皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
近年、ミステリーとホラーを巧みに融合させた作風で注目を集めている作家、原浩をご存じでしょうか? 1974年生まれ、長野県出身の原浩は、2020年に「火喰鳥」で第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の大賞を受賞し、鮮烈なデビューを飾りました。 このデビュー作は『火喰鳥を、喰う』と改題され、多くの読者に衝撃を与えています。
原浩の小説の魅力は、じわじわと日常を侵食してくるような恐怖と、先の読めない謎解き要素が見事に絡み合っている点です。読者は、不可解な現象が単なる怪異なのか、それとも人間の仕業なのか、最後まで翻弄されることでしょう。その唯一無二の読書体験は、多くのホラー・ミステリーファンを虜にしています。この記事では、そんな原浩の数ある作品の中から、特におすすめの人気作をランキング形式でご紹介します。
ここからは、今最も読んでほしい原浩の小説をランキング形式でご紹介します。デビュー作にして代表作との呼び声も高いあの作品から、閉鎖的な空間での恐怖を描いた作品、そして奇妙な味わいの短編集まで、様々なタイプの恐怖を味わえる4作品を選びました。
どの作品も、一度読み始めたら止まらなくなること間違いなし。原浩が創り出す、奇妙で恐ろしい物語の世界へぜひ足を踏み入れてみてください。
堂々の1位は、原浩のデビュー作にして、第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の大賞受賞作である『火喰鳥を、喰う』です。太平洋戦争で戦死した大伯父が遺した謎の日記をきっかけに、主人公の周りで次々と不可解な事件が起こり始めるという物語です。
墓石が破壊され、関係者が次々と謎の死を遂げ、家族が失踪する。じわじわと現実が変質していくような恐怖と、日記に残された「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」という不可解な言葉の謎が絡み合い、読者を一気に物語の世界へ引き込みます。ミステリーとホラーが見事に融合した、衝撃的な読書体験が待っています。
著者 | 原 浩 |
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発売日 | 2020年12月11日 |
文庫発売日 | 2022年11月22日 |
受賞歴 | 第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 大賞 |
本作における怪異の描写は極めて淡々としており、それが逆に読者の想像力を掻き立て、底知れぬ恐怖を増幅させるという高度な技巧を感じざるを得ない。
第2位は、閉鎖された空間での極限の恐怖を描いた『やまのめの六人』です。嵐の夜、土砂崩れで立ち往生した5人組の男たちが、助けを求めて一軒の屋敷へと逃げ込みます。しかし、そこは不気味な老婆が支配する恐ろしい館だったのです。
拘束された男たちは脱出を試みますが、いつの間にか仲間の中に6人目の「化け物」が紛れ込んでいることに気づき、疑心暗鬼に陥っていきます。誰が敵で誰が味方なのか。極限状況で繰り広げられる、悪党たちの殺し合いと妖怪「やまのめ」の謎が絡み合う、サイコホラーのような一作です。
著者 | 原 浩 |
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発売日 | 2021年12月2日 |
文庫発売日 | 2023年12月22日 |
ジャンル | ホラー、ミステリー |
閉鎖空間における人間心理の脆さと、そこに紛れ込む超常的な存在。この二つの要素が織りなす恐怖の構造は、実に古典的でありながら、同時に斬新な戦慄をもたらす。
第3位には、ダムの底に沈んだ村の伝説と猟奇事件の謎に迫る『蜘蛛の牢より落つるもの』がランクインしました。フリーライターが、かつてキャンプ場で起きた集団生き埋め事件の真相を追ううちに、新たな死の連鎖に巻き込まれていくという物語です。
この作品は、ホラーの皮を被ったミステリーとも評されており、村に伝わる「比丘尼」と蜘蛛の伝説といったオカルト要素と、巧みに張り巡らせた伏線が見事に融合しています。読み進めるうちに、超常現象だと思っていた出来事が、実は人間の悪意によるものだったと判明していく展開は圧巻です。恐怖と爽快感の両方を味わえる作品として、多くの書店員からも支持されています。
著者 | 原 浩 |
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発売日 | 2023年9月26日 |
ジャンル | ホラー、ミステリー |
特徴 | 伝奇ミステリー、どんでん返し |
怪異現象と思われた事象が、人間の手によるものであると解明されていく過程は、恐怖の質的転換を伴う。超自然的な恐怖から、より現実的で悪意に満ちた恐怖への移行は、読者に深い印象を残すだろう。
第4位は、著者自身を思わせる作家が主人公の連作短編集『身から出た闇』です。角川ホラー文庫から短編集の執筆依頼を受けた作家が、原稿を書き進めるうちに現実世界でも奇妙な出来事に遭遇するという、メタフィクション的な構造が特徴的な一作です。
この作品のユニークな点は、「この本ができあがるまでに、編集者が二人消えています」という衝撃的なキャッチコピーにも表れています。収録されている短編はそれぞれ独立したホラー作品として高いクオリティを誇りつつ、全体を通して現実と虚構の境界が曖昧になっていくような不思議な感覚を味わえます。バラエティに富んだ恐怖を楽しめる一冊です。
著者 | 原 浩 |
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発売日 | 2025年8月25日 |
レーベル | 角川ホラー文庫 |
形式 | 連作短編集 |
現実と虚構の境界を曖昧にするという試みは、物語の恐怖を読者の日常へと地続きにさせる効果を持つ。作者自身が物語の登場人物となることで、その効果は最大化されている。
ここまで、今注目の作家・原浩のおすすめ小説をランキング形式で4作品ご紹介しました。どの作品も、ただ怖いだけでなく、巧みなストーリーテリングと謎解きの要素が光る、一筋縄ではいかない魅力を持っています。
デビュー作『火喰鳥を、喰う』の現実が歪むような恐怖から、『やまのめの六人』の閉鎖空間でのサバイバルホラー、『蜘蛛の牢より落つるもの』の伝奇ミステリー、そして『身から出た闇』のメタフィクション的な恐怖まで、その引き出しは多彩です。ぜひ、この機会に原浩の作品を手に取り、唯一無二の恐怖と謎に満ちた世界に浸ってみてください。