【2025年最新】津本陽のおすすめ小説ランキングTOP20

津本陽の小説世界へようこそ！その魅力と生涯に迫る

歴史の荒波を駆け抜けた男たちの生き様を、骨太な筆致で描き続けた作家、津本陽。 会社員生活を経て作家を志し、1978年に紀州の古式捕鯨を題材にした『深重の海』で第79回直木賞を受賞しました。 この時、実に49歳。遅咲きのデビューながら、その後、織田信長を描いた『下天は夢か』がベストセラーとなるなど、数々の傑作を世に送り出します。

津本作品の魅力は、なんといっても膨大な資料に基づく徹底したリアリズムにあります。 情緒を排した簡潔で重厚な文体で、歴史上の人物の葛藤や決断を生々しく描き出します。 また、自身も剣道三段、抜刀道五段という武道の達人であり、その知見を活かした剣豪小説における迫真の殺陣描写は、他の追随を許しません。 2018年に89歳で亡くなるまで、精力的に執筆活動を続けた津本陽。 その作品群は、今なお多くの読者を魅了し続けています。

津本陽のおすすめ小説人気ランキングTOP20

さあ、ここからは『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、津本陽のおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。戦国武将から幕末の志士、剣豪、経済人まで、多岐にわたるテーマの作品がランクインしました。

あなたにとっての特別な一冊が、この中にきっとあるはず。歴史のロマンあふれる津本陽の世界を、心ゆくまでお楽しみください。

1位『下天は夢か』

堂々の1位は、織田信長の生涯を描いた不朽の名作『下天は夢か』です。 従来の「魔王」的なイメージとは一線を画し、信長の革新性や孤独、そして人間的な魅力を多面的に描き出したことで、歴史小説の新たな地平を切り開きました。

津本陽の代名詞ともいえる作品で、その人気は今なお衰えることを知りません。 膨大な史料を駆使して構築された物語は、まるで信長と共に天下統一への道を駆け抜けているかのような臨場感に満ちています。歴史小説ファンならずとも、一度は読んでおきたい傑作です。

2位『小説 渋沢栄一』

2位にランクインしたのは、近代日本の礎を築いた実業家・渋沢栄一の生涯を描いた『小説 渋沢栄一』です。幕末の動乱期から明治、大正、昭和へと至る激動の時代を、栄一がいかにして生き抜き、日本の資本主義を育て上げたのかを壮大なスケールで描いています。

農民の身から幕臣へ、そして実業家へと転身を遂げた栄一の波乱万丈の人生は、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれます。経済小説の面白さと、歴史小説のダイナミズムを同時に味わえる一冊です。

3位『深重の海』

津本陽の名を世に知らしめた、記念すべき直木賞受賞作『深重の海』が3位です。 舞台は文明開化の波が押し寄せる紀州・太地。 古式捕鯨に生きる海の男たちの、自然との過酷な闘いと、時代の変化の中で失われていく伝統の姿を克明に描き出しています。

作者の故郷でもある和歌山を舞台にしており、その土地への深い愛情と、滅びゆくものへの哀惜の念が胸を打ちます。 津本陽の原点ともいえる作品であり、その重厚な物語は読む者の魂を揺さぶります。

4位『椿と花水木 万次郎の生涯』

4位は、日本人として初めてアメリカの地を踏んだジョン万次郎の数奇な運命を描いた『椿と花水木 万次郎の生涯』です。漁の最中に遭難し、アメリカの捕鯨船に救助された万次郎が、言葉も文化も違う異国の地でいかにして生き抜き、やがて日本の開国に貢献していくのかを描いた壮大な物語です。

万次郎の不屈の精神と、彼を取り巻く人々との交流が感動的に描かれています。幕末という時代の大きなうねりの中で、懸命に生きた一人の男の姿は、私たちに勇気を与えてくれるでしょう。

5位『塚原卜伝十二番勝負』

剣豪小説の第一人者である津本陽の真骨頂ともいえる作品、『塚原卜伝十二番勝負』が5位にランクイン。 戦国時代に「剣聖」と謳われた塚原卜伝が、生涯にわたって繰り広げた数々の真剣勝負を描いた連作短編集です。

津本陽自身の武道への深い造詣が遺憾なく発揮されており、一瞬の隙が死に直結する剣士たちの緊迫した心理描写や、技の応酬の描写は圧巻の一言。 剣の道を極めようとする男たちの、孤高の生き様に痺れること間違いなしの一冊です。

6位『薩南示現流』

6位は、幕末の薩摩藩に伝わる必殺の剣「示現流」をテーマにした『薩南示現流』です。 東郷重位を流祖とするこの剣術が、いかにして生まれ、受け継がれていったのかを、薩摩藩士たちの熱い生き様と共に描いています。

「一の太刀を疑わず、二の太刀は負け」という示現流の苛烈な精神が、作品全体を貫いています。幕末の動乱期、薩摩隼人たちがその剣に何を託し、何のために戦ったのか。歴史の裏側に秘められた、剣士たちの魂の物語です。

