【2025年最新】朝井まかてのおすすめ小説ランキングTOP24

はじめに：時代小説の名手・朝井まかての魅力

江戸時代を舞台に、歴史の片隅で懸命に生きた人々に光を当てる作家、朝井まかて。 その作品は、まるで目の前に情景が浮かぶような生き生きとした人物描写と、軽快なテンポのセリフ回しで、多くの読者を魅了しています。 読後には心が温かくなるような爽快感があり、「また次の作品を読みたい」と思わせてくれるのが大きな魅力です。

朝井まかては1959年、大阪府羽曳野市生まれ。 甲南女子大学を卒業後、コピーライターとして活躍し、2008年に『実さえ花さえ』で小説家デビューを果たしました。 その後、2014年に『恋歌』で第150回直木賞を受賞し、時代小説の名手としての地位を確立します。 植物や職人への深い愛情が感じられる作品が多く、歴史に詳しくない方でも楽しめる人情味あふれる物語が揃っています。

朝井まかてのおすすめ小説人気ランキングTOP24

ここからは、デビュー作から直木賞受賞作、そして最新の人気作まで、朝井まかての魅力を存分に味わえるおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。

歴史上の偉人から名もなき庶民まで、個性豊かな登場人物たちが織りなす物語は、きっとあなたの心を掴んで離さないはず。気になる一冊を見つけて、江戸の粋な世界に飛び込んでみませんか？

1位『恋歌』

朝井まかての名を世に知らしめた、第150回直木賞受賞作です。 主人公は、樋口一葉の師としても知られる歌人・中島歌子。 幕末の動乱期、水戸藩士の夫への一途な愛を胸に、激動の時代を生き抜いた歌子の生涯をドラマチックに描いています。

幸せな結婚生活から一転、夫と引き離され牢獄に入れられるなど、苦難の連続に見舞われる歌子。 それでも歌への情熱と夫への愛を支えに力強く生きる姿は、読む人の胸を打ちます。歴史の大きなうねりと、一人の女性の情熱的な恋がみごとに融合した、涙なしには読めない傑作です。 時代小説ファンはもちろん、普段あまり読まないという方にもぜひ手に取ってほしい一冊です。

2位『眩』

天才浮世絵師・葛飾北斎の娘として生まれ、自身もまた優れた絵師であった葛飾応為（かつしかおうい）の生涯を描いた作品です。 第22回中山義秀文学賞を受賞しました。 父である北斎の影に隠れがちながら、その才能は北斎をも凌ぐと評された応為。彼女の絵師としての葛藤や、父との複雑な関係、そして一人の女性としての人生が鮮やかに描き出されています。

朝井まかては、史実の中に埋もれがちな応為の心の機微を丁寧にすくい上げ、血の通った一人の人間として再生させました。父の才能に嫉妬しつつも深く敬愛し、絵の道に人生を捧げた応為の生き様は、現代を生きる私たちの心にも強く響くものがあります。芸術家の情熱と、父娘の絆を描いた感動的な物語です。

3位『ボタニカ』

「日本の植物学の父」として知られる牧野富太郎の妻、寿衛（すえ）を主人公にした物語です。植物研究に全てを捧げる夫を、ひたむきな愛情で支え続けた寿衛の生涯を描いています。

研究のためなら借金もいとわない富太郎の破天荒な生き方に振り回されながらも、彼の夢を誰よりも理解し、その一番の支援者であり続けた寿衛。彼女の目を通して語られる富太郎の姿は、とても人間味にあふれています。夫婦の絆とは何か、人を支えるとはどういうことかを深く考えさせられる、心温まる一冊です。

4位『すかたん』

「大阪ほんま本大賞」にも選ばれた、天下の台所・大坂を舞台にした美味しい物語です。 主人公は、野菜や乾物を扱う商家の娘・澪（みお）。食いしん坊で好奇心旺盛な彼女が、様々な困難を乗り越えながら成長していく姿を、上方落語のような軽快なテンポで描いています。

なにわの商人たちの人情味あふれるやり取りや、生き生きと描かれる旬の野菜の描写がたまらない魅力。 澪の作る料理はどれも本当においしそうで、読んでいるとお腹が空いてくること間違いなしです。困難に直面しても持ち前の明るさで乗り越えていく澪の姿に、元気をもらえることでしょう。

5位『類』

文豪・森鴎外の末っ子として生まれた森類の生涯を描いた長編小説です。 何不自由なく育った少年時代から、父の死による生活の急変、パリへの留学、そして戦争と、時代の荒波に揉まれながら自らの生きる道を探し続けた類の人生を丁寧に追っています。

偉大な父を持つがゆえの葛藤や、変化していく時代の中で自分のアイデンティティを模索する姿が、繊細な筆致で描かれています。歴史の教科書には載らない、一人の人間の喜びや悲しみ、そして成長の物語がここにあります。歴史の大きな流れの中で、個人がどう生きたのかを感じられる作品です。

