皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。

皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
目取真俊(めどるま しゅん)は、1960年生まれ、沖縄県今帰仁村出身の小説家です。琉球大学を卒業後、高校の国語教師などを務めながら執筆活動を続け、2003年からは作家活動に専念しています。1997年に『水滴』で第117回芥川龍之介賞を受賞したことで、その名が広く知られることになりました。
目取真俊の作品のほとんどは、沖縄の自然や風土、そして沖縄戦の記憶や基地問題といった歴史的・社会的なテーマに根ざしています。戦争で心に傷を負った人々の姿を、沖縄ならではの風習や信仰を織り交ぜながら、幻想的でありながらも生々しいリアリティをもって描き出すのが特徴です。その独特な世界観と、沖縄という土地に深く根差した物語は、多くの読者を惹きつけています。
沖縄の魂を描き続ける芥川賞作家、目取真俊。彼の作品は、沖縄戦の記憶や、今なお続く基地問題など、沖縄が抱える痛みを真正面から描き出し、読む人の心を強く揺さぶります。
今回は、そんな目取真俊の数ある名作の中から、特におすすめしたい小説をランキング形式で7作品ご紹介します。デビュー作から近年の作品まで、彼の文学の核心に触れることができるラインナップです。この記事を読めば、どの作品から読めばいいか、きっと見つかるはずです。さあ、目取真俊が紡ぐ、深く濃密な沖縄の物語へ旅立ちましょう。
『水滴』は、1997年に第117回芥川賞を受賞した目取真俊の代表作です。物語は、主人公・徳正の右足がある日突然冬瓜のように腫れ上がり、指先から水滴がしたたり落ちるようになるという奇妙な出来事から始まります。
夜ごと、その水を求めて沖縄戦で亡くなった戦友たちの霊が現れるようになり、徳正は封印していた戦争の記憶と向き合わざるを得なくなります。沖縄戦の悲惨な記憶という重い主題を扱いながらも、ユーモラスな描写を交えて寓話的な物語として昇華させている点が高く評価されました。目取真俊文学の入り口として、まず読んでおきたい一冊です。
| 受賞歴 | 第117回芥川龍之介賞、第27回九州芸術祭文学賞 |
|---|---|
| 発表年 | 1997年 |
| ジャンル | 純文学、戦争文学 |
ふくちい足から滴る水が、戦争で亡くなった戦友の記憶に繋がるなんて…。この発想には、わたしも動揺しちゃったよ。


『魂込め(まぶいぐみ)』は、2000年に川端康成文学賞と木山捷平文学賞をダブル受賞した短編集です。表題作「魂込め」をはじめ、沖縄の風習や信仰が色濃く反映された作品が収められています。
沖縄では、強い衝撃を受けたりすると魂が体から抜け落ちてしまう(マブイを落とす)と考えられており、「魂込め(まぶいぐみ)」はそれを呼び戻す儀式のことです。物語は、沖縄戦の記憶を抱えながら生きる人々の姿を通して、失われた魂の行方を描いています。目取真作品の中でも、特に沖縄の精神世界に深く触れることができる一冊として人気です。
| 受賞歴 | 第26回川端康成文学賞、第4回木山捷平文学賞 |
|---|---|
| 発表年 | 1999年 |
| ジャンル | 純文学、短編集 |



魂が体から抜け落ちる『マブイ』っていう考え方がすごく興味深いな。魂を呼び戻す儀式、神秘的で惹かれちゃうよ。


『虹の鳥』は、目取真俊には珍しい長編小説です。この作品は、在日米軍や沖縄の暴力団に関わる若者たちの姿を描いています。これまでの作品で描かれてきた沖縄戦の記憶といった過去の問題だけでなく、現代の沖縄が抱える社会の歪みや若者たちの生きづらさに焦点を当てています。
沖縄の過酷な現実の中で、もがきながらも生きようとする登場人物たちの姿が鮮烈に描かれています。社会派なテーマを扱いながらも、エンターテイメント性も兼ね備えた作品で、目取真俊の新たな一面を知ることができます。
| 発表年 | 2006年 |
|---|---|
| ジャンル | 純文学、長編小説 |



