【2025年最新】どんでん返し小説のおすすめランキングTOP40

はじめに：予測不能な結末が魅力の「どんでん返し小説」とは？

「どんでん返し小説」とは、物語の最後に読者の予想を鮮やかに裏切る、衝撃的な結末が用意された小説を指します。巧みに張り巡らされた伏線がラストで一気に回収され、物語の世界が反転する快感は、一度味わうとやみつきになるでしょう。それまで信じていた前提が覆される驚き、そしてもう一度読み返して伏線を確認したくなる奥深さこそ、どんでん返し小説の大きな魅力です。

ミステリーに読み慣れた方でさえ思わず「騙された！」と声を上げてしまう名作も少なくありません。この記事では、『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、極上の驚きと知的興奮を味わえるどんでん返し小説をランキング形式でご紹介します。何度でも騙されたくなる、刺激的な読書体験があなたを待っています。

【2025年最新】どんでん返しがすごい小説おすすめランキングTOP40

お待たせしました！ここからは、『小説ヨミタイ』編集部が厳選した「どんでん返しがすごい小説おすすめランキングTOP40」を発表します。ミステリー史に残る不朽の名作から近年の話題作まで、あなたをあっと驚かせる作品ばかりを集めました。

巧みなストーリーテリング、緻密に計算された伏線、そしてあなたの常識を覆す衝撃の結末――。どの作品から読んでも、忘れられない読書体験ができるはずです。さあ、予測不能な物語の世界へ飛び込みましょう！

1位: 『十角館の殺人』 綾辻行人

日本のミステリー界に「新本格」という潮流を築いた、記念碑的な一作です。1987年の刊行以来、多くのミステリーファンを魅了し続ける不朽の名作。物語の舞台は、孤島・角島に建てられた奇妙な十角形の館です。

大学のミステリ研究会に所属する7人がこの館を訪れますが、やがて連続殺人が発生します。孤立した空間で起こる殺人事件という王道の展開ながら、その結末には誰もが驚愕する大胆なトリックが。物語の終盤、たった一行ですべての前提が覆される衝撃は伝説的です。どんでん返し小説の入門書として、まず手に取ってほしい一冊と言えるでしょう。

2位: 『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ

「必ず二回読みたくなる」というキャッチコピーで社会現象にもなった、伝説のどんでん返し小説。物語は1980年代の静岡を舞台に、大学生の鈴木と歯科助手のマユの甘酸っぱい恋愛模様を描いています。誰もがこれを青春恋愛小説だと思うことでしょう。

しかし、物語の最後の2行で、それまでの物語のすべてが反転するという衝撃的な結末が待っています。この鮮やかなトリックに気づいた瞬間、あなたは必ず最初から読み返したくなるはず。恋愛小説とミステリーが見事に融合した、唯一無二の名作です。映画化もされていますが、まずは小説でこの驚きを体験してください。

3位: 『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー

「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーの最高傑作と名高い、不朽の名作です。物語は、面識のない10人の男女が孤島に招待されるところから始まります。しかし招待主は姿を現さず、代わりに彼らの過去の罪を告発する謎の声が響き渡ります。

そして、不気味な童謡になぞらえて一人ずつ殺されていくのです。逃げ場のない閉ざされた空間（クローズド・サークル）で、疑心暗鬼に陥る登場人物たちの心理描写は圧巻。全員が死に絶えた後、一体誰が犯人なのか？その衝撃的な真相は、ミステリー史に燦然と輝いています。

4位: 『容疑者Xの献身』 東野圭吾

直木賞を受賞し、映画化もされた東野圭吾の代表作の一つ。天才数学者でありながら不遇な日々を送る高校教師の石神は、隣人でシングルマザーの靖子に想いを寄せています。ある日、靖子が元夫を殺害してしまったことを知り、石神は彼女たちを救うため完璧な論理に基づいた完全犯罪を計画します。

