皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
周木律(しゅうき りつ)先生は、某国立大学の建築学科を卒業したという、異色の経歴を持つミステリー作家です。2013年に『眼球堂の殺人~The Book~』でメフィスト賞を受賞しデビューすると、本格ミステリ界の新たな才能として大きな注目を集めました。
周木律作品の最大の魅力は、なんといっても建築知識を活かした壮大な舞台設定にあります。特に代表作「堂シリーズ」では、常識では考えられないような奇妙で魅力的な建物が次々と登場し、物語の重要な核を担っています。ありえない建物で起こるありえない事件が、読者の心を掴んで離しません。
また、周木律先生の魅力は本格ミステリーだけにとどまりません。『災厄』や『WALL』といった作品では、人々が極限状態に陥るパニック・スリラーも手掛けており、その多彩な作風で多くの読者を魅了しています。緻密なトリックと奇想天外な建築物、そして多彩なジャンルが融合した唯一無二の世界観こそが、周木律作品の魅力と言えるでしょう。
ここからは、いよいよ周木律先生のおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。
デビュー作にして代表作の「堂シリーズ」はもちろん、手に汗握るパニック小説や、キャラクターが魅力的な単発作品まで幅広くランクインしました。この記事を読めば、あなたが次に読むべき一冊がきっと見つかるはずです。周木律先生が創り出す、奇妙で美しいミステリーの世界へようこそ!
記念すべきランキング第1位は、周木律先生のデビュー作にして「堂シリーズ」の幕開けを飾る『眼球堂の殺人 ~The Book~』です。第47回メフィスト賞を受賞した本作は、周木律ワールドの原点ともいえる傑作です。
物語の舞台は、天才建築家が山奥に建てた巨大で奇怪な邸宅「眼球堂」。そこに招待された放浪の天才数学者・十和田只人と、彼を追うルポライターの陸奥藍子は、各界の天才たちと共に連続殺人事件に巻き込まれていきます。
外界から遮断された館で次々と起こる不可解な事件。建築トリックを駆使した壮大なミステリーは、まさに圧巻の一言です。新本格ミステリーの王道をゆく設定と、理系ミステリーならではのロジカルな謎解きが融合した、読み応え抜群の一冊となっています。
デビュー作にしてこの完成度!奇妙な館と天才数学者の組み合わせは、やっぱり最高にワクワクするよね。
第2位は、本格ミステリーとは一線を画すパニック・エンターテインメント小説『災厄』です。突如として高知県で発生した原因不明の集団死事件は、瞬く間に四国全域へと広がり、日本中を恐怖に陥れます。
原因不明の症状で人々が次々と命を落としていく中、厚生労働省のキャリア官僚である主人公・斯波は、ウイルスの脅威に立ち向かっていきます。まるで現代のパンデミックを予言したかのようなリアルな描写が、読者に強烈なインパクトを与えます。
極限状態に追い込まれた人々の姿や、政府の対応などが克明に描かれており、ただのパニック小説では終わらない社会派な一面も持ち合わせています。スピード感あふれる展開に、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
本作における致死率100%のウイルスという設定からは、逃れられない絶望を描き切るという作者の強い意志を感じざるを得ない。
第3位にランクインしたのは、SFとミステリーが融合した「症」シリーズの第一作『不死症』です。物語は、製薬会社の研究所で起きた爆発事故から始まります。記憶を失った状態で目覚めた主人公・泉夏樹は、生き残った仲間たちと共に脱出を試みますが、そこには無表情で凶暴化した人間たちが待ち受けていました。
本作のテーマは、その名の通り「不死」。死んでも生き返ってしまうという異常な状況下で、主人公たちは生き残るために戦います。ゾンビ映画のようなバイオホラーの要素と、記憶喪失の謎を追うミステリー要素が巧みに絡み合い、読者を飽きさせません。
