【2025年最新】森博嗣の小説おすすめランキングTOP30

森博嗣の小説おすすめランキング｜S&Mシリーズから始めるべき？

森博嗣（もり ひろし）は、元大学の工学部助教授という異色の経歴を持つ小説家です。 その経歴を活かし、科学や工学の知識をトリックに取り入れた「理系ミステリィ」という新しいジャンルを確立しました。 知的で斬新な世界観でありながら、個性的なキャラクターたちの軽妙な会話劇も大きな魅力となっています。

森博嗣作品は数多くのシリーズが刊行されており、それぞれが複雑に絡み合っているのが特徴です。 そのため、どの作品から読めばいいか迷う方も多いでしょう。そんな方にまずおすすめしたいのが、代表作である「S&Mシリーズ」です。 このシリーズは、主人公である犀川創平（Saikawa Souhei）と西之園萌絵（Nishinosono Moe）の頭文字から名付けられています。 森博嗣作品の原点であり、後のシリーズにも繋がる重要なキャラクターたちが登場するため、ここから読み始めることで壮大な森博嗣ワールドをより深く楽しむことができます。

【2025年最新】森博嗣のおすすめ小説ランキングTOP30

ここからは、数ある森博嗣作品の中から、特におすすめの小説をランキング形式で30作品ご紹介します。デビュー作にして不動の人気を誇る「S&Mシリーズ」はもちろん、独特の世界観が魅力の「スカイ・クロラシリーズ」、新たな探偵像を提示した「Vシリーズ」など、多彩な作品がランクインしました。

ミステリィファンはもちろん、普段あまり小説を読まない方でも引き込まれる作品ばかりです。ぜひ、このランキングを参考にお気に入りの一冊を見つけて、知的で刺激的な森博嗣の世界に足を踏み入れてみてください。

1位『すべてがFになる』

記念すべき第1位は、森博嗣のデビュー作であり、第1回メフィスト賞を受賞した『すべてがFになる』です。 本作は「S&Mシリーズ」の第1作目にあたり、N大学工学部助教授の犀川創平と、学生の西之園萌絵のコンビが初めて登場します。 物語の舞台は、孤島のハイテク研究所。天才プログラマ・真賀田四季博士の部屋から現れた、ウェディングドレス姿で手足が切断された死体の謎に挑みます。

理系ミステリィというジャンルを確立した本作は、その衝撃的な内容からアニメ化、ドラマ化、マンガ化もされ、多くのファンを獲得しました。 森博嗣作品の入門書として、まず最初に読むべき一冊と言えるでしょう。

2位『冷たい密室と博士たち』

S&Mシリーズの第2弾『冷たい密室と博士たち』が2位にランクイン。 時系列的には『すべてがFになる』の約4ヶ月後、犀川と萌絵が所属する大学の極低温研究室で起こる密室殺人を描いています。 氷点下の密室で発見された2つの死体、そしてダクトスペースで見つかった腐乱死体。複雑に絡み合う謎に、再び犀川・萌絵コンビが挑みます。

実はこの作品は、もともとデビュー作として書かれていたものの、「地味すぎる」という理由で『すべてがFになる』と順番が入れ替えられたという経緯があります。 しかし、前作とは異なる静かな雰囲気の中で展開されるロジックは、森博嗣作品の奥深さを感じさせます。犀川と萌絵の関係性の変化にも注目です。

3位『笑わない数学者』

S&Mシリーズの3作目『笑わない数学者』は、天才数学者・天王寺翔蔵博士が住む「三ツ星館」が舞台です。 パーティーの席上、博士は庭にある巨大なオリオン像を忽然と消し去るという不思議な現象を見せます。しかし翌朝、再び現れたオリオン像の足元で2つの死体が発見され、事態は一変します。

監視された状況で起きた殺人事件の謎に、犀川と萌絵が挑みます。本作は難解なトリックだけでなく、登場する天才数学者の言葉一つ一つが非常に魅力的で、その独特な雰囲気に引き込まれる読者が多い作品です。

4位『スカイ・クロラ』

ミステリィ作品とは一線を画すSF小説「スカイ・クロラ」シリーズの第1作目が4位にランクイン。戦争がショーとして存在する世界で、思春期の姿のまま永遠に生きることを宿命づけられた戦闘機のパイロット「キルドレ」たちの日常と苦悩を描いています。

静かで美しい文章で綴られる独特の世界観と、生と死を巡る哲学的な問いかけが読者の心を掴む作品です。 その文学性の高さから押井守監督によってアニメ映画化もされ、大きな話題を呼びました。 森博嗣の新たな一面に触れることができる一冊です。

