皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
藤野可織(ふじの かおり)さんは、1980年生まれの京都府京都市出身の小説家です。 2006年に「いやしい鳥」で文學界新人賞を受賞してデビューし、2013年には『爪と目』で第149回芥川龍之介賞を受賞しました。
藤野さんの作品の魅力は、何気ない日常風景に潜む人間の心の歪みや狂気を、巧みな語り口で描き出す点にあります。 ポップさと批評性、クールさと幻想性が混ざり合った独特の世界観は、読者に「どきっとする読み心地」を与えてくれます。 芥川賞を受賞した『爪と目』では、3歳の子どもを語り手にするという斬新な手法で家族の不穏な関係をあぶり出し、多くの読者や選考委員に衝撃を与えました。 日常が少しずつずれていくような、美しくも恐ろしい藤野可織さんの世界に、あなたも触れてみませんか?
ここからは、藤野可織さんのおすすめ小説をランキング形式で9作品ご紹介します。
芥川賞を受賞した代表作から、奇想天外な設定が光る短編集、スリルあふれる冒険譚まで、さまざまなタイプの作品がランクインしました。藤野作品の「へんてこでファニー、そしてクレバー」な魅力を存分に味わえるラインナップです。 あなたのお気に入りの一冊がきっと見つかるはず。ぜひ、本選びの参考にしてみてください。
藤野可織さんの名を世に知らしめた、第149回芥川龍之介賞受賞作です。 物語は、母を亡くした3歳の「わたし」の視点から、父の再婚相手である「あなた」との不穏な関係を描き出します。
この作品の最大の特徴は、幼い子どもの無垢な視点と二人称「あなた」で語られる独特の文体です。 淡々とした語り口が、かえって日常に潜む狂気と恐怖を増幅させ、読者をじわじわと追い詰めていきます。美しい文章でつづられる純文学的ホラーの傑作であり、藤野可織作品の入門書としてもまず手に取ってほしい一冊です。
本作における無機質なまでのシンプルな語り口からは作者の覚悟をひしひしと感じざるを得ない。
緩やかに滅びゆく世界を舞台に、二人の少女ピエタとトランジの冒険を描いた長編小説です。行く先々で起こる奇妙な事件を解決しながら旅を続ける二人の姿は、どこかユーモラスでありながらも切なさを感じさせます。
シスターフッド(女性同士の絆)とミステリーが融合した物語は、多くの読者から熱い支持を集めました。破滅的な世界観の中でたくましく生きる少女たちの姿を通して、生と死、そして女性であることの意味を問いかける壮大な一冊です。第37回織田作之助賞の候補にもなりました。
わたし、こういうガールミーツガールな物語が大好きなんだ。世界の終わりも、二人と一緒なら怖くないかも!
誰かに「おはなし」をしないと体が腐ってしまう、特異体質のOL「子ちゃん」を主人公にした表題作を含む短編集です。
コミュニケーションの奇妙さや不条理さを、ブラックユーモアを交えて描いています。 「おはなし」の内容は次第にエスカレートし、物語は予測不能な方向へ。ほかにも、奇妙な設定の作品が多数収録されており、藤野可織さんらしいシュールで毒のある世界観を存分に楽しめます。可愛らしいタイトルと装丁に油断していると、そのギャップに驚かされること間違いなしの一冊です。
おはなししないと体が腐るなんて…。わたしがおしゃべりなのは、もしかして本能的な防御反応だったのかな?
