皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
ミステリー小説と聞くと、緻密なトリックやシリアスな人間ドラマを想像するかもしれません。しかし、その常識を気持ちよく裏切ってくれるのが「バカミス」というジャンルです。
バカミスとは、その名の通り「バカバカしいけど、ミステリーとしてしっかり成立している」作品のこと。 トリックや設定が奇想天外で、「そんなバカな!」と読者が思わず笑ってしまったり、呆れてしまったりするような物語を指します。 しかし、この「バカな!」は決してけなし言葉ではなく、最高の褒め言葉として使われるのがバカミスの面白いところです。
このジャンルは、ミステリーの構造や「お約束」を逆手にとった作品が多く、本格ミステリーファンほどニヤリとさせられる仕掛けが満載です。 意図的にバカバカしさを追求し、リアリティよりも娯楽性や意外性を極限まで高めた作品群は、一度ハマると抜け出せない魅力を持っています。 常識を捨てて、奇想天外な謎解きの世界に飛び込んでみませんか?
さあ、ここからは『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、おすすめのバカミス小説をランキング形式でご紹介します!
伝説的な名作から、比較的新しいけれど強烈なインパクトを放つ快作まで、バラエティ豊かなラインナップを揃えました。どの作品も、あなたのミステリー観を揺さぶる「そんなバカな!」が詰まっています。
本格ミステリー好きはもちろん、普段あまり小説を読まないという方も、きっと楽しめる一冊が見つかるはず。奇想天外な物語の世界へ、ようこそ!
バカミス界の金字塔として名高いのが、蘇部健一のデビュー作『六枚のとんかつ』です。とんかつ屋のアルバイトである主人公が、ただとんかつを六枚揚げたことから物語は始まります。
何気ない日常が、勘違いと偶然の連鎖によって、あれよあれよという間に壮大な事件へと発展していく様はまさに圧巻。 小さな嘘や見栄が、雪だるま式に大きくなっていく展開に、笑いとスリルが止まりません。
一見するとただのドタバタコメディですが、全ての出来事が伏線として機能しており、ラストで一気に回収される構成は見事の一言。日常に潜むミステリーが、ここまでスケールの大きな物語になるのかと、読後は爽快な驚きに包まれるでしょう。
ただのとんかつが世界を揺るがすなんて、スケールが大きすぎて笑っちゃうよ。お腹すいてきちゃった!
バカミスというジャンルを語る上で絶対に外せないのが、倉阪鬼一郎による『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』です。黒鳥館と白鳥館という奇妙な二つの館を舞台に、次々と不可解な密室殺人が発生します。
本作の魅力は、なんといってもその奇想天外すぎるトリック。ミステリーの常識を根底から覆すような、物理法則を無視したかのような解決策が提示されます。本格ミステリーを読み込んでいる人ほど、「そんなのアリ!?」と驚愕すること間違いなしです。
物語の舞台設定は王道でありながら、その展開は読者の予想を遥かに超えてきます。 手の込んだギミックと、それを堂々と成立させてしまう作者の力技に、もはや笑うしかありません。バカミスの真髄を味わいたいなら、必読の一冊です。
トリックが物理法則を無視してて、わたしの頭もショート寸前だよ。ミステリーのルールってなんだっけ?
