皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
西加奈子さんは、1977年にイランのテヘランで生まれ、エジプトのカイロや大阪で育ったというユニークな経歴を持つ小説家です。 関西大学法学部を卒業後、2004年に『あおい』で作家デビューしました。 翌2005年に発表した『さくら』がベストセラーとなり、多くの読者にその名を知られることになります。
その後も数々の文学賞を受賞し、2007年には『通天閣』で織田作之助賞、2013年には『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、そして2015年には『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞し、人気作家としての地位を不動のものとしました。 最近では、2021年にカナダで乳がんを宣告され、その闘病生活を綴ったノンフィクション『くもをさがす』が大きな話題を呼びました。
西さんの作品の魅力は、なんといっても個性豊かで愛すべき登場人物たちと、読み終えた後に心が温かくなるような物語です。 関西弁を多用したリズミカルな文章で、家族の絆や人生の機微、社会が抱える問題などを、ユーモアと愛情を込めて描き出します。 笑いあり涙ありの物語は、私たちに生きる勇気と希望を与えてくれるでしょう。
ここからは、いよいよ西加奈子さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。直木賞を受賞した感動大作から、映画化されて話題になった人気作、そして心がじんわり温まる初期の名作まで、魅力的な作品が勢ぞろいです。
「どの作品から読めばいいかわからない…」という方は、ぜひこのランキングを参考にしてみてください。きっと、あなたの心に響く特別な一冊が見つかるはずです。西加奈子さんが紡ぎ出す、笑いと涙、そして愛に満ちた物語の世界へ、さあ一緒に旅立ちましょう!
堂々の1位は、第152回直木三十五賞を受賞した西加奈子さんの代表作『サラバ!』です。 この作品は、作家生活10周年を記念して執筆された上下巻にわたる長編小説で、西さんの最高傑作との呼び声も高い一冊です。
物語は、1977年にイランで生まれた主人公・圷歩(あくつ あゆむ)が、イラン革命やエジプトでの生活、そして日本での暮らしを通して、様々な出会いと別れを経験しながら成長していく30年以上の歳月を描いています。家族とは何か、信じるとは何か、そして「サラバ!」という言葉に込められた意味を問いかける、壮大なスケールの物語です。
人生に迷ったとき、何かを乗り越えたいときに、きっと大きな力を与えてくれるはず。西加奈子さんの世界に初めて触れる方にも、じっくりと物語を味わいたい方にも、まず一番におすすめしたい傑作です。
発売日 | 2014年11月 |
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出版社 | 小学館 |
受賞歴 | 第152回 直木三十五賞 |
壮大な物語に圧倒されちゃった。主人公と一緒に人生を旅したみたいで、明日から頑張ろうって思えるよ!
2位にランクインしたのは、2005年に発表され、20万部を超えるベストセラーとなった初期の代表作『さくら』です。 2020年には北村匠海さん、小松菜奈さん、吉沢亮さんといった豪華キャストで映画化もされ、再び注目を集めました。
物語は、ある一家の栄光と崩壊、そして再生を、愛犬「サクラ」の視点から描いています。兄の事故をきっかけにバラバラになってしまった家族が、愛犬サクラの存在を通して、もう一度希望を見出していく姿に胸を打たれます。家族のあり方や命の尊さを考えさせられる、涙なしには読めない感動的な一冊です。
切なくも温かい家族の物語に触れたい方におすすめです。読み終えた後、きっとあなたの家族に会いたくなるでしょう。
発売日 | 2005年4月 |
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出版社 | 小学館 |
映像化 | 2020年(映画) |