ホラー映画で殺人鬼に追われながらも、最後まで生き残る女性「ファイナルガール」をテーマにした7つの短編集です。
ゾンビや殺人鬼など、さまざまな恐怖に立ち向かう少女たちの運命が描かれています。ホラー映画の「あるある」ネタを巧みに取り入れつつ、文学作品として昇華させているのが特徴です。スプラッターな描写もありますが、それ以上に極限状況に置かれた人間の心理が巧みに描かれており、ホラーファンならずとも引き込まれる魅力があります。
ホラー映画における「ファイナルガール」という概念に着目し、それを文学の俎上に載せた本作の試みは極めて野心的と言える。
「ドレス」をモチーフに、奇妙で美しい8つの物語が収められた短編集です。収録作を含む短編集『ドレス』は、第8回Twitter文学賞の国内編で10位にランクインしました。
人間の女性に化けた狐がドレスを探す話、チョウチンアンコウの奇妙な生態に着想を得た話など、幻想的でありながらどこかグロテスクな雰囲気が漂います。身体やジェンダー、変身といったテーマが、藤野さんならではの独創的なイマジネーションで描かれています。ページをめくるたびに、美しくも妖しい物語の世界に魅了されるでしょう。
どの話も不思議でちょっと怖いけど、すごく綺麗なんだ。わたしも物語に合わせたドレスを着てみたいな。
2006年に第103回文學界新人賞を受賞した、藤野可織さんのデビュー作です。 恋人の部屋で飼われることになった、人間の言葉を話す奇妙な鳥。その鳥をめぐって、男女の隠された感情が静かに狂気を帯びていく様子を描いています。
デビュー作ながら、その後の作品にも通じる閉塞感や不穏な空気、そして巧みな心理描写が際立っています。日常に潜む異質なものが、いかに人の心を蝕んでいくか。藤野文学の原点ともいえる本作は、その才能のきらめきをはっきりと感じさせてくれます。
デビュー作でこの完成度はすごいよね。ここからあのたくさんの物語が生まれたんだって思うと、感慨深いなあ。
大学進学を機に同居を始めた妹が、姉である「私」を徹底的に無視し続ける。そんな奇妙な共同生活を描いた表題作を含む中編集です。
この作品の魅力は、巧みな語りのトリックにあります。 読み進めるうちに、読者は語り手である「私」の認識が歪んでいることに気づかされ、物語の様相は一変します。姉妹という身近な関係に潜む断絶と狂気を描き出した、優れた心理ホラーです。じわじわと精神を揺さぶられるような読書体験をしたい方におすすめです。
信じてた語り手に裏切られるこの感じ…!一体何が本当なの?って、ページをめくる手が止まらなくなっちゃうよ。
「怪談実話集」と銘打たれていますが、一筋縄ではいかないのが藤野可織作品。タイトル通り、作者は幽霊を「見ない」ため、収録されているのは決定的な心霊現象が起こらない、少し不思議な話ばかりです。
幽霊は出てこないのに、なぜか背筋がぞくりとする。そんな日常の隙間に存在する「気配」のような恐怖を巧みに切り取っています。はっきりとした怖さよりも、奇妙でユーモラスな味わいのある怪談が好きな人にぴったりの一冊。読後は、普段の生活の風景が少しだけ違って見えるかもしれません。
怖くない怪談って新しいよね。でも、はっきり見えない方が想像力が働いて、逆に怖いのかも…?
ごく普通の女子高生・青木きららの日常に起こる、「ちょっとした冒険」を描く連作短編集です。これまでの作品に比べるとポップで軽やかな読み味が特徴ですが、そこは藤野可織さん。物語の随所に、ピリリと効いた毒やブラックな視点が隠されています。
思春期の少女の揺れ動く心と、非日常的な出来事が絶妙に混ざり合い、唯一無二の世界観を生み出しています。藤野作品のダークな面は少し怖いと感じる方でも、この作品からなら入りやすいかもしれません。きららの冒険を追いかけるうちに、あなたもきっと藤野ワールドの虜になるはずです。
女子高生の日常って、それだけでもう冒険だよね!きららちゃんのちょっとした冒険、わたしも一緒に体験したいな!
ここまで9作品を紹介してきましたが、気になる一冊は見つかりましたか?最後に、あなたの好みに合わせておすすめの作品をまとめました。
藤野可織さんの小説は、一度読むと癖になる不思議な魅力を持っています。ぜひこのランキングを参考に、日常と非日常の境界線が揺らぐ、唯一無二の読書体験をお楽しみください。