【2025年最新】友情小説のおすすめランキングTOP38

心に響く友情小説のおすすめ人気作品をランキングでご紹介

友達との絆や支え合い、時にはすれ違いや葛藤など、友情には様々な形があります。友情小説は、そんな多様な人間関係を繊細に描き出し、私たちに感動や共感を与えてくれるジャンルです。学生時代の甘酸っぱい青春を描いたものから、大人になってからの複雑な友情、さらには困難を共に乗り越える熱い絆の物語まで、そのテーマは多岐にわたります。

この記事では、『小説ヨミタイ』編集部が選び抜いた、心に響く友情小説をランキング形式でお届けします。仲間との出会いや、何気ない日常のかけがえのなさ、そして時には涙するような感動的な瞬間が詰まった作品ばかりです。 あなたにとって特別な一冊を見つけるお手伝いができれば幸いです。

友情小説のおすすめランキングTOP38

ここからは、友情がテーマのおすすめ小説をランキング形式で一挙にご紹介します。青春、スポーツ、ミステリーなど、様々なジャンルから名作を厳選しました。

学生時代のきらめきが詰まった作品から、大人の心に染みる物語まで、きっとあなたのお気に入りが見つかるはずです。それでは、早速見ていきましょう。

1位『君の膵臓をたべたい』住野よる

住野よるさんのデビュー作である『君の膵臓をたべたい』は、友情小説のランキングで常に上位に挙げられる人気作品です。高校生の「僕」が、クラスメイトである山内桜良の秘密の日記「共病文庫」を偶然見つけたことから物語は始まります。 そこには、彼女が膵臓の病気で余命わずかであることが記されていました。

クラスの人気者の桜良と、本の世界に閉じこもりがちな「僕」。正反対の2人が秘密を共有することで、特別な関係を築いていきます。友情とも恋愛とも違う、かけがえのない絆が描かれており、衝撃的なタイトルに隠された物語の結末には、多くの読者が涙しました。

2位『夜のピクニック』恩田陸

恩田陸さんの『夜のピクニック』は、高校生活最後のイベント「歩行祭」を舞台にした青春小説です。 歩行祭とは、全校生徒が夜を徹して80kmを歩き通すという伝統行事。物語は、この特別な一日を通して、生徒たちの人間関係や心の機微を繊細に描き出します。

主人公の甲田貴子は、3年間誰にも言えなかったある秘密を清算するために、一つの賭けを胸に秘めて歩行祭に参加します。 友人たちと語り合う何気ない会話や、共に過ごす時間の中で変化していく登場人物たちの心情が丁寧に綴られており、読者も一緒に夜の道を歩いているような気持ちにさせてくれます。友情や恋愛、そして未来への期待と不安が入り混じる、青春のきらめきが詰まった一冊です。

3位『カラフル』森絵都

森絵都さんの『カラフル』は、生前の罪により輪廻のサイクルから外された魂が、自殺を図った中学生・小林真の体にホームステイし、自分の罪を思い出すまでを追う物語です。 天使業界の抽選に当たった「ぼく」は、真としてもう一度人生をやり直すチャンスを与えられます。

最初は反抗的だった「ぼく」も、真の家族やクラスメイトと関わる中で、次第に周囲の世界に色を取り戻していきます。 思春期特有の葛藤や友情、家族との絆を通して、生きることの意味を問いかける感動的な作品です。アニメ化や実写映画化もされており、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。

4位『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾

東野圭吾さんの『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、時を超えた手紙が繋ぐ人々の絆を描いたファンタジー小説です。悪事を働いた3人組の若者が逃げ込んだ古い雑貨店は、かつて店主が悩み相談の手紙に返事を書いていた「ナミヤ雑貨店」でした。

シャッターの郵便受けに過去からの手紙が届き、戸惑いながらも返事を書くと、再び過去からの手紙が届きます。過去と現在が手紙を通して繋がり、雑貨店を訪れた人々の運命が少しずつ明らかになっていく、心温まる物語です。