その計画に挑むのは、石神の大学時代の親友であり、天才物理学者の湯川学。二人の天才による壮絶な頭脳戦が繰り広げられます。美しいトリックと、その裏に隠されたあまりにも切ない愛情が描かれ、ラストのどんでん返しでは涙なしには読めません。ミステリーとしてだけでなく、深い人間ドラマとしても楽しめる傑作です。

5位: 『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵の主人公・成瀬が、保険金詐欺の調査や悪徳商法の解明に奔走する物語。一見するとハードボイルドな探偵小説のようですが、この作品の真価は巧妙に仕掛けられた叙述トリックにあります。

読者が抱いていた物語の前提が、終盤で鮮やかに覆される快感は格別です。本作は、第57回日本推理作家協会賞と第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞しており、その完成度の高さは折り紙付き。どんでん返し小説の醍醐味である「騙される快感」を存分に味わいたい方におすすめの一冊です。

6位: 『六人の嘘つきな大学生』 浅倉秋成

2022年の本屋大賞にノミネートされ、映画化も決定した話題の青春ミステリー。物語の舞台は、IT企業の最終選考に残った6人の大学生による就職活動です。当初は「チームで協力して内定を勝ち取ろう」と意気込んでいた彼らですが、企業から「内定者は一人だけ」という非情な通告を受け、状況は一変します。

さらに「この中に人殺しがいる」という告発文が届いたことで、互いの本性や嘘が暴かれていく心理戦へと発展。二転三転する展開の末に明かされる真相は、就活というテーマを見事に利用した驚愕のものです。人間の多面性や、一面だけを見て人を判断することの危うさを突きつけられる作品です。

7位: 『殺戮にいたる病』 我孫子武丸

猟奇的な連続殺人事件を、犯人である男の視点と、事件を追う刑事の視点から描いたサイコ・スリラーです。残虐な描写が多く含まれるため読む人を選びますが、その巧みな叙述トリックと衝撃的な結末は、多くのミステリーファンから高く評価されています。

物語は、犯人・蒲生稔の異常な性的嗜好と殺人の記録、そして彼を追う元刑事・樋口の捜査が交互に語られます。読者は犯人の内面を知りながら物語を読み進めることになりますが、最後に待ち受けるどんでん返しによって、それまでの認識が根底から覆されるでしょう。その恐ろしさと巧みさから、伝説的な一冊として語り継がれています。

8位: 『ハサミ男』 殊能将之

美しい黒髪の女子高生ばかりを狙う連続殺人鬼、通称「ハサミ男」。彼が次なるターゲットを決めた矢先、その少女が別の何者かによって、彼の手口をそっくり真似て殺されてしまいます。プライドを傷つけられたハサミ男は、自らの手で模倣犯を見つけ出すことを決意します。

殺人鬼が探偵役となって事件の真相を追うという、ユニークな設定が魅力の本格ミステリーです。読者は殺人鬼の視点で物語を追体験することになりますが、その先に待ち受けるのは、叙述トリックを駆使した驚愕のどんでん返し。デビュー作にしてメフィスト賞を受賞した、著者の才能が光る一冊です。

9位: 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 相沢沙呼

「このミステリーがすごい！」で第1位に輝き、ドラマ化もされた話題作。物語は、死者の言葉を伝えることができる霊媒師・城塚翡翠と、論理的な推理を得意とする推理作家・香月史郎がタッグを組み、難事件に挑む姿を描きます。

翡翠の霊視には証拠能力がないため、香月がその言葉を元に論理を組み立て、事件を解決に導くというスタイルが特徴です。キャラクターの魅力と本格ミステリーの要素が融合した物語は、最後の最後ですべての前提を覆す大どんでん返しが待っています。伏線が見事に回収される爽快感は格別で、ミステリー初心者にもおすすめの一冊です。

10位: 『方舟』 夕木春央

2023年の本屋大賞にノミネートされた、閉鎖空間でのサバイバルと謎解きが融合したミステリーです。主人公の柊一たちは、山奥の地下建築を訪れた際に地震に遭遇し、閉じ込められてしまいます。脱出の手段は限られ、さらに追い打ちをかけるように殺人事件が発生。

