皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
乾緑郎(いぬい ろくろう)先生は、SF、ミステリー、時代小説、医療サスペンスと、ジャンルの垣根を越えて多彩な物語を紡ぎ出す作家です。1971年東京都生まれで、鍼灸師としての顔も持っています。
2010年に『忍び外伝』で第2回朝日時代小説大賞を、同年には『完全なる首長竜の日』で第9回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、華々しいデビューを飾りました。舞台俳優や劇作家としての経験も持ち、その経験が作品のドラマティックな展開に活かされているのかもしれません。
緻密な取材に裏打ちされたリアリティと、読者の想像を掻き立てるユニークな設定が融合したエンターテインメント性の高い物語が、乾作品の大きな魅力です。
ここからは、数ある乾緑郎先生の作品の中から、特におすすめしたい小説をランキング形式でご紹介します。
デビュー作から近年の話題作まで、様々なジャンルの名作がランクインしていますので、ぜひお気に入りの一冊を見つける参考にしてくださいね。
輝かしい第1位は、第9回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した『完全なる首長竜の日』です。乾先生の代表作であり、多くの読者を魅了した一冊です。
物語は、昏睡状態に陥った恋人を救うため、主人公が「センシング」という医療技術を用いて彼女の潜在意識にダイブするところから始まります。彼女が意識の中で訴える「首長竜の絵を完成させたい」という言葉の謎を追い、過去を探っていくストーリーです。
SF、ミステリー、そして切ないラブストーリーの要素が絶妙に絡み合い、読者を一気に物語の世界へと引き込みます。2013年には佐藤健さん、綾瀬はるかさん主演で映画化もされました。
意識にダイブして恋人を救うなんて、すごくロマンチック。でも、真実を知るのは少し怖いかもね。
第2位は、大人気「機巧のイヴ」シリーズの第1作目『機巧のイヴ』です。歴史、ミステリー、SFが融合した冒険活劇で、多くのファンを持つ作品です。
舞台は18世紀のロンドン。日本人形師の真琴が、天才時計師ウォルターと共に、人間と見紛うほど精巧な自動人形(オートマタ)「イヴ」を創り出す物語です。しかし、その創造の裏では大きな陰謀が渦巻いていました。
緻密な時代考証とスリリングなストーリー展開が魅力で、続編も読みたくなること間違いなしの一冊です。シリーズには『新世界覚醒篇』や『帝都浪漫篇』があります。
オートマタってロマンの塊だよね!歴史の裏でこんな冒険があったのかもって想像するとワクワクするよ。
第3位には、「記憶」をテーマにした連作短編集『思い出は満たされないまま』がランクインしました。2015年には啓文堂文芸書大賞の候補にもなっています。
人の記憶を映像として見ることができる特殊能力者、偽の記憶を植え付ける技術、記憶を失った男など、記憶にまつわる不思議で少し切ない物語が収録されています。
SF的な設定でありながら、描かれるのは人間の心の機微や愛おしい感情ばかり。乾先生自身も「乾緑郎初心者の人にもお薦めの一冊」と語っており、どの短編も味わい深く、初めて乾作品に触れる方にもぴったりです。
人の記憶を映像として見れるなんて不思議な力だね。わたしだったら、誰の記憶を覗いてみたいかなぁ。
第4位は、孤島を舞台にしたサバイバルミステリー『愚か者の島』です。
物語の舞台は、太平洋に浮かぶ孤島「蛇岩島」。島に隠されたという財宝を求め、集められた8人の男女が命がけのゲームに挑みます。しかし、参加者たちは次々と謎の死を遂げていきます。
閉ざされた空間で繰り広げられる心理戦と、謎が謎を呼ぶ展開にページをめくる手が止まらなくなるでしょう。人間の欲望や狂気が巧みに描かれた、スリリングな一冊です。
孤島でのサバイバルゲームなんて、絶対何か起こるやつだよ…。わたしだったら真っ先に疑心暗鬼になっちゃうな。
第5位は、乾先生のもう一つの顔である「鍼灸師」の知識が存分に活かされた『鷹野鍼灸院の事件簿』です。
主人公は、元外科医で現在は鍼灸師の鷹野。彼の元には、現代医療では解明できない不思議な症状に悩む患者たちが訪れます。鷹野は東洋医学の知識を駆使して、患者たちの心と体に隠された謎を解き明かしていきます。
ミステリーでありながら、心温まるヒューマンドラマの側面も持ち合わせており、読後には優しい気持ちになれる作品です。医療ミステリーが好きな方には特におすすめです。