第13回メフィスト賞を受賞した殊能将之の『黒い仏』は、賛否両論を巻き起こした衝撃作です。 物語は、9世紀の秘宝探しと、現代の福岡で起きた身元不明死体の捜査という、二つの軸で進んでいきます。
オカルト的な雰囲気が漂う中、探偵・石動戯作(いするぎぎさく)がロジカルな推理を展開していきますが、読者がたどり着く真相は想像を絶するもの。 緻密に張り巡らされた伏線と、本格ミステリの皮を被ったその大胆な仕掛けに、多くの読者が騒然となりました。
最後の最後まで読むと、タイトルの意味や物語全体の構造が反転するような驚きが待っています。この読後感は、まさにバカミスでしか味わえないもの。あなたのミステリー観を破壊するかもしれない、危険な魅力に満ちた一冊です。
本格ミステリだと思ってたら、とんでもない場所に連れて行かれちゃった。この騙された感がたまらないんだよね。
タイトルからして謎に満ちている早坂吝の『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』は、第50回メフィスト賞受賞作です。この伏せられた8文字のタイトルこそが、物語の核心に触れる最大のネタバレになっています。
舞台は孤島、巻き起こる連続殺人という、ミステリーの王道ともいえるクローズド・サークル。しかし、その内容は過激な描写やブラックなユーモアに満ちています。それでいて、ロジックは非常に堅牢で、本格ミステリとしての骨格はしっかりしています。
読者は「このタイトルはいったい何なんだ?」と考えながら読み進めることになりますが、その意味が明らかになった瞬間の衝撃は計り知れません。 タイトル当てに挑戦しながら、緻密な謎解きと過激な世界観を楽しんでみてください。
この伏せ字タイトルが気になって眠れないよ!意味がわかった瞬間、絶対声が出ちゃうやつだね。
ゾンビが徘徊する世界で、ゾンビ探偵が殺人事件の謎を追う――。そんな奇抜な設定でミステリファンの度肝を抜いたのが、門前典之の『屍の命題』です。 第2回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞した本作は、特殊設定ミステリの傑作として知られています。
この世界では、ゾンビに噛まれてもすぐには理性を失いません。主人公の探偵は、自らがゾンビ化していく中で、ゾンビが殺されるという前代未聞の事件に挑みます。荒唐無稽な設定でありながら、ロジックはあくまで本格派。
ゾンビという存在をルールとして組み込み、その上で見事な謎解きを展開する手腕は実に見事です。ホラーと本格ミステリが奇跡的な融合を果たした、唯一無二の読書体験があなたを待っています。
本作におけるゾンビという設定は、単なる飛び道具ではなく、ロジックを成立させるための不可欠な要素として機能している。その構築力には感服せざるを得ない。
ベストセラー作家・東野圭吾が描く異色のユーモアミステリーが『名探偵の掟』です。名探偵・天下一大五郎と、彼に振り回される大河原警部が、ミステリー小説の「お約束」をテーマにした12の事件に挑みます。
密室殺人、ダイイングメッセージ、アリバイ工作といったミステリーの定番トリックや設定を、メタ的な視点から痛烈に、そして愛情たっぷりにいじり倒すのが本作の醍醐味。 「なぜ犯人はわざわざ密室を作るのか?」「見取り図なんて誰も見ない」といった、読者が一度は抱いたであろう疑問に、登場人物たちがぼやきながら事件を解決していきます。
ミステリーファンであればあるほど、思わず膝を打つような「あるあるネタ」が満載。 笑いながらミステリーの構造を学べる、まさに一石二鳥の一冊です。
ミステリーの『あるある』ネタが満載で面白い!『そうそう!』って共感しながら笑っちゃったよ。
新本格ミステリの中でも、特に賛否両論を巻き起こした伝説的な作品が、麻耶雄嵩のデビュー作『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』です。 京都の山奥にそびえる古城のような館「蒼鴉城」を舞台に、首なし死体や見立て殺人など、猟奇的な連続殺人が発生します。
物語には二人の探偵が登場し、華麗な推理合戦を繰り広げますが、読者を待ち受けるのは想像を絶する壮絶な結末。 本格ミステリのルールや常識を根底から覆すようなその結末は、多くのミステリファンに衝撃を与え、今なお語り草となっています。
美しい文章で描かれるおどろおどろしい雰囲気と、ロジックの果てにたどり着く驚愕の真実。ミステリというジャンルの可能性と恐ろしさを同時に体感できる、強烈な一冊です。
最後の展開がすごすぎて言葉も出ないよ…。これは伝説になるのもわかるなあ。
日本ミステリー界の巨匠・島田荘司が創造した名探偵・御手洗潔シリーズの一作、『斜め屋敷の犯罪』も、その壮大なトリックからバカミスとして語られることがあります。舞台は北海道の宗谷岬に建つ、文字通り傾いた西洋館「流氷館」です。
クリスマスパーティの翌朝、館の招待客が密室で殺されているのが発見されます。 奇怪な館で次々と起こる連続殺人の謎に、天才探偵・御手洗潔が挑みます。
この作品の最大の見どころは、建物全体を大胆に利用した物理トリック。 そのあまりに大掛かりで奇抜な発想は、「そんなことできるわけない!」と思いつつも、そのロマンとスケールの大きさに圧倒されてしまいます。本格ミステリの巨匠が仕掛けた、唯一無二の「館もの」ミステリです。
建物自体がトリックなんて、発想がすごすぎるよね。わたしもこんな館に住んでみたいかも!
