皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
朝吹真理子さんは、1984年東京都生まれの小説家です。 慶應義塾大学大学院で近代歌舞伎を専攻し、修士課程を修了しています。 大学院在学中に編集者から勧められたことをきっかけに小説を書き始め、2009年に発表した「流跡」で作家デビューを果たしました。
デビュー作「流跡」は、2010年にBunkamuraドゥマゴ文学賞を史上最年少で受賞。 さらに2011年には、3作目となる「きことわ」で第144回芥川龍之介賞を受賞し、大きな注目を集めました。 その他の著書に、小説『TIMELESS』やエッセイ集『抽斗のなかの海』などがあります。
朝吹さんの作品は、過去と現在、現実と記憶の境界が溶け合うような独創的な世界観が魅力です。 時間や空間を自由に行き来し、登場人物たちの意識が混じり合うような独特の文体は、読者を不思議な感覚へといざないます。文字の見た目や並びがもたらすリズムを大切にしている点も、彼女の作風を特徴づけています。
ここからは、数々の文学賞を受賞してきた朝吹真理子さんの作品の中から、特におすすめの小説とエッセイを5作品、ランキング形式でご紹介します。
芥川賞を受賞した代表作から、彼女の原点であるデビュー作、そして日常の断片を独自の感性で切り取ったエッセイまで、幅広く選びました。朝吹さんが紡ぎ出す、時空を超えた不思議な物語の世界に、ぜひ触れてみてください。
2011年に第144回芥川龍之介賞を受賞した、朝吹真理子さんの代表作です。 貴子(きこ)と永遠子(とわこ)という二人の女性を軸に、彼女たちの記憶や時間が交錯していく様子が描かれています。
物語は25年前と現在を行き来し、二人の視点だけでなく、様々な登場人物の意識が溶け合うように展開します。過去と未来、自分と他者の境界が曖昧になっていく独特の浮遊感は、多くの読者を魅了しました。朝吹さんの独創的な世界観を存分に味わえる一冊です。
二人の女の子の名前が合わさってタイトルになってるのが素敵だよね。物語の不思議な雰囲気にぴったりなんだ。わたしもこういう世界観、大好きだよ。
2009年に発表された朝吹さんの鮮烈なデビュー作であり、翌2010年には第20回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を史上最年少で受賞しました。 物語は、本を読んでも内容が頭に入らず、文字がただのインクの染みに見えてしまう、という不思議な感覚から始まります。
やがて、本の中から文字が流れ出し、意思を持った生き物のように変容しながら様々な場所を巡っていきます。 夢とも現実ともつかない幻想的な世界観は、デビュー作とは思えないほどの完成度を誇ります。朝吹文学の原点ともいえるこの作品は、言葉そのものの在り方を問い直すような、刺激的な読書体験をもたらしてくれるでしょう。
文字が本から逃げ出しちゃうなんて、発想がすごいよね。わたしも物語の世界にダイブするから、気持ちはちょっとわかるかも!
『TIMELESS』は、ある女性の身体に起こった出来事をきっかけに、過去の記憶や声が現代に響き渡る様子を描いた長編小説です。物語は、17歳の少女が経験するある夏の出来事から、時空を超えて様々なエピソードが展開していきます。
作中では、植物や動物、さらには土地の記憶といった、人間以外の視点が取り入れられているのが特徴です。自分という存在が、いかに多くの見えないものと繋がっているのかを感じさせられます。
時間も空間も超えて、いろんな記憶が繋がっていくのが面白い!壮大な物語で、読み終わったあとの余韻がすごそうだよ。
こちらは朝吹さん初のエッセイ集で、デビューからの10年間にさまざまな媒体で発表されたものがまとめられています。日常のふとした瞬間や、旅先での出来事、自身の記憶の断片などが、詩的で美しい文章で綴られています。
小説作品で見られる独特の文体はエッセイでも健在で、何気ない風景や出来事が、朝吹さんの手にかかると全く新しい世界の入り口のように見えてきます。彼女の創作の源泉や思考のプロセスに触れることができる、ファンにとっては必読の一冊と言えるでしょう。
朝吹さんの頭の中をこっそり覗いているみたいで、わくわくするね。どんな風に世界が見えているのか、すごく興味深いな。
写真家の花代さんとの共著による、朝吹さんにとって2作目のエッセイ集です。 タイトルの「だいちょう」とは、著者が大学院で専攻していた近世歌舞伎の台本「台帳」のことを指します。
歌舞伎にまつわる考察を交えながら、日々の暮らしの中で感じたことや考えたことが、柔らかくも鋭い視点で語られます。 花代さんの写真と響き合うことで、言葉の世界がさらに豊かに広がっていくのを感じられる一冊です。
歌舞伎と日常が繋がっているなんて面白いね。昔の物語が、今のわたしたちの生活にも影響を与えているのかもしれないな。
ここまで、朝吹真理子さんのおすすめ作品をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。彼女の作品が多くの読者を惹きつける理由は、その唯一無二の世界観と、詩的で美しい文章にあります。
過去と現在、自己と他者の境界が溶け合っていくような物語は、私たちを日常から解き放ち、全く新しい感覚の世界へといざなってくれます。 また、言葉のリズムや見た目を大切にした文章は、まるで音楽を聴いているかのような心地よさがあります。
芥川賞受賞作『きことわ』から入るのもよし、エッセイで彼女の思考に触れてみるのもよし。この記事をきっかけに、ぜひ朝吹真理子さんの作品を手に取って、その独創的な文学の世界を体験してみてください。