皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
東山彰良(ひがしやま あきら)さんは、1968年に台湾の台北市で生まれた小説家です。 本名は王 震緒(おう しんしょ)さんといいます。9歳の時に家族と共に福岡県へ移住しました。 作家としてデビューする前は、航空会社に勤務したり、大学で中国語の非常勤講師を務めたりと、異色の経歴を持っています。
2002年に「タード・オン・ザ・ラン」で第1回『このミステリーがすごい!』大賞の銀賞および読者賞を受賞し、翌2003年に同作を『逃亡作法 TURD ON THE RUN』と改題して作家デビューを果たしました。 特に2015年に受賞した第153回直木三十五賞受賞作『流』は、選考委員から「20年に一度の傑作」と絶賛され、大きな話題を呼びました。
東山さんの作品の魅力は、なんといってもそのジャンルの幅広さです。自身のルーツである台湾を舞台にした壮大な歴史小説から、疾走感あふれるクライムノベル、切ない青春ミステリーまで、多彩な物語を紡ぎ出します。 どの作品にも共通しているのは、ユーモアと哀愁が入り混じった独特の筆致と、生きることのままならなさを抱えながらも前を向く登場人物たちの姿です。一度読めば、その熱量と物語の力に圧倒されること間違いなしの作家です。
ここからは、いよいよ東山彰良さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します!
直木賞を受賞した代表作から、隠れた名作、そして心温まるエッセイまで、様々な魅力を持つ作品がランクインしました。まだ東山作品を読んだことがない方はもちろん、次の一冊を探しているファンの方も必見です。あなたの心に響く一冊が、きっと見つかるはずです。
堂々の1位は、第153回直木賞を受賞した東山彰良さんの代表作『流』です。 選考委員から「20年に一度の傑作」と満場一致で絶賛された本作は、東山作品に初めて触れる方にこそ読んでほしい一冊です。
物語の舞台は1975年の台湾・台北。 17歳の主人公・葉秋生(イエ チョウシェン)が、何者かに殺された祖父の死の真相を追うミステリーでありながら、激動の時代を生き抜いた家族の歴史と、主人公の成長を描く壮大な青春小説でもあります。 台湾から日本、そして中国大陸へと広がるスケールの大きな物語に、ぐいぐいと引き込まれます。
重厚なテーマを扱いながらも、随所に散りばめられたユーモアと疾走感あふれる筆致で、一気に読み終えてしまうことでしょう。 70年代の台北の熱気や匂いまで伝わってくるようなリアルな描写も魅力の一つです。 まさに、小説を読むことの幸福を存分に味わえる傑作です。
歴史の大きな流れに翻弄される家族の物語、でも青春のキラキラもあって…。わたし、こういうのに弱いの!最高傑作だよ!
2位にランクインしたのは、織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞の3冠を達成した『僕が殺した人と僕を殺した人』です。東山作品の中でも、特に切なく、心を揺さぶる青春ミステリーとして高い評価を得ています。
物語は、4人の少年たちの友情と、彼らの運命を大きく変えたある事件を軸に展開します。少年時代を共に過ごした仲間の一人が、連続殺人犯になってしまった。なぜ彼は罪を犯したのか、そして自分たちに何ができたのか。主人公は、かつての親友を救うために奔走します。
罪と罰、加害者と被害者、そして償いとは何かという重いテーマを扱いながらも、少年たちの瑞々しい友情や葛藤が繊細に描かれています。読み終えた後には、タイトルの本当の意味が胸に突き刺さり、深い余韻に包まれるでしょう。『流』とはまた違った、静かな感動を味わえる一冊です。
少年たちの友情が、あまりにも切なくて…。どうしてこうなっちゃったんだろうって、涙が止まらなかったよ。
3位は、記念すべきデビュー作『逃亡作法 TURD ON THE RUN』です。この作品は、第1回『このミステリーがすごい!』大賞で銀賞と読者賞をダブル受賞し、東山彰良の名を世に知らしめました。
舞台は死刑制度が廃止された近未来の日本。重罪犯に装着が義務付けられた「目が飛び出す装置」をひょんなことから無効化した主人公・ツバメが、刑務所(通称キャンプ)を脱獄することから物語は始まります。警察や凶悪犯、そして復讐に燃える被害者遺族たちから追われる、ハチャメチャな逃走劇が繰り広げられます。
善悪の区別がつかないような個性的なキャラクターたちが織りなす、スピーディーで予測不可能なストーリー展開が最大の魅力です。難しいことを考えずに楽しめる、極上のエンターテインメント小説を読みたい方におすすめ。東山作品の原点ともいえる、クールで疾走感あふれる世界観を堪能してください。
このスピード感、たまらないね!ツバメのキャラクターが最高で、ハラハラしながら一気に読んじゃった!
