皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
歌田年(うただ とし)さんは、2020年に小説家としてデビューした注目のミステリー作家です。デビュー作は、第18回『このミステリーがすごい!』大賞で、502作品の応募の中から大賞に選ばれた『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』です。
歌田さんの経歴は非常にユニークで、出版社で29年間勤務していました。驚くべきは、そのうち25年間は模型雑誌の編集者、残りの4年間は印刷用紙の調達を担当していたことです。この「模型」と「紙」という二つの専門知識を組み合わせたことが、他の誰にも書けない唯一無二のミステリーを生み出すきっかけとなりました。
自身の専門性を武器に、満を持して小説家デビューを果たした実力派の作家です。プロの模型作家としても活動しており、その深い知識が作品にリアリティと厚みを与えています。
ここからは、歌田年さんの数ある作品の中から、特におすすめしたい小説をランキング形式で4作品ご紹介します。
ランキングは、デビュー作にして代表作である「紙鑑定士の事件ファイル」シリーズを中心に、歌田作品の魅力が詰まったラインナップとなっています。紙や模型といったマニアックな知識が事件解決の鍵となる、ユニークなミステリーの世界をぜひお楽しみください。
堂々のランキング1位は、歌田年さんのデビュー作『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』です。本作は第18回『このミステリーがすごい!』大賞で、選考員から満場一致の高評価を得て大賞を受賞した、まさに歌田さんの原点にして最高傑作と言える一冊です。
物語は、どんな紙でも見分けられる「紙鑑定士」の渡部が営む事務所に、ある女性が訪ねてくるところから始まります。彼女は「紙鑑定」を「神探偵」と勘違いし、彼氏の浮気調査を依頼。たった一枚のプラモデルの写真を頼りに調査を進めるうち、渡部はゴミ屋敷に住む伝説のプラモデル造形家・土生井(はぶい)と出会います。
この「紙鑑定士」と「プロモデラー」という前代未聞のコンビが、やがて模型に隠された恐ろしい大量殺人計画の謎に挑むことになるのです。専門知識が炸裂する蘊蓄(うんちく)ミステリーの面白さはもちろん、単行本には紙の材質が変わるという驚きの仕掛けもあり、物語への没入感を高めてくれます。
紙と模型のプロがタッグを組むなんて、設定からして面白すぎるよ!専門知識で謎を解くって、最高にクールだよね。
ランキング2位は、人気シリーズ第2弾の『紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪』です。本作は3つの事件を収録した連作短編集で、前作よりもサクッと読み進められるのが魅力です。
前作で活躍したプラモデル造形家の土生井(はぶい)に加え、本作では新たにフィギュア作家の團(だん)が相棒として登場します。野良猫虐待事件や凶器が消えた殺人事件など、様々な謎に挑む中で、フィギュア造形や印刷、さらにはコスプレの技術といったマニアックな知識が光ります。
1作目の重厚な雰囲気とは少し異なり、よりキャラクターたちの感情に寄り添った物語が展開されるのもポイントです。歌田ミステリーの新たな一面を発見できる一冊となっています。
新しい相棒が登場して、謎解きのバリエーションが広がった感じだね。コスプレの技術がヒントになるなんて面白そうだよ。
シリーズ第3弾となる『紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と』が3位にランクインしました。本作では、主人公の渡部が懸賞金目当てに業界誌の「推理クイズ」に挑戦するところから物語が大きく動き出します。
クイズに挑むうちに、学習塾でのカンニング事件や怪文書が絡む密室事件など、様々なトラブルに巻き込まれていく渡部。作中のクイズと現実の事件がリンクしていく構成が非常に巧みで、ページをめくる手が止まらなくなります。
これまでの作品では相棒の助けを借りることが多かった渡部ですが、本作では探偵として大きく成長した姿を見せてくれます。シリーズを通して最も「紙」の蘊蓄が深掘りされており、紙鑑定士としての渡部の本領が発揮される一冊です。
主人公がどんどん頼もしくなっていくのは、シリーズものの醍醐味だよね。紙の知識だけでどこまで戦えるのか、わたしも気になっちゃうな。
4位には、これまで紹介した「紙鑑定士」シリーズとは一味違う『BARゴーストの地縛霊探偵』をご紹介します。幽霊が出ると噂の新宿のバーを舞台にした、少し変わった設定のミステリーです。
物語は、バーの幽霊の謎を解き明かした老人が、その直後に亡くなり、なんと店の本物の地縛霊になってしまうという衝撃の展開から始まります。この地縛霊となった老人が、酔い潰れた客に憑依して事件を解決していくという、前代未聞の「憑依型」探偵ミステリーなのです。
霊が見える常連客の視点から、コミカルに物語は進んでいきます。
えっ、探偵が地縛霊なの!?酔っぱらいに乗り移って推理するなんて、設定が奇抜すぎて逆に気になるよ。
今回は、注目の作家・歌田年さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介しました。
歌田さんの作品の最大の魅力は、「紙」や「模型」といった自身の専門知識を活かした、他の誰にも真似できないユニークなミステリーを創り上げている点です。「紙鑑定士」や「地縛霊の探偵」など、個性豊かな登場人物たちが、私たちを全く新しい謎解きの世界へといざなってくれます。
マニアックな蘊蓄(うんちく)が満載でありながら、ミステリーとしての完成度も非常に高いのが歌田作品のすごいところ。これまで多くのミステリーを読んできたあなたも、きっと新鮮な驚きと興奮を味わえるはずです。ぜひ、気になる一冊から手に取ってみてください。