皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
葉室麟(はむろ りん)は、福岡県北九州市小倉生まれの作家です。 地方紙記者などを経て、2005年に『乾山晩愁』で歴史文学賞を受賞し、50歳を過ぎてから作家デビューした遅咲きの作家として知られています。 その後、『銀漢の賦』で松本清張賞、『蜩ノ記』で直木賞を受賞するなど、数々の文学賞に輝きました。
葉室作品の大きな魅力は、権力に屈せず信念を貫く人物像を鮮やかに描き出す点にあります。 登場人物たちの繊細な心の動きが丁寧に描写され、読む者の胸を打ちます。 また、江戸や京だけでなく、地方を舞台にした作品が多いのも特徴で、これは地方新聞記者としての経験が活かされていると言われています。 歴史の陰に埋もれた人物に光を当て、その実直な生き様を通して、現代にも通じるメッセージを私たちに問いかけてくれるのです。
ここからは、数ある葉室麟作品の中から、特に人気の高いおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。
直木賞受賞作や映画化・ドラマ化された話題作まで、葉室麟の世界を存分に味わえる名作が揃いました。どの作品も、武士の生き様や人間の情愛が深く描かれており、読後はきっとあなたの心に温かい感動が残るはずです。ぜひ、お気に入りの一冊を見つける参考にしてください。
葉室麟の代表作にして、第146回直木賞受賞作です。 2014年には役所広司さん主演で映画化もされ、大きな話題を呼びました。 物語の主人公は、7年前に藩主の側室との不義密通の疑いをかけられ、10年後の切腹と家譜の編纂を命じられた戸田秋谷という武士です。
秋谷の監視を命じられた青年・檀野庄三郎の視点を通して、命の期限が定められた男の気高く凄絶な覚悟と、家族の絆が静かに、そして深く描かれます。 清廉な生き様とは何かを問いかける、感涙の時代小説です。 葉室作品に初めて触れる方にも、まず読んでいただきたい一冊です。
主人公の清廉な生き様に、ただただ心打たれるよ。武士の覚悟ってこういうことなのかなって考えさせられたんだ。
第14回松本清張賞を受賞した、葉室麟の初期の傑作です。 西国の小藩を舞台に、かつては固い友情で結ばれながらも、ある事件をきっかけに袂を分かった二人の武士の運命が再び交差する様を描いています。
幼なじみであった日下部源五と松浦将監。 絶縁状態にあった二人が、藩を揺るがす陰謀の中で再び向き合うことになります。中年男性の友情と忠義、そして葛藤が胸に迫る物語です。 2015年には『風の峠〜銀漢の賦〜』としてNHKでドラマ化もされました。
男同士の友情って、言葉にしなくても通じ合うものがあるんだね。ちょっと不器用だけど、そこがまたグッとくるんだ。
2018年に岡田准一さん主演で映画化され、モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞するなど、国内外で高く評価された作品です。 物語は、藩の不正を訴えたために追放された武士・瓜生新兵衛が、亡き妻の最後の願いを胸に故郷へ戻るところから始まります。
妻が死の間際に託した願いとは、かつての不正事件の真相を突き止め、ある人物を助けてほしいというものでした。新兵衛は、過去の因縁と藩の権力に立ち向かいながら、妻の遺志を継ごうとします。夫婦の深い愛と、武士としての誇りを描いた、感動的な物語です。
亡き妻のために戦うなんて、愛の深さに涙が止まらないよ…。わたしもこんな風に誰かを想ってみたいなぁ。
『螢草 菜々の剣』というタイトルでテレビドラマ化もされ、人気を博した作品です。 主人公は、父を陥れた者への復讐を心に誓う少女・菜々。彼女は身分を隠して奉公に上がり、父の仇討ちの機会を窺います。
