皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
謎が解ける瞬間の爽快感や、予想を裏切られる驚きがたまらないミステリー小説。しかし、いざ読もうと思っても「種類が多すぎて、どれから読めばいいかわからない…」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。 ご安心ください!この記事では、あなたにぴったりの一冊を見つけるための選び方をご紹介します。
ミステリー小説と一口に言っても、その世界は非常に奥深く、多種多様なサブジャンルが存在します。 まずは、どんな種類のミステリーがあるのかを知ることから始めましょう。自分の好みに合ったジャンルを見つけることが、傑作に出会うための一番の近道です。
ジャンル | 特徴 |
---|---|
本格・新本格 | 論理的な謎解きやトリックを重視。読者への挑戦状が含まれることも。 |
社会派 | 事件を通して、社会問題や人間ドラマを深く描く。 |
イヤミス | 読後に嫌な気分になる後味の悪さが特徴。人間の心理の闇に迫る。 |
どんでん返し | 物語の最後に衝撃的な結末が待っている。叙述トリックなども含まれる。 |
日常の謎 | 殺人事件などではなく、日常に潜む小さな謎を解き明かす。 |
ミステリー小説初心者の方は、映画化・ドラマ化された有名作品や、「このミステリーがすごい!」などの有名な賞を受賞した作品から手に取ってみるのがおすすめです。 多くの人に支持されている作品は、ストーリーが分かりやすく、ミステリーの面白さを存分に味わえるものが多いですよ。
ここからは、いよいよ『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、おすすめのミステリー小説をランキング形式で発表します!
時代を超えて愛される古典の名作から、映像化で話題になった近年のヒット作、そしてミステリーファンの間で「これは必読!」と語り継がれる傑作まで、幅広くランクイン。初心者の方も、長年のミステリー愛好家の方も、きっと新たな「お気に入りの一冊」が見つかるはずです。あなたを夢中にさせる、謎と驚きに満ちた物語の世界へ、さあ飛び込んでみましょう!
記念すべき第1位は、日本のミステリー史を語る上で絶対に外せない一冊、綾辻行人氏の『十角館の殺人』です。1987年に発表され、「新本格ミステリー」という新たな潮流を生み出すきっかけとなった記念碑的作品として知られています。
物語の舞台は、九州の孤島に建つ奇妙な十角形の館。 そこを訪れた大学のミステリ研究会のメンバーたちが、一人、また一人と殺されていきます。 絶海の孤島という閉ざされた空間で巻き起こる連続殺人、そして読者の予想を根底から覆す、あまりにも有名な「あの一行」の衝撃は、今なお多くの読者を魅了し続けています。
叙述トリックに気づいた瞬間、鳥肌が立ったよ。ミステリー好きなら絶対に読んでほしい一冊だね!
第2位は、”ミステリーの女王”アガサ・クリスティーの代表作『そして誰もいなくなった』。1939年に発表されて以来、全世界で愛読され続けている不朽の名作です。 物語は、孤島に招待された年齢も職業も異なる10人の男女が、童謡の歌詞になぞらえて次々と殺されていくという、恐ろしくも魅力的な設定で展開されます。
外部から遮断された空間で、一人ずつ確実に命が奪われていく極限状況。登場人物たちの間には疑心暗鬼が広がり、読者は息をのむような緊張感を味わうことになります。「クローズド・サークル」というジャンルの最高傑作と名高く、犯人は一体誰なのか、そしてどうやって犯行を成し遂げたのか、その謎は多くの読者を惹きつけてやみません。
童謡の通りに人がいなくなるのが怖すぎる…。最後まで犯人がわからなくてドキドキしたよ。
