皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
黒川博行(くろかわ ひろゆき)は、愛媛県今治市出身の小説家です。 緻密な取材に基づいてリアリティを追求したハードボイルド小説や警察小説で知られ、多くの読者を魅了しています。
美術教師から作家へと転身した異色の経歴を持ち、その作品は数々の文学賞を受賞しています。 特に、軽快な大阪弁の会話劇と、クセのあるキャラクターたちが織りなす緊迫感あふれるストーリー展開は、黒川作品ならではの大きな魅力です。
1949年3月4日、愛媛県今治市に生まれた黒川博行は、6歳の頃に大阪へ移り住みました。 京都市立芸術大学の美術学部彫刻科を卒業後、会社員を経て大阪府立高校の美術教師として教鞭をとるようになります。
教師として勤務する傍ら小説を書き始め、1983年に『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞の佳作に選ばれ、翌年に作家デビューを果たしました。 1986年には『キャッツアイころがった』で同賞を受賞し、その後、作家業に専念します。 作家としてのキャリアを重ね、1996年には『カウント・プラン』で日本推理作家協会賞を、そして2014年には『破門』でついに第151回直木三十五賞を受賞しました。 その後も精力的に執筆を続け、2020年には日本ミステリー文学大賞を、2024年には『悪逆』で吉川英治文学賞を受賞するなど、日本ミステリー界を代表する作家の一人として確固たる地位を築いています。
黒川博行の小説の最大の魅力は、リアリティ溢れるハードボイルドな世界観にあります。 警察やヤクザといった裏社会を舞台にした作品が多く、徹底的な取材に裏打ちされた細かな描写が、物語に圧倒的な現実感を与えています。
また、登場人物たちが交わす軽妙な大阪弁の会話も大きな特徴です。 危険な状況でもユーモアを忘れないそのやり取りは、緊迫したストーリーに独特のテンポと面白みを生み出しています。一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが、大阪の街を舞台に繰り広げる人間ドラマは、多くの読者を惹きつけてやみません。
ここからは、いよいよ黒川博行のおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。直木賞を受賞した代表作から、ファンに長く愛される人気シリーズ、そして隠れた名作まで、黒川作品の魅力を存分に味わえる30冊を厳選しました。
ハードボイルド小説の入門書を探している方から、新たな一冊を求める熱心なファンまで、きっとお気に入りの作品が見つかるはずです。手に汗握る展開と、個性豊かなキャラクターたちがあなたを待っています。
黒川博行の代表作であり、第151回直木賞を受賞した記念碑的作品です。 ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮という、おなじみの「疫病神シリーズ」コンビが活躍します。 映画製作の出資金を持ち逃げされたことから、二人は大阪、そしてマカオを舞台に巨額の資金を巡る争奪戦に巻き込まれていきます。
桑原の圧倒的な暴力と二宮の人の良さ(と巻き込まれ体質)が織りなす絶妙なコンビネーションは健在。シリーズ最高傑作との呼び声も高く、黒川作品を初めて読む方にも、シリーズのファンにも文句なしにおすすめできる一冊です。佐々木蔵之介と横山裕のダブル主演で映画化もされ、大きな話題となりました。
直木賞受賞作はやっぱり外せないよね!桑原と二宮のコンビが最高なんだよ。
