著作権切れの小説おすすめランキングTOP15【2024年最新】

著作権切れの小説とは？無料で読める名作を紹介

著作権切れの小説とは、著作権の保護期間が終了した作品のことです。日本では、著作者の死後70年（2018年以前は50年）が経過すると著作権が消滅します。

つまり、夏目漱石や芥川龍之介、太宰治などの名作が無料で読めるようになっているんです。これらの作品は「青空文庫」などのサイトで誰でも無料で読むことができます。

著作権切れの小説を楽しむ方法

著作権切れの小説を読むには、以下のような方法があります。

1. 青空文庫：最も有名な電子図書館で、ボランティアによって運営されています。パソコンやスマホから無料でアクセス可能です。
2. 各種電子書籍アプリ：Kindle、楽天Kobo、Bookliveなどでも著作権切れの作品は無料で配信されていることが多いです。
3. 図書館：地域の図書館では多くの著作権切れ作品を紙の本で借りることができます。
4. 古本屋：古本屋では比較的安価で入手できることが多いです。

中でも青空文庫は特におすすめです。テキストファイルやXHTMLファイルでダウンロードでき、スマホでもサクサク読めます。

サービス名	特徴	対応デバイス
青空文庫	著作権切れ作品が充実、無料	PC、スマホ、タブレット
電子書籍アプリ	読みやすい、本棚管理が便利	スマホ、タブレット、電子書籍リーダー
図書館	紙の本で読める、司書のアドバイスあり	–
古本屋	コレクションとして所有できる	–

著作権切れ小説おすすめランキングTOP15

第1位 夏目漱石「こころ」

「こころ」は夏目漱石の代表作で、明治から大正にかけての日本社会と人間の内面を深く描いた作品です。主人公「私」が出会った「先生」の過去に隠された罪と友情の物語が、繊細かつ鋭い筆致で描かれています。

先生は友人の恋愛感情を知りながらも先回りして恋愛を成就させ、友人は自殺してしまいます。この罪の意識に苦しみながら生きる先生の姿は、現代にも通じる人間の孤独と葛藤を表現しています。

青空文庫での閲覧数も常にトップクラスを誇る日本近代文学の金字塔です。時代を超えて読み継がれる普遍的なテーマが心に残ります。

第2位 芥川龍之介「羅生門」

芥川龍之介の「羅生門」は、平安時代末期の荒廃した京都を舞台に、生き抜くための道徳的葛藤を描いた短編小説です。下人が雨宿りのために羅生門に入り、死体から髪を抜く老婆と出会うという衝撃的な展開は多くの読者の心に残ります。

短編ながらも人間の心理の深層に迫る筆致は見事で、現代人が読んでも強い衝撃を受ける作品です。生きるために悪を選ばざるを得ない状況と人間の本質について考えさせられます。

中学や高校の教科書にも採用されることが多い作品ですが、大人になって読み返すと、また違った深みを感じることができます。

第3位 太宰治「人間失格」

「人間失格」は太宰治の遺作とも言える作品で、「恥の多い生涯を送って来ました」という印象的な書き出しで始まります。主人公・大庭葉蔵の自伝的な告白を通して、人間として「失格」していく過程が赤裸々に描かれています。

人に好かれようと常に演技し続け、酒と薬物に溺れていく主人公の姿は、人間関係の難しさや社会への不適応を感じる現代人にも強く共感を呼びます。

太宰自身の実体験が色濃く反映された作品であり、読後に深い余韻を残す日本文学の傑作です。近年ではマンガ化や映画化も相次ぎ、新たな読者を獲得し続けています。

第4位 フランツ・カフカ「変身」

「変身」はカフカの代表作で、ある朝、主人公のグレーゴル・ザムザが突然巨大な虫に変身してしまうという衝撃的な設定から始まります。変身後も意識は人間のままという不条理な状況の中で、家族との関係性が変化していく姿が描かれています。

理不尽な状況に置かれた個人と、それを受け入れられない社会や家族の姿を通して、近代社会における人間の疎外感や孤独を鋭く描いた作品です。

カフカの「変身」は20世紀文学を代表する作品として世界中で読み継がれており、「カフカ的」という言葉が生まれたほどの影響力を持っています。

第5位 シェイクスピア「ロミオとジュリエット」

シェイクスピアの代表作「ロミオとジュリエット」は、敵対する二つの名家の子どもたちが恋に落ち、悲劇的な結末を迎える物語です。若く純粋な恋愛と、それを阻む社会や家族の対立という普遍的なテーマが魅力です。