7位『夢のまた夢』

7位には、武田信玄、勝頼、そして豊臣秀吉の三代にわたる興亡を描いた大河歴史小説『夢のまた夢』がランクイン。この作品で津本陽は1995年に吉川英治文学賞を受賞しています。

戦国最強と謳われた武田騎馬軍団の栄光と没落、そして天下統一を成し遂げた秀吉の野望と苦悩が、壮大なスケールで描かれています。歴史の非情さと、その中で懸命に生きる人間たちの姿が深く胸に刻まれる、読み応え抜群の作品です。

8位『乾坤の夢』

8位は、天下泰平の世を築いた徳川家康の生涯を描く『乾坤の夢』です。幼少期の人質時代から、数々の苦難を乗り越え、関ヶ原の戦いを経て天下人へと上り詰めるまで、家康の長く粘り強い人生を丁寧に描き出しています。

派手さはないものの、着実に天下統一への布石を打っていく家康の姿は、まさに「鳴くまで待とうホトトギス」。組織のリーダーとはどうあるべきか、人生における忍耐とは何かを考えさせられる、示唆に富んだ一作です。

9位『龍馬』

幕末の風雲児・坂本龍馬の鮮烈な生涯を描いた『龍馬』が9位にランクイン。多くの作家が描いてきた坂本龍馬ですが、津本作品では特に、その型破りな発想力と行動力、そして人間的な魅力に焦点が当てられています。

土佐の郷士の次男坊にすぎなかった龍馬が、いかにして時代を動かす存在になったのか。その短い生涯を、疾風のごとく駆け抜けた男の姿が生き生きと描かれています。幕末の息吹を肌で感じられるような、躍動感あふれる作品です。

10位『新選組烈士伝』

10位は、幕末の京都でその名を轟かせた「新選組」の隊士たちの生き様を描いた『新選組烈士伝』です。近藤勇や土方歳三といった主要人物だけでなく、沖田総司や斎藤一など、個性豊かな隊士たちの視点から物語が紡がれる連作短編集となっています。

「誠」の旗の下に集い、時代の流れに抗いながらも、自らの信念を貫き通した男たち。その純粋さと、裏腹の悲劇性が胸を打ちます。新選組ファンはもちろん、彼らのことをあまり知らないという人にもぜひ読んでほしい一冊です。

11位『宇喜多秀家 備前物語』

11位は、豊臣五大老の一人でありながら、関ヶ原の戦いで敗将となり、八丈島へ流された武将・宇喜多秀家の波乱の生涯を描いた『宇喜多秀家』です。

若くして備前57万石の大名となり、秀吉から厚い信頼を得た栄光の前半生から、流人として八丈島で生涯を終えるまでの転落の人生。その過酷な運命の中でも誇りを失わなかった秀家の姿を、津本陽は丹念に描き出しています。歴史の敗者に光を当てた、味わい深い作品です。

12位『異形の将軍 田中角栄の生涯』

12位には、戦後の日本を代表する政治家・田中角栄の生涯を追ったノンフィクション・ノベル『異形の将軍 田中角栄の生涯』がランクイン。「今太閤」と呼ばれ、毀誉褒貶の激しいその人生を、津本陽は膨大な取材をもとに描き切りました。

貧しい農家の生まれから総理大臣にまで上り詰めたその類まれな実行力と、金権政治と批判された影の部分。善悪では割り切れない、田中角栄という人間の巨大なスケールと業の深さを感じさせる一作です。

13位『生を踏んで恐れず』

13位は、津本作品の中でも異色の現代ヤクザ小説『生を踏んで恐れず』です。戦後の混乱期から現代に至るまで、裏社会でのし上がっていく一人の男の生き様をハードボイルドに描いています。

歴史小説で知られる津本陽ですが、現代を舞台にした作品でもその筆力は健在。仁義や裏切りが渦巻く世界で、己の力だけを頼りに生きる男の姿は、時代は違えど、津本が一貫して描いてきた「男の生き様」そのものです。

14位『真田忍侠記』

14位は、大坂の陣で活躍した真田幸村と、彼を支えた忍者たちの戦いを描く『真田忍侠記』です。真田十勇士の伝説でも知られるように、真田と忍者の関係は深く、本作ではその諜報戦や破壊工作といった闇の戦いがスリリングに描かれています。

徳川の大軍を相手に、知略と忍術を駆使して戦う幸村と忍者たち。歴史の表舞台だけでなく、その裏側で繰り広げられた死闘に、興奮すること間違いなしのエンターテインメント作品です。

15位『最後の相場師』

15位は、昭和の株式市場で「最後の相場師」と呼ばれた是川銀蔵の生涯を描いた経済小説『最後の相場師』です。小学校卒業という学歴ながら、独学で経済を学び、株で巨万の富を築いた是川の波乱万丈の人生を追っています。

「人の行く裏に道あり花の山」を信条に、独自の哲学で相場を張り続けた男の物語は、単なるマネーゲームの話にとどまりません。経済の本質とは何か、そして富とは何かを問いかける、深い洞察に満ちた一冊です。