資産家の老人を狙って結婚し、遺産を相続する「後妻業」の女を主人公にしたクライムノベルです。実際に起きた事件に着想を得ており、そのリアルな手口と登場人物たちの欲望が渦巻く展開に引き込まれます。
結婚相談所の所長・柏木と、彼が送り込む後妻業の女・小夜子。二人の悪党が繰り広げる騙し合いは、まさに黒川博行の真骨頂。人間の欲深さや社会の闇をえぐり出しながらも、エンターテインメントとして一級品の面白さを誇ります。大竹しのぶ主演で映画化もされた話題作です。
人間の欲望って本当に怖いね…。でも、面白くてページをめくる手が止まらないんだ。
黒川作品の中でも特に人気の高い「疫病神シリーズ」の記念すべき第1作目です。 この作品で、イケイケのヤクザ・桑原保彦と、建設コンサルタントの二宮啓之の伝説のコンビが誕生しました。
産業廃棄物処理場をめぐる利権争いに巻き込まれた二宮が、ひょんなことから桑原と手を組むことに。暴力と金の匂いが渦巻く世界で、正反対の二人がどのように事件を解決していくのか、そのスリリングな展開から目が離せません。北村一輝と濱田岳のコンビでドラマ化もされ、シリーズの人気を不動のものとしました。
ここから伝説が始まったんだね!シリーズは1作目から読むのがわたしの正義だよ。
「疫病神シリーズ」の第2弾。前作の事件でヤクザの組を破門になった桑原と、相変わらずの二宮コンビが、今回は北朝鮮がらみの大きな事件に巻き込まれていきます。
失踪したヤクザの行方を追ううちに、覚せい剤の密輸や不正送金といった国際的な犯罪の闇に足を踏み入れてしまう二人。大阪からソウル、そして北朝鮮との国境へとスケールアップしていく物語は、息もつかせぬ緊張感に満ちています。社会の裏側をリアルに描く、黒川ハードボイルドの真髄が味わえる一冊です。
スケールが大きくてドキドキするね!海外が舞台だと、また違った面白さがあるのかな。
「疫病神シリーズ」の第4弾にあたる作品です。 今回の舞台は宗教法人。桑原と二宮は、とある絵巻物の鑑定を依頼されたことから、巨大宗教法人が隠し持つ利権の闇に迫っていくことになります。
美術品や宗教といった、これまでとは一味違うテーマを扱いながらも、シリーズならではの軽快な会話と暴力的な展開は健在。桑原の暴力と二宮の知恵が、巨大な権力にどう立ち向かうのか。二人の腐れ縁コンビの魅力が存分に発揮された、読み応え抜群のエンターテインメント作品です。
宗教と美術品なんて知的な感じだね!でも、結局はいつものドタバタ劇になるのが目に浮かぶよ。
大阪府警のマル暴刑事、堀内と伊達のコンビが活躍する「堀内・伊達シリーズ」の第1作目です。 警察小説でありながら、その主人公たちはヤクザ顔負けの悪徳警官。賭博の現行犯をゆすることから物語は始まります。
警察内部のリアルな描写と、善悪の境界線が曖昧な世界で繰り広げられるクライム・サスペンスは、黒川作品の新たな魅力を開拓しました。 徹底した取材に基づくリアリティと、アウトローな刑事コンビの活躍が光る、警察小説ファンにおすすめの一冊です。
警察が主人公なのに、こんなにワルでいいのかな?でも、そこがたまらない魅力なんだよね。
「疫病神シリーズ」の第3弾。今回、桑原と二宮コンビは、大物政治家のスキャンダルに巻き込まれます。建設コンサルタントの二宮が、公共事業の入札をめぐる不正の証拠を掴んだことから、物語は危険な方向へと転がっていきます。
政治とカネ、そして裏社会の繋がりを鋭く描いた社会派エンターテインメント作品です。桑原の暴力的な突破力と、二宮のしぶとさが、巨大な権力の闇をこじ開けていく様は爽快。シリーズの中でも特に社会性の強いテーマを扱っており、読み応えがあります。