家族の絆に涙が止まらなかったよ…。愛犬サクラの存在が大きくて、ペットを飼ってる人は特にぐっとくると思うな。
3位は、明石家さんまさんが企画・プロデュースし、2021年にアニメ映画化されたことでも大きな話題となった『漁港の肉子ちゃん』です。 笑えて泣ける、西加奈子さんならではの人情物語の傑作です。
物語の舞台は、北の小さな漁港。男に騙されやすい母・肉子ちゃんと、しっかり者の娘・キクりんが流れ着き、港の焼肉屋さんで働き始めます。 太っちょで底抜けに明るい肉子ちゃんと、ちょっと大人びたキクりん。そんな対照的な親子のユーモアと愛情にあふれた日常が、漁港の人々との温かい交流を交えて描かれます。
読めば心がほっこり温まり、明日への活力がもらえるような作品です。何も考えずに笑って泣きたい、そんな気分のときにぴったりの一冊です。
発売日 | 2011年8月 |
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出版社 | 幻冬舎 |
映像化 | 2021年(アニメ映画) |
肉子ちゃんがパワフルで最高だよ!キクりんとの会話が面白くて、たくさん笑って元気をもらえたな。
4位は、2021年に刊行され、これまでの西加奈子さんのイメージを覆すようなシリアスな内容で読者に衝撃を与えた『夜が明ける』です。この作品は、2022年の本屋大賞で6位に選ばれました。
物語は、高校の美術部で出会った「俺」と、才能あふれる友人「アキ」の15年間にわたる友情と葛藤を描いています。現代社会が抱える貧困や格差、若者の生きづらさといったテーマに正面から向き合い、綺麗事だけでは済まされない現実を容赦なく突きつけてきます。
読み進めるのが辛くなる瞬間もあるかもしれません。しかし、それでも暗闇の先にあるかすかな光を探し求める登場人物たちの姿は、私たちの胸に深く突き刺さります。現代社会のリアルな痛みを感じながらも、人間の強さを信じたいと願うすべての人に読んでほしい一冊です。
発売日 | 2021年10月 |
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出版社 | 新潮社 |
受賞歴 | 2022年 本屋大賞 第6位 |
結構ヘビーな内容で苦しくなったよ。でも、それでも生きていく登場人物の姿に、すごい力をもらった気がするな。
5位には、世界の広さと人との繋がりの大切さを教えてくれる『i』がランクイン。シリアで生まれ、アメリカ人の養父母に育てられた主人公「アイ」の物語です。
「i」という一つの言葉を軸に、自分とは何か、愛とは何か、国とは何か、といった普遍的でありながらも答えの出ない問いに、主人公のアイが向き合っていきます。セクシュアリティやアイデンティティといった現代的なテーマも織り込まれており、多様性が重視される今の時代だからこそ、多くの人に読んでほしい作品です。
自分という存在について、あるいは遠い国の誰かについて、想いを巡らせるきっかけをくれる一冊。読み終えたとき、世界が少し違って見えるかもしれません。
発売日 | 2016年11月 |
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出版社 | ポプラ社 |
テーマ | アイデンティティ、愛、世界との繋がり |
『i』って色んな意味があるんだなって考えさせられたな。世界は広くて、優しい気持ちになれる物語だったよ。
6位は、2013年に宮﨑あおいさんと向井理さんの主演で映画化もされた、ファンタジックな夫婦の物語『きいろいゾウ』です。
都会を離れ、田舎でのんびりと暮らす夫婦、売れない小説家のムコさん(無辜歩)と、生き物の声が聞こえる不思議な力を持つツマ(妻利愛子)。 お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う二人の穏やかで愛情に満ちた日々と、そこに訪れる小さな変化を優しく描いています。
絵本のような可愛らしい世界観の中に、夫婦の絆という普遍的なテーマが流れる、心温まる一冊です。 パートナーがいる方はもちろん、日々の生活に少し疲れてしまった方にも、ぜひ手に取ってほしい癒やしの物語です。
発売日 | 2006年3月 |