「犯人を犠牲にすれば脱出できる」という極限状況の中、生き残りをかけた犯人探しが始まります。タイムリミットが迫る緊迫感と、閉鎖された空間で増していく疑心暗鬼。人間の本性がむき出しになる中で迎える結末は、衝撃的で背筋が凍るようなどんでん返しが待っています。息もつかせぬ展開に、一気読みしてしまうこと間違いなしの作品です。

11位: 『アヒルと鴨のコインロッカー』 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎作品ならではの、軽快な会話劇と巧みな伏線が光る青春ミステリー。大学入学を機に仙台へ引っ越してきた主人公・椎名は、隣人の河崎と名乗る青年に出会います。彼は「一緒に本屋を襲撃して、広辞苑を盗まないか」という奇妙な計画を持ちかけてきます。

物語は、現在の椎名の視点と、2年前に起こったある出来事が交互に語られていきます。一見無関係に見える二つの物語が繋がったとき、切なくも衝撃的な真実が明らかに。散りばめられた伏線が見事に回収されるラストは圧巻です。読後、タイトルの意味を知ったとき、もう一度最初から読み返したくなることでしょう。

12位: 『リバース』 湊かなえ

「イヤミスの女王」湊かなえが描く、人間の心理に深く切り込んだミステリーです。主人公の深瀬和久は、有名大学を卒業しながらも地味で平凡なサラリーマン。彼の唯一の癒やしは、行きつけのコーヒー店で飲むコーヒーでした。そこで出会った美穂子と恋人関係になりますが、彼女の元に「深瀬和久は人殺しだ」という告発文が届きます。

物語は、深瀬が大学時代に経験した、親友の事故死の真相を巡って展開します。過去の出来事の関係者たちの証言から、少しずつ明らかになる真実。湊かなえ作品らしく、登場人物たちの心の闇や後悔が巧みに描かれています。最後の最後に明かされる衝撃の結末は、まさに「リバース（反転）」というタイトルにふさわしいものです。

13位: 『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』 道尾秀介

人生に敗れた二人の詐欺師、タケとテツが主人公の物語です。ひょんなことから、一人の少女とその姉、そして猫を拾った彼らは、奇妙な共同生活を始めます。しかし、過去の出来事からヤクザに追われることになった彼らは、人生を賭けた大勝負に打って出ます。

前半はコミカルで心温まる展開が続きますが、後半は息もつかせぬコンゲーム（騙し合い）が繰り広げられます。物語の随所に散りばめられた伏線が、ラストで一気に回収される様は見事。どんでん返しと共に訪れる感動的な結末に、きっと心を揺さぶられるはずです。第62回日本推理作家協会賞を受賞した、ユーモアとサスペンスが融合した傑作です。

14位: 『屍人荘の殺人』 今村昌弘

ミステリーランキングで4冠を達成し、映画化もされた異色のクローズド・サークルミステリー。物語の舞台は、サークルの夏合宿で訪れた山奥のペンション「紫湛荘（しじんそう）」です。主人公の葉村譲と先輩の明智恭介は、探偵少女・剣崎比留子と共に合宿に参加しますが、想像を絶する事態に巻き込まれます。

合宿初日の夜、突如として現れたゾンビの集団によって、彼らはペンションに立てこもることを余儀なくされます。しかし、惨劇はそれだけでは終わりませんでした。密室と化したペンションの中で、なんと殺人事件が発生するのです。ゾンビがいる状況下での密室殺人という前代未聞の設定と、ロジカルな謎解きが見事に融合した、新感覚のミステリーです。

15位: 『アクロイド殺し』 アガサ・クリスティー

ミステリー界に大きな論争を巻き起こした、アガサ・クリスティーの代表作の一つ。物語は、名士アクロイド氏が刺殺体で発見されるところから始まります。警察の捜査が難航する中、村に住む風変わりな男、名探偵ポアロが事件の解決に乗り出します。