5位『黒猫の三角』

5位は、新たなシリーズ「Vシリーズ」の幕開けとなる『黒猫の三角』です。 このシリーズでは、S&Mシリーズの登場人物も関わりつつ、新たな主人公である瀬在丸紅子（せざいまる べにこ）を中心に物語が展開します。ドラマ化やマンガ化もされた人気シリーズです。

毎年、決まった法則で発生する連続殺人事件。そのターゲットになったと思われる女性からの依頼を受け、探偵・保呂草（ほろくさ）らが監視するものの、彼女は衆人環視の密室で殺害されてしまいます。個性豊かな登場人物たちの会話劇と、レトロな雰囲気が魅力のミステリィです。

6位『女王の百年密室』

6位には「G（ギリシャ文字）シリーズ」の第1作目、『女王の百年密室』がランクインしました。物語は、100年前に建設された密室「百年密室」で、伝説の女王が死んだ謎を追うところから始まります。S&Mシリーズの主人公、西之園萌絵が大学院生として再登場し、新たな探偵役である加部谷恵美（かべや えみ）と共に事件の真相に迫ります。

過去と現在が交錯する壮大なスケールの謎解きが魅力の作品です。このシリーズから読み始めても楽しめますが、S&MシリーズやVシリーズを読んでから手に取ると、登場人物たちの関係性をより深く味わうことができます。

7位『そして二人だけになった』

7位は、S&Mシリーズの作品『そして二人だけになった』です。本作は、外界から閉ざされた研究所を舞台に、次々と人が殺されていく「クローズド・サークル」ものの王道をいくミステリィ小説です。

国家機密とされるシェルターに集められた6人の男女。しかし、一人、また一人と姿を消していき、最後には二人だけが残されます。 閉鎖空間での極限の緊張感と、二転三転する展開にページをめくる手が止まらなくなること間違いなし。シリーズの中でも特にミステリィ色が強く、スリリングな展開が好きな方におすすめです。

8位『喜嶋先生の静かな世界』

8位は、シリーズ外の長編小説『喜嶋先生の静かな世界』です。森博嗣の自伝的小説とも言われており、大学の研究室を舞台に、勉強嫌いだった一人の青年が恩師との出会いを経て学問の道に進んでいく日々を、静かで美しい筆致で描いています。

ミステリィ要素はありませんが、研究の純粋さや学問の深み、そして師弟の関係性が丁寧に描かれており、読後に深い感動を覚える作品です。 理系学部の研究室のリアルな雰囲気を垣間見ることができるのも魅力の一つ。青春小説として、特に学生の方におすすめの一冊です。

9位『詩的私的ジャック』

S&Mシリーズの第4作目『詩的私적ジャック』が9位にランクイン。 大学施設で女子大生が連続して殺される事件が発生。現場は密室で、死体には奇妙な文字状の傷が残されていました。 さらに、事件が人気ロック歌手・結城稔の歌詞に沿って起きていることが判明し、捜査は混迷を極めます。

本作は、これまでのシリーズ作品に比べて西之園萌絵の活躍が際立つ一作です。 詩的な世界観と論理的な謎解きが融合した、森ミステリィの真骨頂とも言える作品。シリーズを順番に読んできたファンにとって、萌絵の成長を感じられる点も見どころです。

10位『封印再度』

10位はS&Mシリーズの第5作目『封印再度』です。物語は、50年前に日本画家・香山風采が密室で謎の死を遂げた事件に端を発します。彼が遺した家宝「天地の瓢」と「無我の匣」の謎が解かれないまま、現代で今度は彼の息子が死体で発見されます。

過去と現在の二つの死を結ぶ謎に、犀川と萌絵が挑みます。タイトルの意味が物語を進めるにつれて明らかになる構成は、『すべてがFになる』を彷彿とさせます。 少し強引とも思えるトリックがありながらも、犀川と萌絵の心情の揺れ動きが丁寧に描かれており、二人の関係性を楽しみにしているファンにはたまらない一作です。

11位『有限と微小のパン』

S&Mシリーズの最終作、『有限と微小のパン』が11位にランクイン。シリーズを通して大きな謎であった天才科学者・真賀田四季の過去と現在が描かれ、壮大な物語の核心に迫る重要な一作です。

