【2025年最新】不登校がテーマの小説おすすめランキングTOP19

不登校の悩みに寄り添う小説｜読書で心に安らぎと希望を見つけよう

学校に行けない、行く気になれない……。そんな悩みを抱えているとき、誰にも気持ちを打ち明けられず、一人で抱え込んでいませんか？ 出口の見えないトンネルの中にいるような気持ちかもしれません。

そんなとき、そっと心に寄り添ってくれるのが「小説」の世界です。物語の中に自分と同じような悩みを抱えた登場人物を見つけると、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と感じられます。登場人物たちの葛藤や成長の物語は、あなたの心を少しだけ軽くし、明日へ踏み出す小さな勇気をくれるでしょう。

この記事では、不登校の悩みに寄り添い、心に安らぎと希望を見つけるきっかけになる小説をランキング形式でご紹介します。物語の世界に没頭する時間が、あなたにとって心休まるひとときになりますように。

不登校がテーマのおすすめ小説ランキングTOP19

ここからは、不登校をテーマにしたおすすめの小説をランキング形式で19作品ご紹介します。

ファンタジーの世界で仲間との絆を見つける物語や、現実世界で自分の居場所を探す物語、家族との関係に悩む物語など、さまざまな切り口で「不登校」というテーマが描かれています。きっとあなたの心に響く一冊が見つかるはずです。

1位『かがみの孤城』 辻村深月

学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生の主人公「こころ」。ある日、自室の鏡が突然光り出し、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、そこにはお城のような不思議な建物と、自分と似た境遇の6人の中学生が集められていました。

この城には秘密の「鍵」が隠されており、見つけた者はどんな願いも叶えてもらえるといいます。なぜこの7人が集められたのか、そして鍵は見つかるのか。全てが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる物語です。2018年の本屋大賞を受賞し、アニメ映画化もされるなど、多くの人に支持されています。

2位『西の魔女が死んだ』 梨木香歩

中学校に入学してすぐ、学校へ行けなくなってしまった少女「まい」。まいは、ママの提案で、人里離れた森で暮らすおばあちゃんの家でひと夏を過ごすことになります。おばあちゃんは「西の魔女」の家系で、まいは「魔女修行」として、早寝早起きや食事の支度、草むしりなど、規則正しい生活を送ることになります。

自然に囲まれた穏やかな生活と、大好きなおばあちゃんとの交流を通して、まいは「自分で決めること」の大切さを学んでいきます。心が疲れてしまったときに、優しく寄り添ってくれるような、温かい物語です。

3位『カラフル』 森絵都

生前の罪により、輪廻のサイクルから外された「ぼく」の魂。しかし、天使業界の抽選に当たり、自殺を図った中学3年生「小林真」の体にホームステイして、もう一度人生をやり直すチャンスを与えられます。

真として生活する中で、「ぼく」は真が抱えていた家族や友人との問題、そして不登校になった理由を知ることになります。人の心は一つではなく、様々な色が混じり合っているということ。タイトルの「カラフル」に込められたメッセージが、読者の胸に深く響く作品です。

4位『アーモンド』 ソン・ウォンピョン

扁桃体（へんとうたい）が人より小さく、怒りや恐怖といった感情を感じることができない高校生の「ユンジェ」。彼は、母親から「普通」に見えるように、感情表現の仕方を教え込まれて育ちました。しかし、ある悲劇的な事件をきっかけに、たった一人になってしまいます。

そんな彼の前に、荒々しい感情をむき出しにする少年「ゴニ」が現れます。正反対の二人が出会い、互いの世界に影響を与えながら、少しずつ変わっていく姿が描かれています。感情とは何か、人とのつながりとは何かを考えさせられる、韓国でベストセラーとなった感動の物語です。

5位『推し、燃ゆ』 宇佐見りん

学校生活にも家庭にも馴染めず、生きることの困難さを抱える女子高生「あかり」。彼女の生きがいは、アイドルグループのメンバーである「推し」を応援することでした。しかし、その推しがファンを殴って炎上し、彼女の日常は根底から揺らぎ始めます。

自分のすべてを捧げてきた推しを失ったとき、人はどうなってしまうのか。推しを推すことに心血を注ぐあかりの姿を通して、現代社会の生きづらさや、好きという気持ちの純粋さと危うさが描かれています。第164回芥川賞を受賞した話題作です。