この作品がミステリー史上の問題作とされる理由は、その大胆不敵な犯人の正体にあります。物語は、ポアロの友人であるシェパード医師の視点で語られますが、その語り手自身がトリックの重要な一部となっているのです。この「語り手＝犯人」という手法は、当時のミステリー界の常識を覆すものであり、フェアかアンフェアかの論争を呼びました。現代ミステリーに多大な影響を与えた、必読の一冊です。

16位: 『硝子の塔の殺人』 知念実希人

2022年の本屋大賞にノミネートされた、本格ミステリーへの愛に満ちた一作です。雪深い森にそびえ立つ、美しく巨大なガラスの塔。ミステリー好きの大富豪の呼びかけで集まったゲストたちが、次々と密室で殺されていきます。

血文字で残されたダイイングメッセージ、13年前に起きた事件との関連など、ミステリーの王道要素がふんだんに盛り込まれています。医師でもある著者ならではの医学的知識を活かしたトリックも見どころの一つ。散りばめられた伏線が美しく繋がり、予想を裏切るどんでん返しの展開が楽しめます。ミステリーファンならずとも引き込まれる、極上のエンターテインメント作品です。

17位: 『仮面山荘殺人事件』 東野圭吾

東野圭吾初期の傑作と名高い、クローズド・サークルミステリーです。婚約者の別荘に集まった8人の男女。そこへ突然、銀行強盗犯が押し入り、彼らは人質となってしまいます。外部との連絡を絶たれた山荘で、緊張と恐怖の一夜が始まります。

しかし、状況はさらに悪化。なんと、仲間の一人が密室で殺害されてしまうのです。犯人は強盗犯なのか、それとも人質の中にいるのか？二重の密室状況という極限状態で、登場人物たちの疑心暗鬼が加速していきます。終盤で明かされる驚愕の真相と、その巧みな伏線回収は、まさに圧巻の一言です。

18位: 『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信

名家の子女が集う読書サークル「バベルの会」を巡る、5つの物語が収められた連作短編集です。優雅で耽美的な雰囲気の裏に、人間の邪悪さや狂気が渦巻いています。各話が独立したミステリーでありながら、全体を通して一つの大きな世界観を構築しています。

この作品の最大の特徴は、各話の最後の一文で物語が反転する、その切れ味の鋭さです。甘美な語り口で進んできた物語が、たった一行で残酷な真実を暴き出す瞬間、読者は冷たい衝撃に襲われるでしょう。美しくも恐ろしい、米澤穂信の暗黒面（ダークサイド）が存分に味わえる一冊です。

19位: 『死刑にいたる病』 櫛木理宇

24人もの若者を殺害した連続殺人鬼・榛村大和。彼は逮捕され、死刑判決を受けますが、最後の事件だけは冤罪だと主張し、大学生の雅也に真相の調査を依頼します。雅也は事件を調べるうちに、榛村の巧みな話術とカリスマ性に魅了され、彼の無罪を信じるようになります。

しかし、調査を進めるほどに、事件の闇は深まっていくのです。果たして榛村は本当に無実なのか、それとも雅也は彼の掌の上で踊らされているだけなのか。二転三転する展開の末に待ち受ける結末は、人間の心の脆さや狂気をえぐり出す、衝撃的なものです。映画化もされた、息をのむサイコ・サスペンスです。

20位: 『向日葵の咲かない夏』 道尾秀介

夏休み前、主人公のミチオは、欠席した同級生S君の家を訪ねます。するとそこには、首を吊って死んでいるS君の姿が。しかし、ミチオが警察を呼びに戻ると、S君の死体は忽然と消えていたのです。数日後、ミチオの前に、S君が自分は別の何者かに殺されたのだと主張し、生まれ変わった姿で現れます。

