなよ」では、ウェブメディアの対談企画に呼ばれた作家が、SNSでの微妙な人間関係に翻弄される様子が描かれます。他にも、承認欲求や見栄、嫉妬といった、誰もが一度は感じたことのある感情が、皮肉とユーモアを交えて描かれています。現代人の心の隙間に入り込むような、共感と苦笑を誘う4つの物語が収められています。
SNSでのやりとりって、こういう気まずさあるよね…。タイトルがもう核心を突いてる!
11位は、綿矢りささん初のエッセイ集『パッキパキ北京』です。小説とは一味違う、作家の素顔が垣間見える一冊として人気を集めています。
本書では、北京での生活や旅行、日々の暮らしの中で感じたことなどが、綿矢さんならではのユニークな視点で綴られています。小説で描かれる登場人物たちの独特な感性の源泉が、ここにあるのかもしれないと感じさせるエピソードが満載です。くすりと笑える軽妙な語り口で、普段の小説とは異なる魅力を発見できるでしょう。綿矢りさファンなら必読の一冊です。
小説のあの独特な視点はここから来てるんだ!って納得したよ。綿矢さんの頭の中、覗いてるみたいで楽しい!
12位は、2021年に刊行された『意識のリボン』。コロナ禍という未曾有の事態に直面した人々の内面を、多角的に描いた作品です。
マスク生活が当たり前になり、人との距離感が変わってしまった世界。そんな中で、人々が何を考え、どのように意識を変化させていったのかを、様々な登場人物の視点から描き出しています。当たり前だった日常が失われたことへの戸惑いや、新しい生活様式への適応など、多くの人が経験したであろう感情がリアルに表現されています。まさに「今」を切り取った、時代を象徴する一冊と言えるでしょう。
コロナ禍のあの空気感、見事に小説になってる…。みんなが感じてたモヤモヤが言葉になっててすごい。
13位には、高校生の激しくも切ない恋愛を描いた『しょうがの味は熱い』がランクインしました。
主人公は、学校で「天然」と呼ばれる少し風変わりな女子高生・よる。彼女は、同じクラスの男子・高槻くんに恋をしますが、彼の態度はいつもつれません。しかし、二人の関係は文化祭をきっかけに、予想外の方向へと進んでいきます。純粋すぎるがゆえに時に暴力的にもなる恋愛感情と、思春期の危ういバランスが絶妙に描かれています。ヒリヒリするような恋愛小説が読みたい方におすすめです。
好きって気持ちが強すぎて、ちょっと壊れちゃいそうな感じ…。読んでてドキドキしたよ。
14位は、2023年に刊行された比較的新しい短編集『オーラの発表会』です。現代人の自己表現や承認欲求をテーマにした、ユニークな設定の物語が楽しめます。
表題作では、大学生の主人公が、自分の「オーラ」をプレゼンし合うという奇妙なサークルに参加します。他人からの評価を気にしつつも、自分らしくありたいと願う若者たちの姿がコミカルに描かれています。綿矢さんらしい独特の世界観と、現代社会を風刺するような視点が光る作品集です。奇妙で面白い物語を読みたい気分の時にぴったりの一冊です。
自分のオーラを発表するって、どんな感じなんだろう?発想が面白すぎて一気に読んじゃった!
ランキングの最後を飾るのは、SNSでの「炎上」をテーマに、人間の悪意と集団心理の恐怖を描いた問題作『憤死』です。
主人公の女性が、些細なきっかけからSNS上で激しい誹謗中傷の的となり、精神的に追い詰められていく様を克明に描いています。匿名の言葉が持つ暴力性と、それが一人の人間をいかに破壊していくか。その過程は読んでいて胸が苦しくなるほどリアルです。ネット社会の闇に鋭く切り込んだ本作は、多くの読者に衝撃を与えました。
SNSにおける匿名の悪意と、それが個人を精神的に追い詰めていく過程の描写は、極めて冷静な筆致で描かれている。この無機質さが、かえって現実の恐怖を際立たせていると言えよう。
綿矢りささんのおすすめ小説ランキングTOP15、いかがでしたでしょうか。芥川賞を受賞した青春小説の金字塔から、“こじらせ女子”の恋愛模様、SNS社会の闇に切り込む問題作まで、その作風は非常に多彩です。
どんな作品から読めばいいか迷ったら、ぜひこちらを参考にしてみてください。
どの作品にも、現代を生きる私たちの心に響くテーマが描かれています。このランキングを参考に、ぜひあなたのお気に入りの一冊を見つけてくださいね。