鍼灸で事件を解決するなんて面白い設定だね。心と体は繋がってるっていうし、なんだか説得力があるかも。
第6位は、第2回朝日時代小説大賞を受賞した『忍び外伝』です。乾先生が時代小説作家としてその名を轟かせた、初期の代表作と言えるでしょう。
戦国時代を舞台に、最強と謳われた忍び「煙(けぶり)の一族」の壮絶な生き様を描いた物語です。裏切りと陰謀が渦巻く中で、己の信念と誇りをかけて戦う忍びたちの姿が胸を打ちます。
リアルで迫力のある戦闘シーンと、先の読めないストーリー展開が魅力。重厚な歴史時代小説を読みたい方にぴったりの一冊です。
忍びの世界の掟はあまりに厳しい。本作における非情なまでの描写からは、作者の覚悟を感じざるを得ないね。
第7位は、「機巧のイヴ」シリーズの第2弾『機巧のイヴ 新世界覚醒篇』です。
前作から続く物語は、舞台を19世紀末(1892年)のアメリカに移します。独立戦争の真っ只中で、主人公の真琴と自動人形のイヴは新たな陰謀に巻き込まれていきます。
歴史上の人物も登場し、史実とフィクションが巧みに織り交ぜられたストーリーはさらにスケールアップ。冒険活劇としての面白さが加速しており、シリーズファンならずとも楽しめること間違いなしです。
舞台がアメリカになって物語がさらに壮大になったね!イヴと真琴の旅がどこまで続くのか、ワクワクが止まらないよ。
第8位は、ノスタルジックな雰囲気が漂うミステリー『海鳥の眠るホテル』です。
物語の舞台は、海辺にひっそりと佇む古いホテル。主人公の青年は、そこで過去の記憶を失ったという不思議な女性と出会います。彼女の過去を探るうち、ホテルに隠された秘密と悲しい事件が明らかになっていきます。
切なくも美しい情景描写と、少しずつ謎が解けていく構成が見事な作品です。静かで心に沁みるミステリーを読みたい夜におすすめです。
記憶喪失の女性と古いホテルって、ミステリアスな組み合わせが最高だね。切ない結末が待っていそうで、読むのが少し怖いけど楽しみだよ。
第9位は、明治時代の演劇界を舞台にした『戯場國の怪人』がランクイン。
文明開化に沸く東京で、役者を目指す青年・要が、謎の怪人が引き起こす事件に巻き込まれていく物語です。華やかな演劇の世界の裏側で渦巻く、人間の愛憎や嫉妬が描かれています。
『オペラ座の怪人』を彷彿とさせる設定に、和のテイストが加わった独特の世界観が魅力。ミステリーと人間ドラマが融合した、読み応えのある一冊です。
明治時代の劇場ってすごく華やかだったんだろうな。和風の『オペラ座の怪人』って感じで、設定だけで面白そう!
第10位は、盲目の鍼灸師が活躍する時代ミステリー『仇討検校』です。
主人公は、幕府の諜報組織に属する検校(盲人の最高位)の杉ノ市。彼は、優れた聴覚と鍼の腕を武器に、江戸で起こる難事件の真相に迫ります。父を殺した仇を追う、という大きな目的も物語の軸となっています。
目が見えない主人公が、音や匂いから情報を読み解いていく描写が非常にスリリング。勧善懲悪ではない、人間の業の深さを描いたハードボイルドな時代小説です。
盲目の主人公が音を頼りに戦うとは、凄まじい緊迫感だ。本作における静寂と轟音の対比は、読者の聴覚に直接訴えかけてくるようだね。
第11位は、大正時代の浅草を舞台にしたエンターテインメント小説『浅草蜃気楼オペラ』です。
活動写真(映画)が流行し始めた頃の浅草で、天才的な活動弁士の主人公が、興行界の覇権を巡る争いや謎の事件に立ち向かいます。浅草六区の熱気や当時の文化が生き生きと描かれています。
個性豊かな登場人物たちが織りなす、痛快で人情味あふれる物語。読めば元気が出てくるような、明るい読後感が魅力です。
大正時代の浅草ってすごく楽しそう!活動弁士の語りで映画を観るなんて、今とは違う魅力があるんだろうなぁ。
第12位は、江戸時代の天才発明家・平賀源内が探偵役となる『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』です。
マルチな才能で知られる平賀源内が、その科学知識や奇抜な発想を駆使して、江戸で起こる殺人事件の謎を解き明かしていく時代ミステリー。歴史上の人物たちが生き生きと描かれているのも見どころです。
史実に基づきながらも、大胆な解釈で物語が展開していくのが面白さのポイント。歴史ミステリー好きにはたまらない一冊でしょう。
平賀源内が探偵役なんて、ぴったりだよね!エレキテルで犯人を突き止めたりするのかな?