物語は、犀川と萌絵が訪れたテーマパークで起こる殺人事件と、真賀田四季の過去が交互に語られる形で進行します。シリーズの集大成にふさわしく、これまでの作品に散りばめられた伏線が見事に回収されていきます。S&Mシリーズを締めくくるにふさわしい、衝撃と感動のラストが待っています。

12位『四季 春 Green Spring』

12位は、S&MシリーズとVシリーズをつなぐ重要な物語「四季シリーズ」の第1作目『四季 春 Green Spring』です。このシリーズは、S&Mシリーズで圧倒的な存在感を放った天才・真賀田四季の視点で物語が描かれます。

S&Mシリーズの最終作『有限と微小のパン』の後の物語であり、彼女が何を考え、どのように世界を見ているのかが少しずつ明らかになります。ミステリィ要素は薄めですが、森博嗣作品の根幹をなす哲学的なテーマが色濃く反映されており、シリーズのファンなら必読の一冊です。

13位『彼女は一人で歩くのか？ Does She Walk Alone?』

13位は、百年シリーズの第1作目『彼女は一人で歩くのか？』です。この作品では、「ウォーカロン」と呼ばれる人間そっくりのアンドロイドが社会に溶け込んでいる近未来が舞台となります。 謎の美女ミチルと、彼女に惹かれる研究者・ハギリの物語が描かれます。

人間と人工知能の違いは何か、意識とは何かといった、SFの王道ともいえるテーマを森博嗣ならではのクールな筆致で問いかけます。後のWシリーズにも繋がる重要な作品であり、森博嗣のSF作品の入り口としてもおすすめです。

14位『赤緑黒白 Red Green Black and White』

14位はVシリーズの第10作目『赤緑黒白 Red Green Black and White』です。S&Mシリーズ、Vシリーズの登場人物たちが一堂に会し、それぞれの関係性が明かされていく、ファンにとってはまさにお祭りのような一作です。

物語は、ある資産家の遺言状を巡る謎を中心に展開します。シリーズの主要キャラクターたちがそれぞれの思惑で動く中、事態は思わぬ方向へ。これまでのシリーズを読んできた読者ほど楽しめる作品であり、森博嗣ワールドの繋がりと広がりを実感できるでしょう。

15位『幻惑の死と使途』

S&Mシリーズの第6作目『幻惑の死と使途』が15位にランクイン。本作は、天才奇術師が衆人環視のショーの最中に殺害される事件がテーマです。密室状態からの脱出を得意とする奇術師が殺され、さらにその遺体が霊柩車から消失するという謎に犀川と萌絵が挑みます。

科学と非科学、理性と信仰といった対立構造の中で、ロジックを武器に真相を解き明かしていく過程はまさに理系ミステリィの醍醐味。シリーズの中でも特にオカルト色の強い雰囲気ですが、最終的にはすべてが論理的に説明される展開は見事です。

16位『夏のレプリカ』

S&Mシリーズの第7作目『夏のレプリカ』は、萌絵の親友である簑沢杜萌が、夏休みに帰省した実家で誘拐事件に巻き込まれる物語です。一人で行動する萌絵の前に現れたのは、かつて彼女が関わったある事件の重要人物でした。

本作はミステリィとしての謎解きもさることながら、萌絵の成長と彼女の抱える過去のトラウマが色濃く描かれています。犀川から離れ、一人で事件と向き合う萌絵の姿は、シリーズを追いかけてきた読者にとって感慨深いものがあるでしょう。ヨーロッパの美しい風景描写も魅力の一つです。

17位『今はもうない』

S&Mシリーズ第8作目『今はもうない』は、シリーズ最高傑作に挙げるファンも多い一作です。 避暑地の別荘で、美人姉妹が隣り合った密室でそれぞれ死体となって発見されます。 嵐によって外部との連絡が途絶えた中、犀川と萌絵は事件の真相を探ります。

閉鎖された空間で起こる連続殺人という緊迫した状況と、切なくも美しい物語が融合した清冽なミステリィです。 凝ったタイトルが多いシリーズの中で、ひときわ異彩を放つこのタイトルの意味が最後にわかった時、深い余韻に包まれることでしょう。

18位『数奇にして模型』

S&Mシリーズの第9作目『数奇にして模型』は、フィギュアや模型といったマニアックな世界を舞台にしたミステリィです。模型交換会の会場でモデル女性の首なし死体が発見されたことから物語は始まります。

調査を進めるうち、犀川と萌絵は精巧な模型で満たされた異様な空間と、そこで起こる殺人事件に遭遇します。「好き」を突き詰めた人々の純粋さと狂気が交錯する、独特の雰囲気を持つ作品です。森博嗣自身の趣味である模型制作への造詣の深さが感じられる一作でもあります。