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出版社 | 小学館 |
映像化 | 2013年(映画) |
ムコさんとツマの関係がすごく素敵だったな。お互いを思いやれる夫婦っていいなって、ほっこりした気持ちになったよ。
7位は、2013年に第1回河合隼雄物語賞を受賞した『ふくわらい』です。 主人公は、ほとんど言葉を発しないプロレスの覆面職人、鳴木戸定(なるきど さだ)。
物語は、定の半生と、彼女を取り巻く個性的な人々との交流を通して、人が他者とどう関わり、理解し合っていくのかというコミュニケーションの本質を問いかけます。人の顔のパーツを心の中で動かし、相手との距離を測ろうとする主人公の姿は、どこか不器用で、でも愛おしく感じられます。
言葉だけがコミュニケーションの全てではないこと、そして不器用ながらも誰かと繋がろうとすることの尊さを教えてくれる作品です。新しい人間関係を築くのが少し苦手だと感じている方に、そっと寄り添ってくれるような一冊です。
発売日 | 2012年11月 |
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出版社 | 朝日新聞出版 |
受賞歴 | 第1回 河合隼雄物語賞 |
主人公がほとんど喋らないのに、ぐいぐい引き込まれたよ。言葉にしなくても伝わる想いってあるんだなって、じんわりきたな。
8位には、2007年に織田作之助賞を受賞した『通天閣』がランクインしました。 この作品で西加奈子さんは、作家としての評価をさらに高めました。
物語の舞台は、その名の通り大阪のシンボル・通天閣のふもと。そこで暮らす、どこか孤独を抱えた男女の人間模様が描かれています。西さん自身のルーツでもある大阪の街の空気をリアルに感じさせながら、人と人との繋がりや、都会に生きる人々の寂しさを巧みに描き出した作品です。
軽快な大阪弁の会話の中に、ふと人生の真理が顔をのぞかせる、西加奈子作品の魅力が詰まった一冊。初期の作品に触れてみたい方にもおすすめです。
発売日 | 2006年10月 |
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出版社 | 筑摩書房 |
受賞歴 | 第24回 織田作之助賞 |
大阪の街の雰囲気がすごく伝わってきたな。登場人物たちの会話が面白くて、あっという間に読んじゃったよ!
9位は、自分を「神様」だと言い張る、とても太った女の子「きりこ」をめぐる物語『きりこについて』です。いじめられっ子でありながら、圧倒的な自己肯定感を持つきりこの存在が、周りの人々の心を揺さぶります。
この物語は、きりこ本人ではなく、彼女を取り巻く人々の視点から語られるのが特徴です。「自分を好きでいること」の強さと大切さを、きりこという強烈なキャラクターを通して教えてくれます。
周りの目や評価が気になって、自分に自信が持てなくなってしまった時に読むと、きっと勇気をもらえるはず。きりこの言葉が、あなたの心をふわりと軽くしてくれるかもしれません。
発売日 | 2009年2月 |
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出版社 | 角川書店 |
テーマ | 自己肯定、いじめ、友情 |
きりこが最高にクールだったよ!わたしもきりこみたいに、もっと自分のことを好きになりたいな。
10位は、美大に通う男女の不器用な恋愛を描いた『白いしるし』です。恋愛の甘酸っぱさだけでなく、創作活動に打ち込む若者たちの情熱や葛藤もリアルに描かれています。
主人公たちの、もどかしくも純粋な恋模様に、自分の青春時代を重ね合わせる人も多いのではないでしょうか。何かを生み出すことの苦しみと喜び、そして誰かを想うことの切なさが詰まった、青春小説の傑作です。
美大という少し特殊な世界を舞台にしながらも、誰もが経験するであろう恋の悩みや将来への不安が描かれており、多くの読者の共感を呼ぶでしょう。
発売日 | 2009年7月 |
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出版社 | 新潮社 |