グロテスクな描写やアクションシーンも多く、ハラハラドキドキの展開が好きな方におすすめの一冊です。シリーズ作品ですが、ここから読み始めても十分に楽しめます。
死ねないって、ある意味一番怖いかも…。自分が自分でなくなっていく感覚がゾクゾクするね。
第4位は、壮大なスケールで描かれるパニックSF小説『WALL』。ある日突然、北海道に出現した謎の光る壁「WALL」。それは触れた人間だけを一瞬で消滅させてしまうという、恐ろしい性質を持っていました。
東から迫りくる壁の脅威に対し、日本政府や自衛隊、そして市井の人々はどう立ち向かうのか。複数の視点から描かれる群像劇となっており、それぞれの立場で極限状況を生き抜こうとする人々のドラマが胸を打ちます。
パニック小説としてのスリルはもちろん、SFとしての斬新な設定も本作の大きな魅力です。人間の本質がむき出しになる極限状態での人間ドラマは、読者に多くのことを問いかけるでしょう。
人間だけが消える壁っていう設定が斬新!パニックものって、人間の本性が見えるからやめられないんだよね。
第5位は、実際に起きた出来事を基にしたノンフィクションノベル『小説 Fukushima 50』です。2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故。本作は、その現場で命を懸けて戦い続けた作業員たちの姿を描いた物語です。
原作は、90人以上への取材を基に書かれた門田隆将氏のノンフィクション『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。全電源を喪失するという絶望的な状況の中、炉心溶融を食い止めるために奮闘した人々の知られざるドラマが、圧倒的なリアリティで描かれています。
フィクションとは異なる事実の重みが、読者の心に深く突き刺さります。日本の歴史に残る大事故の裏側で何が起きていたのか、多くの人に読んでほしい一冊です。
これは…泣いちゃうよ。事実だからこその重みと、極限状況での使命感が胸に迫るんだ。
第6位には、「堂シリーズ」の第2作目『双孔堂の殺人 ~Double Torus~』がランクイン。前作『眼球堂の殺人』で鮮烈なデビューを飾った周木律先生が、さらに奇妙で複雑な館を創り上げました。
物語は衝撃的な幕開けを迎えます。なんと、前作の探偵役であった天才数学者・十和田が、今作では殺人事件の犯人として登場するのです。この意表を突く展開に、シリーズのファンは誰もが驚かされるでしょう。
メビウスの輪とクラインの壺を組み合わせたかのような、ありえない構造の館「双孔堂」を舞台に、新たな探偵役が事件の真相に迫ります。数学的なギミックと建築トリックが融合した、より一層パワーアップした「堂シリーズ」の世界を堪能できる一冊です。
この館、どうなってるの!?って混乱するのが楽しいんだ。図面を見ながら読むのがおすすめだよ。
第7位は、「症」シリーズの3作目にあたる『土葬症 ザ・グレイヴ』です。このシリーズは、人体に起こる奇妙な症状をテーマにしたSFミステリーですが、本作は特にホラー要素が強い作品として知られています。
物語の中心となるのは、生きながらにして身体が腐っていくという恐ろしい奇病「土葬症」。感染した者は、意識があるまま自らの身体が朽ち果てていく恐怖と向き合わなければなりません。
グロテスクでショッキングな描写も多いため、ホラーが苦手な方は注意が必要かもしれません。しかし、極限状態における人間の心理や生命の尊厳といったテーマを深く描いており、ただ怖いだけではない、読み応えのある作品に仕上がっています。
本作における身体が朽ちていく過程の克明な描写は、生命の尊厳というテーマに対する作者の冷徹な問いかけと解釈できます。
第8位は、「症」シリーズの2作目『幻屍症 インビジブル』です。舞台は、四方を海に囲まれた孤児院「四水園」。ここで起きた一人の園生の不可解な転落死をきっかけに、物語は動き出します。