奉公先の風早家は心優しい人々で、菜々はそこで温かい愛情に触れながら成長していきます。 しかし、風早家にも藩の不正を巡る危機が迫っていました。 父のため、そして恩ある人々のため、菜々が剣を取り、運命に立ち向かう姿が胸を打ちます。主人公のひたむきさと明るさが、重いテーマの物語を爽やかな読後感で包み込む一冊です。
菜々のひたむきな姿に勇気をもらえる!重いテーマなのに、読んだ後すごく前向きな気持ちになれるんだ。
「藩一番の臆病者」と呼ばれる若侍・伊東七十郎が、ある日突然、家老の暗殺という重大な任務を命じられるところから物語は始まります。 任務地へ向かう途中、川止めで足止めを食らった七十郎は、宿で一癖も二癖もある人物たちと出会い、様々な騒動に巻き込まれていきます。
次々と降りかかる災難に翻弄されながらも、臆病者の七十郎が己の使命と向き合い、成長していく姿をユーモアたっぷりに描いた作品です。 笑いあり涙ありの展開で、時代小説が苦手な方でもきっと楽しめる、読後の満足度が非常に高い一冊として知られています。
臆病者なのに暗殺者に!?っていう設定が面白いよね。ハラハラするけど、最後は心が温かくなる素敵な物語だよ。
水戸光圀、将軍・綱吉、柳沢吉保といった歴史上の著名な人物が登場し、壮大なスケールで描かれる時代活劇です。 物語は、水戸藩士・雨宮蔵人が、藩命によってある人物を討つ場面から始まります。
しかし、任務を果たした蔵人は、逆に藩から命を狙われる立場となってしまいます。 藩の陰謀に巻き込まれながらも、愛する人を守り、己の信じる義を貫くために戦う蔵人の生き様が描かれます。 歴史の大きなうねりの中で、個人の「いのち」の重さを問いかける、読み応えのある作品です。
歴史上の有名人がたくさん出てきてワクワクする!愛する人のために巨大な権力に立ち向かうなんて、かっこよすぎるよ。
織田信長の娘であり、名将・蒲生氏郷の妻となった冬姫の生涯を描いた歴史小説です。 信長が最も愛したと言われる娘・冬姫は、激動の戦国時代をいかにして生き抜いたのか。その知られざる物語が、葉室麟の筆によって鮮やかに描き出されます。
父である信長、そして夫である氏郷を支え、健気に、そして芯の強さを持って自らの運命を切り開いていく冬姫の姿は、多くの読者の心を打ちます。 時代の波に翻弄されながらも、凛として生きる女性の強さと美しさを感じさせてくれる一冊です。
戦国時代にこんな素敵な女性がいたなんて知らなかったな。冬姫のブレない生き様、すごく憧れるよ。
筑前国(現在の福岡県)の秋月藩で実際に起こった史実を基に描かれた物語です。 主人公は、藩主によって無実の罪で流罪にされた藩士・間小四郎。 理不尽な運命に翻弄されながらも、武士としての誇りを失わず、家族を想い続ける小四郎の姿が描かれます。
葉室麟の故郷でもある九州を舞台に、逆境の中でもがきながらも、人間の尊厳とは何かを問い続ける主人公の姿が深く心に残ります。静謐ながらも力強い筆致で、家族愛と武士の矜持を描ききった名作です。
理不尽な運命に負けない主人公の姿に涙が出ちゃう…。家族を思う気持ちが、どんな困難にも打ち勝つ力になるんだね。
「西国無双」と謳われた戦国武将・立花宗茂の生涯を描いた作品です。関ヶ原の戦いで西軍に与し、敗軍の将となりながらも、その類まれなる器量と人間性によって奇跡的な復活を遂げた宗茂。彼の波乱に満ちた人生が、生き生きと描き出されます。
本作では、敗者でありながらも決して誇りを失わず、義を貫き通した宗茂の人間的魅力に焦点が当てられています。多くの人々を惹きつけたその生き様は、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれるでしょう。歴史ファンならずとも楽しめる、感動的な一代記です。
負けても終わりじゃないって教えてくれる物語だね!立花宗茂のファンになっちゃった。すごく人間味があって魅力的なんだ。
