【2025年最新】安部龍太郎のおすすめ小説人気ランキングTOP20

歴史小説の巨匠・安部龍太郎の魅力とは？

安部龍太郎（あべ りゅうろう）氏は、1955年福岡県生まれの歴史小説家です。久留米工業高等専門学校を卒業後、図書館司書として働きながら小説家を志し、1990年に『血の日本史』でデビュー。2013年には『等伯』で第148回直木賞を受賞するなど、数々の文学賞に輝いています。

安部氏の魅力は、独自の史観に基づいた斬新な歴史解釈です。彼は歴史を動かすものを「海外貿易と経済構造の変化、それを担う人材」という3つの要素で捉え、従来の歴史観にとらわれない物語を紡ぎ出しています。緻密な取材と史実を織り交ぜながら、登場人物たちの人間ドラマを生き生きと描き出すその作風は、歴史小説ファンだけでなく、普段あまり歴史小説を読まない読者からも高い支持を得ています。

安部龍太郎の小説の選び方

歴史小説の大家である安部龍太郎氏の作品は、どれも読み応えのある名作ばかり。初めて読む方はどれから手をつければ良いか迷ってしまいますよね。安部作品をより楽しむために、3つのポイントを押さえて選ぶのがおすすめです。

例えば、あなたが興味のある「時代」に焦点を当てたり、文学賞を受賞した評価の高い「受賞作」から読んでみたりするのも良いでしょう。また、通勤時間などで手軽に読みたいか、休日にじっくりと物語に浸りたいかといった、ご自身の「読書スタイル」に合わせて作品の長さを選ぶ方法もあります。ここからは、これらの選び方について詳しく解説します。

物語の舞台となった「時代」で選ぶ

安部龍太郎氏の小説は、古代から明治維新まで、日本の様々な時代を舞台にしています。もしあなたが好きな武将や歴史上の出来事があるなら、その時代を描いた作品から読み始めるのがおすすめです。物語の背景を理解しやすく、より深く作品の世界に没入できるでしょう。

例えば、戦国時代や安土桃山時代に興味があるなら、織田信長を描いた『信長燃ゆ』や、絵師・長谷川等伯の生涯を綴った直木賞受賞作『等伯』がぴったりです。また、古代史が好きなら平城京の造営を描いた『平城京』など、幅広い時代の作品が揃っています。興味のある時代を切り口に、壮大な歴史のドラマを体験してみてください。

最高傑作との呼び声も高い「受賞作」から選ぶ

どの作品から読むか迷ったら、文学賞を受賞した作品を選ぶのも一つの方法です。安部龍太郎氏はその実力で数々の文学賞を受賞しており、受賞作は専門家からも高い評価を得た傑作と言えます。

代表的な受賞作には、2013年に第148回直木三十五賞を受賞した『等伯』があります。この作品は、安土桃山時代に活躍した絵師・長谷川等伯の生涯を描いた物語です。また、2005年には源義経を描いた『天馬、翔ける』で第11回中山義秀文学賞を受賞しています。これらの受賞作から、安部龍太郎氏の魅力に触れてみるのはいかがでしょうか。

読書スタイルに合わせた「作品の長さ」で選ぶ

安部龍太郎氏の作品には、腰を据えてじっくり読みたい長編小説から、隙間時間に楽しめる短編小説まで様々な長さのものがあります。ご自身の読書スタイルに合わせて選ぶことで、無理なく読書を楽しめます。

デビュー作の『血の日本史』は、大和時代から明治維新までを46の短編で綴った作品で、様々な時代の物語を少しずつ楽しみたい方におすすめです。一方で、徳川家康の生涯を描く大河小説『家康』のように、一つのテーマを深く掘り下げた長編作品もあります。まずは短編集で安部作品の世界観に触れてから、興味を持ったテーマの長編に挑戦してみるのも良いでしょう。

安部龍太郎のおすすめ小説人気ランキングTOP20

ここからは、いよいよ安部龍太郎氏のおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。歴史小説の大家が紡ぎ出す、魅力的な作品の数々をお楽しみください。

直木賞を受賞した不朽の名作から、人気の武将を描いた作品、そして知られざる歴史の側面に光を当てた意欲作まで、幅広くランクインしています。あなたの心に響く一冊が、きっと見つかるはずです。

