【2025年最新】平岩弓枝のおすすめ小説ランキングTOP18

はじめに：平岩弓枝とは？心温まる物語を紡ぐ国民的作家

平岩弓枝（ひらいわ ゆみえ）は、日本の小説家であり、脚本家としても知られています。1932年に東京で生まれ、2023年に91歳で亡くなりました。親しみやすい作風で、時代小説から現代小説、推理小説まで幅広いジャンルの作品を手がけ、多くの読者から共感を集めました。特に、さまざまな時代を生きる女性の姿を描いた作品で高い評価を得ています。

1959年に『鏨師（たがねし）』で直木賞を受賞し、作家としての地位を確立。その後も、『花影の花』で吉川英治文学賞を受賞するなど、数々の文学賞に輝いています。代表作には、40年以上にわたって愛された人気シリーズ『御宿かわせみ』や、『はやぶさ新八御用帳』シリーズなどがあります。また、『肝っ玉かあさん』や『ありがとう』シリーズなど、人気テレビドラマの脚本家としても活躍し、お茶の間でも広く親しまれました。2016年には文化勲章を受章するなど、その功績は日本文学史に大きく刻まれています。

【2025年】平岩弓枝のおすすめ小説ランキングTOP18

ここからは、数ある平岩弓枝作品の中から、特におすすめの小説をランキング形式でご紹介します。

時代小説の金字塔から、心温まる現代小説、そして意外なミステリー作品まで、多彩なラインナップが揃いました。あなたの心に響く一冊が、きっと見つかるはずです。

1位『御宿かわせみ』

『御宿かわせみ』は、平岩弓枝の代表作として知られる時代小説シリーズです。1973年に連載が開始され、2005年の『公孫樹の葉の黄ばむ頃』をもってシリーズが完結し、全34巻が刊行されました。物語の舞台は、江戸時代の大川（隅田川）沿いにある宿屋「かわせみ」。ここに滞在する人々と、宿の主人である神林るい、そして彼女を助ける元同心の弟・東吾が、さまざまな事件や人間模様に遭遇します。

江戸の情緒あふれる人情物語が魅力で、40年以上にわたって多くの読者に愛され続けるベストセラーとなりました。テレビドラマ化も何度もされており、その人気は小説だけに留まりません。心温まるストーリーと個性豊かな登場人物たちが織りなす物語は、時代小説ファンならずとも引き込まれること間違いなしです。

2位『はやぶさ新八御用帳』

『はやぶさ新八御用帳』は、『御宿かわせみ』と並ぶ平岩弓枝の人気時代小説シリーズです。物語の主人公は、江戸・神田明神下の岡っ引き「はやぶさの新八」。町で起こる様々な事件を、鋭い観察眼と人情味あふれる推理で解決していきます。

捕物帳としての面白さはもちろん、江戸の町に生きる人々の暮らしや心情が丁寧に描かれているのが特徴です。新八の粋な活躍と、彼を取り巻く人々との温かい交流が、物語に深みを与えています。

3位『鏨師』

『鏨師（たがねし）』は、1959年に発表された平岩弓枝の初期の代表作です。この作品で、平岩弓枝は第41回直木賞を受賞しました。当時27歳での受賞は、戦後史上最年少記録として大きな注目を集めました。

物語は、江戸の職人である鏨師の世界を舞台に、そこに生きる人々の人間模様を描いています。若手作家ながら、その巧みな話術と構成力は選考委員からも高く評価されました。女性らしい繊細さだけでなく、力強く骨太な物語が読者を引きつけます。平岩弓枝の原点ともいえるこの作品は、その後の多彩な作家活動の礎となった一冊です。

4位『花影の花』

『花影の花』は、1991年に第25回吉川英治文学賞を受賞した平岩弓枝の歴史小説です。この作品は、元禄時代を背景に、「忠臣蔵」で知られる大石内蔵助の妻・りくの生涯を描いています。

主人公は、赤穂藩家老・大石内蔵助の妻であり、討ち入りの後もその遺児と共に“忠臣の妻”として気高く生きた女性、りくです。華やかな世界の裏側にある、女性たちの愛憎や葛藤、そして運命に翻弄されながらも強く生きる姿が、緻密な歴史描写とともに描かれています。歴史の大きな流れの中で、個人の想いがどのように交錯していくのか、そのドラマティックな展開に引き込まれる作品です。

5位『肝っ玉かあさん』

『肝っ玉かあさん』は、平岩弓枝が脚本を手がけ、1968年から1972年にかけて放送された大人気テレビドラマです。その人気を受け、平岩弓枝自身が同じテーマで書き下ろした小説版も刊行されています。東京・原宿のそば屋を舞台に、三人の息子を育てるたくましい母親の姿を描いたホームドラマとして、お茶の間で絶大な人気を博しました。

