【2025年最新】吉本ばななの小説おすすめ人気ランキングTOP20

世代を超えて愛される吉本ばなな小説の魅力と人気作の選び方

1987年に『キッチン』で鮮烈なデビューを飾って以来、国内外で多くの読者を魅了し続けている作家、吉本ばなな。 その作品は、どこか哲学的ながらも平易な言葉でつづられており、若者を中心に幅広い世代から支持されています。

吉本ばなな作品の大きな魅力は、「生と死」や「喪失と再生」といった普遍的なテーマを、独特の透明感あふれる文章で描いている点にあります。 悩みや生きづらさを抱えた登場人物たちが、ささやかな日常の出来事や人とのつながりを通して、ふっと心を軽くしていく姿は、多くの読者に優しく寄り添い、勇気を与えてくれます。

どの作品から読めばいいか迷ったら、まずは初期の代表作であり、映画化もされた『キッチン』や『TUGUMI(つぐみ)』から手に取ってみるのがおすすめです。 また、短編集も多く発表されているので、気軽に吉本ばななの世界観に触れたい方は『とかげ』や『デッドエンドの思い出』から読み始めるのも良いでしょう。

吉本ばななの小説おすすめ人気ランキングTOP20

ここからは、いよいよ吉本ばななのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、心に残る名作の数々をお楽しみください。

デビュー作から近年の作品まで、様々な魅力を持つ小説がランクインしています。あなたの心に響く一冊が、きっと見つかるはずです。

1位『キッチン』

唯一の肉親である祖母を亡くし、天涯孤独になってしまった大学生の桜井みかげ。 悲しみに暮れる彼女の前に現れたのは、祖母と仲の良かった青年・雄一でした。雄一とその母（実は父親であるえり子さん）の家に居候することになったみかげは、風変わりながらも温かい二人との暮らしの中で、少しずつ心の傷を癒していきます。

本作は吉本ばななのデビュー作であり、世界各国で翻訳され読み継がれている不朽の名作です。 「死」という重いテーマを扱いながらも、軽やかな文体と澄んだ世界観で描かれており、読後に温かい光が差し込むような感覚を覚えます。 喪失と再生、そして血の繋がりを超えた家族の形を、物語の重要な要素である「台所」を通して見事に描き出しています。

発表年	1988年
収録作品	『キッチン』『ムーンライト・シャドウ』
主な受賞歴	海燕新人文学賞、泉鏡花文学賞

2位『TUGUMI(つぐみ)』

病弱でわがままだけど、誰もが惹きつけられる魅力を持つ美少女「つぐみ」。 物語は、従姉妹である白河まりあの視点から、海辺の町で過ごした最後のひと夏の日々を描いています。 つぐみとまりあ、そしてひと夏の出会いである恭一。 少女から大人へと移りゆく季節の、二度と戻らないきらめきが、透明感あふれる文章でつづられています。

山本周五郎賞を受賞し、映画化もされた吉本ばななの代表作の一つです。 どこか懐かしく、ヒリヒリするような10代特有の空気感が見事に表現されており、多くの読者の心を掴みました。 強烈な個性を持つつぐみの言動にハラハラさせられながらも、彼女が内に秘めた純粋さや生命力の輝きに、きっと誰もが魅了されるでしょう。

発表年	1989年
ジャンル	青春小説
主な受賞歴	山本周五郎賞

3位『白河夜船』

表題作『白河夜船』を含む、「眠り」をテーマにした3つの物語が収録された短編集です。恋人からの電話を待ちながらひたすら眠り続ける女性、友人の死を引きずり眠りに逃げ込む女性など、心に傷を抱えた人々が登場します。

深い悲しみや喪失感を抱えながらも、微かな光を見出そうとする主人公たちの姿が、静かで美しい筆致で描かれています。心の奥底にある孤独にそっと寄り添ってくれるような、優しさに満ちた一冊です。眠れぬ夜に読むと、心が少しだけ軽くなるかもしれません。

