柏井壽 小説 おすすめ ランキング

4位『鴨川食堂おまかせ』

4位にランクインしたのは、シリーズ第4弾の『鴨川食堂おまかせ』。物語の基本構成はそのままに、美味しさも温もりもさらにパワーアップしています。迷える人々に優しい食堂は、今作でも元気に営業中です。

登場するのは、おにぎりや唐揚げ、マカロニグラタンといった食卓でおなじみのメニュー。しかし、その一皿に込められた物語はこれまで以上に深く、時にはほろ苦いものも。都合よく美化された過去よりも、今を生きることの大切さを、温かい料理がそっと教えてくれます。

5位『京都スタアホテル』

5位は、「鴨川食堂」シリーズとは一味違う魅力を持つ『京都スタアホテル』。舞台は、フレンチから寿司まで12ものレストランを擁する京都の老舗ホテルです。ここで、心温まるおもてなしの物語が繰り広げられます。

スタッフたちが提供するのは、料理の味はもちろんのこと、お客様の心に寄り添いながらも決して踏み込みすぎない、絶妙な距離感のサービス。人生の岐路に立つ人々が、ホテル自慢の料理と心のこもったおもてなしによって、再び前を向く力を得ていく物語です。

6位『鴨川食堂はんなり』

ランキング6位は、シリーズ第5弾『鴨川食堂はんなり』。「はんなり」とは、上品で華やかながらも落ち着いた趣がある様子を表す京ことばで、その名の通り、優しく心に染み入る物語が詰まっています。

依頼人たちが探し求めるのは、親子丼や焼売（しゅうまい）、きつねうどんといった、どこか懐かしさを感じる料理の数々。一杯の料理が彼らの心を解きほぐし、幸せな記憶を呼び覚ましていきます。

元彼との恋の行方を左右した親子丼、亡き息子との思い出が詰まった焼売など、恋愛や家族の愛にまつわるエピソードが中心です。辛くて泣きたい日や、心が疲れてしまった日に読むと、そっと背中を押してくれるような優しい一冊です。

7位『鴨川食堂まんぷく』

7位にランクインしたのは、シリーズ第6弾『鴨川食堂まんぷく』。その名の通り、読めば心もお腹も「まんぷく」になること間違いなしの、美味しい物語が6編収録されています。

心の奥底にしまい込んでいた後悔や罪悪感。そんな複雑な想いを、鴨川親子が再現する思い出の味がそっと解きほぐします。シリーズならではの心地よい展開はそのままに、より一層深みを増した人間ドラマが味わえる一冊です。

8位『レシピ買います 祇園白川 小堀商店』

8位には、「鴨川食堂」とはまた違う魅力を持つ新シリーズ『レシピ買います 祇園白川 小堀商店』がランクイン。物語の舞台は、京都・祇園の名店の奥にひっそりと存在する『小堀商店』です。

この店の目的はただ一つ、様々な事情で世の中から消えようとしている絶品料理の「レシピ」を買い取ること。食通の百貨店相談役・小堀善次郎の特命を受けた3人の調査員が、腕は一流だがワケありの料理人たちを探し出し、その貴重な味を未来へと繋いでいきます。

調査員は、和食店の店長、売れっ子芸妓、市役所職員と、いずれも個性豊かな面々。彼らが繰り広げる情報収集の様子も本作の魅力です。「思い出の味」をテーマにした『鴨川食堂』に対し、こちらは「消えゆく味」に光を当てるという、新たな切り口が光るグルメ小説です。

9位『鴨川食堂もてなし』

9位は、シリーズ第7弾となる『鴨川食堂もてなし』です。タイトルが示す通り、鴨川親子による心のこもった「もてなし」が、訪れる人々の凍てついた心を温かく溶かしていきます。

今作で登場するのは、ビフテキ、春巻き、チキンライス、ちらし寿司といった、洋食から中華、和食までバリエーション豊かな料理の数々。認知症の父との約束が込められたビフテキなど、少し切なく、心に深く染み渡る物語が多く収録されています。