第3位は、直木賞を受賞した東野圭吾氏の傑作『容疑者Xの献身』です。天才物理学者・湯川学が活躍する「ガリレオシリーズ」の3作目にあたる作品ですが、本作の真の主人公は、湯川の大学時代の友人で、しがない高校教師の石神です。
石神は、隣人である母娘が犯してしまった殺人を隠蔽するため、論理的思考を駆使して完全犯罪を計画します。 天才物理学者・湯川と、天才数学者・石神による壮絶な頭脳戦が繰り広げられる一方で、物語の根底には深い「愛」が描かれており、その結末はミステリーの枠を超えて多くの読者の心を揺さぶりました。切ないラストに涙したという声も多い、感動的な一冊です。
これはミステリーだけど、究極の愛の物語でもあるんだ。ラストは本当に涙が止まらなかった…。
第4位は、森博嗣氏のデビュー作にして、「理系ミステリ」というジャンルを確立した『すべてがFになる』です。 孤島のハイテク研究所を舞台に、天才プログラマ・真賀田四季博士の部屋から現れた、手足が切断されたウェディングドレス姿の死体の謎に、N大学助教授の犀川創平と学生の西之園萌絵が挑みます。
本作の魅力は、なんといっても理系ならではの緻密でロジカルな謎解きと、個性的なキャラクターたちの哲学的な会話です。 難解でありながらも知的好奇心をくすぐられる展開は、多くの読者を魅了しました。シリーズ累計発行部数は390万部を突破し、アニメ化やドラマ化もされた人気作です。
犀川先生と萌絵ちゃんのコンビが最高!ちょっと哲学的な会話もクセになるんだよね。
第5位は、「どんでん返しの名手」として知られる歌野晶午氏の代表作『葉桜の季節に君を想うということ』です。本作は、第57回日本推理作家協会賞と第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞し、その年のミステリーランキングで高い評価を受けました。
主人公は、フィットネスクラブに通う自称「何でも屋」の成瀬将虎。彼はある日、同じクラブに通う女性から悪質な霊感商法の調査を依頼されます。一見すると、ハードボイルド小説のような展開ですが、物語は読者の予想を裏切る方向へと進んでいきます。そして、最後に待ち受ける衝撃の結末は、まさに圧巻の一言。騙される快感を存分に味わえる、ミステリーファン必読の一冊です。
「やられた!」って叫んじゃったよ!この爽快な騙され心地は、一度味わうとやみつきになるね。
第6位は、鮎川哲也賞を受賞してデビューした今村昌弘氏の『屍人荘の殺人』です。この作品は「このミステリーがすごい!」など、国内の主要ミステリーランキングで軒並み1位を獲得し、大きな話題を呼びました。
物語は、大学のミステリ愛好会に所属する葉村譲と、会長の明智恭介、そして美少女探偵の剣崎比留子が、合宿で訪れた山奥のペンション「紫湛荘」で起こる連続殺人に挑むというもの。ここまでは王道のクローズド・サークルものですが、本作はそこに前代未聞の特殊な設定が加わることで、唯一無二の魅力を放っています。本格ミステリーのロジックと、特殊設定が見事に融合した、新時代の傑作です。
え、ミステリーに「アレ」を組み合わせちゃうの!?この発想はすごすぎて、ちょっと混乱しちゃったよ。
第7位は、「このミステリーがすごい!」2020年版で国内編1位に輝くなど、ミステリーランキング5冠を達成した相沢沙呼氏の『medium 霊媒探偵城塚翡翠』です。ドラマ化もされ、大きな話題を呼びました。
死者の言葉を伝えることができる霊媒師・城塚翡翠と、推理作家の香月史郎がタッグを組み、難事件に挑みます。翡翠が霊能力で犯人を指摘し、香月がその推理を論理的に補強していくというスタイルで物語は進みます。しかし、本作の真の魅力は、その巧みな構成にあります。「すべてが、伏線。」というキャッチコピーの通り、読者は終盤で驚愕の事実に直面することになるでしょう。論理と特殊設定が融合した、現代ミステリーの到達点の一つです。
最後の最後で全部ひっくり返された!これぞ騙される快感だね。翡翠ちゃんが可愛いのも最高!