ミチオはS君の生まれ変わりと共に、事件の真相を探るための冒険に出ます。幻想的で少し不気味な雰囲気が漂う中、物語は予想もつかない方向へと展開。子供の視点から描かれる世界の歪みと、ラストで明かされる衝撃の真実。そのあまりのインパクトに、読後はしばらく呆然としてしまうかもしれません。ミステリーでありながら、ホラーの要素も色濃い作品です。

21位: 『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ

イギリスのミステリー作家、アンソニー・ホロヴィッツによる、非常に凝った構成のミステリー小説です。物語は、編集者のスーザン・ライランドが、人気ミステリー作家アラン・コンウェイの新作原稿「カササギ殺人事件」を読むところから始まります。しかし、その原稿の結末部分が欠けていることに気づきます。

さらに、時を同じくして、作者のアラン・コンウェイが謎の死を遂げます。スーザンは、原稿の中に隠された手がかりを元に、現実世界で起きた作家の死の真相を探り始めます。作中作と現実の事件がリンクするという二重構造になっており、読者は二つの謎を同時に追いかけることに。古典ミステリーへの愛と敬意に満ちた、遊び心あふれる傑作です。

22位: 『すべてがFになる』 森博嗣

孤島のハイテク研究所を舞台に、天才プログラマー・真賀田四季が引き起こしたとされる密室殺人事件の謎に、犀川創平助教授と学生の西之園萌絵が挑む物語。アニメ化やドラマ化もされた、理系ミステリーの金字塔です。

この作品の魅力は、論理的で知的な謎解きと、個性豊かなキャラクターたちの哲学的な会話にあります。密室から現れた死体、そして残された「すべてがFになる」という謎のメッセージ。常人には理解しがたい天才の思考と、理系ならではのトリックが融合した結末は、鮮やかの一言に尽きます。知的好奇心を刺激される、新しいタイプのミステリーです。

23位: 『同志少女よ、敵を撃て』 逢坂冬馬

2022年の本屋大賞を受賞した、第二次世界大戦下のソ連を舞台にした物語です。ドイツ軍の襲撃によって故郷と母を失った少女セラフィマは、赤軍の女性狙撃手イリーナに助けられ、自らも狙撃兵になることを決意します。彼女は仲間たちと共に過酷な訓練を乗り越え、やがて独ソ戦の最前線へと送られます。

戦争の悲惨さや、極限状況に置かれた人々の心理が力強く描かれており、歴史小説としても高い評価を得ています。物語の終盤、セラフィマが直面するある真実は、読者に大きな衝撃と問いを投げかけます。ミステリーという枠を超え、戦争と人間の尊厳について深く考えさせられる、感動的な大作です。

24位: 『連続殺人鬼カエル男』 中山七里

口にフックをかけられ、高層マンションに吊るされるという猟奇的な殺人事件が発生。現場には「きょう、かえるをつかまえたよ」という子供が書いたような犯行声明が残されていました。この事件を皮切りに、次々と奇怪な手口による殺人が繰り返されます。人々は犯人を「カエル男」と呼び、街はパニックに陥ります。

ベテラン刑事の古手川と新米刑事の渡瀬は、この前代未聞の事件の捜査に当たります。二転三転する捜査と、なかなか掴めない犯人像。そして、物語の最後に待ち受ける衝撃のどんでん返しは、多くの読者を驚愕させました。その結末は賛否両論を巻き起こすほど強烈で、一度読んだら忘れられないインパクトを残します。

25位: 『世界でいちばん透きとおった物語』 杉井光

発売後、その特殊な仕掛けがSNSで大きな話題となった一冊。物語は、売れない官能小説家である主人公が、亡き父の遺稿の謎を追うというものです。ミステリー要素を含みつつも、切ない恋愛小説として展開していきます。

この小説の最大の特徴は、物語の内容そのものだけでなく、「本」という物理的な媒体を最大限に活かしたトリックが仕掛けられている点にあります。そのため、この作品の驚きを100%体験するためには、必ず紙の書籍で読むことが推奨されています。読書という行為そのものを問い直すような、前代未聞の体験があなたを待っています。ネタバレ厳禁で、ぜひ手に取ってみてください。