1位『等伯』

安部龍太郎氏の代表作であり、2013年に第148回直木賞を受賞した傑作です。物語の主人公は、安土桃山時代に活躍した絵師・長谷川等伯。能登の絵仏師だった彼が、狩野派という巨大組織に挑み、独自の画風を確立していくまでの一代記が描かれています。

芸術家の情熱や葛藤だけでなく、戦国時代の乱世を生き抜く厳しさや、千利休との交流など、歴史的な背景も色濃く描かれているのが魅力です。芸術と歴史が見事に融合した、読み応えのある一冊です。

発表年	2012年
受賞歴	第148回直木三十五賞
時代	安土桃山時代

2位『家康』

誰もが知る天下人・徳川家康の生涯を、全く新しい視点から描いた大河小説です。従来の「狸親父」というイメージを覆し、国際情勢や経済にも目を向けた革新的なリーダーとしての家康像を提示しています。

幼少期の人質時代から、数々の苦難を乗り越えて天下統一を成し遂げるまでの道のりが、壮大なスケールで描かれています。歴史の大きな流れの中で、家康が何を考え、どのように決断していったのか。その人間的な魅力に迫る、安部龍太郎氏のライフワークともいえる作品です。

分類	長編歴史小説
テーマ	徳川家康の生涯
特徴	新たな家康像の提示

3位『下天を謀る』

戦国時代の武将・藤堂高虎を主人公に据えた歴史小説です。何度も主君を変えながらも、自らの才覚と嗅覚を頼りに乱世を渡り歩き、ついには伊勢津藩32万石の大名にまで上り詰めた彼の、知略と処世術に満ちた生涯を描いています。

主人公	藤堂高虎
時代	戦国時代
キーワード	処世術、野望、茶の湯

4位『信長燃ゆ』

織田信長の最後の二日間に焦点を当て、本能寺の変の謎に迫った作品です。なぜ信長は天下統一を目前にしながら、明智光秀に討たれなければならなかったのか。その謎を、国際的な視点からダイナミックに解き明かしていきます。

本作は、単なる歴史の謎解きに留まらず、信長という人間の孤独や野望、そして挫折を鮮やかに描き出しています。歴史のifを考えさせられる、スリリングな展開が魅力の一冊です。

主人公	織田信長
テーマ	本能寺の変
視点	国際情勢

5位『血の日本史』

1990年に発表された安部龍太郎氏のデビュー作です。大和時代から明治維新に至るまで、日本の歴史を彩った46の出来事を短編で描いています。歴史の教科書には載らないような、生々しく、人間臭いドラマが詰まっています。

一話完結の短編集なので、どこからでも気軽に読むことができるのが魅力です。安部龍太郎氏の原点ともいえる作品であり、その圧倒的なエネルギーと歴史への深い造詣を感じることができます。日本史の流れを掴みたい初心者にもおすすめです。

発表年	1990年
形式	短編集
特徴	デビュー作、日本通史

6位『天馬、翔ける』

悲劇の武将として知られる源義経の生涯を、新たな視点で描いた長編小説です。2005年に第11回中山義秀文学賞を受賞しました。兄・源頼朝との対立の背景にあった、後白河法皇の存在に焦点を当てています。

天才的な軍略の才能を持ちながらも、政治の波に翻弄されていく義経の姿が切なく描かれています。なぜ兄弟は対立しなければならなかったのか、その背後でうごめく朝廷の思惑とは。義経の人間的な魅力と、権力闘争の非情さを描ききった作品です。

主人公	源義経
受賞歴	第11回中山義秀文学賞
キーワード	源平合戦、後白河法皇

7位『レオン氏郷』

戦国時代、キリシタン大名として知られた蒲生氏郷（がもう うじさと）の生涯を描いた作品です。信長、秀吉、家康に仕え、文武両道の名将と謳われた氏郷の、信仰と武士としての生き方の間で揺れ動く葛藤に迫ります。

氏郷の洗礼名「レオン」をタイトルに冠し、彼の内面を深く掘り下げています。激動の時代を駆け抜けた知将の、知られざる苦悩と信念を描いた感動的な物語です。

主人公	蒲生氏郷
時代	戦国～安土桃山時代
テーマ	キリシタン大名、信仰

8位『平城京』

奈良時代、平城京の造営という国家的大事業をテーマにした小説です。主人公は、プロジェクトの現場責任者である阿倍船人（あべのふなびと）。朝廷内の権力争いや、立ち退きを迫られる住民との対立など、様々な困難に立ち向かっていきます。