猛スピードで疾走する蒸気機関車が舞台という、アクション映画さながらの設定が魅力の作品が、霞流一の『スティームタイガーの死走』です。 幻の蒸気機関車「C63」のお披露目走行中、動く密室と化した車内で殺人事件が発生します。
犯人は乗客の中にいるはずですが、犯行は不可能に思える状況。次々と巻き起こる危機的状況と、派手なアクションシーンが物語を盛り上げます。
エンターテイメント性抜群の展開の中に、大胆不敵なトリックが仕掛けられており、スピード感あふれる謎解きが楽しめます。 ド派手な設定とロジックが融合した、娯楽性満点の一冊です。
走る汽車の中での殺人事件なんて、ハラハラドキドキが止まらないよ。映画みたいでかっこいいね!
再び島田荘司作品から、刑事・吉敷竹史シリーズの一作『北の夕鶴2/3の殺人』がランクイン。寝台特急「ゆうづる」の車内で発見された女性の死体。しかし、その死体は首、胴体、脚がバラバラの状態で、それぞれ異なる場所で見つかったものだった、という衝撃的な幕開けです。
この作品がバカミスとして語られる所以は、そのあまりにも奇想天外な死体移動トリックにあります。読者の常識を軽々と飛び越えるそのトリックは、まさに「そんなバカな!」の連続。
壮大な物理トリックを得意とする島田荘司ならではの発想が光る一作で、アリバイ崩しと大胆なトリックが見事に融合しています。ミステリーのトリックがいかに自由であるかを教えてくれる、強烈なインパクトを放つ作品です。
トリックが壮大すぎて、もう何が何だかわからないよ…。でも、このありえない感じがクセになるんだよね。
『三崎黒鳥館白鳥館』で読者の度肝を抜いた倉阪鬼一郎が、再び驚天動地のトリックで挑むのが『四神金赤館銀青館不可能殺人』です。 対岸に建つ金赤館と銀青館、二つの館を舞台に、それぞれで「不可能な」殺人事件が連鎖していきます。
嵐の夜の密室殺人、響き渡る女の絶叫、そして両家にまつわる忌まわしい因縁。 ミステリーの王道要素をふんだんに盛り込みながら、本作でも物理法則を無視したかのような奇想天外なトリックが炸裂します。
「不可能」をいかにして「可能」にするのか。その驚くべき解決策が明かされたとき、読者は笑いと驚きに包まれることでしょう。 これぞバカミス、と快哉を叫びたくなる一冊です。
また倉阪さんのすごい館が出てきたね!作者の頭の中を一度覗いてみたいなあ。
記憶喪失の主人公が、自分が何者なのかを探っていく過程を描いたのが、黒田研二の『嘘つきパズル』です。登場人物が全員嘘つきかもしれない、という疑心暗鬼の状況が、物語に独特の緊張感を与えています。
読者は主人公と共に、誰の言葉を信じ、何を疑うべきかを手探りで進んでいくことになります。その感覚は、まさにバラバラになったピースを組み立てていくパズルのよう。
巧みな叙述トリックが仕掛けられており、最後に明かされる真相には「そうだったのか!」と唸らされること間違いなし。 パズルを解くような感覚で、物語に仕掛けられた嘘を見破ってみてください。
みんなが嘘つきかもしれないなんて、人間不信になっちゃいそう。パズルみたいで解き明かすのが楽しいね!