26位: 『マリオネットの罠』 赤川次郎

「三毛猫ホームズ」シリーズなどで知られる赤川次郎の、記念すべき処女長編小説です。フランス留学から帰国した主人公は、恩師の紹介で、ある裕福な家の美人姉妹の家庭教師をすることになります。しかし、その屋敷の地下牢には、三女の雅子が幽閉されていました。彼女を助け出そうとするところから、物語は連続殺人事件へと発展していきます。

息もつかせぬスピーディーな展開で、読者を物語の世界に引き込みます。そして、最後の最後まで読者を翻弄し続ける二転三転するどんでん返しが待っています。物語の土台そのものを覆すような結末は、タイトルの「マリオネット」が読者自身のことであったと気づかせるでしょう。

27位: 『慟哭』 貫井徳郎

連続幼児誘拐殺人事件を追う刑事たちの捜査と、ある男の不可解な手記が並行して語られる構成のミステリー。残忍な犯行を繰り返す犯人「M」を追う刑事たち。一方、手記の主は、新興宗教にのめり込み、常軌を逸した行動を繰り返していきます。

一見、無関係に見える二つの物語が、やがて一つの線で結ばれたとき、読者は驚愕の真実を目の当たりにします。巧みな叙述トリックによって、読者は見事に騙されることでしょう。重厚なテーマと緻密なプロットが融合した、読み応えのある傑作です。読後にタイトル『慟哭』の意味を噛みしめたとき、深い余韻に包まれるはずです。

28位: 『オリエント急行の殺人』 アガサ・クリスティー

大雪で立ち往生した豪華列車「オリエント急行」の車内で、アメリカ人の富豪が刺殺体で発見されます。偶然乗り合わせていた名探偵ポアロは、国籍も身分も異なる乗客たちを相手に、聞き込み捜査を開始。しかし、乗客全員にアリバイがあり、捜査は難航を極めます。

閉ざされた列車内という典型的なクローズド・サークルを舞台に、ポアロの鮮やかな推理が光ります。そして、彼が最後に導き出した犯人の正体と、その動機は、ミステリー史上類を見ない、あまりにも大胆で衝撃的なものでした。何度も映像化されている不朽の名作ですが、まずは原作でその驚きを味わってみてください。

29位: 『体育館の殺人』 青崎有吾

平成生まれ初の鮎川哲也賞受賞者となった著者のデビュー作です。物語の舞台は、風ヶ丘高校の旧体育館。放課後、放送部部長の遺体が発見されますが、現場は巨大な密室状態でした。警察の捜査が進む中、卓球部の女子生徒・柚乃は、アニメオタクで引きこもりの同級生・裏染天馬に事件の解決を依頼します。

いわゆる「安楽椅子探偵」もののスタイルを取りながらも、緻密なロジックと伏線回収が光る本格ミステリーです。登場人物たちの軽快なやり取りとは裏腹に、謎解きは非常に骨太。現代的なキャラクター設定と、古き良き本格ミステリーの要素が融合した、新世代の学園ミステリーです。

30位: 『満願』 米澤穂信

「このミステリーがすごい！」など、主要なミステリーランキングで3冠を達成した傑作短編集。表題作「満願」をはじめ、人間の心の奥底に潜む闇や業を、鮮やかなミステリーの技巧で描き出した6編が収録されています。

どの作品も、物語の最後にゾッとするようなイヤな後味（イヤミス）のどんでん返しが待っています。特に表題作「満願」で明かされる真相は、人の情念の恐ろしさを感じさせ、読後、深い余韻を残します。短い物語の中に、人間の複雑な心理と巧みなトリックが凝縮されており、ミステリーの醍醐味を存分に味わえる一冊です。

