ミステリー小説は知的好奇心を刺激し、心躍る読書体験を提供してくれる人気ジャンルです。しかし、数多くの作品があり、どれを読めばいいか迷ってしまうことも。
この記事では初心者からミステリー通まで楽しめる、国内外の名作・傑作を厳選してランキング形式でご紹介します。
- ミステリー小説とは?ジャンルの特徴と魅力
- ミステリー小説の選び方
- 国内ミステリー小説おすすめランキングTOP20
- 第1位:『容疑者Xの献身』東野圭吾
- 第2位:『白夜行』東野圭吾
- 第3位:『告白』湊かなえ
- 第4位:『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午
- 第5位:『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎
- 第6位:『十角館の殺人』綾辻行人
- 第7位:『火車』宮部みゆき
- 第8位:『地雷グリコ』青崎有吾
- 第9位:『硝子の塔の殺人』今村昌弘
- 第10位:『イニシエーション・ラブ』乾くるみ
- 第11位:『リバース』湊かなえ
- 第12位:『氷菓』米澤穂信
- 第13位:『マスカレード・ホテル』東野圭吾
- 第14位:『さまよう刃』東野圭吾
- 第15位:『カラスの親指』道尾秀介
- 第16位:『すべてがFになる』森博嗣
- 第17位:『新参者』東野圭吾
- 第18位:『占星術殺人事件』島田荘司
- 第19位:『孤狼の血』柚月裕子
- 第20位:『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成
- 海外ミステリー小説おすすめランキングTOP10
- ミステリー小説の読み方とおすすめ活用法
ミステリー小説とは?ジャンルの特徴と魅力
ミステリー小説とは、殺人事件や盗難などの謎を探偵や刑事が論理的に解決していく小説ジャンルです。読者も一緒に事件を推理できる参加型の楽しさがあります。
伏線回収やどんでん返しなどの技巧により、知的興奮やサスペンスを味わえるのが大きな魅力です。
ミステリー小説の選び方
好みのサブジャンルで選ぶ(本格・社会派・心理ミステリーなど)
ミステリー小説には本格派、社会派、心理ミステリーなど様々なサブジャンルがあります。本格派は「館もの」や「密室もの」など、トリックやロジックを楽しむジャンルで、綾辻行人や島田荘司の作品が代表的です。
社会派は現代社会の問題を扱い、宮部みゆきや東野圭吾の作品に多く見られます。
読みやすさで選ぶ(短編・長編・シリーズもの)
読書習慣が少ない方は、まずは短編集から始めるのがおすすめです。一気に読み切れる満足感が得られ、ミステリーの面白さを実感しやすいでしょう。
長編やシリーズものは世界観に深く浸れる魅力がありますが、まずは気軽に読める作品から入るとよいでしょう。
作家のスタイルで選ぶ
ミステリー作家には独自のスタイルがあります。どんでん返し系なら東野圭吾や伊坂幸太郎、緻密な心理描写なら湊かなえ、本格推理なら綾辻行人といった具合です。
お気に入りの作家を見つけると、その作家の作品をシリーズで楽しめる醍醐味があります。
国内ミステリー小説おすすめランキングTOP20
第1位:『容疑者Xの献身』東野圭吾
天才数学者が隣人の女性のために完全犯罪を計画する物語で、知的ゲームと純愛が見事に融合しています。物理学者・湯川学との頭脳戦に息をのむ展開で、直木賞も受賞した東野圭吾の代表作です。
論理的な謎解きと人間ドラマが絶妙なバランスで描かれており、多くの読者に衝撃を与えた名作と言えるでしょう。
第2位:『白夜行』東野圭吾
殺人事件の被害者の息子と容疑者の娘の19年に及ぶ愛と絶望の物語です。「闇の中を歩き続ける二人」という壮大な悲劇に、多くの読者が心揺さぶられました。
伏線の張り方と回収の美しさは圧巻で、ミステリーファンでなくても楽しめる東野圭吾の最高傑作とも評される作品です。
第3位:『告白』湊かなえ
我が子を校内で亡くした女性教師の「告白」から始まるイヤミスの傑作です。「このクラスの生徒に殺されました」という衝撃的な言葉から物語は展開します。
複数の視点で物語が進み、次第に明らかになる真相と衝撃のラストに、本屋大賞を受賞した湊かなえのデビュー作です。
第4位:『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午
「自称探偵」の成瀬将虎が霊感商法の調査を依頼され、かつて自殺の危機から救った女性と再会する物語です。叙述トリックの名手・歌野晶午による傑作で、何度でも読み返したくなる作品です。
ラストの驚きは秀逸で、本格ミステリ大賞を受賞した現代ミステリーの名作と言えるでしょう。
第5位:『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎
一冊の広辞苑のため本屋を襲う計画を立てた男と彼に誘われた主人公の奇妙な物語です。伏線が絶妙に張り巡らされ、最後に見事に回収される伊坂幸太郎ならではの文体と展開が魅力です。
吉川英治文学新人賞を受賞し、映画化もされた青春ミステリーの傑作です。