16位『明治撃剣会』

16位には、剣豪小説に新境地を開いたと評される『明治撃剣会』がランクインしました。 舞台は、武士の時代が終わりを告げた明治初期。刀を捨て、生きる道を失った剣士たちが、プライドを賭けて撃剣興行の舞台に上がる姿を描いています。

時代の変化に取り残された男たちの哀愁と、それでもなお剣に生きることをやめられない彼らの矜持が胸を打ちます。新しい時代の中で、剣士たちがいかにしてその魂を燃やし続けたのか。感動的な物語です。

17位『楠木正成』

17位は、南北朝時代の武将・楠木正成の生涯を描いた『楠木正成』です。「智・仁・勇」を兼ね備えた名将として知られ、後醍醐天皇に忠義を尽くした正成の生き様を、津本陽は共感を込めて描いています。

圧倒的に不利な状況でも、知略を尽くして戦い、湊川の戦いで悲劇的な最期を遂げるまで、自らの信念を貫き通した正成の姿は、日本人が古くから持つ「判官贔屓」の心をくすぐります。理想のリーダー像を追い求める人に、ぜひ読んでほしい一冊です。

19位『風の武士』

19位は、幕末を舞台に、架空の主人公・根来孤雲の活躍を描いた『風の武士』です。特定の藩に属さず、風のように自由に生きる孤雲が、時代の動乱の中で様々な事件に遭遇し、その卓越した剣技で解決していく様が痛快に描かれています。

坂本龍馬や高杉晋作といった実在の人物も登場し、史実とフィクションが巧みに織り交ぜられています。組織に縛られず、己の信じる道をゆく主人公の姿は、窮屈な現代を生きる私たちにとって、どこか魅力的に映るかもしれません。

20位『柳生兵庫助』

ランキングの最後を飾るのは、柳生新陰流の達人・柳生兵庫助の生涯を描いた『柳生兵庫助』です。 叔父である柳生宗矩が政治の表舞台で活躍したのとは対照的に、生涯を「一介の兵法者」として、剣の道を極めることに捧げた兵庫助の孤高の生き様を描いています。

宮本武蔵との対比で描かれることも多く、華やかな武蔵に対して、兵庫助はより内省的で、自然と一体化するような剣を目指します。 静かながらも、内に秘めたる闘志を感じさせる、玄人好みの剣豪小説です。

あなたに合う一冊は？津本陽小説の選び方

ここまでランキング形式で20作品をご紹介してきましたが、「どれから読めばいいか迷ってしまう…」という方もいるかもしれません。そんなあなたのために、興味のタイプ別に津本陽小説の選び方をご提案します。

壮大な歴史の流れを体感したいなら【歴史・時代小説】

歴史上の人物の生涯や、大きな時代のうねりを体感したい方には、やはり歴史・時代小説がおすすめです。津本陽の作品は、綿密な時代考証に基づいており、その時代に生きた人々の息遣いまで感じられるようなリアリティが魅力です。

ランキング上位の『下天は夢か』（織田信長）や『乾坤の夢』（徳川家康）のような天下人の物語から、『小説 渋沢栄一』のように近代日本の形成を描いた作品まで、幅広い時代をカバーしています。興味のある時代や人物から選んでみるのが良いでしょう。

剣士たちの生き様に痺れる【剣豪小説】

一瞬の判断が命を分ける、剣士たちのストイックな世界に惹かれるなら、剣豪小説がぴったりです。津本陽は自身も武道家であるため、その描写は他の追随を許さないほどの迫力と緻密さを誇ります。

『塚原卜伝十二番勝負』や『薩南示現流』、『柳生兵庫助』など、実在した剣豪たちの生き様を通して、技だけでなく、その精神性や哲学にまで触れることができます。手に汗握る興奮を味わいたい方におすすめです。

まずはこれから！津本陽入門におすすめの作品

「津本陽作品は初めて」という方には、やはり代表作であり、エンターテインメント性も非常に高い『下天は夢か』がおすすめです。織田信長という誰もが知る英雄を、新たな視点から描いたこの作品は、津本陽の魅力が凝縮されています。

また、一話完結で読みやすい連作短編集『新選組烈士伝』や『明治撃剣会』なども、最初の一冊として手に取りやすいでしょう。まずはこれらの作品で、骨太な津本ワールドの雰囲気を掴んでみてください。

人気の津本陽小説を読んで歴史のロマンに浸ろう

ここまで、津本陽のおすすめ小説をランキング形式でご紹介してきました。気になる作品は見つかりましたでしょうか。

津本陽の小説は、単なる歴史の解説書ではありません。そこには、激動の時代を全力で生き抜いた人間たちの、血の通ったドラマがあります。ページをめくれば、きっとあなたも歴史のロマンの虜になるはずです。

ぜひ、この機会に津本陽の作品を手に取り、壮大な物語の世界に浸ってみてください。