31位: 『ある閉ざされた雪の山荘で』 東野圭吾

新作舞台の最終オーディションのため、雪深い山荘に集められた7人の役者志望の男女。彼らに与えられた課題は、「大雪で孤立した山荘」という設定で起こる連続殺人劇のシナリオを演じることでした。しかし、稽古が進むにつれて、仲間の一人が本当に姿を消してしまいます。

これは演技なのか、それとも本当に事件が起きているのか？疑心暗鬼に陥る役者たち。読者もまた、どこまでが芝居でどこからが現実なのか、その境界線を見失っていきます。東野圭吾ならではの巧みな構成と、二重三重に仕掛けられたトリックが見事な傑作です。2024年には映画化もされ、再び注目を集めています。

32位: 『かがみの孤城』 辻村深月

本屋大賞を史上最多得票で受賞し、アニメ映画化もされた感動のファンタジーミステリーです。学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日、彼女の部屋の鏡が光り輝き、吸い込まれるように中へ入ると、そこには城と、自分と似た境遇の6人の中学生がいました。

城に隠された鍵を見つければ、どんな願いも一つだけ叶うと言われ、彼らは共に鍵を探し始めます。ファンタジックな設定の中に、思春期の少年少女が抱える痛みや葛藤がリアルに描かれています。そして、物語の最後に明かされる城の謎と、彼らが集められた理由には、温かい感動と驚きが待っています。伏線回収の鮮やかさも見事な一冊です。

33位: 『火車』 宮部みゆき

休職中の刑事・本間が、遠縁の青年から失踪した婚約者・関根彰子の捜索を依頼されるところから物語は始まります。彼女の足跡を追ううちに、本間は彰子が全くの別人になりすましていたことを突き止めます。彼女は一体誰なのか、そしてなぜ姿を消したのか。

この小説のテーマは、クレジットカードや消費者金融といった、現代社会が抱える「借金地獄」の闇です。一人の女性の人生を丹念に追っていくことで、社会の歪みが浮き彫りにされていきます。ミステリーとしての謎解きの面白さはもちろん、人間の弱さや社会の非情さを描いた社会派ミステリーの傑作として、高く評価されています。

34位: 『模倣の殺意』 中町信

1973年に発表された、日本の叙述トリック史における伝説的な一作です。新進作家が密室で服毒死を遂げるという事件を軸に、アリバイ工作や盗作疑惑など、様々な要素が絡み合いながら物語は展開します。

この作品が今なお語り継がれる理由は、その大胆かつ巧妙な叙述トリックにあります。読者が無意識に抱いてしまう思い込みや先入観を逆手に取った仕掛けは、まさに圧巻。多くのミステリー作家に影響を与えたとされる、歴史的な傑作です。古い作品ですが、その衝撃は現代の読者にも十分に通用します。

35位: 『七回死んだ男』 西澤保彦

同じ一日を9回繰り返す「反復落とし穴」という特殊な体質を持つ主人公・渕上。彼は、大嫌いな祖父が殺される運命を知り、その殺人を阻止するために、繰り返される一日の中で奔走します。しかし、何度やり直しても祖父は死んでしまい、しかもその死に方は毎回異なっています。

タイムリープというSF的な設定を本格ミステリーに落とし込んだ、ユニークな作品です。主人公は9回繰り返す時間の中で、犯人とトリックを突き止めなければなりません。コミカルな文体で読みやすく、奇想天外な設定とロジカルな謎解きが見事に融合しています。ラストのどんでん返しも鮮やかで、読後には爽快感が残ります。

36位: 『噂』 荻原浩

「レインマンが出没して女の子の足首を切る。でも、香水『ミリエル』をつけていると狙われない」――。この噂は、実は香水メーカーが仕掛けた口コミマーケティングでした。戦略は成功し、香水は大ヒットしますが、やがて噂は現実となり、本当に足首のない少女の遺体が発見されてしまいます。