第6位:『十角館の殺人』綾辻行人
孤島に建つ奇妙な十角形の館で起こる連続殺人の謎を描いた、現代本格ミステリーの金字塔です。マザーグースの童謡「十人の印度人」をモチーフにした緻密なトリックが魅力です。
綾辻行人のデビュー作であり、現代における新本格ミステリーブームの先駆けとなった作品です。
第7位:『火車』宮部みゆき
休職中の刑事・本間が、消息を絶った女性・関根彰子の足取りを追う物語です。調査していくうちに見えてくる、クレジットカード地獄や自己破産という社会問題と絡めた宮部みゆきの代表作です。
社会派ミステリーの傑作として、山本周五郎賞を受賞した作品でもあります。
第8位:『地雷グリコ』青崎有吾
勝負ごとに強い女子高生・射守矢真兎が様々な頭脳ゲームに挑むミステリー小説です。グリコやジャンケンなど身近な遊びに仕掛けられた緻密なロジックが魅力です。
本格ミステリ大賞など3つの文学賞をトリプル受賞し、「このミステリーがすごい!」でも1位を獲得した近年の話題作です。
第9位:『硝子の塔の殺人』今村昌弘
雪深い森の中にある「硝子の塔」で次々と起こる殺人事件を名探偵・碧月夜が解決していく物語です。館もの・クローズドサークルの伝統を踏まえつつ新しさも感じさせる本格ミステリーです。
複数の伏線が絡み合うトリックと、それを解き明かすロジックが見事な本屋大賞ノミネート作品です。
第10位:『イニシエーション・ラブ』乾くるみ
就職活動中の大学生とマユの恋愛を描くラブストーリーに見せかけた叙述トリックの傑作です。最後の数行で物語の見え方が一変する衝撃的な結末が話題を呼びました。
**「必ず2回読みたくなる」**と評される、ミステリーとラブストーリーが見事に融合した作品です。
第11位:『リバース』湊かなえ
平凡なサラリーマン・深瀬が「人殺し」という告発を受け、過去の出来事を恋人に打ち明ける物語です。高校時代の事件を複数の視点で描き、真実が徐々に明らかになっていく構成が見事です。
湊かなえが男性を主人公にした初めての作品で、「イヤミス」と称される後味の悪さが特徴的なミステリーです。
第12位:『氷菓』米澤穂信
エネルギー保存主義を掲げる高校生・折木奉太郎が古典部で出会った好奇心旺盛な千反田えると共に学校の謎を解いていく青春ミステリーです。米澤穂信のデビュー作であり、古典部シリーズの第一作目です。
高校生の日常に潜む小さな謎を丁寧に描き、アニメ化もされた人気作品です。
第13位:『マスカレード・ホテル』東野圭吾
連続殺人事件の捜査のため、刑事の新田がホテルマンに変装して潜入捜査をする物語です。ホテルという特殊な舞台設定と、ホテルマンの山岸尚美との掛け合いが魅力的な作品です。
サービス業の奥深さとミステリーを融合させた作品で、映画化もされた東野圭吾の人気シリーズです。
第14位:『さまよう刃』東野圭吾
娘を失った父親・長峰が、犯人への復讐を誓う物語です。少年犯罪と遺族の復讐というテーマを通して、法と正義の境界線を問いかける社会派ミステリーです。
読者の感情を揺さぶるドラマ性と、東野圭吾ならではの伏線の張り方が見事な作品です。
第15位:『カラスの親指』道尾秀介
人生に敗れた中年詐欺師2人の元に、少女が現れることから始まる奇妙な共同生活の物語です。過去の残酷な事件と現在の物語が絡み合い、最後には驚きの真実が明かされる構成が秀逸です。
日本推理作家協会賞を受賞し、映画化もされた道尾秀介の代表作です。
第16位:『すべてがFになる』森博嗣
孤島の研究所で起きた密室殺人を、工学部の助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が解明していく物語です。理系ミステリーの先駆けとなった森博嗣のデビュー作で、「S&Mシリーズ」の第一作目です。
科学的な視点からのアプローチと意外な真相が魅力の作品です。
第17位:『新参者』東野圭吾
日本橋の下町で起きた女性の絞殺事件を、刑事・加賀恭一郎が解決していく物語です。江戸情緒あふれる下町の人々との交流を通して事件の真相に迫る構成が独特です。
人情ミステリーとも呼べる温かみのある作品で、ドラマ化もされた加賀恭一郎シリーズの一作です。
第18位:『占星術殺人事件』島田荘司
6人の処女から完璧な女性「アゾート」を創る計画が記された画家の手記と、それに続いて起こる連続殺人の謎を描いた本格ミステリーです。島田荘司のデビュー作で、名探偵・御手洗潔シリーズの第一作目です。
日本のミステリー史に残る傑作として、東西ミステリーベスト100で第3位に選ばれた作品です。
第19位:『孤狼の血』柚月裕子
昭和63年の広島を舞台に、暴力団系列の金融会社社員失踪事件と警察の内部抗争を描いた警察小説です。ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上と新人刑事の日岡の関係性が見事に描かれています。
日本推理作家協会賞を受賞し、2度映画化もされた柚月裕子の代表作です。
第20位:『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成