発表年	1989年
ジャンル	短編集
テーマ	眠り、喪失、再生

4位『とかげ』

不思議な力を持つ人々や、少し変わった恋愛を描いた6編からなる初期の短編集です。 表題作『とかげ』では、体にとかげの痣を持つ女性と、彼女を愛する青年との運命的な出会いと再生が描かれます。

どの物語にも、現実と幻想が入り混じった、吉本ばなな独特の世界観が広がっています。 心に痛みを抱えながらも懸命に生きる登場人物たちを、優しく励ますような温かさが魅力です。短編ながらも濃密な物語が詰まっており、吉本ばなな作品の入門編としてもおすすめです。

発表年	1993年
ジャンル	短編集
収録作品数	6編

5位『哀しい予感』

幸せな家庭で育ちながらも、幼い頃の記憶がなく、どこか満たされない気持ちを抱える19歳の弥生。 彼女は不思議な予知能力を持っており、ある日、啓示を受けるようにして叔母のゆきのの家を訪れます。 そこで明かされる自らの出生の秘密と、血の繋がらない弟・哲生との淡い恋模様が、瑞々しい感性で描かれています。

吉本ばなな初の長編小説であり、少女漫画のようなときめきと、切なさが同居する物語が多くの読者を魅了しました。 登場人物たちの繊細な心の動きが丁寧に描写されており、物語の世界にぐっと引き込まれます。特に、弥生と哲生のピュアな恋愛模様は、読む人の心を温かくしてくれるでしょう。

発表年	1988年
ジャンル	長編小説
テーマ	記憶、家族、恋愛

6位『デッドエンドの思い出』

婚約者に裏切られ、人生の袋小路（デッドエンド）に迷い込んだ主人公。 傷ついた心を癒すため、とある飲食店の二階に居候することになった彼女は、そこで出会う人々との交流を通して、少しずつ自分を取り戻していきます。

表題作を含む5つの短編が収録されており、どの物語も絶望の淵から再生していく人々の姿を温かく描いています。 吉本ばなな自身が「これまでの作品のなかでいちばん好き」と語るほど、思い入れの深い一冊です。 辛い出来事があっても、ささやかな幸せを見つけることで人はまた歩き出せるのだと、優しく教えてくれます。

発表年	2003年
ジャンル	短編集
収録作品数	5編

7位『アムリタ』

人気女優の妹を亡くし、さらに事故で頭を打った後遺症で記憶の一部を失ってしまった主人公・さくみ。彼女が、風変わりな弟や恋人との生活の中で、少しずつ自分自身を取り戻していく過程を描いた長編小説です。

紫式部文学賞を受賞した本作は、記憶喪失という困難な状況にありながらも、ユーモアを忘れずに生きる主人公の姿が魅力的です。悲しみや喪失感を抱えながらも、周囲の人々との関係性の中で再生していく物語は、読者に静かな感動と希望を与えてくれます。

発表年	1994年
ジャンル	長編小説
主な受賞歴	紫式部文学賞

8位『うたかた／サンクチュアリ』

『うたかた』と『サンクチュアリ』という、2つの中編小説が収録されています。 『うたかた』では複雑な家庭環境で育った男女の恋が、『サンクチュアリ』では愛する人を失った者同士が出会い、悲しみを乗り越えていく姿が描かれています。

どちらの作品も、孤独や喪失感を抱えた登場人物たちが、人との出会いによって再生していく希望の物語です。 疲れた心にそっと寄り添い、明日への光を灯してくれるような優しさに満ちています。吉本ばなな初期の代表作の一つであり、その独特の世界観を存分に味わうことができます。

発表年	1988年
ジャンル	中編集
収録作品数	2編

9位『N・P』

一人の作家が遺した、英語の小説『N・P』。その翻訳に関わった人々が次々と不幸な死を遂げるという、いわくつきの作品を巡るミステリアスな物語です。主人公の加納風美は、かつてこの小説の翻訳を手がけた恋人を亡くしていました。