個性的な探偵たちが活躍する早坂吝ワールドから、探偵・上木(うえき)らいちが主人公の『虹の歯ブラシ 上木らいち発散』をご紹介します。本作は、日常に潜むささいな謎を解き明かしていく短編集です。
しかし、そこは早坂作品。提示される謎は日常的でも、その解決方法は常識を遥かに逸脱しています。ロジカルな推理でありながら、その結論は突飛でバカバカしいものばかり。
探偵・上木らいちをはじめとする強烈なキャラクターたちの魅力と、奇想と論理が融合した独特の推理劇が楽しめます。気軽に読めて、しっかり驚ける、バカミス入門にもおすすめの一冊です。
日常の謎なのに、解決方法が全然日常じゃないのが面白いよ。こんな探偵がいたら退屈しなさそうだね。
ある日突然、自分の周りから人間が一人、また一人と消えていく――。そんなSF的な設定で読者を惹きつけるのが、中西智明の『消失!』です。第16回メフィスト賞を受賞した本作は、その衝撃的な結末で物議を醸しました。
主人公は、この不可解な「人間消失現象」の謎を解明しようと奔走します。物語は終始不穏な空気に包まれており、読者は「一体何が起きているのか」という不安を抱えたままページをめくることになります。
そして、最後に明かされる真相は、読者の価値観や世界観を根底から揺さぶるほどのインパクトを持っています。ミステリーの枠を超えた、忘れられない読書体験となるでしょう。
人がどんどん消えちゃうなんて怖すぎるよ…。結末が衝撃的で、読んだ後しばらく放心状態だったなあ。
南米の古代遺跡を舞台に、財宝を巡る冒険活劇と本格ミステリーが融合したのが、霞流一の『落日のコンドル』です。ハリウッド映画を彷彿とさせる、スケールの大きな物語が展開されます。
秘宝の謎を追う登場人物たちの前に、次々と殺人事件の影が忍び寄ります。派手なアクションシーンと、遺跡の構造を利用した大掛かりなトリックが本作の魅力。
手に汗握る冒険小説のスリルと、知的好奇心をくすぐる謎解きの面白さを同時に味わえる、エンターテイメント性にあふれた一冊です。 ワクワクするような冒険ミステリーが読みたい方にぴったりです。
古代遺跡で宝探しなんてロマンがあるよね!アクションも謎解きもあって、一冊で二度おいしいよ。
再び早坂吝から、探偵・上木らいちシリーズの一作『双蛇密室』がランクイン。本作では、二つの密室殺人が同時に発生するという、ミステリファン垂涎のシチュエーションが用意されています。
読者は、それぞれの密室の謎を解き明かすだけでなく、二つの事件がどのようにつながっているのかという、より大きな謎にも挑むことになります。
緻密でロジカルな推理が展開される一方で、早坂作品らしいエロティックで過激な要素も健在。本格ミステリとしてのパズル性を存分に楽しみながら、その独特の世界観に酔いしれることができる一冊です。
密室が二つもあるなんて、謎解き好きにはたまらない挑戦状だね。この独特の世界観、やみつきになるよ。
同じ状況、同じ場所で、なぜか何度も繰り返される殺人事件。そんなループものの設定をミステリーに持ち込んだ意欲作が、小島正樹の『扼殺のロンド』です。
事故車の中から発見された奇妙な死体。捜査は混迷を極める中、まるでデジャヴのように第二、第三の事件が発生します。 なぜ殺人は繰り返されるのか、そしてこの悪夢のループから抜け出すことはできるのか。その謎が物語の中心となります。
