【2025年最新】櫛木理宇の小説おすすめランキングTOP20

櫛木理宇の小説おすすめ作品の選び方｜人間の”闇”を描く魅力に迫る

櫛木理宇（くしき りう）は、人間の狂気や心の闇を巧みに描くことで知られる人気作家です。その作風は大きく二つに分かれるのが特徴で、一つはライトで読みやすいコメディ要素のある作品、もう一つは人間の闇や狂気を描くシリアスな作品です。どちらもホラーやミステリーを基盤としながら、全く異なる読書体験を提供してくれます。

2012年に『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞の読者賞を受賞してデビューし、同年に『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞するなど、輝かしい経歴を持っています。『死刑にいたる病』や『ホーンテッド・キャンパス』など、メディアミックス化された人気作品も多く、小説ファン以外からも注目を集めています。どの作品から読めばいいか迷ってしまう方のために、まずは櫛木理宇作品の選び方からご紹介します。

①：読みたいジャンルで選ぶ（ホラー・ミステリー・青春）

櫛木理宇の作品は、大きく分けてホラー、ミステリー、青春の3つのジャンルに分類できます。どのジャンルも人間の心理を深く掘り下げており、それぞれ違った魅力があります。

背筋が凍るような恐怖を味わいたいならホラー作品、謎解きやスリルを楽しみたいならミステリー作品がおすすめです。一方で、甘酸っぱい青春とオカルトが融合した『ホーンテッド・キャンパス』シリーズのような青春小説テイストの作品もあり、幅広い読者の好みに応えてくれます。まずは自分がどのジャンルに惹かれるかで選んでみるのが良いでしょう。

②：シリーズ作品で選ぶ（ホーンテッド・キャンパス／依存症）

じっくりと作品の世界観に浸りたい方には、シリーズ作品から読み始めるのがおすすめです。櫛木理宇には、代表的なシリーズが2つあります。

一つは、オカルト研究会に所属する大学生たちの日常と怪奇事件を描いた『ホーンテッド・キャンパス』シリーズです。青春小説の爽やかさとホラー要素が絶妙にミックスされており、読みやすいのが特徴です。もう一つは、人間の異常な執着心や狂気を描く『依存症』シリーズで、『殺人依存症』『残酷依存症』『監禁依存症』といった作品があります。こちらは、人間の心の闇を深くえぐる、重厚な読後感を求める方におすすめです。

③：読後感で選ぶ（後味の悪い／救いのある）

櫛木理宇作品の魅力の一つに、その多彩な読後感があります。作品によって、心にずっしりと重くのしかかるような後味の悪い物語もあれば、わずかながらも救いが感じられる物語も存在します。

例えば、『赤と白』は雪国の閉塞感を背景に少女たちの心の闇を描き、読後に重い余韻を残す作品として知られています。一方で、ライトな作風の作品では、登場人物の成長が描かれ、読後に希望を感じさせてくれるものもあります。自分が今どんな気持ちになりたいか、読後にどんな余韻に浸りたいかを考えて作品を選ぶのも、櫛木理宇作品の楽しみ方の一つです。

櫛木理宇のおすすめ小説ランキングTOP20

ここからは、いよいよ櫛木理宇のおすすめ小説をランキング形式でご紹介します！

人間の恐ろしさを描いたイヤミス（後味の悪いミステリー）から、心温まる青春オカルトミステリーまで、多彩なラインナップが揃っています。あなたのお気に入りの一冊がきっと見つかるはずです。それでは、見ていきましょう！

1位『死刑にいたる病』

鬱屈した大学生活を送る雅也のもとに、ある日一通の手紙が届きます。差出人は、世間を震撼させた稀代の連続殺人鬼・榛村大和。かつて雅也が通っていたパン屋の店主でした。大和は、数々の殺人事件の中で一件だけは冤罪だと主張し、雅也に真相の調査を依頼します。

雅也は、かつての良き理解者であった大和の頼みを断れず、事件を調べ始めますが、それは彼を底知れぬ闇へと引きずり込む始まりでした。人の心を巧みに操る殺人鬼の恐ろしさと、二転三転するストーリーから目が離せません。2022年には阿部サダヲ主演で映画化もされ、大きな話題となりました。