5位『きみの友だち』重松清

重松清さんの『きみの友だち』は、「友だち」とは何かを問いかける連作長編小説です。 物語の中心となるのは、足が不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃん。ある出来事をきっかけに、二人はクラスの誰とも付き合わず、いつも一緒に過ごすようになります。

他にも、学校の人気者であるブンちゃんや、転校生のモトくんなど、様々な子どもたちの視点から「友だち」との関係が描かれています。 綺麗なだけではない、嫉妬や優越感といった複雑な感情もリアルに描き出すことで、読者は「本当の友だち」について深く考えさせられます。

6位『バッテリー』あさのあつこ

あさのあつこさんの『バッテリー』は、天才ピッチャーの原田巧と、彼のボールを受けられるキャッチャー永倉豪の出会いから始まる物語です。 中学入学を目前に、岡山県に引っ越してきた巧は、自分の才能に絶対的な自信を持つ孤高の少年でした。

そんな巧の前に現れた豪は、彼の剛速球に魅了され、バッテリーを組むことを熱望します。性格も考え方も全く違う二人が、時にぶつかり合いながらも、野球を通して信頼関係を築いていく姿が描かれています。思春期の少年たちの繊細な心の動きと、熱い友情が胸を打つ青春小説の金字塔です。

7位『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ

朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』は、学校の人気者でバレー部のキャプテンだった桐島が突然部活をやめたことをきっかけに、学校内に広がる波紋を描いた青春群像小説です。 物語は、バレー部のチームメイト、桐島の彼女、そして直接的には桐島と関係のなかった生徒たちなど、5人の高校生の視点から語られます。

桐島という存在が消えたことで、それまで保たれていた学校内のヒエラルキーや人間関係が少しずつ変化していきます。 17歳のリアルな日常と、スクールカーストという見えない壁に翻弄される高校生たちの姿を鮮やかに描き出した作品です。

8位『島はぼくらと』辻村深月

辻村深月さんの『島はぼくらと』は、瀬戸内海に浮かぶ小さな島「冴島」を舞台にした青春小説です。 島には高校がないため、主人公の朱里、衣花、源樹、新の4人は、毎日フェリーで本土の高校に通っています。 高校卒業を控え、それぞれが別の進路へと進むことを決めている中、故郷を巣立つ前の限られた時間を過ごす彼らの姿がみずみずしく描かれています。

島の暮らしや家族との関係、そして友情と恋の間で揺れ動く繊細な感情が丁寧に描写されています。 島の美しい自然を背景に、若者たちの成長と旅立ちを描いた、爽やかで感動的な物語です。

9位『砂漠』伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんの『砂漠』は、仙台の大学に入学した5人の男女の友情と成長を描いた青春小説です。入学して最初にできた友人たちと、麻雀をしたり、合コンをしたり、時には事件に巻きこまれたりと、大学4年間の何気ないけれど特別な日常が描かれています。

物語は、クールで物事の本質を見抜く力を持つ西嶋を中心に展開します。彼の「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」という言葉は、この小説のテーマを象徴しています。社会に出る前のモラトリアムな期間を共に過ごした彼らの友情が、温かくも少し切なく描かれた作品です。

10位『西の魔女が死んだ』梨木香歩

梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』は、中学校に通えなくなった少女まいが、田舎で暮らすイギリス人の祖母のもとで過ごしたひと夏の物語です。まいは、「西の魔女」であるおばあちゃんから、魔女になるための修行を受けることになります。

その修行とは、早寝早起きや食事、掃除といった規則正しい生活を送ること、そして何よりも「自分で決める」ということでした。大自然の中でおばあちゃんと過ごす穏やかな時間を通して、まいは生きる力を取り戻していきます。少女の心の成長と、祖母との温かい交流を描いた、多くの人に愛され続ける名作です。