意図的に作られた噂が、人々の不安や欲望を煽り、現実の事件へと変貌していく恐怖を描いたサイコ・サスペンスです。現代社会における情報の広がり方や、口コミの恐ろしさを予見したかのような内容に引き込まれます。そして、最後の1行で明かされる衝撃の真実は、物語全体を覆すほどのインパクトを持っています。

37位: 『ジェリーフィッシュは凍らない』 市川憂人

特殊な能力を持つ「ジェリーフィッシュ」と呼ばれる兵士を育成する、山頂の隔離施設が舞台のミステリーです。小型飛行船でしかアクセスできないこの施設で、不可解な殺人事件が発生。外部から侵入した形跡はなく、犯人は内部にいるとしか考えられません。

警察から派遣された二人の調査官が事件の真相に迫りますが、捜査は難航します。SF的な設定と、雪に閉ざされた山荘という古典的なクローズド・サークルの状況が見事に融合。ロジカルな推理と、意外な犯人の正体、そしてその動機に驚かされることでしょう。鮎川哲也賞を受賞した、新感覚の本格ミステリーです。

38位: 『星降り山荘の殺人』 倉知淳

UFOを呼ぶための交霊会に参加するため、雪深い山荘に集まった人々。しかし、吹雪で孤立した山荘で、参加者たちが次々と殺されていきます。現場には奇妙なメッセージが残されており、事件は超常現象や宇宙人の仕業であるかのように見せかけられていました。

この作品の最大の特徴は、物語の途中で読者に対して「挑戦状」が提示されることです。それまでに提示された手がかりを元に、読者も探偵と一緒に犯人を推理することができます。遊び心あふれる構成と、ロジカルでフェアな謎解きが魅力の本格ミステリー。あなたは名探偵よりも先に、真相にたどり着くことができるでしょうか。

39位: 『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ

全世界でベストセラーとなり、日本でも2021年の本屋大賞翻訳小説部門で1位に輝いた話題作です。物語は、ノースカロライナ州の湿地帯で、裕福な青年の死体が発見されるところから始まります。殺人の容疑をかけられたのは、湿地でたった一人で生きる「湿地の娘」と呼ばれる少女カイアでした。

物語は、カイアの過酷な半生と、殺人事件の裁判の様子が交錯しながら進んでいきます。壮大な自然描写と、孤独な少女の成長物語、そして殺人事件の謎が絡み合う重厚なストーリー。そして、最後に明かされる事件の真相は、切なくも衝撃的で、深い余韻を残します。ミステリーとしてだけでなく、ヒューマンドラマとしても楽しめる一冊です。

40位: 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾

悪事を働いた3人組の若者が、廃屋となった「ナミヤ雑貨店」に逃げ込みます。そこはかつて、店主が悩み相談の手紙に返事を書いていたことで知られる不思議な店でした。すると、シャッターの郵便受けから、30年以上前に書かれた悩み相談の手紙が投函されます。彼らは戸惑いながらも、その手紙に返事を書くことにします。

過去と現在が手紙を通じて繋がる、心温まるファンタジー小説です。様々な人々の悩みと、それに対する若者たちの返事が、やがて奇蹟のような物語を紡ぎ出します。一見、バラバラに見えるエピソードが、最後には見事な伏線回収によって一つに繋がっていく構成は、まさに東野圭吾作品の真骨頂。読後、温かい涙と優しい気持ちに包まれることでしょう。

おわりに：何度でも騙されたい、極上の読書体験を

ここまで、どんでん返しが魅力の小説を40作品、ランキング形式でご紹介してきました。気になる一冊は見つかりましたか？どんでん返し小説の面白さは、ただ驚くだけでなく、物語が終わった後に「あの時のあのセリフは、そういう意味だったのか！」と、もう一度読み返したくなる奥深さにあります。

今回ご紹介した作品は、どれもあなたの予想を鮮やかに裏切ってくれる傑作ばかりです。ぜひ、このリストを参考に、騙される快感に満ちた、刺激的な読書の世界に浸ってみてください。きっと、忘れられない一冊に出会えるはずです。