「ジュリエットよ、なぜあなたはロミオなのか」の有名な台詞に代表されるように、名前や家柄という外的要因と純粋な愛の対比が鮮やかに描かれています。

400年以上前に書かれた作品でありながら、映画やミュージカル、バレエなど様々な形で現代も親しまれている不朽の名作です。恋愛小説の原点とも言える作品で、初めて古典に触れる方にもおすすめできます。

第6位 中勘助「銀の匙」

「銀の匙」は、中勘助が自身の幼少期から青年期までを自伝的に描いた作品です。タイトルの「銀の匙」は主人公が幼い頃に母親から贈られた銀の匙に由来しています。

病弱な少年が家族の愛情に包まれながら成長していく様子が、優しい筆致で描かれています。作者自身の繊細な感性が反映された叙情的な文体が特徴で、日本の季節感や家族の絆が美しく表現されています。

昭和時代の日本の家庭の様子や子どもの心情が細やかに描かれており、ノスタルジックな気持ちで読める作品です。自分の幼少期を思い出しながら読むと、より深く共感できるでしょう。

第7位 太宰治「走れメロス」

「走れメロス」は、ギリシャの伝説を基にした太宰治の代表作です。友情のために命がけで走るメロスの物語を通して、人間の信頼と友情の尊さが描かれています。

メロスは友人のセリヌンティウスの命を救うために、灼熱の太陽の下、川の氾濫や盗賊の襲撃などの困難を乗り越えて走り続けます。「疑うことから愛は生まれぬ」というメッセージは、現代にも通じる普遍的な価値を持っています。

太宰治というと暗いイメージがありますが、この作品はポジティブで力強いメッセージを持っており、彼の作品の中でも異彩を放っています。学校の教科書でも取り上げられることが多い親しみやすい作品です。

第8位 夢野久作「ドグラ・マグラ」

「ドグラ・マグラ」は夢野久作の代表作で、「日本一奇怪で幻魔的な本格長編探偵小説」と称された独創的な作品です。記憶喪失の青年が精神病院で目覚めるところから物語が始まり、次第に明らかになる衝撃的な真実が読者を混乱させます。

犯罪心理学や遺伝学、精神医学などの要素を取り入れた前衛的な内容で、約100年前に書かれたとは思えないほど斬新な構成が特徴です。

難解で挑戦的な作品ですが、一度読み始めると独特の世界観に引き込まれる魅力があります。読了後も「何が真実だったのか」と考えさせられる余韻を持つ傑作です。

第9位 ビクトル・ユーゴー「レ・ミゼラブル」

「レ・ミゼラブル」は19世紀フランスを舞台にした壮大な物語です。パンを盗んだことで19年間服役した元囚人ジャン・バルジャンの人生を中心に、様々な人間ドラマが展開されます。

貧困や不平等、正義と慈悲、革命と愛というテーマを通して、人間の尊厳と救済を描いた作品です。バルジャンとジャベール警部の対立、コゼットとマリウスの恋愛など、複数の物語線が絡み合う構成も魅力の一つです。

かなりのボリュームがありますが、一度読み始めると止まらなくなる引力を持っています。ミュージカルや映画で知られる方も多いですが、原作ならではの深みと感動があります。

第10位 ツルゲーネフ「はつ恋」

「はつ恋」（初恋）はロシアの作家ツルゲーネフによる短編小説で、16歳の少年ウラジーミルが経験する初恋の甘さと苦さを繊細に描いた作品です。

少年が年上の美しい女性ジナイーダに恋をするものの、彼女の周りには多くの求婚者がおり、最終的に衝撃的な真実に直面するという展開が胸を打ちます。初恋の純粋さと、大人の世界の複雑さが対比的に描かれています。