IT企業の最終選考に残った6人の大学生が、内定を巡って心理戦を繰り広げる物語です。誰が本当のことを言っているのか、誰が嘘をついているのかが次第に明らかになる展開が魅力です。
就活というリアルな題材を扱った新感覚ミステリーで、多くのミステリーランキングでも上位に選ばれた作品です。
海外ミステリー小説おすすめランキングTOP10
第1位:『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティー
孤島に招かれた10人の男女が、マザーグースの童謡通りに次々と殺されていく物語です。クローズドサークルの名作として、アガサ・クリスティーの代表作であり、ミステリー史上最高の傑作とも評されています。
完璧なトリックと緻密なプロットは80年以上経った今でも色褪せることがなく、初めて海外ミステリーを読む方にもおすすめです。
第2位:『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティー
雪で立ち往生したオリエント急行の車内で起きた殺人事件を、名探偵ポアロが解決する物語です。密室の中でのアリバイと証言の矛盾から真相に迫るプロセスが見事です。
「一人ではなく全員が犯人」という斬新な解決法が話題となり、何度も映画化された名作です。
第3位:『緋色の研究』コナン・ドイル
名探偵シャーロック・ホームズと助手のワトスンが初めて出会い、共に事件を解決する物語です。アメリカ人旅行者の奇妙な殺人事件の背景には、長く哀しい復讐の物語が隠されていました。
近代探偵小説の礎を築いた記念碑的作品で、シャーロック・ホームズシリーズの第一作です。
第4位:『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ
1950年代のノースカロライナ州の湿地で、孤独に生きる少女・カイアの成長と彼女が巻き込まれる殺人事件を描いた物語です。自然描写の美しさと、孤独の中で強く生きる少女の姿が心を打ちます。
全世界で2200万部以上を売り上げた大ベストセラーで、本屋大賞翻訳小説部門も受賞した作品です。
第5位:『ABC殺人事件』アガサ・クリスティー
「ABC」と名乗る犯人からの挑戦状をきっかけに、アルファベット順に殺人が起きる連続殺人事件の謎をポアロが解く物語です。表面上は単純に見える事件に隠された真の動機と犯人像が巧みに描かれています。
アガサ・クリスティー全盛期の代表作で、連続殺人の手法が斬新な名作です。
第6位:『ダ・ヴィンチ・コード』ダン・ブラウン
ルーヴル美術館長の死体発見から始まり、ハーバード大学教授のラングドンが芸術作品に隠された暗号を解き明かす物語です。キリスト教の歴史的秘密と芸術に関する豊富な知識が織り込まれたスリリングな展開が魅力です。
世界中で社会現象を巻き起こした大ベストセラーで、続編も多数出版されています。
第7位:『カササギ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ
1955年のイギリスの田舎町で起きた家政婦の死をめぐる謎を名探偵アティカス・ピュントが解き明かす物語です。クリスティーへのオマージュが随所に見られる、古典ミステリーの魅力を現代に蘇らせた作品です。
「本の中の本」という入れ子構造になっており、本屋大賞翻訳部門でも1位を獲得したミステリーです。
第8位:『その女アレックス』ピエール・ルメートル
誘拐され監禁されたアレックスと、彼女を追う刑事の物語が交互に進行する構成のミステリーです。前半は誘拐サスペンスの体裁ですが、途中から物語が大きく転換する展開に多くの読者が驚かされました。
各国のミステリー賞を総なめにした話題作で、叙述トリックの効いた衝撃的な結末が魅力です。
第9位:『自由研究には向かない殺人』ホリー・ジャクソン
自由研究で地元の失踪事件を調査する女子高生・ピップの姿を描いた青春ミステリーです。SNSを活用した現代的な調査方法と、地道な聞き込みで真相に迫るプロセスが爽やかです。
著者のデビュー作ながら英米でベストセラーとなり、シリーズ化もされた話題作です。
第10位:『毒入りチョコレート事件』アントニイ・バークリー
毒入りチョコレートによる殺人事件の謎に、犯罪研究会の会員たちがそれぞれの推理を披露する物語です。1人の事件に対して6人の探偵がそれぞれ異なる解釈を示すという斬新な構成が特徴です。
「多重解決」というミステリー技法の元祖とされ、今なお多くのミステリーファンに愛される古典的名作です。
ミステリー小説の読み方とおすすめ活用法
ミステリー小説をより深く楽しむには、伏線や手がかりに注目して読むことがポイントです。作者がどのように読者をミスリードしようとしているかを意識すると、より推理の楽しさが増します。
また、同じ作品を読み返すことで、初読では気づかなかった伏線に気づく喜びも味わえます。
読書仲間と感想を共有したり、作品に関する考察サイトをチェックしたりするのもおすすめです。他の読者の視点を知ることで、新たな発見があるかもしれません。
映像化された作品なら、原作との違いを比較するのも楽しみ方の一つです。