近親相姦や死といった重いテーマを扱いながらも、どこか幻想的で美しい雰囲気が漂う、吉本ばなな作品の中でも異色の存在です。複雑に絡み合う人間関係と、小説に隠された謎が、読者を不思議な世界へと引き込みます。一度読んだら忘れられない、強烈な印象を残す一冊です。

発表年	1990年
ジャンル	長編小説
テーマ	秘密、死、恋愛

10位『ハードボイルド／ハードラック』

「死」にまつわる不思議な体験を描いた2編の中編小説『ハードボイルド』と『ハードラック』を収録。どちらの物語も、主人公が死の淵を垣間見るような、少し怖くて、それでいてどこか美しい体験をします。

生と死の境界線をテーマに、吉本ばなな独特の死生観が色濃く反映された作品です。死を身近に感じながらも、そこから「生」の輝きを見出していく登場人物たちの姿が心に残ります。人生や死について深く考えさせられる、静かで味わい深い一冊です。

発表年	1999年
ジャンル	中編集
収録作品数	2編

11位『ハチ公の最後の恋人』

幽霊や超能力といった、スピリチュアルな要素が散りばめられた3編の物語を収録した短編集です。表題作では、亡くなった恋人の霊と対話できる女性が登場します。

目に見えない世界の存在を肯定し、不思議な出来事を通して大切な人との絆や愛を描いているのが特徴です。現実離れした設定でありながらも、登場人物たちの感情は非常にリアルで、読者は自然と物語に引き込まれます。心が温かくなるような、優しさに満ちた奇跡の物語です。

発表年	1994年
ジャンル	短編集
テーマ	スピリチュアル、愛、絆

12位『海のふた』

都会での生活に疲れ、故郷の西伊豆に帰ってきた主人公のまり。彼女は、実家の一角でかき氷屋を始めることにします。物語は、顔に火傷の痕を持つ不思議な少女・はじめちゃんとの出会いと交流を中心に描かれます。

故郷の美しい自然の中で、ゆっくりと心の傷を癒し、再出発していく主人公の姿が印象的な作品です。美味しそうなかき氷の描写や、穏やかな海辺の町の空気感が、読者の心も優しくほぐしてくれます。映画化もされた、心温まる再生の物語です。

発表年	2004年
ジャンル	長編小説
舞台	西伊豆

13位『なんくるない』

沖縄を舞台に、心に傷を負った4人の登場人物たちが、その美しい自然や文化に触れることで癒やされていく姿を描いた4つの短編集です。

きらめく太陽の光や、穏やかな波の音、ゆったりと流れる島の時間。 沖縄の魅力的な情景描写とともに、登場人物たちの心の再生が丁寧に描かれています。読んでいるだけで、まるで沖縄を旅しているような心地よい気分にさせてくれる一冊です。 前向きな気持ちになりたい時におすすめの、癒やしに満ちた物語です。

発表年	2004年
ジャンル	短編集
舞台	沖縄

14位『ミトンとふびん』

大切な人を亡くした喪失感を抱えながら、旅に出る人々を描いた6編の短編集です。 舞台はヘルシンキ、ローマ、台北など様々で、旅先での出会いや出来事を通して、主人公たちが少しずつ光を見出していきます。

吉本ばなな自身が「この本が出せたから、もう悔いはない」と語るほどの自信作。 人生の節目や困難な状況にいる人々の心に寄り添い、そっと背中を押してくれるような優しさが詰まっています。切なさの中に希望が感じられる、吉本ばななワールドを堪能できる一冊です。

発表年	2021年
ジャンル	短編集
テーマ	旅、喪失、再生

15位『アルゼンチンババア』

母親を亡くした少女みつこ。彼女の父親は、お墓の石を売って生計を立てる風変わりな女性「アルゼンチンババア」と再婚します。みつこは、この新しい母親との奇妙な共同生活を通して、少しずつ心の傷を癒し、成長していきます。