第8位は、就職活動を舞台にした異色のミステリー、浅倉秋成氏の『六人の嘘つきな大学生』です。2022年の本屋大賞にノミネートされるなど、多くの読者から支持を集めました。
物語は、急成長中のIT企業の最終選考に残った6人の大学生が、内定をかけてグループディスカッションに挑む場面から始まります。しかし、企業から与えられた課題は「一カ月後までに最高のチームを作り上げよ」というものでした。仲間として絆を深めていく6人でしたが、最終選考の場で事態は一変。彼らの過去を暴く告発文が投じられ、犯人探しという名の心理戦が幕を開けます。二転三転する展開と、最後に明かされるタイトルの意味に、多くの読者が衝撃を受けました。
就活っていうリアルな舞台が面白いよね。誰が嘘をついているのか、最後までハラハラしっぱなしだったよ。
第9位は、2023年の「このミステリーがすごい!」で国内編4位を獲得した夕木春央氏の『方舟』です。週刊文春ミステリーベスト10でも1位に輝き、ミステリー界を席巻しました。
大学時代の友人たちと山奥の地下建築を訪れた主人公の柊一は、地震によって建物に閉じ込められてしまいます。水が流入し始め、脱出のタイムリミットが迫る中、なんと殺人事件が発生。生き残るためには、タイムリミットまでに犯人を見つけ出し、その人物を犠牲にしなければならないという、究極の選択を迫られます。クローズド・サークルとタイムリミットサスペンスが融合した、息もつかせぬ展開が魅力の一冊です。
この設定は究極すぎるよ…。自分がこの状況に置かれたらって考えると、本当に恐ろしいんだけど…。
第10位は、湊かなえ氏の衝撃的なデビュー作『告白』です。2009年の本屋大賞を受賞し、松たか子さん主演で映画化もされ、社会現象を巻き起こしました。
物語は、中学校の女性教師が、終業式のホームルームで「私の娘はこのクラスの生徒に殺されました」と告白する場面から始まります。 事件に関わった人物たちが一人ずつ語り手となり、それぞれの視点から事件の真相が徐々に明らかになっていく構成は見事の一言。人間の心の奥底に潜む悪意や脆さを描き出し、読後に嫌な気分になる「イヤミス」というジャンルを世に広めた作品としても知られています。
本作は、人間の悪意を淡々と描き出すことで、読者の倫理観を静かに侵食する。読み終えた後の不快感こそが、この作品の真価だろう。
第11位は、再び”ミステリーの女王”アガサ・クリスティーから『オリエント急行の殺人』です。名探偵エルキュール・ポアロが活躍するシリーズの中でも、特に人気の高い一作です。
大雪で立ち往生してしまった豪華寝台列車「オリエント急行」の車内で、アメリカ人の富豪が刺殺体で発見されます。乗客全員にアリバイがあり、犯人は外部の人間かと思われましたが、ポアロは乗客の中に犯人がいると断定。容疑者は、国籍も身分も様々な13人の乗客たちです。ポアロが導き出す、あまりにも大胆で意外な事件の真相は、ミステリー史に残る伝説として今なお語り継がれています。
豪華列車が舞台っていうのが、まずロマンチックだよね。ポアロの鮮やかな推理と、衝撃の結末は必見だよ。
第12位は、島田荘司氏のデビュー作であり、名探偵・御手洗潔が初登場する『占星術殺人事件』です。1981年に発表され、その壮大なトリックで読者に衝撃を与えました。
物語は、40年前に起こった未解決事件の謎から始まります。ある画家の遺言状には、6人の若い娘を殺害し、それぞれの体の一部を組み合わせて完璧な女性「アゾート」を創るという恐ろしい計画が記されていました。そして、その計画通りに娘たちが殺害され、体の一部が持ち去られるという奇怪な事件が発生します。この前代未聞のバラバラ殺人の謎に、名探偵・御手洗潔が挑みます。そのトリックは、ミステリー史上最も大胆なものの一つとして知られています。
このトリックは本当にすごいの一言に尽きるよ。ミステリー好きなら、一度は挑戦してみてほしいな。
第13位は、伊坂幸太郎氏の初期の傑作『アヒルと鴨のコインロッカー』です。第25回吉川英治文学新人賞を受賞し、映画化もされました。
大学入学のために仙台に引っ越してきた椎名は、アパートの隣人・河崎と名乗る青年に出会います。彼は「一緒に本屋を襲わないか」と奇妙な計画を持ちかけてきました。その目的は、広辞苑を盗むこと。奇妙な計画に巻き込まれる中で、椎名はブータン人留学生のドルジや、ペットショップの店長・麗子など、個性的な人物たちと関わっていきます。巧みに張り巡らされた伏線が、ラストで一気に回収される鮮やかさは、まさに伊坂作品の真骨頂。ミステリーでありながら、切ない青春小説の側面も持つ名作です。
伏線回収が見事すぎて、読み終わった後に「ああー!」って声が出ちゃった。切ないけど、どこか温かい気持ちになる物語だよ。
第14位に選んだのは、「必ず二回読みたくなる」というキャッチコピーで話題を呼んだ、乾くるみ氏の『イニシエーション・ラブ』です。一見すると、80年代の静岡と東京を舞台にした甘酸っぱい恋愛小説ですが、その正体は巧みに仕掛けられたミステリーです。
物語は、合コンで出会った大学生の「僕」と歯科助手の「マユ」の恋愛模様を描く「Side-A」と、就職して東京と静岡の遠距離恋愛になった二人を描く「Side-B」の二部構成になっています。しかし、最後の二行で、それまで読んできた物語のすべてが覆されるという衝撃の結末が待っています。叙述トリックの名作として名高く、多くの読者を驚かせました。
完全に恋愛小説だと思ってたから、最後のどんでん返しには本当にびっくりした!もう一回読み返さずにはいられないね。
第15位は、宮部みゆき氏の代表作であり、社会派ミステリーの金字塔ともいえる『火車』です。山本周五郎賞を受賞し、何度も映像化されている不朽の名作です。
休職中の刑事・本間俊介は、遠縁の男性から、失踪した婚約者・関根彰子の行方を捜してほしいと依頼されます。 彼女の足跡を追ううちに、本間がたどり着いたのは、クレジットカード社会の闇でした。自己破産や多重債務といった、現代社会が抱える問題に鋭く切り込みながら、一人の女性の壮絶な人生を描き出します。「彼女は何者なのか」という謎が、読者をぐいぐいと引き込みます。
ミステリーとして面白いのはもちろん、社会の問題についても考えさせられる深い作品だよ。宮部みゆき作品の入門書としてもおすすめ!