11位『夏の庭 The Friends』湯本香樹実

湯本香樹実さんの『夏の庭 The Friends』は、小学6年生の少年3人組と、近所に住む一人暮らしの老人との交流を描いた物語です。「人が死ぬ瞬間を見てみたい」という好奇心から、少年たちは老人を監視し始めます。

最初はただ観察するだけだった関係が、庭の草むしりを手伝うことをきっかけに変化していきます。少年たちは老人との対話を通して、生きること、そして死ぬことの意味を学んでいきます。一夏の出会いと別れを通して、少年たちが成長していく姿を描いた、感動的な児童文学の傑作です。

12位『スタンド・バイ・ミー』スティーヴン・キング

モダンホラーの帝王スティーヴン・キングによる中篇小説『スタンド・バイ・ミー』は、12歳の少年4人が体験した、忘れられない夏の冒険を描いた物語です。行方不明になった少年の死体を探しに、線路を辿って旅に出る4人の姿が描かれています。

それぞれが家庭に問題を抱えながらも、互いを支え合い、困難に立ち向かっていきます。この2日間の旅を通して、少年たちの友情はより一層深まっていきます。誰もが経験する少年時代の終わりと、二度と戻らない日々への郷愁を鮮やかに描き出した、青春小説の不朽の名作です。

13位『博士の愛した数式』小川洋子

小川洋子さんの『博士の愛した数式』は、記憶が80分しか持たない天才数学者「博士」と、彼の世話をすることになった家政婦の「私」、そしてその息子「ルート」との心温まる交流を描いた物語です。博士は、新しい記憶を留めておくことができないため、毎日「私」に自己紹介を求めます。

しかし、博士は数字のことだけは決して忘れませんでした。彼は数字を通して、「私」とルートに世界の美しさや、人との繋がりの尊さを教えてくれます。血の繋がりや記憶を超えた、優しく穏やかな愛情と絆の形を描いた、静かな感動を呼ぶ作品です。

14位『ぼくらの七日間戦争』宗田理

宗田理さんの『ぼくらの七日間戦争』は、東京の下町にある中学校の1年2組の男子生徒たちが、大人たちへの反乱を起こす痛快な物語です。 夏休み前のある日、彼らは廃工場に立てこもり、厳しい校則や管理教育に「NO」を突きつけます。

最初は男子生徒だけだった反乱に、女子生徒たちも加わり、事態はさらに大きくなっていきます。知恵と勇気を振り絞って大人たちに立ち向かう子どもたちの姿は、爽快感に満ちています。友情や冒険、そしてちょっぴり甘酸っぱい恋模様も描かれた、世代を超えて愛されるエンターテイメント小説です。

15位『武士道シックスティーン』誉田哲也

誉田哲也さんの『武士道シックスティーン』は、剣道に青春を捧げる二人の女子高生の熱い友情と成長を描いた物語です。 中学最後の大会で、剣道エリートの磯山香織は、無名選手の西荻早苗に敗れてしまいます。香織は早苗にリベンジを果たすため、彼女と同じ高校に進学します。

しかし、再会した早苗は、剣道を楽しむことを第一に考える、おっとりとした性格の少女でした。勝つことだけを目指してきた香織と、楽しむことを知っている早苗。正反対の二人が、ライバルとして、そして友人として互いを高め合っていく姿が描かれています。

16位『羊と鋼の森』宮下奈都

宮下奈都さんの『羊と鋼の森』は、ピアノの調律に魅せられた一人の青年が、調律師として成長していく姿を描いた物語です。北海道の田舎で育った主人公・外村は、高校でピアノ調律師の板鳥と出会い、その仕事に深く感銘を受けます。

専門学校を卒業し、板鳥のいる楽器店で働き始めた外村は、個性豊かな先輩調律師たちや、様々な悩みを抱えるピアニストたちとの出会いを通して、自分の仕事と向き合っていきます。才能や挫折、そして喜び。ピアノの音色のように繊細で美しい文章で綴られる、静かで温かい成長物語です。