長編だから、じっくり物語の世界に浸れるのがいいよね。現代の沖縄がテーマっていうのも、深く考えさせられるなあ。


『眼の奥の森』は、季刊誌『前夜』で連載されていた短編をまとめた作品集です。この作品の特徴は、沖縄語(うちなーぐち)を積極的に用いた表現に挑戦している点です。これにより、物語の舞台である沖縄の空気感がより一層色濃く描き出されています。
沖縄戦の記憶や、土地に根付く信仰、人々の生活などが、独特の言語感覚で紡がれていきます。沖縄の文化や言葉に興味がある読者にとっては、特に魅力的に感じられる一冊でしょう。目取真文学の深化を感じさせる意欲作です。
| 発表年 | 2009年 |
|---|---|
| ジャンル | 純文学、短編連作 |



物語と一緒に沖縄の言葉『うちなーぐち』も感じられるなんて最高!なんだか得した気分になっちゃうよ。


『風音』は、2004年に目取真俊自身が脚本を手がけ、東陽一監督によって映画化されたことでも知られる作品です。映画はモントリオール世界映画祭でイノベーション賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を受けました。
物語は、夫の暴力から逃れ、息子を連れて故郷の沖縄に戻ってきた女性を中心に、戦争の記憶が現代に与える影響を描いています。戦争がもたらした癒えることのない痛みを、沖縄の美しい自然描写と対比させながら静かに、しかし力強く描き出しています。小説と映画、両方で楽しむことで、より深く物語の世界を味わうことができるでしょう。
| 発表年 | 2004年 |
|---|---|
| 特記事項 | 著者自身による脚本で映画化 |
| ジャンル | 純文学 |



自分で書いた小説の脚本まで手がけるなんてすごい!映画も観て、物語の世界をもっと深く味わいたいな。


『魚群記』は、1983年に第11回琉球新報短編小説賞を受賞した、目取真俊のデビュー作です。
後の作品で繰り返し描かれることになる沖縄の歴史や社会問題といったテーマの萌芽が、この初期作品にも見られます。作家・目取真俊の原点ともいえる一冊であり、彼の才能のきらめきを鮮烈に感じることができます。初期の作品ながら、完成度の高い物語として評価されています。
| 受賞歴 | 第11回琉球新報短編小説賞 |
|---|---|
| 発表年 | 1983年 |
| ジャンル | 純文学、短編小説 |



デビュー作って作家さんの原点って感じがしてワクワクするよね。ここからあの濃密な物語が始まったんだなあ。


『面影と連れて』は、2013年に刊行された『目取真俊短篇小説選集』の第3巻に収録されている作品です。この選集は、単行本未収録作品も多く含んでおり、目取真俊の仕事をまとめて知る上で貴重なシリーズとなっています。
この作品集に収められた短編でも、沖縄戦の記憶や現代の基地問題など、目取真が一貫して描き続けてきたテーマが色濃く反映されています。過去と現在が交錯する沖縄の日常を、幻想的な筆致で描き出す手腕は健在です。彼の文学の変遷と深化をたどることができる一冊です。
| 発表年 | 2013年(選集として) |
|---|---|
| ジャンル | 純文学、短編集 |



選集で作家さんの変化をたどるのも、読書の楽しみ方のひとつだよね。未収録作品が読めるのも嬉しいな。
芥川賞作家・目取真俊のおすすめ小説をランキング形式でご紹介しました。彼の作品は、沖縄戦の記憶という重いテーマを扱いながらも、沖縄の豊かな自然や文化、そして人々の力強い生命力を描き出し、私たちを強く惹きつけます。
ファンタジックな要素を取り入れた独特の作風は、時に難解に感じられるかもしれませんが、その奥には沖縄の痛みと魂の叫びが込められています。今回ご紹介したランキングを参考に、ぜひ気になる一冊を手に取ってみてください。目取真俊の小説は、あなたを沖縄文学の深く豊かな世界へ誘ってくれるはずです。