皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
最近、文学界で大きな注目を集めている作家、松永K三蔵(まつなが・けー・さんぞう)さんをご存知ですか? 1980年生まれ、茨城県出身の小説家です。 会社員として働きながら執筆活動を続け、2024年に『バリ山行』で第171回芥川賞を受賞した、今最も勢いのある作家の一人です。
2021年に『カメオ』で第64回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビューしました。 会社員としての経験を活かし、現代社会で働く人々の心情や、日常に潜む不条理さを独特のユーモアを交えて描くことに定評があります。 その作品は「オモロイ純文学」とも評され、多くの読者を惹きつけています。
「松永K三蔵の小説を読んでみたいけど、どれから手をつければいいの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。 現在刊行されている単行本はまだ多くありませんが、どれも個性的で読み応えがあります。
そこで今回は、小説専門メディア『小説ヨミタイ』が、今読むべき松永K三蔵のおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。純文学の傑作からエンタメ色の強い作品まで、彼の魅力に迫ります。
堂々の1位は、第171回芥川賞を受賞した『バリ山行』です。 松永K三蔵の名を世に知らしめた、まさに代表作と言える一冊です。芥川賞の長い歴史の中でも、山岳小説が受賞するのは初めての快挙としても話題になりました。
物語の主人公は、会社の付き合いで登山を始めた会社員の波多。 職場で変人扱いされているベテラン社員・妻鹿が、登山道ではない難ルート「バリエーションルート」を歩いていることを知り、次第にその危険な魅力に惹かれていきます。 会社の人間関係や人生を登山に重ね合わせ、圧倒的なリアリティで描く純文学山岳小説です。
読者からは「登山の趣味はないけど読まずにいられない」「文章のリズムが素晴らしかった」といった声が寄せられており、多くの人を惹きつける物語の力を持った作品です。
本作における無機質なまでのシンプルな語り口からは作者の覚悟をひしひしと感じざるを得ない。人間の内なる狂気が外部の環境によっていかに容易く引きずり出されるか、その過程の描写は圧巻である。
続いて2位にランクインしたのは、2021年に群像新人文学賞優秀作を受賞したデビュー作『カメオ』です。 『バリ山行』とはガラリと雰囲気が変わり、エンタメ小説としての面白さが詰まった一冊となっています。
主人公は神戸の物流倉庫に勤める会社員。 新倉庫建設を任されますが、隣人の男からのクレーム対応に追われるなど、理不尽な出来事に巻き込まれていきます。 サラリーマンの悲哀が滲む日常を、不条理な可笑しみにあふれた筆致で描いた作品です。
読者からは「3作の中で一番面白く読んだ」「ページをめくる手が止まらない」といった感想が寄せられており、そのエンターテイメント性の高さがうかがえます。 松永K三蔵さんの「オモロイ純文」の原点ともいえる作品です。
重厚なテーマの『バリ山行』とは違って、こっちはサクッと読めるのが良いよね。ただ面白いだけじゃなく、人間の見栄とか承認欲求とか、チクリと刺さる部分もあるんだよ。
ここまで2作品を紹介してきましたが、「結局、自分はどっちから読めばいいの?」と迷う方もいるかもしれません。作風が異なる2作品だからこそ、選び方のポイントを知っておくと、より楽しめるはずです。
選び方のポイントは非常にシンプルです。
純文学の重厚な世界観に浸りたい気分なら『バリ山行』を、気軽にページをめくる楽しさを味わいたいなら『カメオ』を選ぶのがおすすめです。もちろん、両方読んで作風の違いを味わうのも最高の読書体験になりますよ。
今回は、芥川賞作家・松永K三蔵さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介しました。
圧倒的な描写力で描かれる純文学山岳小説『バリ山行』と、不条理なユーモアが光るエンタメ小説『カメオ』。 どちらも彼の非凡な才能を感じさせる作品です。
インタビューでは「本当に自分が書きたいものを自分の言葉で書くことが大切」と語る松永K三蔵さん。 これから文学界を牽引していくこと間違いなしの作家です。ぜひこの機会に、松永K三蔵の世界に触れてみてはいかがでしょうか。