17位『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス

ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』は、知的障害を持つ青年チャーリイ・ゴードンが、脳手術によって天才的な知能を手に入れる物語です。手術の成功により、チャーリイのIQは驚異的に向上し、彼はこれまで知らなかった世界の喜びや悲しみ、そして愛を知ります。

しかし、同じ手術を受けたネズミのアルジャーノンに異変が現れたことから、チャーリイは自分の未来を悟ります。知能が向上していく過程と、再び失われていく過程が、チャーリイ自身の経過報告という形で綴られており、その変化が読者の胸を強く打ちます。人間の尊厳や友情とは何かを深く問いかける、感動的なSF小説の傑作です。

18位『対岸の彼女』角田光代

角田光代さんの『対岸の彼女』は、二人の女性の友情と人生を巧みな構成で描いた直木賞受賞作です。物語は、専業主婦の小夜子が、ベンチャー企業の女性社長・葵にスカウトされ、働き始めるところから始まります。

現代のパートで小夜子と葵の友情が描かれる一方で、過去のパートでは、高校時代の葵と、彼女が唯一心を開いた友人・魚子との関係が語られます。異なる時代を生きる二組の女性たちの物語が交錯しながら、女性同士の友情の複雑さや、結婚、出産、仕事といった人生の選択がリアルに描かれています。

19位『あと少し、もう少し』瀬尾まいこ

瀬尾まいこさんの『あと少し、もう少し』は、中学駅伝を舞台に、寄せ集めの陸上部員たちが絆を深めていく姿を描いた青春小説です。不良だったり、勉強ばかりだったり、頼りなかったりと、個性豊かなメンバーが集まった男子駅伝部。

彼らは、元いじめられっ子で陸上部部長の桝井を筆頭に、襷を繋ぐために奮闘します。それぞれの部員が抱える悩みや葛藤を乗り越え、一つのチームとしてまとまっていく過程が爽やかに描かれています。駅伝というスポーツを通して、少年たちの友情と成長を描いた、感動的な物語です。

20位『キケン』有川浩

有川浩さんの『キケン』は、大学のサークル「機械制御研究部」、通称【キケン】を舞台にした青春小説です。名前こそ理系サークルのようですが、その実態は、次々と騒動を巻き起こす破天荒な男たちの集まりでした。

爆発騒ぎや、サバイバルゲーム、大学対抗の窃盗レースなど、彼らが繰り広げる常識外れの活動が、OBたちの回想という形で語られます。くだらなくて、でも最高に楽しかった学生時代。男たちの熱い友情と、今では考えられないような無茶な日々が、ユーモアたっぷりに描かれた痛快な一冊です。

21位『蹴りたい背中』綿矢りさ

綿矢りささんの『蹴りたい背中』は、高校生の孤独と、不器用な友情の形を描いた芥川賞受賞作です。 主人公の長谷川は、クラスに馴染めず、一人で過ごすことが多い女子高生。彼女は、同じくクラスで浮いた存在である、モデルのオリチャンにしか興味がない男子生徒・にな川と、次第に言葉を交わすようになります。

二人の関係は、仲が良いわけでもなく、特別な感情があるわけでもない、ただ互いの孤独を共有するようなものでした。思春期特有の自意識や、他者との距離感を繊細な筆致で描き出した作品です。タイトルの「蹴りたい背中」に込められた、複雑な感情が読者の心に深く残ります。

22位『くちぶえ番長』重松清

重松清さんの『くちぶえ番長』は、小学4年生のツヨシのクラスに、ある日転校してきた女の子、マコトとの友情を描いた物語です。マコトは、男の子のような格好と言葉遣いで、口笛が上手なことから「くちぶえ番長」と呼ばれます。