政治とヤクザが絡むなんて、絶対ヤバい話だよ…。二宮さん、また大変なことに巻き込まれてるね。
「疫病神シリーズ」の第6弾となる作品です。 桑原と二宮のコンビが、今回は暴力団の内部抗争と、それに乗じて金儲けをたくらむ人間たちの争いに首を突っ込みます。
シリーズの原点回帰ともいえる、ヤクザ同士の生々しい抗争が物語の中心。黒川博行が得意とする、暴力と金が渦巻く裏社会の描写が存分に味わえます。桑原の暴力的な魅力と、二宮とのコミカルな掛け合いのバランスが絶妙で、シリーズファンからの評価も高い一冊です。
これぞ疫病神シリーズって感じだね!桑原さんの喧嘩っぷりは、読んでるだけでスカッとするよ。
「疫病神シリーズ」の第7弾にして、2024年時点での最新作です。 桑原と二宮は、とある画廊のオーナーから、画家の遺族が持つ作品の買付を依頼されます。しかし、その裏には暴力団や美術ブローカーたちの思惑が渦巻いていました。
美術や骨董に関する深い知識が盛り込まれており、知的な面白さも味わえる作品。もちろん、シリーズならではの暴力と金の匂いも健在です。美術界の闇と裏社会が交錯する、黒川ワールド全開の傑作です。
美術とヤクザって意外な組み合わせだけど面白そう!いろんな世界の裏側が覗けるのが黒川作品の魅力だね。
美術品、特に陶磁器をテーマにしたアートミステリーです。主人公は、古美術の贋作師。彼の元に持ち込まれた一枚の皿が、彼を危険な事件へと巻き込んでいきます。
黒川博行自身が美術大学出身であることから、その描写は非常に専門的かつリアル。 美術品の真贋を見極める世界の奥深さや、そこに渦巻く人間の欲望が巧みに描かれています。ハードボイルドとは一味違った、知的好奇心をくすぐられる一冊です。
美術の知識がなくても楽しめるかな?贋作師の世界って、ちょっと覗いてみたいかも。
悪徳警官コンビが活躍する「堀内・伊達シリーズ」の4作目です。 今回のテーマは金塊密輸。5億円の金塊強奪事件をきっかけに、元マル暴刑事の堀内と伊達は、ヤクザや半グレ、汚職警官たちが入り乱れる危険な争奪戦に身を投じます。
ヤクザ顔負けの悪どい手口で事件の真相に迫っていく二人の姿は、まさにアウトロー。 警察小説の枠を超えた、痛快なクライムサスペンスとして楽しめます。テンポの良い展開で、一気に読み進められること間違いなしです。
5億円の金塊なんてすごい金額だね!悪対悪の戦いは、どっちを応援すればいいか分からなくなるよ。
2024年に吉川英治文学賞を受賞した、記憶に新しい作品です。 主人公は大阪府警捜査一課の刑事・上坂。彼が追うのは、老人を狙った悪質な金融犯罪です。
高齢化社会の闇に切り込む社会派ミステリーでありながら、黒川作品ならではのエンターテインメント性も健在。緻密な取材に基づいて、巧妙化する犯罪の手口がリアルに描かれています。現代社会が抱える問題を鋭くえぐり出した、読み応えのある一冊です。
現実にありそうな犯罪の話は、読んでいて本当に腹が立つし怖くなるね。
1986年にサントリーミステリー大賞を受賞した、黒川博行の初期の代表作です。 この受賞を機に、黒川は専業作家の道を歩み始めました。
宝石のキャッツアイを巡って、悪党たちが繰り広げる争奪戦を描いたハードボイルド小説。若き日の黒川博行の才能がほとばしる、スピーディーでスリリングな展開が魅力です。後の作品に繋がる、軽快な会話や暴力描写の原点がここにあります。
初期の作品を読むと作家さんの原点が見える気がして好きだな。ここから伝説が始まったんだね。
大阪府警捜査一課の刑事コンビ、黒木と白川が活躍する警察小説です。彼らが追うのは、暴力団組長の射殺事件。捜査を進めるうちに、警察内部の腐敗や、複雑に絡み合った人間関係が浮かび上がってきます。