奇抜な設定を支えるのは、大胆不敵なトリック。 一歩間違えればバカミスと紙一重のその仕掛けは、読者に強烈なインパクトを与えます。 SF的な設定と本格ミステリの融合が生み出す、不思議な読後感が魅力です。
同じ事件が繰り返されるなんて、どういうことなの!?トリックがすごすぎて頭が追いつかないよ。
人間の狂気や異常な状況をテーマにした、四つの物語が収められた鳥飼否宇の短編集が『官能的-四つの狂気』です。そのタイトル通り、エロティックでグロテスクな描写が多く、読む人を選ぶ作品かもしれません。
しかし、その倒錯的で不気味な世界観の中に、しっかりとミステリーとしての仕掛けが施されています。常識や倫理が通用しない物語の中で、ロジックだけが唯一の道しるべとなります。
2009年には「世界バカミス☆アワード」を受賞しており、その唯一無二の世界観が高く評価されています。 美しくもグロテスクな狂気の世界に浸りたい、そんな気分の時に手に取ってみてはいかがでしょうか。
本作で描かれる狂気は、人間の深層心理に根差した普遍的な恐怖を喚起させる。その筆致は冷静かつ的確であり、作者の力量を感じさせる。
『名探偵の掟』に続き、東野圭吾のユーモアミステリー短編集『超・殺人事件-推理作家の苦悩-』がランクイン。 本作は、推理作家や出版業界の裏側を、ブラックユーモアたっぷりに描いた8編の物語が収録されています。
税金対策のために小説の内容を無理やり変える作家、理系用語だらけで読者を置いてきぼりにする小説、高齢化社会が生んだとんでもないミステリーなど、作家たちの苦悩(?)がコミカルに描かれます。
ミステリー業界の「あるあるネタ」が満載で、作家という職業の舞台裏を覗き見しているような楽しさがあります。 ミステリーファンならずとも、その皮肉とユーモアに思わず笑ってしまうことでしょう。
作家さんってこんなことで悩んでるんだ!って思うと面白いね。クスッと笑える話ばかりで楽しかったよ。
新本格ミステリの旗手・綾辻行人の「館」シリーズ第6作『黒猫館の殺人』も、その大仕掛けからバカミスとして名前が挙がることがある作品です。 火事で記憶を失った老人が持っていた手記。そこには、彼が管理人をしていた「黒猫館」で起きた殺人事件が綴られていました。
推理作家・鹿谷門実と編集者の江南は、手記の謎を追って北海道へと向かいます。 物語は、江南たちが現在の視点で調査を進めるパートと、老人の手記に記された過去の事件パートが交錯しながら進んでいきます。
そして最後に明かされる、「館」そのものに仕掛けられた壮大なトリック。 それまでの物語を根底から覆すその真相に、読者は驚愕し、そして呆然とすることでしょう。シリーズ屈指の大仕掛けを、ぜひその目で確かめてみてください。
え、そういうことだったの!?完全に騙されたよ…。館シリーズはいつも驚かされるけど、これは特にすごいなあ。
ここまで、おすすめのバカミス小説を20作品、ランキング形式でご紹介してきました。いかがでしたでしょうか?
日常の延長線上にある笑えるミステリーから、物理法則を無視した超絶トリック、そしてミステリーの常識そのものを破壊するような問題作まで、一口に「バカミス」と言っても、その魅力は実にさまざまです。
共通しているのは、読者の予想や常識を軽々と超えて、「そんなバカな!」という最高の驚きと楽しさを提供してくれること。頭を空っぽにして物語に身を委ねれば、そこには普段の読書では味わえない、奇想天外で刺激的な体験が待っています。
さあ、気になる一冊を手に取って、あなたも「バカミス」の沼にハマってみませんか?