いじめや仲間はずれに立ち向かうマコトの強さと優しさに、ツヨシやクラスメイトたちは次第に惹かれていきます。子どもたちの世界にある喜びや悲しみ、そして葛藤を、温かい眼差しで描いた作品です。忘れかけていた子どもの頃の気持ちを思い出させてくれる、爽やかな感動が胸に広がる一冊です。

23位『本屋さんのダイアナ』柚木麻子

柚木麻子さんの『本屋さんのダイアナ』は、本が好きな二人の少女、ダイアナと彩子の10年以上にわたる友情を描いた物語です。 小学生の時に出会った二人は、名前のコンプレックスや家庭環境の違いを乗り越え、親友になります。

しかし、成長するにつれて、二人の間には少しずつ距離が生まれていきます。思春期のすれ違いや、大人になってからの再会を通して、変化していく友情の形をリアルに描いています。 本好きなら共感できるエピソードも満載で、切なくも力強い二人の友情に心打たれる作品です。

24位『一瞬の風になれ』佐藤多佳子

佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』は、高校の陸上部を舞台に、短距離走に青春をかける少年たちの成長と友情を描いた物語です。主人公の神谷新二は、サッカー好きの兄と比べられることにコンプレックスを抱いていましたが、親友の根岸に誘われて陸上部に入部します。

天才的なスプリンターである根岸の才能を目の当たりにしながらも、新二は自分なりの走りを見つけようと努力を重ねます。仲間との絆、ライバルとの競争、そして勝利の喜びと敗北の悔しさ。陸上を通して成長していく高校生たちの姿が、疾走感あふれる筆致で描かれた、熱い青春スポーツ小説です。

25位『走れメロス』太宰治

太宰治の『走れメロス』は、友情と信頼の力を描いた不朽の名作です。人を信じることができなくなった暴君ディオニスを怒らせたメロスは、死刑を宣告されます。しかし、妹の結婚式に出席するため、親友のセリヌンティウスを人質として王宮に残し、3日間の猶予を得ます。

メロスは、親友との約束を果たすため、そして人間の信頼を取り戻すために、様々な困難を乗り越えながら必死に走り続けます。友情のために命をかける二人の姿は、読む人の心を強く打ちます。信じることの尊さを教えてくれる、時代を超えて読み継がれるべき物語です。

26位『グレート・ギャツビー』F・スコット・フィッツジェラルド

F・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』は、1920年代のアメリカを舞台に、謎に包まれた大富豪ジェイ・ギャツビーの華麗で空虚な人生を描いた物語です。語り手であるニック・キャラウェイは、ギャツビーの隣家に越してきたことで、彼の開く豪華絢爛なパーティーに招かれます。

ニックは、ギャツビーがかつての恋人デイジーを取り戻すために、その富を築き上げたことを知ります。一人の女性への純粋な愛と、失われた過去への憧れを抱き続けるギャツビーの姿を通して、ニックは彼に特別な友情を感じていきます。狂騒の時代を生きた人々の夢と挫折を描いた、アメリカ文学の傑作です。

27位『ののはな通信』三浦しをん

三浦しをんさんの『ののはな通信』は、二人の女性が交わす手紙を通して、彼女たちの友情と人生を描いた書簡体小説です。しっかり者で面倒見の良いのんちゃんと、おっとりしていて少し頼りないはなちゃん。中高一貫の女子校で出会った二人は、卒業後も手紙のやり取りを続けます。

就職、恋愛、結婚、そして家族のこと。人生の様々な局面で、二人は互いに手紙を書き、励まし合い、時には厳しい意見を交わしながら、友情を育んでいきます。女性同士の繊細な心の機微や、時間と共に変化していく関係性を、温かくもリアルに描き出した作品です。

28位『DIVE!!』森絵都

森絵都さんの『DIVE!!』は、高さ10メートルの飛び込み台から繰り広げられる、少年たちの熱い青春スポーツ小説です。赤字経営のダイビングクラブを存続させるため、コーチが打ち出した条件は「次のオリンピックにクラブから日本代表選手を送り出す」ことでした。