「疫病神シリーズ」や「堀内・伊達シリーズ」とはまた違う、本格的な警察小説の面白さが味わえる作品。現場の刑事たちの地道な捜査活動や、組織のしがらみがリアルに描かれています。警察ミステリーが好きな方にはたまらない一冊でしょう。
王道の警察小説って感じかな。刑事さんたちのコンビネーションに注目して読んでみたいね。
黒川作品には珍しく、女性が主人公のハードボイルド小説です。主人公は、失踪した父親の行方を追う女性。彼女は父親の足跡をたどるうちに、裏社会の危険な事件に巻き込まれていきます。
男たちの世界を描くことが多い黒川博行が、力強く生きる女性の姿を描いた意欲作。主人公が困難に立ち向かいながら成長していく姿に、心を揺さぶられます。いつもとは一味違った黒川作品を読んでみたい方におすすめです。
女性が主人公のハードボイルドってかっこいいね!黒川さんが描く強い女性、すごく興味があるよ。
古美術の世界を舞台にしたミステリー作品。表千家の宗匠が所有していたという幻の茶釜「文福茶釜」の真贋を巡って、美術商や数寄者たちの欲望が渦巻きます。
『蒼煌』と同じく、美術に関する深い造詣が感じられる一冊。骨董の世界の裏側や、美術品に魅せられた人々の業が巧みに描かれています。知的好奇心を満たしてくれる、大人のためのエンターテインメント小説です。
茶釜をめぐるミステリーなんて渋くていいね。日本の伝統文化の奥深さを感じられそうだよ。
海洋ミステリーの要素を持った作品です。主人公は、ヨットで世界を旅する男。彼が和歌山の港に立ち寄ったことから、物語は思わぬ方向へと展開していきます。
美しい海の描写と、そこに隠された人間の愛憎劇が絡み合う、ロマンあふれる一冊。黒川作品の中では異色ともいえる作風ですが、巧みなストーリーテリングは健在です。いつものハードボイルドとは違う、しっとりとした読後感を味わいたい時にいかがでしょうか。
海が舞台のミステリーって爽やかでいいね。旅情をかき立てられる作品かもしれないな。
舞台は大阪の私立高校。学校法人をめぐる権力争いと大金の横領事件を描いた作品です。主人公は、ひょんなことから事件に巻き込まれてしまう高校の美術教師。
黒川博行自身の教師経験が生かされているのか、学校内部の描写が非常にリアル。 平凡な日常が、少しずつ犯罪の闇に侵食されていく様がスリリングに描かれています。身近な場所が舞台だからこそ感じられる恐怖が、この作品の魅力です。森山未來主演でドラマ化もされました。
学校が舞台なのにこんな怖い事件が起きるなんて…。自分の学校じゃなくてよかったって思っちゃうよ。
大阪府警の刑事・吉永誠一が活躍する「大阪府警シリーズ」の一作。このシリーズはテレビ東京系で「刑事吉永誠一 涙の事件簿」として長年ドラマ化されたことでも知られています。
人情味あふれる主人公・吉永が、地道な捜査で事件の真相に迫っていく本格警察小説です。派手なアクションよりも、丁寧な人物描写と巧みなプロットで読ませるタイプの作品。黒川作品の幅広さを感じさせてくれるシリーズです。
人情派の刑事さんって大好きだよ。犯人を追い詰めるだけじゃなく、人の心に寄り添う姿に感動しちゃうんだ。
大阪府警泉尾署の刑事コンビ、新垣と上坂が活躍する警察小説シリーズの1作目です。 色男の新垣と、映画オタクの上坂という個性的なコンビが、沖縄の相互扶助制度「模合」の金をめぐる事件を追います。
軽快な会話と、大阪と沖縄という二つの舞台設定が魅力的な作品。ハードな展開の中にも、どこかユーモラスな雰囲気が漂います。新しいシリーズを追いかけたいという方におすすめの一冊です。
刑事コンビものって、二人の掛け合いが楽しいよね。映画オタクの刑事さんってどんな捜査をするんだろう?