10位『鴨川食堂ごちそう』

ランキング10位は、シリーズ第8弾の『鴨川食堂ごちそう』です。今作でも、鴨川親子が腕によりをかけた「ごちそう」で、悩める依頼人たちの心とお腹を満たしていきます。

登場するのは、鰻丼、いなり寿司、ピザ、タマゴサンドなど、日常の中にある少し特別な料理たち。亡き息子との思い出が詰まった鰻丼や、家出の夜に食べた母のいなり寿司など、人生のターニングポイントに深く関わる「食」の物語が描かれます。

一人ひとりの人生に刻まれた味の記憶がいかに大切かを教えてくれます。とっておきのごちそうが、依頼人たちの固くなった心を優しく解きほぐしていく様子に、胸が熱くなる一冊です。

11位『祇園白川 小堀商店 いのちのレシピ』

11位は、「レシピ買います」シリーズの第2弾、『祇園白川 小堀商店 いのちのレシピ』です。前作で好評だった「消えゆくレシピを買い取る」という設定はそのままに、物語はさらに深みを増していきます。

今作のタイトルにある「いのちのレシピ」とは、単に美味しいだけでなく、作り手の人生や想いそのものが込められたレシピのこと。小堀商店の面々は、そんな”いのち”が宿った料理を後世に残すため、京都の街を奔走します。

さらに今作では、シリーズの要である小堀善次郎が何者かに襲われるという衝撃的な事件が発生し、物語にサスペンスの要素が加わります。美味しい料理と人情話に加え、ハラハラする展開も楽しめるエンターテイメント性の高い一冊です。

12位『京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋』

12位は、これまでの現代劇とは趣向を変え、柏井壽が初めて幕末の京都を舞台に描いた時代小説『京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋』です。

物語の主人公は、古寺の境内で「小鍋茶屋」を一人で切り盛りする気丈な女性料理人・月岡サヨ。昼は行列のできるおにぎり屋、夜は一日一組限定の鍋料理屋として、その腕を振るいます。

店の客として訪れるのは、土佐出身の男や薩摩の「吉さん」など、歴史上のあの人物を彷彿とさせる志士たち。不穏な時代の空気の中、サヨが作る心のこもった鍋料理が、彼らの心を束の間癒していきます。美味しい料理の描写はもちろん、パワフルで魅力的な主人公・サヨの生き様からも目が離せない一冊です。

13位『鴨川食堂しあわせ』

13位は、読むと優しい気持ちになれる『鴨川食堂しあわせ』です。鴨川食堂を訪れる人々が、思い出の味と再会することで「しあわせ」を取り戻していく姿が描かれます。

どんな料理であっても、そこに込められた依頼人の大切な思い出を、鴨川親子が丁寧に探し出します。

消えた父への想いが詰まった焼鳥、夫婦の絆を思い出すイタリアンなど、心温まるエピソードが満載です。美味しい料理と人々の優しさに触れ、読後にはタイトル通り「しあわせ」な余韻に浸れることでしょう。

14位『京都下鴨なぞとき写真帖』

14位には、食とミステリーが融合した新シリーズ『京都下鴨なぞとき写真帖』がランクイン。これまでの作品とは一味違う、謎解きの要素が楽しめる一冊です。

主人公はカメラを手にすると、ファインダーを通して人々の心の奥に隠された悩みや嘘を見抜き、鮮やかに謎を解決していきます。もちろん、柏井作品ならではの美味しそうな料理や、京都の美しい四季の風景も満載。物語を楽しみながら、まるで京都を旅しているかのような気分に浸れる作品です。

15位『鴨川食堂ひっこし』

15位は、シリーズの大きな節目となる『鴨川食堂ひっこし』です。タイトルから分かる通り、長年物語の舞台となってきた東本願寺近くのあの場所に、ついに別れの時が訪れます。