2位『ホーンテッド・キャンパス』

怖がりなのに幽霊が見えてしまう体質の大学生・八神森司。彼は、高校時代から片想いしている後輩・灘こよみと親しくなるため、彼女が入部したオカルト研究会に足を踏み入れます。しかし、オカルト研究会に持ち込まれるのは、キャンパス内外で起こる様々な怪奇現象の解決依頼ばかりでした。

森司は、個性豊かなオカルト研究会のメンバーと共に、次々と起こる事件の謎に挑んでいきます。青春の甘酸っぱさと背筋の凍るようなホラーが見事に融合した、櫛木理宇のデビュー作にして大人気シリーズの第1作です。2016年には中山優馬主演で映画化もされました。

3位『殺人依存症』

6年前に息子を誘拐殺人で亡くした捜査一課の刑事・浦杉は、現実から逃れるように仕事に没頭していました。そんな中、連続殺人事件が発生。捜査を進めるうち、実行犯の男たちを裏で操る一人の女の存在が浮かび上がります。

息をするように罪を重ねる謎の女と、最愛の家族を失い死んだように生きる刑事。二つの孤独な魂が対峙したとき、衝撃の真実が明らかになります。人間の心の闇と犯罪の連鎖を鋭く描いた、息もつかせぬクライムサスペンスです。「依存症シリーズ」の1作目にあたります。

4位『鵜頭川村事件』

医師の岩森明は、行方不明の妻を探すため、娘を連れて妻の故郷である鵜頭川村を訪れます。しかし、記録的な豪雨によって村は孤立状態に。不安が広がる中、一人の若者の死体が発見されたことをきっかけに、村は狂気の渦に巻き込まれていきます。

村の有力者一族と、それに反発する若者たちの対立が激化し、村人たちは集団ヒステリーに陥っていきます。閉鎖された空間で人間の理性が崩壊していく様をスリリングに描いたパニック・スリラーです。2022年にはWOWOWでドラマ化もされました。

5位『少女葬』

一人の家出少女が壮絶なリンチの末に殺害され、その死体画像がインターネット上に拡散されます。その画像を見つめるのは、かつて彼女と劣悪な環境のシェアハウスで共に生活したことのある、もう一人の元・家出少女でした。

なぜ、心優しかったはずの彼女は、これほど無残に殺されなければならなかったのか。貧困ビジネスに巻き込まれ、運命を狂わされた少女たちの友情と絶望を描く衝撃作です。現代社会が抱える闇と、そこに生きる少女たちの痛切な叫びが胸に突き刺さります。

6位『寄居虫女』

『寄居虫女』は、人間の心の隙間に入り込み、宿主を破滅へと導く恐ろしい存在を描いた物語です。タイトルの「寄居虫」とはヤドカリのことを指し、他人の家庭に巧みに入り込んでは、その家族を内側から崩壊させていく女の恐怖を描いています。

平和な日常が、一人の女の出現によって静かに、しかし確実に蝕まれていく過程は、まさにサイコホラーの真骨頂。櫛木理宇ならではの、じわじわと精神を追い詰めるような恐怖を存分に味わえる一冊です。人間の猜疑心や嫉妬といった負の感情が、いかに脆く、そして恐ろしいものであるかを突きつけられます。

7位『残酷依存症』

大学のサークル仲間である航平、匠、渉太の3人は、何者かによって拉致・監禁されます。目が覚めると、彼らは手足を拘束され、両足の指を数本切断されていました。犯人は彼らの友情を試すかのように、「爪を剥がせ」「目を潰せ」といった残酷な指令を次々と下します。

極限状態に置かれたことで、3人の関係性は歪み、隠されていた本性が暴かれていきます。要求は次第にエスカレートし、彼らは生き残りをかけたデスゲームに身を投じることに。「依存症シリーズ」の1作で、人間の本能的な恐怖と、友情の脆さを描いた壮絶な物語です。

8位『虜囚の犬』

元家庭裁判所調査官である白石洛を主人公にしたサスペンスです。彼は、心に傷を負った人々のカウンセリングを行う傍ら、様々な事件に巻き込まれていきます。本作で彼が対峙するのは、常軌を逸した支配欲を持つ人物によって引き起こされる悲劇です。

「虜囚」というタイトルが示す通り、物理的な監禁だけでなく、精神的な束縛や支配の恐ろしさが描かれています。人の弱さや心の傷につけ込む犯罪の巧妙さと、そこから抜け出すことの困難さがリアルに描写されており、読者は息苦しささえ感じるかもしれません。人間の尊厳とは何かを問う、重厚なテーマの作品です。