平凡な中学生・坂井知季は、天才ダイバーの富士谷要一、そして野性的な魅力を持つ沖津飛沫と共に、オリンピックを目指して厳しい練習に励みます。それぞれの才能や悩みを抱えながらも、少年たちがライバルとして、そして仲間として成長していく姿が描かれています。一瞬にかける彼らの情熱に、胸が熱くなる物語です。

29位『4TEEN』石田衣良

石田衣良さんの『4TEEN』は、月島を舞台に、4人の中学生の日常と冒険を描いた直木賞受賞作です。主人公のテツロー、ダイ、ナオト、ジュンは、いつも4人でつるんでいる仲良しグループ。

彼らは、同級生の死や、初めての恋、そして大人たちの世界の複雑さに触れながら、少しずつ成長していきます。14歳という多感な時期の少年たちが抱える、未来への希望や不安、そして友情が、爽やかな筆致で描かれています。子どもと大人の狭間で揺れ動く彼らの姿に、誰もが自分の14歳の頃を思い出すのではないでしょうか。

30位『線は、僕を描く』砥上裕將

砥上裕將さんの『線は、僕を描く』は、ある出来事をきっかけに心を閉ざしてしまった大学生・青山霜介が、水墨画との出会いによって再生していく物語です。アルバイト先の絵画展で、水墨画の巨匠・篠田湖山と運命的な出会いを果たした霜介は、彼の内弟子になることになります。

筆と墨、そして紙だけが作り出す、奥深い水墨画の世界。霜介は、湖山の孫娘であり、ライバルでもある千瑛や、仲間たちとの交流を通して、次第に自分の心の線を描き始めます。芸術の厳しさと美しさ、そして人と人との温かい繋がりを描いた、感動的な青春小説です。

31位『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』嶽本野ばら

嶽本野ばらさんの『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』は、茨城県下妻市を舞台に、ロリータファッションをこよなく愛する少女・竜ヶ崎桃子と、特攻服をまとったヤンキーの少女・白百合イチゴの奇妙な友情を描いた物語です。

全く正反対の世界に生きる二人が、ひょんなことから出会い、反発し合いながらも次第に心を通わせていきます。自分の「好き」を貫き通す二人の姿は、痛快でパワフル。友情に理屈はいらない、ということを教えてくれる、ユーモアと感動に満ちた青春小説です。

32位『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』は、京都を舞台に繰り広げられる、奇妙で愉快な恋愛ファンタジーです。後輩である「黒髪の乙女」に恋をした「先輩」は、「なるべく彼女の目に留まる」という作戦を実行すべく、日々彼女を追いかけます。

しかし、天真爛漫な乙女は、先輩の気持ちに気づくことなく、夜の先斗町や古本市、大学祭などを舞台に、次々と珍事件を巻き起こしていきます。個性豊かなキャラクターたちが織りなす不思議な一夜の物語は、読者を摩訶不思議な世界へと誘います。友情や恋愛が入り混じった、独特の世界観が魅力の一冊です。

33位『政と源』三浦しをん

三浦しをんさんの『政と源』は、幼なじみである二人の男性、政と源の長年にわたる友情を描いた物語です。 物静かで思慮深い政と、天真爛漫で行動的な源。性格は正反対ですが、二人はいつも一緒にいました。

小学生から社会人になるまで、彼らの人生の様々な場面が、ユーモアと温かさに満ちた筆致で描かれています。恋愛や仕事、そして家族。変化していく環境の中でも、変わらない二人の友情が、読者の心を温かくします。男同士の固い絆を描いた、心温まる一冊です。

34位『阪急電車』有川浩

有川浩さんの『阪急電車』は、片道わずか15分のローカル線、阪急今津線を舞台にした連作短編集です。同じ電車に乗り合わせた人々の人生が、少しずつ交差し、繋がっていく様子が描かれています。