人生の苦難に直面し、絶望の淵に立たされた人々が、再生していく姿を温かく描いた物語です。葉室作品の多くは武士の世界を舞台にしていますが、本作では市井に生きる人々のささやかな日常と、その中に宿る強さに光を当てています。
物語の登場人物たちは、それぞれに癒えない傷や過去を抱えています。しかし、人と人との関わりの中で、少しずつ前を向き、新たな一歩を踏み出していきます。読後、心の奥底からじんわりとした感動が湧き上がってくるような、優しさに満ちた一冊です。
つらいことがあっても、人はまた立ち上がれるんだなって思えるよ。心が疲れた時に読むと、優しく寄り添ってくれる感じがするんだ。
剣の道を巡る、師と弟子の魂の交流を描いた物語です。主人公は、かつて天才と謳われながらも、ある事件をきっかけに道場を追われた剣士。彼は過去の過ちと向き合いながら、再び剣の道を取り戻そうとします。
本作の魅力は、迫力ある剣術の描写と、その根底に流れる師弟の深い絆です。剣を通じて結ばれた二人の関係が、互いを高め、成長させていく様が感動的に描かれています。己の弱さと向き合い、真の強さとは何かを追い求める姿に、胸が熱くなることでしょう。
剣のシーンがすごくリアルでかっこいい!師匠と弟子の絆って、言葉以上に深いものがあるんだね。
鎌倉幕府三代将軍・源実朝が暗殺され、その首の行方が分からなくなったという日本史上の有名な謎に、葉室麟が独自の視点で挑んだ歴史ミステリーです。 この作品は、葉室麟にとって初の書き下ろし長編小説でもあります。
消えた実朝の首を巡り、様々な人々の思惑が交錯するスリリングな展開が読者を惹きつけます。 史実の謎に大胆な解釈を加え、エンターテインメント性の高い物語に昇華させています。歴史のIFを楽しみながら、緊迫感あふれる人間ドラマを味わえる一冊です。
歴史のミステリーって、想像力が掻き立てられて面白い!本当にこんなことがあったのかもって思っちゃうよ。
ある旧家の蔵から発見された古い記録「橘花抄」。そこに記されていたのは、幕末から明治という激動の時代を生きた一族の、知られざる歴史と家族の秘密でした。過去の記録を読み解きながら、現代に生きる主人公が自らのルーツを辿っていきます。
時代を超えて受け継がれる家族の想いや、歴史の中に埋もれた人々の愛憎劇が、ミステリアスな筆致で描かれます。過去と現在が交錯しながら、一つの家族の物語が壮大なスケールで浮かび上がる構成は見事です。歴史のロマンと家族の絆を感じさせる作品です。
自分のご先祖様ってどんな人だったんだろうって考えちゃった。過去と今が繋がってる感じがして、すごくロマンチックだね。
葉室作品の中でも、特に「夫婦愛」をテーマに据えた感動的な物語です。主人公は、病に倒れた妻を献身的に看病する武士。彼は妻との穏やかな日々を慈しみながら、避けられない別れの時を迎えようとします。
死を前にした妻と、それを見守る夫。二人の間に流れる静かで深い愛情が、美しい日本語で丁寧に綴られていきます。愛する人を失う悲しみと、それでも残される者の生を描いた本作は、読む者の涙を誘います。夫婦とは、そして愛とは何かを深く考えさせられる一冊です。
もう、涙なしでは読めないよ…。夫婦の愛情の深さに感動した。大切な人との時間を、もっと大事にしようって思ったんだ。
忍びの世界に生きる者たちの、過酷な宿命と葛藤を描いた作品です。主人公は、ある藩に仕える忍者。彼は、非情な任務と人間らしい感情との間で苦悩しながら、自らの生きる道を探し求めます。
光の当たらない場所で、歴史を動かすために生きた忍者たちのリアルな姿が描かれています。華やかな武士の世界とは異なる、裏社会の掟や葛藤がスリリングに展開されます。葉室作品の新たな一面に触れることができる、エンターテインメント性の高い時代小説です。
忍者の世界って、すごく厳しくて切ないんだね…。任務と自分の気持ちの間で揺れる主人公に共感しちゃうよ。
江戸時代中期に活躍した謎の天才絵師・東洲斎写楽の正体に迫る、芸術ミステリーです。写楽はなぜ、わずか10ヶ月の間に145点もの作品を残して忽然と姿を消したのか。その謎を、一人の若き絵師の視点から解き明かしていきます。