第16位は、東野圭吾氏のキャリアを代表する傑作長編『白夜行』です。発行部数は200万部を超え、舞台化、ドラマ化、映画化と様々なメディアミックス展開がなされました。
物語は、1973年に大阪で起こった質屋殺しから始まります。容疑者は次々と浮かび上がるものの、事件は迷宮入り。しかし、被害者の息子・桐原亮司と、容疑者の娘・西本雪穂という二人の少年少女の周りでは、その後、不可解な事件が次々と起こります。彼らの19年間を描いた壮大な物語ですが、二人の心理描写は一切なく、彼らの関係性も明示されません。 周囲の人物の視点から断片的に語られることで、かえって二人の間の暗く深い絆が浮かび上がってくる構成は見事です。
亮司と雪穂、二人の生き様が本当に切ないんだ…。分厚いけど、読み始めたら止まらないよ。
第17位は、叙述トリックの名作として名高い、我孫子武丸氏の『殺戮にいたる病』です。グロテスクな描写も含まれるため読む人を選びますが、その衝撃的な結末は多くのミステリーファンに語り継がれています。
物語は、東京の繁華街で次々と発生する残忍な連続猟奇殺人事件を追う、元刑事の樋口の視点と、犯人である蒲生稔の視点が交互に描かれる形で進んでいきます。読者は犯人の異常な心理を追体験しながら、事件の真相に迫っていきます。しかし、最後に明かされる事実は、読者が築き上げてきた物語の構図そのものを破壊します。この衝撃をぜひ味わってみてください。
本作における犯人の異常心理の描写は、人間の深淵を覗かせる。ラストの仕掛けは、読者の倫理観を根底から揺さぶるだろう。
第18位は、道尾秀介氏の出世作であり、その独特の世界観で読者に衝撃を与えた『向日葵の咲かない夏』です。本作は、第6回本格ミステリ大賞の候補作となりました。
夏休み前、主人公のミチオは、欠席した同級生のS君の家を訪ねます。すると、そこで首を吊って死んでいるS君を発見。しかし、慌てて大人を呼びに戻ると、S君の死体は忽然と消えていました。一週間後、ミチオの前に、S君は蜘蛛に姿を変えて現れ、「自分は殺されたんだ」と告げます。幻想的で不気味な雰囲気の中で、ミチオはS君を殺した犯人を探し始めます。衝撃的なラストと、読後に残る嫌な後味から「イヤミス」の傑作としても知られています。
この話、どこまでが現実でどこからが幻なの…?読み終わった後、しばらく世界が歪んで見えちゃったよ。
第19位は、「このミステリーがすごい!」2023年版で国内篇1位を獲得するなど、主要ミステリーランキングで2冠を達成した呉勝浩氏の『爆弾』です。 山田裕貴さん主演での映画化も決定しています。
物語は、スズキタゴサクと名乗る冴えない男が、取調室で「十時に爆発があります」と予言するところから始まります。 直後、秋葉原のビルが爆発。男はさらに爆破を予告します。警視庁の類家は、この男から次の爆弾の情報を引き出すべく、緊迫の知能戦を繰り広げます。取調室という限定された空間で展開される、息もつかせぬ会話劇が読者を引き込み、ページをめくる手が止まらなくなる傑作です。
取調室での会話だけで、ここまでハラハラさせられるなんて!緊張感がすごくて、一気に読んじゃったよ。
第20位は、第171回直木三十五賞の候補作に選出され、第24回本格ミステリ大賞を受賞した青崎有吾氏の『地雷グリコ』です。本作は5つの連作短編が収録されています。
本作の魅力は、なんといっても日常の遊びやゲームに本格ミステリーのロジックを融合させた斬新な設定です。例えば表題作「地雷グリコ」では、階段で行う「グリコ」に「地雷」という独自ルールを加えたゲームで、勝敗を巡る頭脳戦が描かれています。日常と非日常が巧みに組み合わされた、ユニークで知的な一冊です。
ただのグリコが、こんなに頭脳戦になるなんて!日常の謎が好きな人にはたまらない設定だね。
第21位は、殊能将之氏のデビュー作にして、メフィスト賞を受賞した傑作『ハサミ男』です。その衝撃的なトリックで、多くのミステリーファンを唸らせました。