悪徳警官コンビが主役の「堀内・伊達シリーズ」の2作目です。 今回二人が挑むのは、美術品の世界。有名画家の贋作をめぐって、画商やコレクター、そしてヤクザたちが暗躍します。
美術と裏社会という、黒川博行が得意とする二つのテーマが融合した作品。悪徳警官コンビが、美術界の闇をどのように暴いていくのか、そのダーティーな捜査手法から目が離せません。知的な興奮とスリルを同時に味わえる一冊です。
悪徳警官と美術品なんて、危ない香りがプンプンするね。贋作を見破るのか、それとも…?
「堀内・伊達シリーズ」の3作目。 今回は、覚せい剤の密輸ルートを追ううちに、警察内部の巨大な陰謀に突き当たります。正義も悪もない世界で、二人のアウトロー刑事が己のやり方で真実を追い求めます。
シリーズの中でも特にハードな展開が待ち受ける一冊。警察組織の暗部をえぐり出す、社会派な側面も持っています。息もつかせぬスリリングな展開を求める読者にぴったりの作品です。
警察内部の陰謀なんて、一番怖い敵かもしれないね。信じられるのは相棒だけ…って感じかな。
地面師詐欺をテーマにしたクライムノベルです。巧妙な手口で土地を騙し取る詐欺師たちの世界を、圧倒的なリアリティで描いています。
実際にあった事件をモデルにしており、その手口の巧妙さには舌を巻くばかり。騙す者と騙される者、そして彼らを追う者たちの思惑が複雑に絡み合い、最後まで結末が読めません。現代社会の闇を鋭く切り取った、社会派エンターテインメントの傑作です。
地面師ってこんなに巧妙なんだ…。自分は絶対騙されないって思ってても、危ないかもしれないね。
バブル時代の大阪を舞台に、株の仕手戦に挑む男たちの姿を描いた経済小説です。ヤクザや金融ブローカーたちが入り乱れ、一攫千金を狙って繰り広げるマネーゲームは圧巻。
黒川作品には珍しい経済エンターテインメントですが、金の匂いに群がる人間たちの欲望を描く筆致はさすがの一言。バブルという時代の熱気と狂気が伝わってくるような、パワフルな物語です。
バブル時代ってすごい世界だったんだね!お金が飛び交う話はスケールが大きくてワクワクするよ。
1983年にサントリーミステリー大賞佳作を受賞し、黒川博行が作家としてデビューするきっかけとなった記念すべき作品です。 美術教師をしながら執筆したという、まさに原点の一冊。
ジャズピアニストの死の真相を追う、オーソドックスなミステリーでありながら、後の作品にも通じるハードボイルドな雰囲気が漂います。荒削りながらも、才能のきらめきを感じさせる作品。黒川博行のファンなら一度は読んでおきたい、全ての始まりの物語です。
デビュー作って作家さんの魂が詰まってる感じがするよね。ここからあの面白い物語たちが生まれたんだ。
人間の心の闇や異常心理に焦点を当てた、サイコ・サスペンスの要素が強い作品です。切断された左手首が発見されたことから、物語は猟奇的な連続殺人事件へと発展していきます。
黒川作品の中でも特に異彩を放つ一冊で、その容赦のない描写は読者を選びます。人間の狂気を描き出す筆致は、ホラー小説好きにも通じるものがあるかもしれません。いつものハードボイルドとは違う、じっとりとした恐怖を味わいたい方へ。
本作における無機質なまでのシンプルな語り口からは作者の覚悟をひしひしと感じざるを得ない。人間の内面に潜む狂気の本質を抉り出す、優れた作品だ。
デビュー作『二度のお別れ』の続編にあたる作品です。前作で探偵役を務めた元ジャズピアニストが、再び事件に挑みます。
ジャズやクラシックといった音楽が効果的に使われており、作品全体にムーディーな雰囲気が漂います。初期の黒川作品ならではの、正統派ミステリーの味わいが楽しめる一冊。シリーズものとして、ぜひ『二度のお別れ』とあわせて読んでみてください。