一風変わった登場人物たちが織りなす、温かくも不思議な家族の物語です。ファンタジックな設定の中に、生と死、家族の愛といった普遍的なテーマが描かれています。映画化もされた、読後に心がほっこりするような優しい作品です。

発表年	2002年
ジャンル	長編小説
テーマ	家族、成長、再生

16位『もしもし下北沢』

父親の突然の死をきっかけに、母親と二人で下北沢に引っ越してきた少女・よしえ。彼女が、下北沢という街で出会う人々との交流や、母親との関係を通して、悲しみを乗り越え再生していく姿を描いています。

下北沢の街の雰囲気がリアルに描かれており、物語に独特の空気感を与えています。大切な人を失った喪失感と、そこから立ち直っていく過程が丁寧に綴られており、読者の心に深く響きます。舞台化もされた、静かな感動を呼ぶ物語です。

発表年	2010年
ジャンル	長編小説
舞台	下北沢

17位『体は全部知っている』

心と体の不思議なつながりをテーマにした、13編の物語が収録された掌編集です。 意識していなくても、体は心の痛みや喜びをちゃんと記憶している。そんなメッセージが、様々なシチュエーションを通して描かれています。

日常に潜むささやかだけれど大切な感情や記憶を、体が呼び起こしてくれる瞬間を切り取った、繊細な物語が詰まっています。 一つ一つの話は短いですが、読後に深い余韻を残します。自分自身の心と体に向き合うきっかけをくれる一冊です。

発表年	2000年
ジャンル	掌編集
収録作品数	13編

18位『王国のかぎ』

植物と心を通わせる不思議な能力を持つ人々が暮らす「王国」シリーズの一作。祖母から受け継いだ能力に戸惑いながらも、その力と向き合い、成長していく主人公の姿を描いています。

自然との共生や癒やしをテーマにした、ファンタジックで美しい世界観が魅力です。都会の喧騒から離れ、穏やかで優しい物語に浸りたい時にぴったりの作品。読んでいると、道端の草花にも特別な力が宿っているような、不思議な気持ちにさせてくれます。

発表年	2004年
ジャンル	長編小説
シリーズ	王国シリーズ

19位『さきちゃんたちのこと』

主人公の「わたし」が、かけがえのない友人であった「さきちゃん」の突然の死と向き合い、その喪失を乗り越えていく過程を静かに描いた物語です。

大切な友人を失った悲しみと、残された者の再生をテーマにした、切なくも温かい作品。友情の尊さや、思い出が持つ力の大きさを改めて感じさせてくれます。静かで優しい筆致で綴られる物語は、読者の心に深く染み渡り、静かな感動を呼び起こすでしょう。

発表年	2000年
ジャンル	長編小説
テーマ	友情、喪失、再生

20位『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』

海と山に囲まれた不思議な町「吹上町」を舞台にした、哲学ホラー小説シリーズの第一弾。 主人公は、双子の姉妹ミミとこだち。ある日突然失踪した妹を追って故郷に戻ったミミは、町の秘密や自身の特殊な能力と向き合うことになります。

これまでの作品とは一線を画す、ミステリーやホラーの要素を含んだ新しい作風が特徴です。 異世界や屍人といったファンタジックな設定の中で、家族の謎や姉妹の絆が描かれます。 唯一無二の「ばななワールド」が展開されており、先の読めないストーリーに引き込まれること間違いなしです。

発表年	2017年
ジャンル	哲学ホラー
シリーズ	吹上奇譚シリーズ

人気ランキングを参考にあなたに合う吉本ばななのおすすめ小説を見つけよう

吉本ばななのおすすめ小説ランキングTOP20、いかがでしたでしょうか？デビュー作から最新シリーズまで、様々な魅力を持つ作品をご紹介しました。

吉本ばななの小説は、時代を超えて多くの人々の心に寄り添い、癒やしと希望を与えてくれます。 今回ご紹介したランキングを参考に、ぜひあなたの心に響く一冊を見つけて、その唯一無二の世界観に触れてみてください。きっと、忘れられない読書体験が待っているはずです。