9位『侵蝕』

平和な町で、一人の女性が謎の失踪を遂げます。事件の捜査線上に浮かび上がったのは、町に古くから存在する奇妙な風習と、閉鎖的なコミュニティが隠してきた暗い秘密でした。本作は、外部からはうかがい知れない、閉鎖された社会の恐ろしさを描いたミステリーです。

タイトルの『侵蝕』が示すように、じわじわと日常が壊れていく不気味さと、人間の心の闇が巧みに描かれています。田舎町を舞台にした作品を得意とする櫛木理宇の筆致が光る一作で、閉塞感と猜疑心が人々の心を蝕んでいく様子に、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。

10位『瑕死物件』

「瑕死物件」とは、いわゆる事故物件のこと。本作は、そんな特殊な物件を専門に扱う不動産屋を舞台にした物語です。主人公は、物件に残された死者の無念や謎を解き明かしていくうちに、人間の業や深い悲しみに触れていきます。

単なるホラーではなく、死者と生者の思いが交錯するヒューマンドラマの側面も持ち合わせています。それぞれの物件に秘められたエピソードは、時に恐ろしく、時に切ないものばかり。櫛木理宇の描く「死」と、それにまつわる人々の物語は、私たちに生きることの意味を静かに問いかけてきます。

11位『監禁依存症』

『殺人依存症』『残酷依存症』に続く、「依存症」シリーズの一作です。このシリーズは、人間の異常な心理や執着を描くことで人気を博していますが、本作のテーマはタイトル通り「監禁」。

物理的に自由を奪われる恐怖はもちろんのこと、監禁する側とされる側の間に生まれる歪んだ関係性や心理的な駆け引きが、息詰まるような緊張感で描かれています。なぜ人は人を支配しようとするのか、そして支配された人間はどうなってしまうのか。人間の尊厳が極限まで試される状況を通して、心の奥底に潜む闇をえぐり出す、強烈な読書体験が待っています。

12位『赤と白』

新潟の雪深い町を舞台に、二人の女子高生、小柚子と弥子の物語が描かれます。どこを見ても白一色の雪に閉ざされた町で、彼女たちはそれぞれ家庭に秘密を抱えながら、息苦しい日々を送っていました。

明るく振る舞う裏で、危ういバランスを保っていた二人の日常は、小学生の頃に転校していった同級生の出現によって、さらに閉塞感を増していきます。絶望的な日々の中で、少女たちの心の闇が静かに、しかし確実に増幅していく様がリアルに描かれています。読後感の悪さは随一とも言われる、衝撃的な青春ミステリーです。

13位『執着者』

『老い蜂』を改題し文庫化されたサイコサスペンス小説です。教師として働く主人公・鹿原十和子は、平穏な日常を送っていましたが、ある出来事をきっかけに、常軌を逸した執着心を持つ人物に付きまとわれるようになります。

ストーカーの恐怖を描いた作品は数多くありますが、本作の特異性は、その執着の根深さと、じわじわと日常を侵食していく手口の巧妙さにあります。どこにでもいる普通の人間の日常が、たった一つの出会いによっていかに簡単に崩壊してしまうのか。人間の執念深さと、それがもたらす恐怖をリアルに描いた作品です。

14位『氷の致死量』

本作は、特殊な状況下での犯罪捜査を描いた警察ミステリーです。タイトルの「氷」が示すように、物語の舞台は極寒の地。そこで発見された凍死体は、単なる事故死ではありませんでした。被害者の体には不可解な点がいくつも残されており、事件は複雑な様相を呈していきます。

厳しい自然環境が捜査を阻む中、刑事たちはわずかな手がかりを頼りに真相へと迫ります。閉鎖的な空間で繰り広げられる人間ドラマと、巧みに仕掛けられたトリックが読者を引き込みます。極限状態での人間の心理と、それを逆手に取った犯罪計画の恐ろしさを堪能できる一冊です。

15位『虎を追う』

30年前に起きた連続幼女殺人事件。逮捕された二人の男には死刑判決が下りましたが、そのうちの一人が獄中で病死します。当時、この事件の捜査に関わっていた元刑事の星野誠司は、長年抱き続けてきた冤罪の疑惑を晴らすため、引退した今、再び事件を調べ始めます。