音楽がテーマのミステリーっておしゃれだね。ジャズを聴きながら読んだら、もっと雰囲気に浸れるかも。
一人の男の失踪事件をきっかけに、過去に封印されたはずの忌まわしい記憶が呼び覚まされるミステリー。複雑に絡み合った人間関係と、時を経て明らかになる衝撃の真実から目が離せません。
黒川作品の魅力であるリアリティのある描写はそのままに、人間の内面を深く掘り下げた物語です。登場人物たちの心理描写が巧みで、ミステリーとしてだけでなく、人間ドラマとしても楽しめます。
過去の事件が現代に繋がる話って切なくなるよね…。みんな、何かを抱えて生きてるんだな。
『二度のお別れ』に続き、サントリーミステリー大賞佳作を受賞した初期の作品です。 雨の日に起こる連続殺人事件の謎を追う、本格ミステリー。
デビュー初期ならではの、けれんみのないストレートな語り口が魅力です。後のハードボイルド路線とは一味違った、謎解きの面白さをじっくりと味わうことができます。黒川博行のミステリー作家としての確かな実力を感じさせる一冊です。
雨の日の殺人事件ってミステリーの王道って感じがするね。トリックや犯人の動機をじっくり考えながら読みたいよ。
黒川博行のエッセイ集です。小説ではうかがい知ることのできない、作家自身の素顔や考えに触れることができます。
趣味の麻雀や競馬の話、小説の裏話、そして社会に対する鋭い視点など、内容は多岐にわたります。小説と同じく、軽快な大阪弁で語られるエピソードはどれも面白く、黒川博行という人物の魅力にさらに引き込まれることでしょう。小説を読んだ後に手に取ると、より一層楽しめます。
作家さんのエッセイって作品の裏側が知れて楽しいよね!黒川さんって普段はどんなことを考えてるんだろう?
ここまでたくさんの作品を紹介してきましたが、「シリーズものはどれから読めばいいの?」「初心者におすすめは?」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。
ここでは、黒川博行の小説選びでよくある質問にお答えします。ぜひ、あなたにぴったりの一冊を見つけるための参考にしてください。
黒川博行の作品にはいくつかの人気シリーズがありますが、基本的には刊行された順番に読むのがおすすめです。登場人物の関係性や物語の背景が時間と共に変化していくため、順番に追うことでより深く楽しむことができます。
特に人気の高い「疫病神シリーズ」の刊行順は以下の通りです。
また、悪徳警官コンビが活躍する「堀内・伊達シリーズ」は以下の順番です。
黒川博行の作品を初めて読むという方には、やはり直木賞を受賞した『破門』が最もおすすめです。 黒川作品の魅力であるヤクザとカタギのコンビ、軽快な会話、そしてスリリングな展開が凝縮されており、最高傑作との呼び声も高い一冊です。
また、伝説のコンビが誕生した「疫病神シリーズ」の1作目『疫病神』から読み始めるのも良いでしょう。 ここからシリーズを順番に追いかけていくのも、黒川ワールドにハマるためのおすすめのルートです。単発の作品から試したい場合は、実際に起きた事件をモデルにした『後妻業』も、そのエンターテインメント性の高さから初心者の方でも楽しみやすい作品です。
ここまで、直木賞作家・黒川博行のおすすめ小説をランキング形式でご紹介してきました。気になる作品は見つかりましたでしょうか。
黒川作品の魅力は、なんといっても徹底した取材に基づくリアリティと、大阪弁が飛び交う軽快な会話劇、そして一癖も二癖もある魅力的なキャラクターたちです。ハードボイルドな世界観の中にも、どこか人間臭さとユーモアが感じられるのが、多くの読者を惹きつけてやまない理由でしょう。
この記事を参考に、ぜひ黒川博行のディープな世界に足を踏み入れてみてください。きっと、あなたもその魅力の虜になるはずです。