物語の語り手は、若い女性を狙って殺人を繰り返す連続殺人鬼、通称「ハサミ男」。彼は次なるターゲットを見つけ、完璧な犯行計画を練りますが、いざ実行しようとすると、ターゲットはすでに何者かによって殺されていました。しかも、自分の犯行手口をそっくり真似されていたのです。プライドを傷つけられたハサミ男は、自分を差し置いて殺人を犯した模倣犯の正体を探り始めます。殺人鬼が探偵役となるユニークな設定と、巧みな叙述トリックが見事に融合した一冊です。
殺人鬼が犯人を探すっていう設定がまず面白いよね。そして、わたしもまんまと騙されました!
第22位は、京極夏彦氏のデビュー作であり、巨大な人気を誇る「百鬼夜行シリーズ」の第一作『姑獲鳥の夏』です。その圧倒的な分厚さに怯むかもしれませんが、一度読み始めれば、その独特の世界観に引き込まれること間違いなしです。
舞台は戦後間もない東京。小説家の関口巽は、古書店の店主であり、「京極堂」と名乗る拝み屋でもある中禅寺秋彦に、ある奇怪な噂の相談を持ちかけます。それは「二十箇月もの間、子供を身籠っている妊婦」がいるというものでした。京極堂は、妖怪や超常現象に関する膨大な知識を駆使して、事件の背後にある人間の心の闇を解き明かしていきます。ミステリーと民俗学が融合した、唯一無二の傑作です。
京極堂のうんちくが長くて面白いんだ。「この世に不思議なことなどないのだよ」って言葉が印象的だね。
第23位は、現役医師でもある作家・知念実希人氏による『硝子の塔の殺人』です。2022年の本屋大賞にノミネートされるなど、大きな話題を呼びました。
物語の舞台は、雪深い森にそびえ立つガラス張りの美しい塔「硝子の塔」。大富豪のパーティーに招かれた名探偵・碧月夜と医師の一条遊馬は、そこで発生した密室殺人事件に遭遇します。次々と増える犠牲者、そして塔に隠された謎。王道のクローズド・サークルものでありながら、ミステリー小説への愛に満ちたオマージュが随所に散りばめられています。ミステリーファンであればあるほど、楽しめる仕掛けが満載の一冊です。
ミステリー好きにはたまらない小ネタがいっぱい!作者のミステリー愛を感じる作品だね。
第24位は、米澤穂信氏による珠玉のミステリー短編集『満願』です。山本周五郎賞を受賞し、「このミステリーがすごい!」など主要ミステリーランキングで3冠を達成しました。
表題作「満願」をはじめ、6つの短編が収録されていますが、そのどれもが人間の心の機微を鋭く描き出しています。事件の真相が明らかになるにつれて、登場人物たちの切ない思いや、やるせない現実が浮かび上がり、読後に深い余韻を残します。特に、表題作のラスト一行で物語の意味が反転する衝撃は、まさに鳥肌もの。ミステリーの枠を超えた、文学性の高い一冊です。
どの話も、人間の怖さや切なさが描かれていて、胸が締め付けられるよ。短編なのに、読み応えがすごいんだ。
第25位は、”イヤミスの女王”湊かなえ氏の『リバース』です。藤原竜也さん主演でドラマ化もされ、話題となりました。
主人公は、有名大学を卒業しながらも、地味で平凡な毎日を送るサラリーマンの深瀬和久。彼の唯一の取り柄は、美味しいコーヒーを淹れることでした。そんな彼のもとに、ある日「人殺し」という告発文が届きます。それは、10年前に大学のゼミ仲間と行ったスノボ旅行で起きた、親友・広沢の事故死に関わるものでした。過去の罪と向き合うことで、登場人物たちの隠された人間性が暴かれていきます。友情、嫉妬、罪悪感といった感情が渦巻く、湊かなえワールド全開の一冊です。
友達だと思ってた人の、全然知らなかった一面が見えてくるのが怖い…。人間って複雑だよね。
第26位は、ミステリー界に衝撃を与えた伝説的な一冊、アガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』です。本作で使われたトリックは、当時のミステリー界で「フェアか、アンフェアか」という大論争を巻き起こしました。