小説版では、ドラマで描かれた人情味あふれる世界観はそのままに、登場人物たちの心情がより深く掘り下げられています。下町の人々の温かい交流や、家族の絆の大切さが、いきいきとした筆致で描かれています。笑いあり涙ありの物語は、読む人の心を温かくしてくれるでしょう。

6位『日本のおんな』

『日本のおんな』は、平岩弓枝が得意とする、日本の歴史の中でたくましく生きた女性たちを描いた作品集です。さまざまな時代の、異なる境遇に置かれた女性たちが主人公となり、それぞれの人生がオムニバス形式で語られます。

歴史に名を残した著名な女性から、名もなき庶民の女性まで、多様な人物が登場するのが特徴です。彼女たちが何を考え、どのように困難を乗り越えて生きたのか。平岩弓枝の温かい眼差しを通して描かれるその姿は、現代に生きる私たちにも多くの勇気と感動を与えてくれます。

7位『女の河』

『女の河』は、平岩弓枝が描く現代を舞台にした小説の一つです。この作品は、ある一家の三代にわたる女性たちの生き様を、大河ドラマのように壮大なスケールで描いています。

時代の移り変わりとともに変化する価値観や社会の中で、彼女たちがどのように愛し、悩み、そして自らの人生を切り拓いていくのかがテーマとなっています。母から娘へ、そして孫へと受け継がれていく想いや葛藤が、繊細かつ力強い筆致で描かれており、多くの女性読者の共感を呼びました。テレビドラマ化もされ、大きな反響を呼んだ作品です。

8位『花のながれ』

『花のながれ』は、日本の伝統文化である華道をテーマにした平岩弓枝の小説です。物語は、由緒ある華道の家元を舞台に、その後継者争いや、芸の道に生きる人々の厳しい世界を描いています。

華やかな世界の裏側にある、嫉妬や確執、そして芸を極めようとする者たちの苦悩や情熱が、緊張感あふれる筆致で描かれています。伝統としきたりの間で揺れ動く登場人物たちの姿を通して、芸の道の厳しさと、それに人生を捧げる人々の美しさを問いかける作品です。

9位『風子』

『風子』は、現代に生きる一人の女性の自立と成長を描いた、平岩弓枝の長編小説です。主人公の風子は、さまざまな困難や出会いを通して、自分らしい生き方を見つけ出していきます。

仕事、恋愛、家族との関係など、現代女性が直面するであろう等身大の悩みがリアルに描かれており、多くの読者が風子の姿に自分を重ね合わせ、共感することでしょう。平岩弓枝の温かい視点が、悩みながらも前を向いて進もうとする主人公を優しく包み込み、読後には爽やかな感動が残る作品です。

10位『若い真珠』

『若い真珠』は、平岩弓枝が若者向けに執筆したジュニア小説の一つです。思春期の少女たちの揺れ動く心情や、友情、初恋などを瑞々しい感性で描いています。

物語は、真珠の養殖が盛んな海辺の町を舞台に、そこで暮らす少女たちのひと夏の経験を描いた青春ストーリーです。平岩作品の特徴である丁寧な人物描写と、心温まるストーリー展開は、ジュニア小説においても健在。大人が読んでも、かつての甘酸っぱい記憶が蘇るような、ノスタルジックな魅力にあふれた作品です。

11位『平安妖異伝』

『平安妖異伝』は、平岩弓枝が平安時代を舞台に描いた、伝奇ミステリーの要素を持つ異色の作品です。主人公は、実在の歌人であり、六歌仙の一人としても知られる小野篁（おののたかむら）。

昼は朝廷に仕える役人でありながら、夜は冥界と行き来して閻魔大王のもとで裁判官を務めていたという伝説を持つ篁が、都で起こる不可解な事件の謎を解き明かしていきます。史実とフィクションが巧みに織り交ぜられ、雅やかな平安の都の裏側で渦巻く、人間の業や怨念が描かれています。平岩弓枝の新たな一面が垣間見える、スリリングな一冊です。

12位『春の砂漠』

『春の砂漠』は、戦国時代から江戸時代初期にかけての激動の時代を、一人の女性の視点から描いた壮大な歴史小説です。この作品もテレビドラマ化され、大きな話題を呼びました。

権力者たちの間で翻弄されながらも、愛と信念を貫き、たくましく生き抜いたその女性の生涯が、感動的に描かれています。歴史の大きなうねりの中で、女性がどのように生き、何を考えたのかを深く問いかける重厚な作品です。