移転か、それとも店じまいか。大きな決断を迫られる中、これまで依頼を受ける側だった店主の流が、初めて依頼人となるという衝撃の展開が待っています。シリーズファンなら見逃せない、感動の一冊です。

16位『海近旅館』

16位は、舞台を京都から静岡県伊東市に移した『海近旅館』です。これまでの作品とは異なる新しい舞台で、心温まる物語が展開されます。

主人公は、亡き母の跡を継いで、経営難に陥った「海近（うみちか）旅館」の若女将となった海野美咲。「部屋から海が見える」ことだけが取り柄のこの旅館を、頼りにならない父と兄と共に立て直そうと奮闘します。

そんなある日、旅館に不思議な二人組の客が訪れます。彼らの目的は一体何なのか？ひよっこ女将の美咲が、様々な人との出会いを通して成長していく姿が、爽やかな感動を呼びます。旅館ならではの美味しい海の幸の描写も満載で、読めばきっと旅に出たくなる一冊です。

17位『鴨川食堂ごほうび』

17位は、『鴨川食堂ごほうび』です。引っ越しを終えた新しい「鴨川食堂」でも、変わらぬ温かい物語が紡がれます。

25年前のときめきを思い出すスポンジケーキや、母としての責任が詰まった牡蠣フライなど、頑張った人生への「ごほうび」のような、特別で温かい料理の物語が6編収録されています。新しい場所で紡がれる、変わらぬ優しさに満ちた物語をぜひお楽しみください。

18位『五条路地裏ジャスミン荘の伝言板』

18位は、京都の古き良き長屋を舞台にした人情ミステリー『五条路地裏ジャスミン荘の伝言板』です。これまでの作品とは少しテイストが異なり、謎解きの要素が強めの物語となっています。

舞台は、居酒屋や喫茶店などが軒を連ねる京都の十軒長屋「ジャスミン荘」。主人公は、ひょんなことからこの長屋の大家になった摩利（まり）です。ジャスミン荘には、入口の伝言板に毎日メッセージを書くというユニークなルールがありました。

ところがある朝、伝言板に一つだけ空欄が。不審に思った摩利が部屋を訪ねると、そこには住人の遺体が…。大切な長屋を守るため、摩利は美味しい料理とイケメン刑事の力を借りて、事件の解決に乗り出します。下町情緒あふれる舞台設定と、魅力的なキャラクターたちが織りなす軽快なミステリーです。

19位『下鴨料亭味くらべ帖』

19位は、手に汗握る料理対決が楽しめる『下鴨料亭味くらべ帖』です。京都の老舗料亭を舞台に、店の未来を賭けた熱い戦いが繰り広げられます。

登場するのは、革新的な料理を得意とする現在の板長と、伝統の味を守る謎の料理人。旬の食材をテーマに、「革新」と「伝統」がぶつかり合う料理対決は必見です。食欲をそそる料理描写はもちろん、手に汗握る展開から目が離せません。

20位『カール・エビス教授のあやかし京都見聞録』

ランキングの最後を飾る20位は、これまでの作品とは一線を画す、少し不思議なファンタジー小説『カール・エビス教授のあやかし京都見聞録』です。

主人公は、イギリスからやってきたミステリー作家のカール・エビス教授。彼は助手の九条葵と一緒に京都の街を散策する中で、次々と摩訶不思議な出来事に遭遇します。狐が化けた美しい女性や、この世ならざる場所に住む老婆など、京都に潜む「あやかし」たちが彼の前に姿を現すのです。

「宗旦狐（そうたんぎつね）」や「六道の辻（ろくどうのつじ）」といった、京都に古くから伝わる伝説や逸話が物語のベースになっており、幻想的な世界へと読者を誘います。外国人教授の目を通して描かれる、もう一つの京都の顔。いつもとは違う柏井壽作品を読んでみたい方におすすめの一冊です。

柏井壽の小説を読んで、美味しく心温まる時間を