物語は、名探偵ポアロが引退し、田舎町でカボチャ栽培に勤しんでいるところから始まります。しかし、彼の隣人である富豪アクロイド氏が殺害されたことで、ポアロは再び事件の調査に乗り出すことになります。語り手は、町の医師であり、ポアロの友人でもあるシェパード医師。彼の視点を通して語られる物語に、クリスティーは前代未聞の仕掛けを施しました。ミステリーの歴史を変えた一冊として、必読の作品です。
このトリックは反則だって!って言いたくなるけど、すごい!ミステリーの歴史を知る上で欠かせない作品だね。
第27位は、日本のミステリー史に燦然と輝く金字塔、横溝正史の『犬神家の一族』です。何度も映像化されているため、ストーリーを知っている方も多いかもしれませんが、原作小説の持つおどろおどろしい雰囲気は格別です。
信州財界の巨頭、犬神佐兵衛が残した莫大な遺産と、その相続の条件を記した遺言状。それをきっかけに、犬神家の血族の間で、醜い骨肉の争いが繰り広げられ、次々と奇怪な連続殺人事件が発生します。湖に突き刺さった足、菊人形の首、といった印象的な死体のイメージは、多くの人々の記憶に刻まれています。名探偵・金田一耕助が、この複雑に絡み合った人間関係と、旧家の因習が生んだ悲劇の謎に挑みます。
これぞ日本の本格ミステリーって感じだよね。おどろおどろしい雰囲気と、金田一耕助のキャラクターがたまらないんだ。
第28位は、直木賞作家・道尾秀介氏による、新感覚の謎解きミステリー『いけない』です。一見すると無関係に見える4つの物語と、そこに添えられた写真やイラスト。しかし、それらを注意深く見ることで、隠された真相が浮かび上がってきます。
例えば、最初の物語では、ある写真に写り込んだ「何か」が、事件の重要な手がかりとなります。読者は探偵のように、文章だけでなく、ビジュアルからもヒントを探し出し、謎を解き明かしていくことになります。物語とビジュアルが連動した、これまでにない読書体験が楽しめる一冊。あなたは、すべての謎を解くことができるでしょうか?
ただ読むだけじゃなくて、絵や写真から謎を探すのが新しい!まるで脱出ゲームみたいで、すごく楽しかったよ。
第29位は、伊坂幸太郎氏の「殺し屋シリーズ」の3作目にあたる『AX アックス』です。「兜」というコードネームを持つ彼は、業界最強の殺し屋ですが、実は恐妻家で、息子の反抗期に悩むごく普通の中年男性でもあります。
物語は、そんな兜の日常と、殺し屋としての非日常が交錯しながら進んでいきます。家族の問題に頭を悩ませながら、危険な仕事をこなしていく兜の姿は、どこかコミカルで、そして切実です。最強の殺し屋が、家庭では弱い立場であるというギャップが、本作の大きな魅力。ミステリーでありながら、心温まる家族小説としても楽しめる作品です。
最強の殺し屋が奥さんに頭が上がらないなんて、面白すぎるよ。家族のために頑張る兜さんを、つい応援したくなっちゃうんだ。
第30位に選んだのは、道尾秀介氏が日本推理作家協会賞を受賞した『カラスの親指』です。人生に敗れた二人の詐欺師、タケとテツのコンビが主人公です。
ある事件がきっかけで、彼らのもとに一人の少女と、その姉、そして猫が転がり込んできます。こうして始まった奇妙な共同生活。しかし、彼らは過去の因縁から、ヤクザに追われることになります。絶体絶命の状況を打破するため、彼らは人生を賭けた大勝負、一世一代のコンゲーム(信用詐欺)に挑みます。巧みな伏線と、ラストに待ち受ける感動的な結末が、多くの読者の心を掴みました。
ダメな大人たちが、大切なものを守るために頑張る姿に感動したよ。最後のどんでん返しと、温かい結末が最高なんだ。
第31位は、東野圭吾氏の『流星の絆』です。宮藤官九郎脚本、二宮和也さん主演でドラマ化され、大ヒットしました。
幼い頃に両親を惨殺された三兄妹、功一、泰輔、静奈。身寄りのない彼らは、肩を寄せ合って生きてきました。大人になった彼らは、時効が迫る事件の犯人を自分たちで見つけ出そうと決意します。その一方で、生活のために金持ちを狙った詐欺を働いていました。そんなある日、詐欺のターゲットとして狙った洋食屋の息子が、両親が殺された夜に家から出てきた男に似ていることに気づきます。ミステリー、青春、家族の絆といった要素が詰まった、感動的なエンターテインメント作品です。