13位『お伊勢まいり 新・御宿かわせみ』

『お伊勢まいり』は、大人気シリーズ『御宿かわせみ』の続編にあたる「新・御宿かわせみ」シリーズの一作です。物語の舞台は、江戸から明治へと移り、かつての登場人物たちも新たな時代を生きています。

この作品では、主人公のるいや東吾たちが、江戸時代に庶民の憧れであった「お伊勢まいり」の旅に出ます。道中で起こる新たな事件や人々との出会いが、旅情豊かに描かれています。時代が変わっても変わらない人々の温かさや絆が感じられる、ファンにはたまらない一冊です。前シリーズを読んだ方はもちろん、ここから読み始めても楽しめる作品となっています。

14位『十三歳の仲人』

『十三歳の仲人』は、平岩弓枝が描く、心温まる人情時代小説の短編集です。表題作となっている「十三歳の仲人」は、まだ若い少女が、とある男女の縁結びのために奔走する、微笑ましい物語です。

この作品集には、江戸の町に生きる庶民たちの、ささやかな日常の中にある喜びや悲しみが、平岩弓枝ならではの優しい筆致で描かれています。派手な事件は起こりませんが、登場人物一人ひとりの心情が丁寧にすくい取られており、読後にはじんわりと心が温かくなるような感動があります。平岩作品の魅力である「人情」を存分に味わえる一冊です。

15位『魚の棲む城』

『魚の棲む城』は、戦国時代を舞台にした歴史小説です。この作品は、備中高松城の水攻めという、日本の歴史上でも有名な出来事を題材にしています。

物語は、豊臣秀吉の軍師・黒田官兵衛の奇策によって水の中に沈むことになった高松城と、その城主である清水宗治の悲劇を描いています。籠城する人々の葛藤や、武将たちの駆け引きが、緊迫感あふれる筆致で描かれています。歴史の非情さと、その中で己の義を貫こうとする武士の生き様を問いかける、重厚な一作です。

16位『花ホテル』

『花ホテル』は、明治時代の横浜を舞台にした、ロマンあふれる現代小説です。当時の異国情緒豊かな港町で、ホテルを経営する一家の物語が描かれています。

西洋文化が流れ込み、日本が大きく変わろうとしていた時代。その中で生きる人々の夢や希望、そして新しい時代への戸惑いが、鮮やかに描き出されています。登場人物たちが織りなす恋愛模様や、ホテルで起こる様々な出来事を通して、明治という時代の光と影を映し出した作品です。

17位『獅子の座』

『獅子の座』は、日本の伝統芸能である歌舞伎の世界を舞台にした小説です。梨園（りえん）と呼ばれる、歌舞伎役者の一門に生きる人々の愛憎と芸の道を、深く描いています。

物語は、名門の跡継ぎとして生まれた役者と、才能がありながらも血筋に恵まれない役者、二人の宿命的なライバル関係を軸に進みます。華やかな舞台の裏にある厳しい稽古や、複雑なしきたり、そして芸に人生を捧げる者たちの壮絶な生き様が、臨場感たっぷりに描かれています。歌舞伎の知識がなくても、その人間ドラマに引き込まれること間違いなしの一作です。

18位『風よ ヴェトナム』

『風よ ヴェトナム』は、平岩弓枝の作品の中でも異色の、ベトナム戦争をテーマにした社会派小説です。物語は、戦争に翻弄されるベトナムの家族と、取材で現地を訪れた日本人ジャーナリストの視点から描かれます。

戦争の悲惨さや、そこで生きる人々の苦しみ、そして国境を越えた人間愛が、力強いメッセージとともに綴られています。人情時代小説のイメージが強い平岩弓枝ですが、本作では社会問題に対する鋭い洞察力と、平和への強い願いが示されています。作家としての幅広さを感じさせる、読み応えのある一冊です。

おわりに：あなたにぴったりの平岩弓枝作品を見つけよう

ここまで、平岩弓枝のおすすめ小説をランキング形式でご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。江戸の情緒あふれる人情話から、壮大な歴史ロマン、そして現代を生きる女性の物語まで、その作風は実に多彩です。

もし、どの作品から読もうか迷ったら、まずは代表作の『御宿かわせみ』シリーズから手に取ってみるのがおすすめです。また、心温まるホームドラマが好きなら『肝っ玉かあさん』、歴史の裏側を覗きたいなら『花影の花』も良いでしょう。あなたの心に響く一冊を見つけて、平岩弓枝が紡ぐ物語の世界をぜひ旅してみてください。