主人公のユタカは、他人の優れた部分が歪んで見えてしまう「幻視症」という症状に悩まされています。彼は相棒のミツルと共に、園に伝わる四つの謎「四忌」に挑むことで、事件の真相に迫っていきます。自分の姿が他人に見えなくなる「幻屍症」の謎と、閉鎖的な孤島で起こる悲劇が絡み合い、切なくも恐ろしい物語が展開されます。
異能ミステリーとしての面白さはもちろん、孤児院という特殊な環境で生きる子どもたちの孤独や葛藤が描かれており、読者の心を揺さぶります。
誰にも認識されないって、想像するだけでゾッとする…。存在しているのに、いないことにされる恐怖がすごいんだ。
第9位は、「堂シリーズ」の第3作目『五覚堂の殺人 〜The Burning Ship〜』です。これまでの陸の館とは趣が異なり、今回の舞台は雪深い山中に建てられた館「五覚堂」。
この館に集められたのは、またしても各界の天才たち。外界から隔絶された館の中という、まさにクローズドサークルの王道ともいえる状況で、次々と殺人事件が発生します。
本作の興味深い点は、タイトルにもある「五」という数字が事件の鍵となっていることです。館の形状や事件の謎に数学的な要素が絡み合い、不気味で知的な雰囲気を醸し出しています。シリーズならではの壮大なトリックと、雪深い山中という特殊な舞台設定が融合した傑作です。
雪山の館ってだけでテンション上がる!五感にまつわるトリックっていうのもおしゃれだよね。
第10位には、王道のクローズドサークル・ミステリー『雪山の檻 ノアの方舟調査隊の殺人』がランクインしました。舞台は、トルコの伝説の地、アララト山。ここで発見された「ノアの方舟」を調査するために集まった調査隊の隊員たちが、一人、また一人と壮絶な死を遂げていきます。
吹雪によって外界から完全に孤立した標高4200メートルの雪山。極限の状況下で繰り広げられる連続殺人は、読者に息もつかせぬスリルと緊張感を与えます。
あらゆる知識を持つ天才学者・一石豊が、この難事件に挑みます。美しくも厳しい雪山の風景と、壮大なスケールの謎解きが融合した、読み応えのある一冊です。
雪山×クローズドサークルは鉄板だよね!誰が味方で誰が敵なのか、疑心暗鬼になる感じがたまらないんだ。
第11位は、これまでの作品とは一味違う、江戸時代を舞台にした時代ミステリー『猫又お双と消えた令嬢』です。「猫又」シリーズの第一作にあたります。
主人公は、化け猫の力を持つ少女・お双。普段は気弱な少女ですが、一度「猫又」の力が覚醒すると、驚異的な身体能力と鋭い推理力で難事件を解決していきます。
周木律先生の新たな一面が垣間見える、キャラクター小説としての魅力にあふれた作品です。ミステリーとしての謎解きはもちろん、お双をはじめとする登場人物たちの成長や人間ドラマも見どころの一つ。時代小説ファンにも、ミステリーファンにもおすすめできる一冊です。
時代ものも書けるなんて多才だよね。お双ちゃんが健気で可愛くて、応援したくなっちゃうんだ。
第12位は、「堂シリーズ」の第7作目にして完結編となる『大聖堂の殺人 ~The Books~』です。物語の舞台は、北海道の孤島にそびえ立つ「大聖堂」。ここは、かつて主人公たちの両親が命を落とした因縁の場所でもあります。
すべての事件を操る黒幕の天才数学者・藤衛と、これまでシリーズを彩ってきた天才たちが、ついに直接対決します。過去の事件をなぞるかのような不可解な連続殺人が再び起こりますが、容疑者である藤衛には鉄壁のアリバイがありました。
シリーズを通して描かれてきた壮大な謎に、ついに終止符が打たれます。桁外れのスケールで描かれるトリックと、感動的な結末は、シリーズを追い続けてきたファンにとって必読です。
ついに完結!って思うと寂しいけど、このラストは本当にすごいんだ。シリーズを最初から読み返したくなるよ。