兄妹の絆に涙が止まらなかった…。ハヤシライスがすごく食べたくなる小説でもあるんだよね。
第32位は、東野圭吾氏の初期の傑作『仮面山荘殺人事件』です。8人の男女が夏休みを過ごす山荘に、銀行強盗が逃げ込んでくるという、二重のクローズド・サークル状態で物語は展開します。
外部との連絡を絶たれ、強盗に監禁される8人。緊張状態が続く中、メンバーの一人が死体で発見されます。犯人は強盗なのか、それとも自分たちの中にいるのか。疑心暗鬼に陥る登場人物たち。そして、ラストに待ち受ける衝撃のどんでん返しは、東野作品の中でも屈指の切れ味を誇ります。一気読み必至のサスペンス・ミステリーです。
最後の結末を知った時、思わず「えー!」って声が出ちゃった。最初からもう一度読み返したくなること間違いなしだよ。
第33位は、米澤穂信氏の代表作であり、アニメ『氷菓』の原作としても知られる『〈古典部〉シリーズ』です。「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーとする省エネ主義の高校生・折木奉太郎が、廃部寸前の古典部に入部したことから物語は始まります。
奉太郎は、好奇心旺盛なヒロイン・千反田えるに巻き込まれる形で、学校生活に潜む様々な「日常の謎」を解き明かしていくことになります。殺人事件のような派手な出来事は起こりませんが、ささいな謎が論理的に解決されていく過程は、本格ミステリーさながらの面白さ。ほろ苦い青春の空気感も魅力的な、青春ミステリーの傑作です。
「わたし、気になります!」えるちゃんのこの一言で、奉太郎が謎を解かざるを得なくなるのがお決まりだね。甘酸っぱい青春が眩しい!
第34位は、英国推理作家協会賞のゴールドダガー(最優秀長編賞)を受賞した、M・W・クレイヴンによる『ストーンサークルの殺人』です。イギリスの田舎町を舞台にした、本格警察小説シリーズの第一作目です。
主人公は、停職中のたたき上げ刑事ワシントン・ポー。ある日、彼のもとに、連続猟奇殺人事件への捜査協力を依頼されます。被害者は全員、ストーンサークルで焼き殺され、その胸には犯人のものと思われる印が刻まれていました。ポーは、天才的な分析能力を持つが対人スキルに難ありの分析官、ティリー・ブラッドショーとコンビを組み、複雑怪奇な事件の真相に迫ります。個性的なキャラクターと、二転三転するストーリーが魅力の一冊です。
ポーとティリーの凸凹コンビが最高に面白いんだ。本格的な謎解きも読み応え抜群だよ。
第35位は、「どんでん返しの帝王」の異名を持つ中山七里氏の『連続殺人鬼カエル男』です。その衝撃的な内容と結末は、大きな話題を呼びました。
物語は、マンションの高層階から吊り下げられた女性の死体が発見されるところから始まります。その傍らには子供が書いたような犯行声明文が置かれていました。これを皮切りに、次々と奇怪な手口で殺人が繰り返されます。世間は、この正体不明の殺人鬼を「カエル男」と名付け、恐怖に陥ります。猟奇的な事件の描写と、スピーディーな展開で読者を惹きつけ、そして最後に待ち受ける驚愕の真相。一度読み始めたら、最後までページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
本作で描かれる犯行の残虐性と社会の狂騒は、人間の集団心理の危うさを浮き彫りにする。結末のどんでん返しは、物語の構造そのものを問い直すだろう。
第36位は、2018年の本屋大賞を受賞し、累計発行部数100万部を突破した辻村深月氏の『かがみの孤城』です。アニメ映画化もされ、幅広い世代から支持を集めました。
学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日、彼女の部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように中に入ると、そこには城のような不思議な建物と、自分と似た境遇の6人の中学生がいました。そこで彼らは、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも一つだけ叶う」と告げられます。ファンタジーの世界を舞台に、少年少女の心の成長を描いた物語ですが、城の謎や、彼らが集められた理由など、ミステリー要素も巧みに織り込まれています。