婚約者を後輩に奪われたOL、DV彼氏と別れられない女子大生、そしてセレブ気取りの奥様グループ。それぞれの乗客が抱える悩みや小さな奇跡が、温かい眼差しで綴られていきます。偶然乗り合わせただけの他人同士が、ほんの少しだけ影響を与え合うことで、明日への一歩を踏み出す勇気をもらう。人と人との繋がりを感じさせてくれる、心温まる物語です。

35位『かがみの孤城』辻村深月

辻村深月さんの『かがみの孤城』は、学校での居場所をなくし、家に閉じこもっていた中学生・こころの物語です。ある日、こころの部屋の鏡が光り出し、彼女は鏡の中にある不思議な城に招き入れられます。

そこには、こころと同じように、様々な事情を抱えた6人の中学生たちがいました。彼らは、城に隠された「願いの部屋」の鍵を見つければ、どんな願いも一つだけ叶えてもらえると告げられます。城での出会いを通して、彼らは少しずつ心を開き、友情を育んでいきます。思春期の痛みと再生を描いた、感動のファンタジーミステリーです。

36位『蜜蜂と遠雷』恩田陸

恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』は、国際ピアノコンクールを舞台に、才能あふれる若きピアニストたちの挑戦と成長を描いた物語です。かつて天才少女と呼ばれながらも、母親の死をきっかけにピアノから離れていた栄伝亜夜。年齢制限ギリギリでコンクールに挑む、妻子持ちのサラリーマン高島明石。

そして、音楽の神様に愛された謎の少年、風間塵。彼らをはじめとする個性豊かなコンテスタントたちが、それぞれの思いを胸に、コンクールという戦いの場で火花を散らします。音楽の素晴らしさ、そして才能や運命に翻弄されながらも、互いに影響を与え合う人々の姿を描いた、壮大な音楽小説です。

37位『舟を編む』三浦しをん

三浦しをんさんの『舟を編む』は、新しい辞書「大渡海」の編纂に情熱を注ぐ人々を描いた物語です。出版社の営業部で浮いた存在だった馬締光也は、その真面目さと粘り強さを買われ、辞書編集部に引き抜かれます。

個性的な編集部のメンバーたちと共に、果てしない言葉の海に挑む馬締。気の遠くなるような時間と労力をかけて、一冊の辞書を作り上げていく彼らの姿を通して、言葉の魅力や、一つの仕事に打ち込むことの尊さが描かれています。地道な作業の中に宿る情熱と、仲間との温かい絆が胸を打つ、本屋大賞受賞作です。

38位『夜の光』坂木司

坂木司さんの『夜の光』は、夜のコーヒー店「ヨン」を舞台に、二人の青年の友情と成長を描いた物語です。 昼間は大学に通い、夜はコーヒー店でアルバイトをする元。彼は、店にやってくる様々な客や、無愛想だけど仕事に誇りを持つマスターとの交流を通して、少しずつ大人になっていきます。

そして、もう一人の主人公が、元の幼なじみである行。二人は、時にぶつかり合いながらも、互いを支え合い、固い友情で結ばれています。温かいコーヒーのように、心にじんわりと染み渡る、優しくて少しビターな青春小説です。

ランキングの中からお気に入りの友情小説を見つけよう

ここまで、友情をテーマにしたおすすめの小説を38作品、ランキング形式でお届けしました。学生時代のきらめきを描いた青春小説から、大人になってからの複雑な人間関係を描いた作品、そしてスポーツや音楽を通して絆を深める物語まで、様々な形の友情があったのではないでしょうか。

気になる作品は見つかりましたか？ 友情小説は、私たちに友達の大切さを再認識させてくれるだけでなく、明日への一歩を踏み出す勇気や、心を温める感動を与えてくれます。 このランキングが、あなたの心に残る特別な一冊と出会うきっかけになれば嬉しいです。