4位は、第11回中央公論文芸賞を受賞した『罪の終わり』です。アメリカを舞台に、ある男の壮絶な人生と、彼が犯した罪の根源をめぐる物語が描かれます。
主人公は、アメリカ中西部で生まれ育った純朴な青年、ネイト。彼はある出来事をきっかけに、神の声を聞くようになります。やがて彼は「神」となり、多くの信者を獲得しますが、その先に待っていたのは悲劇的な結末でした。物語は、ネイトの人生を辿りながら、「罪」とは何か、「赦し」とは何かという根源的な問いを読者に投げかけます。
実在の事件に着想を得ており、そのリアリティと人間の心の闇を深くえぐるような筆致に圧倒されます。重厚で哲学的なテーマを扱いながらも、リーダビリティの高い物語に昇華させているのは、さすが東山彰良さん。人間の信仰や狂気について深く考えさせられる、骨太な一冊です。
本作における「罪」の定義と、その終焉に至るまでの過程の描写からは、作者の人間心理に対する深い洞察を感じざるを得ない。
5位には、東山作品の中でも異色の近未来SFアクション『ブラックライダー』がランクインしました。これまで紹介してきた作品とは一味違う、エンターテインメントに振り切った世界観が魅力です。
物語の舞台は、文明が崩壊し、暴力が支配する荒廃した世界。記憶を失った男「ブラックライダー」が、自らの過去を取り戻すため、そして襲い来る敵と戦うために、馬と銃を手に荒野を駆け巡ります。西部劇やマカロニ・ウエスタンを彷彿とさせる設定に、東山さんならではのクールなアクション描写が加わり、読者を飽きさせません。
上下巻にわたる長編ですが、映画を観るような感覚で次々とページをめくってしまうでしょう。謎が謎を呼ぶストーリー展開と、個性豊かな登場人物たちが織りなす人間ドラマも読み応え抜群。東山彰良さんの新たな一面を発見できる、痛快な冒険活劇です。
バイクじゃなくて馬っていうのがシブい!荒廃した世界でのアクション、めちゃくちゃカッコよくてワクワクしたよ!
6位は、第11回大藪春彦賞を受賞した『路傍』です。人生の不条理やままならなさを描きながらも、どこかに希望の光を感じさせる、東山作品の真骨頂ともいえる一冊です。
主人公は、しがない毎日を送る中年男のビクトル。彼はある日、かつての親友が殺害されたことを知ります。親友の死の真相を探るうち、ビクトルは裏社会の抗争に巻き込まれていくことに。ハードボイルドな展開の中に、人生に敗れた者たちの哀愁や、それでも捨てきれないプライドが色濃く描かれています。
派手なアクションや劇的な展開があるわけではありませんが、登場人物たちの会話や心情描写が巧みで、心にじんわりと染み渡ります。どうしようもない現実に打ちのめされながらも、小さな希望を見出そうともがく男たちの姿に、きっと心を揺さぶられるはず。渋くて味わい深い物語を読みたい気分の時に、ぜひ手に取ってみてください。
人生ってうまくいかないことばっかりだよね。でも、だからこそ見える光もあるのかなって、ちょっとだけ元気が出たよ。
7位は、これまでの小説とは趣向を変えて、軽妙なエッセイ集『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』をご紹介します。小説で見せるクールな顔とは違う、東山さんのユーモラスで人間味あふれる一面を垣間見ることができます。
タイトル通り、女性にまつわるエピソードを中心に、日々の暮らしの中で感じたことや考えたことが、ウィットに富んだ文章で綴られています。家族との微笑ましいやり取り、愛するテキーラの話、そして小説家としての苦悩(?)まで、内容は多岐にわたります。
くすりと笑える話から、思わず唸ってしまう深い洞察まで、東山さんの魅力がぎゅっと詰まった一冊です。小説の合間に読むと、より一層、東山作品の世界を楽しめるようになるかもしれません。肩の力を抜いて、気軽に読書を楽しみたいときにおすすめです。