19位『人形式モナリザ』

Vシリーズの第2作目にあたる『人形式モナリザ』が19位です。本作では、山奥に建てられた美術館で、有名な絵画「モナ・リザ」の模写だけを展示する奇妙な企画展が開催されるところから物語が始まります。

しかし、その美術館で首のない死体が発見され、事態は一変。Vシリーズの主人公、瀬在丸紅子と仲間たちが、アートと殺人事件が絡み合う謎に挑みます。閉鎖的な空間で展開される人間ドラマと、芸術に隠された謎解きが楽しめる一作です。

20位『月は幽咽のデバイス』

20位はVシリーズの第3作目『月は幽咽のデバイス』です。物語は、オオカミ男が出ると噂される「薔薇屋敷」で開かれたパーティーから始まります。その最中、内側から施錠された密室で凄惨な死体が発見されます。

時を同じくして、犀川創平と西之園萌絵もまた、別の事件を追って同じ場所へと向かいます。S&MシリーズとVシリーズのキャラクターが本格的に交わる本作は、両シリーズのファンにとって見逃せない一作。それぞれの視点から事件の真相に迫っていく構成が秀逸です。

21位『夢・出逢い・魔性』

Vシリーズの第4作目『夢・出逢い・魔性』が21位にランクイン。本作は、テレビ局で起きたプロデューサー殺人事件がテーマです。20年前に死んだ恋人の夢に怯えていた被害者が、一つの炸裂音にもかかわらず二つの弾痕を残して殺されるという謎に、瀬在丸紅子たちが挑みます。

彼がまだ学生だった頃に出会った不思議な女性と、彼女にまつわる謎めいた事件が描かれます。ミステリィでありながら、ほろ苦い青春小説のような趣もある作品です。これまで飄々としていた保呂草の意外な一面が垣間見え、キャラクターの奥行きがさらに増す一作となっています。

22位『魔剣天翔』

22位は、森博嗣初の剣豪小説シリーズの第1作目『魔剣天翔』です。 これまでの理系ミステリィやSFとは全く異なる時代小説であり、作者の新境地を切り開いた作品として評価されています。

物語の舞台は戦国の世。驚異的な剣の腕を持つ一人の男が、ただひたすらに自らの技を磨き、強敵と戦う姿を美しい文章で描いています。 ミステリィ要素はありませんが、『スカイ・クロラ』にも通じるような、ストイックで哲学的な雰囲気が漂う作品です。森博嗣の文章の美しさを堪能したい方におすすめです。

23位『ナ・バ・テア』

スカイ・クロラシリーズの第2作目『ナ・バ・テア』が23位。前作『スカイ・クロラ』で描かれた世界の、別の側面を映し出す物語です。新たな主人公の視点から、キルドレたちの日常や彼らが抱える葛藤がより深く掘り下げられます。

静謐な空気感はそのままに、世界の謎が少しずつ明らかになっていく展開に引き込まれます。前作と合わせて読むことで、この世界の奥行きと切なさがより一層胸に迫るでしょう。シリーズのファンはもちろん、独特な世界観の物語が好きな方におすすめです。

24位『ダウン・ツ・ヘヴン』

24位はスカイ・クロラシリーズの第3作目『ダウン・ツ・ヘヴン』です。シリーズを通して少しずつ提示されてきた「キルドレ」や世界の謎について、核心に迫っていく重要な一作です。

物語は、これまでの静かなトーンから一転し、より動きのある展開を見せます。戦闘シーンの描写も増え、エンターテインメント性が高まっています。シリーズの転換点ともいえる作品であり、物語が大きく動く様はファンならずとも興奮すること間違いなしです。

25位『ヴォイド・シェイパ』

「ヴォイド・シェイパシリーズ」の第1作目が25位にランクイン。人間が「ヴァーチャル・リアリティ」と「現実」を行き来するのが当たり前になった未来の世界が舞台です。

主人公は、物体の形状を自在に変化させる能力を持つ「ヴォイド・シェイパ」。彼はある組織に属し、特殊な任務をこなしていきます。スタイリッシュな世界観と、スピーディーなアクションが魅力のSF作品です。これまでの森博嗣作品とは一味違った、クールでハードボイルドな雰囲気が楽しめます。