テーマ | 恋愛、青春、アート |
美大生の恋愛ってこんな感じなのかなってドキドキしたよ。不器用な二人がもどかしくて、すごく応援したくなっちゃったな。
11位は、表題作を含む8編が収録された短編集『うつくしい人』です。
表題作では、誰もが羨む美貌を持つ姉と、その影で生きる妹の関係を通して、「美しさ」とは何か、そして外見が人の心に与える影響について鋭く問いかけます。その他の作品も、足が燃えている男の噂話や、引きこもりの青年、お尻のパーツモデルなど、奇想天外な設定ながらも、どこか愛おしさを感じる登場人物たちが織りなす物語が詰まっています。
西加奈子さんのユニークな発想と、人間の本質を突く観察眼が光る一冊。少し不思議で、どこか不穏な雰囲気も漂う西さんの世界観に浸りたい方におすすめです。
発売日 | 2009年2月 |
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出版社 | 幻冬舎 |
収録作品数 | 8編 |
ちょっと不思議でブラックな話が多かったけど、そこが面白かったな。人間の嫉妬とか、リアルな感情に引き込まれたよ。
12位は、2014年に芦田愛菜さん主演で映画化されたことでも知られる『円卓』です。 主人公は、大阪の大家族で暮らす小学3年生の女の子、こっこ(琴子)。
口が悪くて、いつも不満ばかり口にしていて、好きな言葉は「孤独」という、ちょっと風変わりな女の子こっこ。 そんな彼女が経験するひと夏の出来事を、ユーモアたっぷりに描いています。子供ならではのクールな視点で世の中を観察するこっこの姿に、思わず笑ってしまうこと間違いなしです。
子供の頃の少し背伸びした気持ちや、世界がキラキラして見えた感覚を思い出させてくれる、爽やかな読後感の一冊。テンポの良い関西弁の会話も心地よく、サクサクと読み進められます。
発売日 | 2011年3月 |
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出版社 | 文藝春秋 |
映像化 | 2014年(映画) |
こっこが可愛くて面白すぎたよ!小学生の頃ってこんな風に考えてたなあって、懐かしい気持ちになったな。
13位は、人生の困難に立ち向かうための「おまじない」のような言葉が詰まった8つの物語からなる短編集『おまじない』です。
登場するのは、さまざまな悩みを抱える女の子たち。そんな彼女たちに、不思議なおじさんがそっと「おまじない」の言葉をかけてくれます。辛い過去や忘れたい記憶を抱えている人に、「あなたを救ってくれる言葉が、この世界にありますように」という作者の優しい願いが込められた作品です。
心が疲れてしまったとき、誰かに優しく背中を押してほしいときに、この本を開いてみてください。きっとあなただけの「おまじない」が見つかるはずです。
発売日 | 2015年10月 |
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出版社 | 筑摩書房 |
収録作品数 | 8編 |
どの話も優しくて、心がじんわり温かくなったよ。辛いことがあっても、これを読んだら乗り越えられそうな気がするな。
14位は、ニューヨークを舞台に、夢を追いかける若者たちの姿を描いた『舞台』です。ダンサーになることを夢見て、単身ニューヨークへ渡った21歳の葉太。彼がそこで出会う人々との交流を通して、表現者として生きることの喜びや苦悩、そして夢を追いかけることの光と影を鮮やかに描き出します。
華やかな世界の裏側にある厳しい現実や、夢だけでは生きていけない葛藤。それでもなお、自分の信じる道を突き進もうとする登場人物たちの姿は、読む人の胸を熱くします。
何か目標に向かって頑張っている人、夢を追いかけることに少し疲れてしまった人に、エールを送ってくれるような一冊です。
発売日 | 2014年5月 |
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出版社 | 講談社 |
テーマ | 夢、挑戦、アート、ニューヨーク |
夢を追いかけるってキラキラしてるだけじゃないんだなって思ったよ。でも、登場人物が必死に頑張る姿に勇気をもらえたな!