壮大な都がどのようにして作られていったのか、その過程が現場の視点からリアルに描かれています。ものづくりの情熱や、古代の人々の息吹を感じることができる一冊です。歴史の裏側で活躍した、名もなき人々のドラマが胸を打ちます。

舞台	奈良時代
テーマ	平城京遷都
主人公	阿倍船人

9位『風の如く 水の如く』

江戸時代初期、黒田藩で起こったお家騒動「黒田騒動」を題材にした作品です。藩主・黒田忠之に仕える栗山大膳が、主家を守るために巨大な権力に立ち向かう姿を描いています。

忠義とは何か、武士の生き様とは何かを問いかける、重厚な人間ドラマが魅力です。絶体絶命の状況の中で、知恵と覚悟で道を切り開いていく大膳の姿に、手に汗握ること間違いなし。正義を貫くことの難しさと尊さを教えてくれる物語です。

時代	江戸時代初期
テーマ	黒田騒動、忠義
主人公	栗山大膳

10位『冬を待つ城』

豊臣秀吉の天下統一の総仕上げである「奥州仕置き」に抵抗した九戸政実の戦いを描いた物語です。天下統一軍15万に対し、わずか5千の兵で戦いを挑んだ九戸政実の、誇りと覚悟に満ちた生き様を描いています。

主人公	九戸政実
テーマ	奥州仕置き、抵抗
舞台	陸奥国

11位『ふりさけ見れば』

奈良時代に唐へ渡った遣唐使・阿倍仲麻呂の数奇な運命を描いた長編小説です。科挙に合格し、唐の玄宗皇帝に仕えるなど、異国の地で才能を発揮した仲麻呂。しかし、望郷の念は募るばかりでした。

日本への帰国を願いながらも、安史の乱といった動乱に巻き込まれていく仲麻呂の人生が、壮大なスケールで描かれています。国際人として生きた男の栄光と苦悩、そして故郷への想いが胸に迫る物語です。

主人公	阿倍仲麻呂
時代	奈良時代
舞台	唐

12位『信長はなぜ葬られたのか』

小説ではなく、本能寺の変の謎に迫るノンフィクション（史論）です。『信長燃ゆ』で描かれた世界観を、史料に基づいてさらに深く掘り下げています。なぜ信長の遺体は見つからなかったのか、なぜ光秀は謀反を起こしたのか、その真相に迫ります。

イエズス会や当時の世界情勢といった視点から本能寺の変を捉え直し、大胆な仮説を提示しています。小説と合わせて読むことで、より深く安部龍太郎氏の信長観を理解できるでしょう。歴史の謎解きが好きな方におすすめの一冊です。

ジャンル	史論（ノンフィクション）
テーマ	本能寺の変の謎
特徴	世界史的な視点からの考察

13位『蒼き信長』

織田信長の青年期に焦点を当てた作品です。「うつけ者」と呼ばれた少年が、いかにして尾張を統一し、天下統一への道を歩み始めたのか。その成長の過程を生き生きと描いています。

父・信秀の死後、家督を継いだ信長が、弟・信勝との対立や、今川義元との桶狭間の戦いといった試練を乗り越えていく姿は、まさに青春小説のようです。若き日の信長の情熱と野望を感じることができる、爽快な一冊です。

主人公	織田信長（青年期）
テーマ	家督相続、桶狭間の戦い
キーワード	成長、青春

14位『道誉と正成 婆娑羅太平記』

南北朝の動乱期を、対照的な二人の武将、佐々木道誉と楠木正成を軸に描いた物語です。「婆娑羅（ばさら）」と呼ばれた派手好きで型破りな道誉と、後醍醐天皇に忠義を尽くした理想の武士・正成。二人の生き様を通して、時代の大きなうねりを描き出します。

価値観が大きく揺れ動いた乱世を、それぞれがどのように生き抜いたのか。魅力的なキャラクターたちが織りなす人間ドラマが読みどころです。南北朝時代という複雑な時代を、分かりやすく楽しむための入門書としてもおすすめです。

時代	南北朝時代
主人公	佐々木道誉、楠木正成
キーワード	婆娑羅、忠義

15位『おんなの城』

戦国時代を生き抜いた女性たちに焦点を当てた短編集です。政略結婚の道具とされながらも、自らの意志で運命を切り開いていこうとする姫君たちの姿が、鮮やかに描かれています。