芸術に取り憑かれた者たちの情熱、嫉妬、そして狂気が渦巻く世界が鮮やかに描かれています。写楽の謎を追いながら、芸術家の魂とは何かを問う本作は、ミステリーファンだけでなく、アート好きの心も掴むでしょう。知的好奇心を刺激される、魅力的な一冊です。
写楽の正体、わたしもずっと気になってたんだ!芸術家の情熱って、時々怖いくらいだよね。すごく引き込まれる物語だよ。
葉室麟の作家デビュー作であり、第29回歴史文学賞を受賞した記念碑的な作品です。 主人公は、江戸時代中期の京で活躍した陶工・尾形乾山。 華やかな才能で世間の注目を集める兄、尾形光琳の影で、乾山が抱えていた葛藤や芸術への情熱を描いています。
偉大な兄を持つ弟の苦悩と、それでも自らの道を切り開こうとする芸術家の魂が、静かな筆致で綴られます。光と影、才能と努力といったテーマが深く掘り下げられており、葉室文学の原点ともいえる魅力に満ちています。
デビュー作とは思えない完成度の高さだね。天才の兄を持つ弟の気持ち、ちょっとだけわかる気がするな。
江戸の町を舞台に、そこに生きる人々の人情や哀歓を描いた連作短編集です。各話で主人公は異なりますが、物語のどこかで「おもかげ橋」という橋が登場し、それぞれの人生が交錯していきます。
武士だけでなく、商人や職人など、様々な身分の人々が登場し、彼らのささやかな日常の中に潜むドラマが丁寧に描かれています。一本の橋を軸に、江戸に生きる人々の群像劇が浮かび上がる構成が巧みです。心温まる人情話が好きな方におすすめの一冊です。
色々な人の人生が少しずつ繋がっていくのが面白いね。江戸の町の温かい雰囲気が伝わってくるみたいだよ。
『いのちなりけり』の続編にあたる作品で、前作の主人公・雨宮蔵人のその後と、彼が愛した女性・咲弥の視点から物語が描かれます。前作で残された謎や伏線が回収され、二人の運命が新たな局面を迎えます。
本作では特に、時代の大きなうねりの中で、自らの意志で愛を貫こうとする女性の強さが印象的に描かれています。前作を読んだ方はもちろん、本作から読み始めても楽しめる構成になっていますが、ぜひ『いのちなりけり』と合わせて読むことで、より深い感動を味わえるでしょう。
前作の続きが読めるなんて嬉しい!愛する人のために戦う女性の姿って、本当に美しいと思うんだ。
葉室作品には珍しく、若き武士たちの青春と成長を描いた爽やかな物語です。道場の仲間たちとの友情、ライバルとの競い合い、そして淡い恋。悩み、傷つきながらも、まっすぐに未来へ向かって進んでいく若者たちの姿が瑞々しく描かれています。
これまでの葉室作品が持つ重厚な雰囲気とは一味違い、青春小説のようなきらめきと疾走感が魅力です。もちろん、そこには武士としての生き方や覚悟といった、葉室作品ならではのテーマもしっかりと織り込まれています。新しい葉室麟の世界に触れてみたい方におすすめです。
青春って感じがして、すごく爽やかな気持ちになる!若いっていいなあって、思わず微笑んじゃう物語だよ。
ここまで20作品をご紹介してきましたが、「どれから読めばいいか迷ってしまう」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな葉室麟作品の初心者に、編集部がまずおすすめしたいのは、やはりランキング1位の『蜩ノ記』です。
直木賞受賞作である本作は、葉室麟の魅力が凝縮された一冊と言えるでしょう。 権力に屈しない武士の清廉な生き様、美しい日本の風景描写、そして胸を打つ家族の絆。 ページをめくる手が止まらなくなる面白さと、読後に深い感動と余韻を残す物語は、きっとあなたの心に刻まれるはずです。映画化もされているため、物語の世界に入りやすいのも嬉しいポイントです。
ぜひ『蜩ノ記』から、葉室麟が描く深く美しい小説世界への扉を開いてみてください。