15位は、記念すべき西加奈子さんのデビュー作『あおい』です。 2004年に刊行されたこの作品には、その後の西作品にも通じる魅力の原石が詰まっています。
主人公は、27歳のフリーター、鉢田あおい。何者にもなれない自分への焦りや、将来への漠然とした不安を抱えながら、日々を過ごしています。そんな彼女のありふれた日常を、西さんならではの感性で切り取った物語です。
特別な事件が起こるわけではないけれど、誰もが心のどこかで感じたことのあるような焦燥感や閉塞感がリアルに描かれており、多くの読者の共感を呼びました。西加奈子さんの原点に触れたい方は、ぜひ手に取ってみてください。
発売日 | 2004年2月 |
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出版社 | 小学館 |
ポイント | 西加奈子のデビュー作 |
デビュー作とは思えない完成度だったな。主人公の気持ちがすごくよく分かって、昔の自分を思い出しちゃったよ。
16位は、ある夫婦の歪んだ関係性を描き、愛と支配、そして芸術とは何かを問いかける『窓の魚』です。温泉宿で一夜を過ごす2組のカップルを中心に、物語は静かに、しかし緊張感をもって進んでいきます。
著名な写真家である夫と、常にその被写体であり続けてきた妻。一見、理想的に見える二人の関係の裏に隠された真実が、少しずつ明らかになっていきます。人間の心の奥底に潜むエゴや依存、そして愛情の複雑さを鋭く描き出した作品です。
これまでの西作品とは少し違った、ヒリヒリするような読書体験をしたい方におすすめ。人間の多面性に触れ、深く考えさせられる一冊です。
発売日 | 2008年6月 |
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出版社 | 新潮社 |
テーマ | 夫婦関係、愛と支配、芸術 |
本作における静謐な筆致は、登場人物たちの内面に渦巻く激情を際立たせている。愛という名の支配構造について、深く考察せざるを得ない。
17位は、2023年に刊行された短編集『わたしに会いたい』です。
物語の主人公は、「わたしに会いたい」と願う女の子。自分という存在について、そして他者との関わりについて、シンプルながらも深い問いを投げかけます。西さん自身が描いた、力強くも優しいタッチの絵が、物語の世界観をより一層引き立てています。
カナダでの生活や乳がんの経験を経て、新たな境地に至った西さんの「今」が感じられる作品です。短い物語の中に、自分を大切にすること、そして世界と繋がることの素晴らしさが凝縮されています。
発売日 | 2023年11月 |
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出版社 | 集英社 |
ジャンル | 短編集 |
絵本だけど、大人のわたしにもすごく響いたよ。自分に会いたいって思う気持ち、すごく素敵だなって思ったな。
ランキングの最後を飾るのは、思春期に差し掛かった少年の心の揺れを繊細に描いた『まく子』です。2019年には映画化もされました。
ひなびた温泉街に住む小学5年生の男の子・慧(さとし)は、自分の体の変化に戸惑い、大人になることに漠然とした不安を抱えています。 そんな彼の前に、小銭や砂利など何でも「撒く」ことが好きな不思議な転校生・コズエが現れます。彼女との出会いが、慧の世界を大きく変えていくのです。
子供から大人へと移り変わる時期の、不安定でキラキラした特別な時間を見事に描き出した物語です。誰もが通り過ぎてきた、あの頃の甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれるでしょう。
発売日 | 2016年2月 |
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出版社 | 福音館書店 |
映像化 | 2019年(映画) |
思春期の男の子の気持ちがすごくリアルだったな。コズエが本当に不思議で魅力的で、二人のやりとりにドキドキしたよ。
西加奈子さんのおすすめ小説ランキングTOP18、いかがでしたでしょうか。直木賞受賞作の『サラバ!』から、心温まる家族の物語『さくら』や『漁港の肉子ちゃん』、そして社会の現実に切り込んだ『夜が明ける』まで、本当に多彩な作品が揃っていましたね。
西さんの作品に共通しているのは、どんな状況でも懸命に生きる人々への、温かく肯定的な眼差しです。 登場人物たちは不器用で、悩んだり傷ついたりしながらも、前を向いて自分の人生を歩んでいきます。そんな彼らの姿に、私たちは笑い、涙し、そして明日を生きる勇気をもらうのかもしれません。
この記事で紹介した作品の中に、あなたの心に響く一冊があれば嬉しく思います。ぜひ気になった作品を手に取って、西加奈子さんの豊かでパワフルな物語の世界に触れてみてください。