歴史の表舞台にはあまり登場しない彼女たちの、知られざる苦悩や喜び、そして強さに光を当てた作品です。それぞれの物語に、乱世を生きた女性の覚悟と誇りが感じられ、胸を打たれます。女性ならではの視点から戦国時代を味わうことができる一冊です。

形式	短編集
テーマ	戦国時代の女性
キーワード	政略結婚、運命

16位『浄土の帝』

平安時代末期、保元・平治の乱で敗れ、讃岐に流された崇徳上皇の怨霊伝説をテーマにした作品です。日本史上最強の怨霊ともいわれる崇徳院が、なぜ怨霊とならなければならなかったのか。その悲劇的な生涯に迫ります。

権力争いに翻弄され、絶望の淵に落とされた上皇の怒りと悲しみが、ひしひしと伝わってきます。歴史の闇に葬られた人物の魂の叫びを描ききった、重厚な物語です。

主人公	崇徳上皇
時代	平安時代末期
テーマ	保元の乱、怨霊伝説

17位『黄金海流』

江戸時代初期を舞台に、謎の漂流民「ジョアン」を追う冒険活劇です。鎖国体制下の日本で、キリシタンの残党や幕府の隠密、そして海賊たちが、莫大な財宝のありかを示すというジョアンを巡って争奪戦を繰り広げます。

スリリングな展開と、個性豊かな登場人物たちが魅力の海洋冒険ロマンです。歴史の裏側で繰り広げられたかもしれない、壮大な物語にワクワクが止まりません。歴史小説でありながら、エンターテイメント性も抜群の一冊です。

時代	江戸時代初期
テーマ	鎖国、キリシタン、財宝
ジャンル	海洋冒険小説

18位『生きて候』

関ヶ原の戦いで敗れた石田三成の家臣・島左近の息子、彦太郎を主人公にした物語です。父の汚名をそそぎ、石田家の再興を夢見て、徳川の世を生き抜いていく彦太郎の姿を描いています。

父の盟友であった柳生宗矩との交流や、様々な困難を乗り越えて成長していく若者の姿が、感動的に描かれています。逆境の中でも希望を失わず、ひたむきに生きることの尊さを教えてくれる作品です。

主人公	島彦太郎（島左近の息子）
時代	江戸時代初期
テーマ	関ヶ原の戦後、リベンジ

19位『迷宮の月』

江戸時代、八代将軍・徳川吉宗の時代を舞台にしたミステリー仕立ての時代小説です。享保の改革を進める吉宗の前に立ちはだかる、幕府内の旧守派との対立や、様々な難事件を描いています。

将軍自らが事件の謎に挑むという斬新な設定が魅力です。政治の駆け引きと、ミステリーの要素が巧みに絡み合い、読者を飽きさせません。名君として知られる吉宗の、知られざる苦悩や人間的な側面に触れることができる一冊です。

主人公	徳川吉宗
時代	江戸時代（享保年間）
ジャンル	時代ミステリー

20位『義貞の旗』

南北朝時代の武将、新田義貞の生涯を描いた作品です。足利尊氏のライバルとして知られながらも、どこか地味な印象のある義貞。しかし本作では、彼を鎌倉幕府を滅亡に追い込んだ英雄として、その情熱的な生き様を鮮やかに描き出しています。

名門の意地と、武士としての誇りを胸に、時代の大きな流れに立ち向かっていく義貞の姿は、読む者の胸を熱くします。これまであまり注目されてこなかった武将の、新たな魅力に気づかせてくれる一冊です。

主人公	新田義貞
時代	鎌倉時代末期～南北朝時代
テーマ	鎌倉幕府滅亡

安部龍太郎の小説を読んで歴史の面白さに触れよう

安部龍太郎氏の小説は、歴史上の人物や出来事を、生き生きとした人間ドラマとして描き出してくれます。彼の作品を読むことで、遠い昔の出来事が、まるで今を生きる私たちの物語のように身近に感じられるから不思議です。

緻密な時代考証に裏付けられた物語は、私たちに新たな歴史の視点を与えてくれます。この記事で紹介した作品をきっかけに、ぜひ安部龍太郎氏が紡ぐ壮大な歴史の世界に足を踏み入れてみてください。きっと、歴史の面白さ、そして人間の奥深さに魅了されるはずです。