第13位は、不老不死の技術が確立された近未来を舞台にしたSFミステリー『楽園のアダム』です。永遠の命を手に入れた人類が暮らす世界で、ある殺人事件が発生します。
死という概念が過去のものとなった世界で、殺人は何を意味するのか。本作は、不老不死という究極のテーマを通して、人間の倫理や生命の価値を問いかけます。
ミステリーとしての巧妙なプロットはもちろん、ディストピア的な未来社会の描写も非常に魅力的です。周木律先生ならではの理系知識に裏打ちされたSF設定と、深いテーマ性が融合した、知的好奇心を刺激される一冊となっています。
不老不死って本当に幸せなのかな?って考えさせられる作品だよ。ミステリーとしてもSFとしても面白いんだ。
第14位は、閉鎖的な町で起こる連続殺人事件を描いた『うさぎの町の殺人』です。多くのうさぎが棲息することから「うさぎが丘」と呼ばれる町に、大学進学を機に引っ越してきた黒田親子。しかし、平凡な日常は、うさぎの惨殺や大学生の連続自殺といった不穏な事件によって崩れ去ります。
やがて娘が失踪し、父親は必死にその行方を追う中で、町の暗部に足を踏み入れてしまいます。一見平和に見える町の裏に隠された、恐るべき秘密とは何なのか。
複雑に絡み合った謎が、最後のどんでん返しで一気に収束していく展開は見事です。親子の視点が交互に描かれる構成も特徴的で、読者をぐいぐいと物語の世界に引き込みます。
可愛らしい町の名前とは裏腹に、見立て殺人という陰惨な手口が用いられている。このギャップが、物語に底知れぬ不気味さをもたらしていると言えるでしょう。
ランキングの最後を飾るのは、特殊設定ミステリー『LOST 失覚探偵』です。主人公は、ある事件をきっかけに五感の一部を失ってしまった元刑事の探偵。
彼は感覚を失う代償として、常人には見えない事件の真相を「視る」という特殊な能力を手に入れます。この能力を駆使して、彼は次々と難事件に挑んでいきます。
五感を失うというハンデを負いながらも、真実を追い求める主人公の姿が魅力的な作品です。ダークヒーローのような影のあるキャラクター設定と、特殊能力を用いた斬新な謎解きが楽しめます。ミステリーファンならずとも引き込まれる、独特の世界観を持った一冊です。
五感を失う代償は大きいけど、その能力は魅力的だよね。ちょっとダークなヒーローって感じがたまらないんだ。
周木律先生の作品には、続き物となっている魅力的なシリーズがいくつか存在します。ランキングで気になった作品がシリーズものだった、という方も多いのではないでしょうか。
シリーズ作品は、物語の背景や登場人物の関係性が徐々に明らかになっていくのが醍醐味です。面白さを最大限に味わうためにも、ぜひ刊行された順番で読み進めることをおすすめします。ここでは、主要な3つのシリーズの読む順番をご紹介します。
周木律先生のデビュー作『眼球堂の殺人』から始まる、最も有名なシリーズです。建築学科出身の経歴を活かした、奇想天外な建築物が舞台となるのが最大の特徴。天才数学者たちが壮大な謎に挑みます。物語はすべて繋がっているので、必ず以下の順番で読んでください。
人体に発現する不思議な「症状」をテーマにしたSFミステリーシリーズです。それぞれ独立した物語として楽しむこともできますが、順番に読むことでより深く世界観に浸ることができます。
江戸時代を舞台に、化け猫の力を持つ少女お双が活躍する時代ミステリーシリーズ。これまでの理系ミステリーやパニック小説とは異なる、キャラクター小説としての魅力にあふれています。
周木律先生のおすすめ小説ランキング、いかがでしたでしょうか。建築ミステリーの傑作「堂シリーズ」から、手に汗握るパニック小説、そしてSFや時代物まで、その作風の幅広さに驚かされた方も多いかもしれません。
どの作品にも共通しているのは、緻密なプロットと、読者の知的好奇心をくすぐる魅力的な設定です。まずはランキングの中から気になる一冊を手に取って、周木律先生が創り出す唯一無二の世界に飛び込んでみてください。きっと、あなたのお気に入りの一冊が見つかるはずです。