第13位は、「機巧のイヴ」シリーズの第3弾『機巧のイヴ 帝都浪漫篇』です。
アメリカでの冒険を終えた真琴とイヴが、今度は大正時代の日本・帝都東京へとやってきます。鹿鳴館や凌雲閣など、文明開化期の華やかな帝都を舞台に、新たな事件が巻き起こります。
これまでのシリーズで世界を旅してきた主人公たちが、故郷である日本で何を見て、何を感じるのか。シリーズの集大成ともいえる壮大な物語が楽しめます。
ついに日本に帰ってきたんだね!大正時代の帝都でイヴがどんな活躍をするのか、すごく楽しみだよ。
第14位は、第15回大藪春彦賞の候補にもなった『忍び秘伝』です。
『忍び外伝』と同じく、戦国時代の忍びの世界を描いた作品ですが、本作では「くノ一」に焦点が当てられています。特殊な能力を持つくノ一・朱鷺が、過酷な運命に翻弄されながらも、愛する者を守るために戦う姿を描きます。
忍びとしての非情さと、一人の女性としての感情の間で揺れ動く主人公の葛藤が切なく、胸に迫ります。哀しくも美しい、くノ一の物語です。
くノ一の物語って、なんだか切ないイメージがあるよね。強くあろうとするほど、人間らしい心が傷ついていくのが悲しいよ。
第15位は、武田信玄に仕えたとされる巫女集団「歩き巫女」を題材にした『塞の巫女 甲州忍び秘伝』です。
彼女たちは巫女でありながら、諜報活動を行う「くノ一」としての裏の顔を持っていました。主人公の巫女・マキは、武田家の存亡をかけた戦いの中で、その不思議な能力を使い、敵と対峙します。
史実の謎に迫るミステリー要素と、過酷な運命に立ち向かう少女の成長物語が融合した、読み応えのある歴史小説です。
巫女で、しかも忍びなんてかっこいいな。歴史の裏には、こういう知られていない人たちの活躍があったのかもしれないね。
第16位は、江戸時代前期の江戸を舞台にしたピカレスクロマン『悪党町奴夢散際』です。
主人公は、江戸のならず者集団「町奴」の頭領。権力者である旗本たちに反旗を翻し、自分たちの生き様を貫こうとする男たちの、破天荒で血気盛んな物語が描かれています。
理不尽な世の中に抗い、自由に生きようとする登場人物たちの姿は、どこか清々しささえ感じさせます。エネルギッシュな時代小説が読みたい方におすすめです。
悪党が主人公の物語には、なぜか惹かれるものがある。本作で描かれる反骨精神は、現代社会へのアンチテーゼとも解釈できるね。
第17位は、『仇討検校』の続編にあたる『見返り検校』です。
前作に引き続き、盲目の検校・杉ノ市が、江戸の闇に潜む悪を裁いていきます。今作では、杉ノ市の過去や、彼が仇として追う相手の謎がさらに深く描かれ、物語は核心へと迫っていきます。
よりハードボイルドさを増したストーリーと、杉ノ市の人間的な魅力が光る一冊。前作と合わせて読むことで、より深く物語の世界に浸ることができるでしょう。
続編待ってた!杉ノ市さんの過去が明らかになるんだね。どんな真実が待っているのか、ドキドキしちゃうよ。
第18位は、アンソロジーに収録された短編『ドライドックNo.8 乾船渠八號』です。
巨大な船を建造するための設備「ドライドック」を舞台に、船造りに情熱を注ぐ男たちの姿を描いた物語。普段は知ることのできない造船の世界と、そこに生きる人々の職人魂に触れることができます。
短いながらも、ものづくりの現場の熱気が伝わってくるような、骨太な人間ドラマが魅力です。
ものづくりにかける情熱ってすごいよね。巨大な船が完成した時の達成感は、きっと計り知れないんだろうな。
乾緑郎先生のおすすめ小説ランキングTOP18をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
SF、ミステリー、時代小説、医療サスペンスと、驚くほど多彩なジャンルの物語を、どれも高いクオリティで書き上げるのが乾先生の魅力です。緻密な取材に裏打ちされたリアリティと、奇想天外なアイデアの融合は、まさに乾作品の真骨頂と言えるでしょう。
今回のランキングを参考に、ぜひあなたにとっての特別な一冊を見つけてみてくださいね。