26位『探偵伯爵と僕』

26位は、シリーズ外の作品ながら根強い人気を誇る『探偵伯爵と僕』です。小学生の「僕」が、ひょんなことから「探偵伯爵」と名乗る風変わりな男と出会い、夏休みの間に遭遇する事件を描いた物語です。

日常に潜む小さな謎を、伯爵が鮮やかに解き明かしていく様子がコミカルに描かれます。殺人事件などは起きない、いわゆる「日常の謎」を扱ったミステリィで、軽快なテンポでサクッと読めるのが魅力。森博嗣作品の入門編としてもおすすめです。

27位『イナイ×イナイ』

Gシリーズの第5作目『イナイ×イナイ』が27位にランクイン。本作は、ある大学のサークルで起きた失踪事件から始まります。サークルのメンバーが一人、また一人と姿を消していく中、加部谷恵美たちがその謎を追います。

一見すると単純な失踪事件に見えますが、その裏には複雑な人間関係と意外な真相が隠されています。Gシリーズならではの軽快な会話と、じわじわと忍び寄るような不気味な雰囲気のバランスが絶妙な一作です。

28位『キラレ×キラレ』

28位はGシリーズの第6作目『キラレ×キラレ』です。本作では、インターネット上の仮想空間で起きたアバター殺人事件と、現実世界で起きた殺人事件がリンクしていくという、現代的なテーマを扱っています。

ネットとリアルの境界線が曖昧になっていく中で、事件の真相を探る加部谷たちの捜査が描かれます。森博嗣の先見性が光る設定と、Gシリーズらしいキャラクターたちの魅力が融合したミステリィです。

29位『少し変わった子あります』

29位は、Mシリーズの第1作目『少し変わった子あります』です。このシリーズは、西之園萌絵の親戚にあたる小学5年生の女の子、舟元くるまが主人公。彼女が日常で出会うささやかな謎を、子供ならではの視点で解き明かしていきます。

子供が主人公ということで、これまでのシリーズとは異なり、非常に穏やかで可愛らしい雰囲気が特徴です。ミステリィとしての面白さはもちろん、くるまちゃんの成長を温かく見守ることができる、癒し系のシリーズです。

30位『まどろみ消去』

ランキングの最後を飾るのは、Gシリーズの第3作目『まどろみ消去』です。本作は、大学の研究室を舞台に、ある人物が眠っている間に起きた密室殺人事件を描いています。

「眠っている間に何が起きたのか」という特殊な状況設定が非常にユニークで、読者の好奇心を掻き立てます。Gシリーズの探偵役、加部谷恵美と友人たちのコミカルなやり取りを楽しみながら、本格的な謎解きも味わえる一作です。

森博嗣のおすすめ小説を読む順番は？シリーズの繋がりと合わせて解説

森博嗣の小説は、多くのシリーズが同じ世界観を共有しており、登場人物が別のシリーズに顔を出すなど、複雑にリンクしているのが大きな特徴です。そのため、読む順番によって作品の楽しみ方が大きく変わってきます。

これから森博嗣作品を読み始めるという方には、やはり発行された順番に読んでいくのが最もおすすめです。特に、物語の根幹をなす主要シリーズは以下の順番で読むと、時間軸や登場人物の関係性をスムーズに理解できます。

1. S&Mシリーズ：すべての物語の原点。まずはこのシリーズから。
2. Vシリーズ：S&Mシリーズと同時期の物語。新たな主人公が登場。
3. 四季シリーズ：S&Mシリーズの重要人物、真賀田四季の物語。
4. Gシリーズ：S&M、Vシリーズの後の時代の物語。

もちろん、気になる作品やシリーズから読み始めるのも一つの楽しみ方です。例えば、SFが好きなら「スカイ・クロラシリーズ」や「百年シリーズ」から、軽いミステリィが読みたいなら「探偵伯爵と僕」から、といった選び方も良いでしょう。どの作品から読んでも独立した物語として楽しめますが、シリーズ間の繋がりを知ることで、より深く壮大な森博嗣ワールドに浸ることができるはずです。

シリーズ名	特徴
S&Mシリーズ	すべての基本となる理系ミステリィ。犀川＆萌絵が主人公。
Vシリーズ	探偵・瀬在丸紅子が登場。S&Mシリーズとリンク。
Gシリーズ	S&Mシリーズの後の時代。加部谷恵美が探偵役。
四季シリーズ	天才・真賀田四季の視点で描かれる物語。
スカイ・クロラシリーズ	永遠を生きる戦闘機乗りのSF小説。
百年シリーズ	アンドロイドが登場する近未来SF。