わかる、わかるよー!って共感するところがいっぱいあったな。作家さんの日常って、ちょっと覗いてみたくなっちゃうよね。
8位は、愛という普遍的なテーマに、東山さんならではの切り口で迫った短編集『どの口が愛を語るんだ』です。一筋縄ではいかない、様々な「愛」の形が描かれており、読後に深い問いを投げかけられます。
収録されているのは、それぞれ異なる背景を持つ人々が登場する物語。うまくいかない恋愛、歪んだ親子関係、そして予期せぬ出会いと別れ。登場人物たちは皆、愛に悩み、愛に傷つきながらも、自分なりの答えを見つけようとします。
甘いだけの恋愛小説とは一線を画す、ビターでリアルな人間ドラマが魅力です。どの物語も、読者の心に小さな棘を残していくような、忘れがたい読後感があります。「愛ってなんだろう?」と、改めて考えさせられるきっかけをくれる一冊。大人のための、少し辛口な物語集です。
愛って、きれいなだけじゃないんだね…。ちょっと心がチクチクするけど、そこがまたクセになる感じかな。
9位には、珠玉の作品6編を収録した短編集『わたしはわたしで』がランクイン。人生のままならなさや、諦めの中で見出すかすかな光をテーマにした物語が詰まっています。
この短編集の大きな魅力は、代表作『流』の続編にあたる「I love you Debby」が収録されている点です。『流』のファンなら誰もが気になっていたであろう、あの叔父の秘密がついに明かされます。もちろん、他の短編も粒ぞろいで、元殺し屋かもしれない男の運命を描く話や、コロナ禍で生きる人々の姿を描いた話など、多彩な物語が楽しめます。
どの作品にも共通するのは、うまくいかない現実の中でも、自分自身でいることを肯定しようとする人々の姿です。幸も不幸も淡々と受け入れながら生きていく登場人物たちに、静かな勇気をもらえるはず。東山彰良さんの語りの巧さが光る、味わい深い一冊です。
『流』の続きが読めるなんて!叔父さんの話、ずっと気になってたんだ。他の話も、心にじんわり沁みる感じが良かったな。
ランキングの最後を飾るのは、家族と記憶をテーマにした長編小説『小さな場所』です。ミステリーの要素を織り交ぜながら、ある家族が抱える秘密と、世代を超えて受け継がれる想いを丁寧に描いています。
主人公は、認知症の父の世話をするために故郷に戻ってきた中年男性。彼は父の部屋で、見知らぬ女性の写真を見つけます。この女性は誰なのか? 父の過去を探り始めるうちに、彼は家族も知らなかった父のもう一つの顔と、悲しい秘密にたどり着きます。
過去と現在が交錯しながら、少しずつ謎が解き明かされていく構成が見事です。切ない物語の中にも、家族の絆や愛情が感じられ、読後は温かい気持ちに包まれます。誰の心の中にもある「小さな場所」に思いを馳せたくなるような、静かで感動的な物語です。
家族って、知らないことがたくさんあるんだね。お父さんの秘密が切なくて、最後は涙なしでは読めなかったよ。
東山彰良さんのおすすめ小説人気ランキングTOP10、いかがでしたでしょうか。
台湾の歴史を背景にした壮大な物語から、疾走感あふれるエンターテインメント、そして人間の心の機微を深く描いた作品まで、その作風は非常に多彩です。 しかし、どの作品にも共通しているのは、ままならない人生を生きる人々への温かい眼差しと、物語の力強さです。
もし、どの作品から読もうか迷ったら、まずは直木賞受賞作の『流』を手に取ってみることをおすすめします。 きっと、東山彰良という作家の底知れない魅力に引き込まれるはずです。この記事を参考に、あなたにとっての特別な一冊を見つけていただけたら嬉しいです。