星野は大学生の孫とその友人の協力を得て、SNSや動画サイトを使い「冤罪事件の真相解明をリアルタイムで見せる」という手法で世論を動かそうと試みます。すると、「虎」と名乗る謎の人物から、真犯人しか知り得ない情報が送られてくるようになります。現代的なツールを駆使して過去の事件に迫る、新感覚のミステリーです。

16位『灰いろの鴉』

「捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎」シリーズの一作です。主人公の鳥越刑事は、カラスと心を通わせることができるという、少し変わった能力を持っています。彼は、唯一の友達であるカラスたちから得られる情報をヒントに、難事件を解決に導いていきます。

本作で描かれるのは、都会の闇に葬られようとしていた悲しい事件の真相です。一見すると突飛な設定ですが、物語は本格的な警察ミステリーとして展開されます。孤独な刑事とカラスたちの絆、そして事件の裏に隠された人間の深い業が胸を打つ、ユニークな設定が光る作品です。

17位『ドリームダスト・モンスターズ』

『ホーンテッド・キャンパス』シリーズと並ぶ、櫛木理宇のオカルト青春ミステリーです。主人公たちが立ち向かうのは、人々の夢や記憶を喰らう謎の存在「モンスター」。彼らは、モンスターが引き起こす不可解な事件の解決に挑みます。

青春小説ならではの爽やかさや、登場人物たちの成長物語を楽しみながら、同時に奇妙で少し怖いオカルトの世界に浸ることができます。ライトな作風で読みやすく、櫛木理宇の「ダークサイド」な作品は少し怖いと感じる方にもおすすめです。日常に潜む不思議な出来事と、少年少女の心の揺れ動きが瑞々しく描かれています。

18位『死んでもいい』

フリーライターの世良未散は、「女子中学生墜落死事件」の執筆依頼を受けます。死亡した少女は遺書を残しており、警察は自殺として処理していました。未散はこの事件の記事で知名度を上げますが、やがて思いもよらない真相が彼女を待ち受けていました。

一見単純に見えた事件の裏には、少女たちの歪んだ人間関係と、大人たちが気づかなかった心の闇が隠されていました。タイトルの『死んでもいい』という言葉が持つ、衝撃的な意味が明らかになったとき、読者はやるせない気持ちに包まれるでしょう。思春期の少女たちの危うさと、現代社会の病理を鋭く切り取った作品です。

19位『少年籠城』

地方の温泉街で、子供の惨殺遺体が発見されます。警察は、小児わいせつ事件を繰り返していた15歳の少年・当真に疑いの目を向けます。追われる身となった当真は、警官から拳銃を奪い、仲間と共に子ども食堂に立てこもります。

彼は人質を盾に、「自分は無実だ。真犯人を捕まえろ」と警察に要求します。少年は本当に無実なのか、それとも嘘をついているのか。立てこもり事件の緊迫感と、殺人事件の謎解きが同時進行で描かれる、エンターテインメント性の高いミステリーです。育児放棄や貧困といった社会問題も織り込まれており、物語に深みを与えています。

20位『悲鳴』

ある日突然、平和な日常に鳴り響く「悲鳴」。それは、これから始まる惨劇の序曲でした。本作は、ある家族が謎の存在によって、じわじわと精神的に追い詰められていく様子を描いたホラーサスペンスです。

姿を見せない敵からの執拗な嫌がらせは、家族の絆を蝕み、彼らを疑心暗鬼に陥れていきます。一体誰が、何のために？恐怖の正体がわからないまま、日常が少しずつ壊れていく過程は、櫛木理宇の真骨頂ともいえるでしょう。人間の最も原始的な感情である「恐怖」を、巧みな心理描写で描き出した一冊です。

あなたに合う櫛木理宇の小説を見つけて、唯一無二の読書体験を

櫛木理宇のおすすめ小説ランキングTOP20、いかがでしたでしょうか。人間の心の闇を鋭くえぐる重厚なミステリーから、オカルトと青春が融合したライトな作品まで、その作風の幅広さを感じていただけたかと思います。

今回ご紹介した選び方のポイントを参考に、ぜひあなたの好みに合った一冊を見つけてみてください。どの作品も、一度読んだら忘れられない強烈な印象を残すものばかりです。櫛木理宇が描く、唯一無二の世界に足を踏み入れ、心を揺さぶる読書体験を味わってみてはいかがでしょうか。