叙情的で美しい文体と、青春の甘酸っぱさが見事に表現された名作です。短編ながらも読後感が長く続く、珠玉の恋愛小説といえるでしょう。

第11位 夏目漱石「坊っちゃん」

「坊っちゃん」は夏目漱石のユーモアあふれる作品で、江戸っ子気質の「坊っちゃん」が松山の中学校に赴任し、様々な騒動を巻き起こす物語です。

正義感が強く素直な坊っちゃんと、「山嵐」「赤シャツ」「マドンナ」などの個性的なニックネームで呼ばれる登場人物たちとの軽妙なやり取りが魅力の作品です。

漱石の作品の中では比較的読みやすく、爽快な展開が人気の理由です。教師と生徒の関係や、地方と都会の文化の違いなど、時代を超えて共感できるテーマも含まれています。

第12位 坂口安吾「桜の森の満開の下」

「桜の森の満開の下」は、坂口安吾の代表作の一つで、美しさと残酷さが交錯する幻想的な物語です。山賊と彼が連れてきた美しい女の関係を通して、人間の本質的な孤独と狂気を描いています。

満開の桜の美しさと、そこで繰り広げられる残酷な出来事のコントラストが印象的です。美しいものへの憧れと、それがもたらす破滅を象徴的に表現しています。

戦後間もない時期に書かれた作品ですが、時代を超えて読み継がれる普遍的なテーマを持っています。美しい文体と残酷な内容のギャップが読者の心に強く残る傑作です。

第13位 坂口安吾「不連続殺人事件」

「不連続殺人事件」は坂口安吾によるミステリー小説で、独創的な謎解きと人間心理の描写が魅力の作品です。一見無関係に思える連続殺人事件を、天才物理学者の巨勢博士が解き明かしていきます。

タイトルの「不連続」とは、一見バラバラに見える事件が実は一つの論理で繋がっているという逆説を示しています。単なる謎解き小説ではなく、人間の心理や社会への鋭い洞察が込められた作品です。

日本のミステリー小説の古典として、現代のミステリー作家にも多大な影響を与えた名作です。江戸川乱歩や松本清張も高く評価したことで知られています。

第14位 トーマス・マン「ヴェニスに死す」

「ヴェニスに死す」はノーベル文学賞作家トーマス・マンの代表作の一つで、芸術と美への憧れ、そして死をテーマにした作品です。名声を得た作家グスタフ・アッシェンバッハがヴェニスで美少年タジオに魅せられ、やがて伝染病が蔓延する街に留まり続ける物語です。

抑制された美しい文体で、禁断の愛と芸術家の苦悩が描かれています。病と美、生と死、理性と情熱という対立するテーマが象徴的に表現されている名作です。

1971年にルキノ・ヴィスコンティ監督によって映画化されたことでも知られています。短編ながらも深い余韻を残す作品で、文学の持つ力を再認識させてくれます。

第15位 江戸川乱歩「怪人二十面相」

「怪人二十面相」は江戸川乱歩によるミステリー小説で、怪盗二十面相と名探偵明智小五郎の対決を描いた人気シリーズの第一作です。少年探偵団も活躍する冒険ミステリーとして、多くの世代に愛されてきました。

変装の名人である二十面相の大胆な犯行と、それを追う明智小五郎の知的な推理が見どころです。子供向けとも大人向けともつかない独特の世界観が魅力で、現代のミステリーやエンターテインメント作品にも多大な影響を与えています。

推理小説の王道的な面白さと、少年探偵団の活躍というわくわく感が絶妙に融合した作品です。初めて本格ミステリーに触れる方にもおすすめできます。

著作権切れ小説の魅力とおすすめの読み方

著作権切れ小説の最大の魅力は、時代を超えて読み継がれてきた「普遍的な価値」を持つ作品に無料でアクセスできることです。時代背景や言葉遣いは古くても、人間の感情や社会の本質を描いた名作は、現代の読者の心にも強く響きます。

著作権切れ小説を楽しむためのおすすめの読み方をいくつか紹介します。

1. 入門編としての短編から始める：「羅生門」や「走れメロス」などの短編は、気軽に読み始められます。
2. 現代語訳や注釈付きの版を活用する：特に明治・大正時代の作品は、現代語訳があると理解が深まります。
3. 映画やドラマ化された作品と併せて楽しむ：映像化された作品を見た後に原作を読むと、より深く作品を味わえます。
4. 作家の生涯や時代背景を調べながら読む：作家の人生や当時の社会状況を知ることで、作品の理解が広がります。

著作権切れ小説は、単なる「古い本」ではなく、現代に生きる私たちに多くの気づきを与えてくれる宝庫です。無料で読めることをきっかけに、ぜひ一度手に取ってみてください。