6位『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ

自分の人生を家族に搾取されてきた女性「貴瑚（きこ）」は、ある痛みを抱えて東京から海辺の町へと移り住みます。そこで彼女は、母親から虐待を受け、声を発することができなくなった少年と出会います。

52ヘルツのクジラとは、他のクジラには届かない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラのこと。貴瑚は少年に、声なきSOSを発する「52ヘルツのクジラ」の姿を重ね合わせ、彼の人生を救おうと決意します。魂の叫びを聴き、寄り添うことの大切さを教えてくれる、2021年本屋大賞受賞作です。

7位『雨の降る日は学校に行かない』 相沢沙呼

不登校の生徒たちが集まる「傘の会」。そのメンバーである女子高生「小川さん」は、ある男子生徒の入会をきっかけに、会の仲間たちが抱えるそれぞれの事情や心の痛みに触れていきます。

学校に行けない理由は人それぞれ。いじめ、家庭環境、友人関係……。この物語は、そんな生徒たちの繊細な心情を丁寧に描き出した連作短編集です。雨の日にそっと寄り添ってくれる傘のように、優しく心を包み込んでくれる一冊です。

8位『温室デイズ』 瀬尾まいこ

不登校の生徒たちが通う、学校内の「相談室」。そこは、日当たりの良い温室のような場所でした。主人公の「僕」は、個性豊かな仲間たちと出会い、他愛のないおしゃべりをしたり、一緒にご飯を食べたりするうちに、少しずつ元気を取り戻していきます。

大きな事件が起こるわけではないけれど、温かくて優しい日常が丁寧に描かれています。焦らなくてもいい、自分のペースで進んでいけばいい。そんな風に背中をそっと押してくれるような、心温まる物語です。

9位『みかづき』 森絵都

小学校の用務員だった大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明と出会い、やがて学習塾を立ち上げます。物語は、昭和から平成にかけての塾業界の変遷とともに、ある家族の三世代にわたる歴史を描き出します。

この作品では、学校教育に馴染めない子どもたちや、不登校の生徒たちも登場します。時代の変化の中で、教育とは何か、子どもたちにとって本当に必要な学びの場とは何かを問いかける、壮大な物語です。2017年の本屋大賞で2位となりました。

10位『宙ごはん』 町田そのこ

産んでくれた母と、育ててくれた母。二人の母を持つ高校生の「宙（そら）」が主人公の物語です。宙は、複雑な家庭環境の中で、自分の居場所やアイデンティティに悩みながらも、ごはんを通して人とつながり、成長していきます。

この物語では、宙の友人として不登校の生徒も登場し、彼女の悩みに寄り添う姿が描かれます。温かいごはんが人と人の心を繋いでいくように、優しさと愛情が詰まった一冊。読んだ後には、お腹も心も満たされるような気持ちになります。

11位『しずかな魔女』 市川朔久子

ある出来事をきっかけに、言葉を話せなくなってしまった少女「伊吹」。彼女は、祖母の家で暮らし始め、学校にも行かずに静かな日々を送っていました。そんな彼女の前に、不思議な少年が現れたことから、物語は動き始めます。

声を出せない伊吹が、心の中で何を思い、世界をどう見ているのか。彼女の繊細な心の動きが丁寧に描かれています。静かながらも、内に秘めた強い意志を感じさせる物語。自分らしく生きることの大切さを教えてくれます。

12位『凍りのくじら』 辻村深月

少し不思議な「SF（すこし・ふしぎ）」な出来事が好きな高校生の芦沢理帆子。写真家の父は海外へ、母は理帆子が5歳の時に亡くなっており、今は祖母と暮らしています。彼女は、ドラえもんのひみつ道具のように、日常に「SF」な意味を見出すことで、現実の寂しさから目をそらしていました。

ある日、理帆子は「別所」と名乗る青年と出会います。彼は、理帆子がずっと会いたいと願っていた、ある人物に繋がる存在でした。現実と向き合い、一歩を踏み出す勇気をくれる、切なくも温かい青春小説です。

13位『ツナグ』 辻村深月

もし、たった一度だけ、死んだ人にもう一度会えるとしたら、あなたはどうしますか？この物語は、死者との再会を仲介する使者「ツナグ」の見習いである高校生・歩美を主人公にした連作短編集です。

それぞれの章で、亡くなったアイドルに会いたいファン、喧嘩したまま親友を亡くした女子高生など、様々な依頼者が登場します。彼らが死者との再会を通して何を感じ、どう変わっていくのかが描かれます。不登校が直接のテーマではありませんが、喪失感を抱える人々の心に寄り添う物語です。