6位『ぬけまいる』

仕事も家庭もぱっとしない、江戸の三十路女3人組が、突然「伊勢参り」へと旅立つ物語です。旅の途中で起こる様々な事件や、個性的な人々との出会いを通して、彼女たちが自分たちの人生を見つめ直し、新たな一歩を踏み出すまでを描いた痛快な人情時代劇です。

それぞれに悩みを抱える3人が、旅を通して友情を深め、たくましくなっていく姿は、読んでいてとても清々しい気持ちになります。江戸時代の女性たちのリアルな暮らしぶりや、旅の楽しさが伝わってくるのも魅力の一つ。人生にちょっと疲れたとき、彼女たちと一緒に旅に出れば、きっと元気をもらえるはずです。

7位『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』

朝井まかてのデビュー作『実さえ花さえ』を改題した作品で、江戸の向島で小さな植木屋「なずな屋」を営む若夫婦の物語です。 花師である夫の新次と、しっかり者の妻おりんを中心に、店に集う人々との心温まる交流を描いた人情時代小説です。

四季折々の草花の美しい描写はもちろん、登場人物たちの心の機微が丁寧に描かれており、読んでいると優しい気持ちになれます。 新次とおりん夫婦がお互いを思いやり、力を合わせて困難を乗り越えていく姿は、理想の夫婦像かもしれません。 肩の力を抜いて楽しめる、心癒される一冊です。

8位『残り者』

腕利きの岡っ引きとして名を馳せたものの、今は盛りを過ぎた親分・四郎治が、最後の事件に挑む姿を描いた物語です。岡っ引きという裏稼業の厳しさや、年老いていくことの哀愁、そしてそれでも失われない仕事への誇りが胸を打ちます。

派手さはないけれど、じっくりと心に染み渡るような人情ミステリーです。四郎治の経験に裏打ちされた推理と、事件の裏に隠された人間ドラマが見事に絡み合います。ベテランの意地とプライドをかけた最後の戦いに、思わず引き込まれてしまうでしょう。

9位『銀の猫』

江戸時代、年寄りの介護を助けるプロの「介抱人」として働く女性・お咲を主人公にした物語です。

10位『ちゃんちゃら』

庭師の辰蔵と、やんちゃな少年・雀（すずめ）の凸凹コンビが織りなす、心温まる人情物語です。 高い木の上を軽やかに動き回る赤毛の庭師・辰蔵は、その見た目から「ちゃら」と呼ばれています。 ひょんなことから預かることになった少年・雀との交流を通して、辰蔵の優しさや心の奥にある葛藤が描かれます。

血の繋がりはないけれど、次第に親子のような絆を深めていく二人の姿に、胸が熱くなります。江戸の職人世界の厳しさと、その中で生きる人々の温かさが感じられる作品です。読んだ後、優しい気持ちになれること間違いなしの一冊です。

11位『阿蘭陀西鶴』

浮世草子の作者として知られる井原西鶴を主人公に据えた、大胆な発想が光る物語です。 第31回織田作之助賞を受賞した本作では、西鶴が長崎の出島に渡り、オランダ人と交流していたというユニークな設定で物語が展開します。

史実とフィクションを巧みに織り交ぜながら、西鶴の新たな人物像を生き生きと描き出しています。好奇心旺盛でパワフルな西鶴が、未知の世界に飛び込んでいく姿は痛快そのもの。朝井まかての豊かな想像力と、歴史上の人物を魅力的に描く手腕が存分に発揮された一作です。

12位『白光』

『眩』で描かれた葛飾応為と同じく、天才絵師を父に持った娘の物語です。主人公は、「画鬼」と呼ばれた幕末から明治にかけての絵師・河鍋暁斎（かわなべきょうさい）の娘、とよ。父の才能を間近で見ながら、自らも絵の道を志す彼女の葛藤と成長を描いています。

偉大な父を持つプレッシャーや、女性が画家として生きることの難しさなど、様々な壁にぶつかりながらも、自分だけの表現を追い求める主人公の姿が印象的です。父娘の絆、そして芸術にかける情熱を描いた、読み応えのある一冊です。

13位『朝星夜星』

幕末から明治にかけて、日本で初めてレストランとホテルを開業した草野丈吉と、彼を支えた妻ゆきの生涯を描いた作品です。

14位『雲上雲下』

誰もが知る様々な日本の昔話をモチーフに、民話の主人公たちが織りなす物語を新しい解釈で描いたファンタジー小説です。

15位『グッドバイ』

文豪・太宰治が死の直前に書き、未完に終わった同名小説を原案に、朝井まかてが全く新しい物語として完成させた意欲作です。 原案は、多くの愛人を持つ男が、彼女たちと別れるために偽の妻を雇うという喜劇的な設定。