思春期のヒリヒリした感情がすごくリアルに描かれていて、胸が熱くなったよ。最後は感動で涙が止まらなかったな。
第37位は、『黒い家』や『悪の教典』で知られる貴志祐介氏の『青の炎』です。主人公の高校生・櫛森秀一が、母親と妹を守るために、母の元夫である厄介者の男を殺害する完全犯罪を計画し、実行するまでを描いた物語です。
秀一は、法律や科学の知識を駆使して、緻密な殺人計画を立てていきます。その計画が実行されていく過程は、スリリングで目が離せません。しかし、計画には綻びが生じ始め、秀一は次第に追い詰められていきます。思春期の少年が抱える孤独や焦り、そして純粋さが、悲劇的な結末へと繋がっていきます。切ない青春小説であり、一級の犯罪ミステリーでもある名作です。
秀一の行動は許されないことだけど、その気持ちを考えると、すごく切なくなっちゃうんだ。青くて、痛い物語だよ。
第38位は、第34回鮎川哲也賞を受賞しデビューした山口未桜氏の『禁忌の子』です。生殖医療を題材にした、医療サスペンス・ミステリーです。
物語の舞台は、病院や不妊治療クリニック。物語には、親から虐待を受けた子供たちが登場します。しかし、彼らには出生に関するある共通の秘密がありました。ある日、殺人事件が発生し、主人公である医師たちが事件の真相を追います。特殊設定ミステリーと、子供たちの過酷な運命が絡み合う、読み応えのある一冊です。
子供たちが持つ能力が、どれも悲しい過去と結びついているのが辛い…。みんなに幸せになってほしいって願わずにはいられないよ。
第39位は、第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞した松下龍之介氏のデビュー作『一次元の挿し木』です。VR(仮想現実)を題材にした、SFミステリーの意欲作です。
物語は、大学院で遺伝人類学を学ぶ七瀬悠が、ヒマラヤで発掘された200年前の人骨のDNA鑑定を任されるところから始まります。しかし、そのDNAは4年前に失踪した彼の妹のものと一致するという、ありえない結果が示されます。200年前の人骨と現代の失踪した妹がDNAで繋がるという壮大な謎を軸に、クローン技術や生命倫理といった現代的なテーマを取り入れた、新しいミステリーの可能性を感じさせる一冊です。
VRの世界で起こる殺人事件なんて、設定がすごく今っぽいよね。これからのミステリーは、こういう形も増えていくのかな。
ランキングの最後を飾るのは、全てのミステリーの原点にして頂点、アーサー・コナン・ドイルが生んだ『シャーロック・ホームズの冒険』です。1892年に発表されたこの短編集は、探偵小説というジャンルを確立させました。
卓越した観察眼と推理力を持つ名探偵シャーロック・ホームズと、彼の忠実な相棒ジョン・ワトソン医師。二人が挑む事件の数々は、今読んでも色褪せることのない魅力に満ちています。「ボヘミアの醜聞」や「赤毛組合」など、ミステリー史に残る名作が収録されており、ここからミステリーの世界に足を踏み入れたというファンも少なくありません。時代を超えて愛される、まさに不朽の名作です。
ここから全てが始まったんだよね。ホームズとワトソンのコンビは、わたしの永遠の憧れだよ!
ここまで、古今東西の傑作ミステリー小説を40作品、ランキング形式でご紹介してきました。気になる一冊は見つかりましたでしょうか?
今回ご紹介した作品以外にも、世の中にはまだまだたくさんの魅力的なミステリー小説が存在します。この記事をきっかけに、本格ミステリー、社会派、イヤミス、どんでん返し系など、様々なジャンルの作品に挑戦してみてください。あなただけの「最高の一冊」を見つけることで、読書の楽しみはさらに広がっていくはずです。さあ、ページをめくって、謎と驚きに満ちた物語の世界へ旅立ちましょう!