14位『夜が明ける』 西加奈子

高校で出会った「アキ」と「俺」。アキは、圧倒的な才能と魅力で周囲を惹きつけますが、その心には深い闇を抱えていました。卒業後、二人は劇団を立ち上げますが、アキの存在は次第に「俺」の人生を蝕んでいきます。

若者の生きづらさや、社会の不条理、才能というものの残酷さを、強烈に描き出した作品です。学校という小さな世界から社会へ出たときに感じる息苦しさや、思うようにいかない現実がリアルに描かれており、胸に突き刺さるものがあります。

15位『虹いろ図書館のへびおとこ』 櫻井とりお

人付き合いが苦手で、本の世界に安らぎを見出していた主人公。彼女が働くことになった「虹いろ図書館」は、少し変わった利用者が集まる場所でした。そこで彼女は、全身に入れ墨を入れた「へびおとこ」と呼ばれる男性をはじめ、様々な人々と出会います。

図書館という静かな空間を舞台に、不器用な人々が本を通して心を通わせていく様子が、優しく描かれています。学校や社会に馴染めなくても、安心して過ごせる居場所があることの大切さを教えてくれる物語です。

16位『保健室経由、かねやま本館。』 松素めぐり

学校には行けず、保健室登校をしている中学生の男女4人。彼らは、保健室の先生の勧めで、山奥にある古い旅館「かねやま本館」で、一風変わった職業体験をすることになります。

それぞれが心に傷を抱えながらも、旅館での共同生活や不思議な出来事を通して、少しずつ自分自身と向き合い、成長していく姿が描かれています。思春期特有の揺れ動く心情がリアルに表現されており、同世代の読者ならきっと共感できる部分があるはずです。

17位『万葉と沙羅』 高田由紀子

ある日突然、学校に行かなくなってしまった中学生の姉「万葉」。そんな姉を、妹の「沙羅」は心配しながらも見守っています。物語は、不登校になった姉と、その家族の日常を、姉妹それぞれの視点から描いていきます。

なぜ学校に行けなくなったのか、本人はどう感じているのか、そして家族はどう向き合えばいいのか。不登校という出来事を通して、家族が少しずつ関係性を変化させていく様子が丁寧に描かれています。当事者だけでなく、そのきょうだいや家族の気持ちにも光を当てた作品です。

18位『晴天の迷いクジラ』 窪美澄

母親の過干渉に悩み、息苦しさを感じながら生きる女子高生の「正子」。彼女は、自由奔放な双子の姉弟と出会い、少しずつ自分の世界を広げていきます。しかし、ある出来事をきっかけに、彼らの関係は変化していきます。

この物語には、失恋や仕事のストレスで心身のバランスを崩してしまう大人も登場します。生きづらさを抱えているのは子どもだけではない、という視点を与えてくれます。誰もが抱える可能性のある心の痛みや孤独に、そっと寄り添ってくれる物語です。

19位『コンビニ人間』 村田沙耶香

36歳、未婚、彼氏なし。大学卒業後も就職せず、コンビニのアルバイトを18年間続けている古倉恵子。彼女は、子どもの頃から「普通」がわからず、マニュアル通りに動けばいいコンビニという世界に、安らぎを見出していました。

「普通」とは何か、「正常」と「異常」の境界線はどこにあるのか。社会の常識や価値観に馴染めない主人公の姿を通して、現代社会の生きづらさを鋭く問いかける作品です。第155回芥川賞を受賞し、大きな話題となりました。

おすすめの不登校小説を読んで、物語の世界から一歩踏み出そう

ここまで、不登校をテーマにしたおすすめの小説を19作品ご紹介しましたが、気になる一冊は見つかりましたか？

学校に行けない理由は人それぞれで、その悩みの深さも様々です。今回ご紹介した小説の登場人物たちも、色々な事情を抱えながら、悩み、葛藤し、それでも前へ進もうとしています。彼らの物語に触れることで、「自分だけじゃないんだ」という安心感や、少し先の未来へ目を向けるきっかけが得られるかもしれません。

読書は、あなたをいつでも温かく迎え入れてくれる、安全な避難場所です。まずは一冊、手に取ってみませんか？物語の世界が、あなたの心を癒し、現実世界で一歩踏み出すための力を与えてくれることを願っています。