朝井まかては、この設定を巧みに生かしながら、登場人物たちに新たな命を吹き込み、切なくも美しい人間ドラマを紡ぎ出しました。太宰治へのリスペクトと、朝井まかて独自の魅力が見事に融合した、ユニークな一冊です。太宰ファンならずとも楽しめるエンターテインメント小説に仕上がっています。

16位『落陽』

幕末の風雲児・高杉晋作の死後、残された人々の姿を描いた物語です。主人公は、晋作の愛妾（あいしょう）であった「おうの」。彼女の視点を通して、英雄の死が周囲に与えた影響や、時代の大きな変化が描かれます。

歴史の表舞台から消えた後の人々の人生に光を当てるという、朝井まかてらしい視点が光る作品です。英雄を失った悲しみだけでなく、それでも続いていく日常や、新しい時代への希望が丁寧に綴られています。歴史の切ない側面と、人間のたくましさを感じられる一冊です。

17位『先生のお庭番』

江戸時代に来日した医師シーボルトを「先生」として、彼に仕える庭師・熊吉の視点から描いた物語です。

18位『悪玉伝』

江戸時代、「悪玉」と呼ばれ、人々から恐れられた歌舞伎役者・初代尾上菊五郎の物語です。 彼の芸の凄みと、その裏に隠された孤独や苦悩を描き出しています。なぜ彼は「悪玉」を演じ続けたのか、その真実に迫る作品です。

華やかな歌舞伎の世界の裏側と、芸に人生を捧げた役者の壮絶な生き様が描かれています。朝井まかての筆によって、単なる悪役ではない、人間味あふれる菊五郎の姿が浮かび上がってきます。芸の道を探求することの厳しさと尊さを教えてくれる一冊です。

19位『輪舞曲』

大正時代を舞台に、夭折した新劇女優・伊澤蘭奢（いざわらんじゃ）と、彼女を取り巻く4人の男性たちの視点からその人生を描いた物語です。

20位『福袋』

第11回舟橋聖一文学賞を受賞した本作は、江戸の呉服店「越後屋」（後の三越）を舞台にした物語です。 年末の福袋商戦を軸に、店で働く人々の人間模様や商売の面白さを生き生きと描いています。

今では当たり前となった福袋のルーツや、江戸時代の商人のしたたかで創意工夫に富んだ商売術を知ることができるのも楽しみの一つ。活気あふれる江戸の町の雰囲気と、働く人々の熱気が伝わってくるような作品です。読めばきっと、デパートの福袋を見る目が変わるかもしれません。

21位『御松茸騒動』

江戸時代、庶民にとって高嶺の花であった松茸をめぐって巻き起こる騒動を描いたユーモラスな一作です。ある村で、幕府に献上するための松茸が盗まれてしまったことから、てんやわんやの大騒ぎが始まります。

食い意地が張った村人たちのコミカルなやり取りに、思わず笑ってしまうことでしょう。ミステリー仕立ての展開で、犯人探しも楽しめます。江戸の庶民のたくましさと、食への執着がユーモラスに描かれた、気軽に楽しめる時代小説です。

22位『秘密の花園』

明治時代、西洋から入ってきた新しい価値観と、日本の伝統の間で揺れ動く女性たちの物語です。鹿鳴館時代を背景に、華やかな社交界の裏で、自分らしい生き方を模索する女性たちの姿を描いています。

西洋のドレスを身にまといながらも、心の中では古いしきたりとの間で葛藤する主人公たち。彼女たちが自分の意志で未来を切り開いていこうとする姿は、現代の女性にも多くの共感を呼ぶでしょう。時代の転換期を力強く生きた女性たちに、勇気をもらえる作品です。

23位『青姫』

江戸時代初期を舞台に、中央政権の支配が及ばない不思議な自由都市「青姫の郷」に迷い込んだ若者・杜宇（とう）の物語です。

24位『草々不一』

江戸時代の手紙の代筆屋を営む男を主人公にした物語です。文字の読み書きができない人々のために、恋文から借金の催促状まで、様々な手紙を代筆する主人公。彼のもとに持ち込まれる依頼を通して、江戸に生きる人々の様々な人生模様が浮かび上がってきます。

言葉が持つ力や、手紙に込められた人々の想いが、温かい筆致で描かれています。一つ一つのエピソードが心に染み入る、連作短編集のような構成も魅力です。人と人との繋がりの大切さを改めて感じさせてくれる一冊です。

おわりに：朝井まかての小説で心温まる読書体験を

朝井まかての小説は、歴史上の人物や江戸の職人たちを生き生きと描き出し、私たちをその世界へと引き込んでくれます。 どの作品も、読んだ後に心が温かくなるような、優しい余韻を残してくれるものばかりです。

今回ご紹介したランキングを参考に、ぜひ気になる一冊を手に取ってみてください。きっと、あなたのお気に入りの作品が見つかるはずです。朝井まかての描く人情味あふれる物語で、素敵な読書の時間をお過ごしください。