【2025年最新】万城目学のおすすめ小説ランキングTOP13

はじめに：万城目学とは？直木賞作家が描く「万城目ワールド」の魅力

万城目学（まきめ まなぶ）さんは、1976年大阪府生まれの小説家です。京都大学法学部を卒業後、一度は会社員として働きますが、作家になる夢を追いかけて執筆活動に専念します。

2006年に『鴨川ホルモー』でデビューすると、その独特な世界観が大きな話題を呼びました。その後も数々の作品で直木賞候補に選ばれ、ついに2024年、『八月の御所グラウンド』で第170回直木賞を受賞しました。

万城目さんの作品の魅力は、なんといっても現実の日常に奇想天外なファンタジー要素を織り交ぜる独創的な作風にあります。誰もが知っているはずの京都や大阪の街並みを舞台に、突拍子もない出来事が大真面目に繰り広げられる物語は「万城目ワールド」と呼ばれ、多くの読者を虜にしています。

万城目学のおすすめ小説ランキングTOP13

ここからは、いよいよ万城目学さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。デビュー作から直木賞受賞作、隠れた名作まで、万城目ワールドの魅力が詰まった13作品を厳選しました。

まだ万城目作品を読んだことがない方も、熱心なファンの方も、きっとお気に入りの一冊が見つかるはずです。奇想天外で、どこか愛おしい物語の世界へ、一緒に旅立ちましょう。

1位: 『八月の御所グラウンド』

堂々の1位は、第170回直木賞を受賞した『八月の御所グラウンド』です。万城目さんがデビュー作以来16年ぶりに京都を舞台に描いた青春小説で、「十二月の都大路上下ル」と表題作の2編が収録されています。

物語の主人公は、大学生の朽木です。彼は友人に無理やり誘われ、早朝の京都御苑のグラウンドで開かれる謎の草野球大会に参加することになります。そこでの幻のような出会いが、やがて思いがけないドラマを生み出していくのです。

万城目ワールドの真骨頂である不思議な設定と、胸に迫る切ない青春模様が融合した傑作です。生きることの愛おしさがじんわりと心に染み渡る、感動的な物語が多くの読者の涙を誘いました。

2位: 『鴨川ホルモー』

万城目学さんの名を世に知らしめた衝撃のデビュー作が『鴨川ホルモー』です。京都の大学を舞台に、恋愛、友情、そして謎の競技「ホルモー」に明け暮れる大学生たちの姿をコミカルに描いた青春ファンタジー小説です。

二浪して京大に入学した主人公の安倍は、新歓コンパで出会った女性に一目惚れし、彼女に近づきたい一心で「京大青竜会」というサークルに入会します。しかし、そのサークルの実態は、「オニ」と呼ばれる式神を操って戦う謎の競技「ホルモー」を行うというとんでもないものでした。

ありえない設定なのに、なぜか「京都ならありえるかも」と思わせる説得力と、ばかばかしくも愛おしい青春の日々が魅力です。山田孝之さん主演で映画化もされ、大きな話題となりました。

3位: 『鹿男あをによし』

『鴨川ホルモー』に続く第2作目にして、直木賞と本屋大賞にノミネートされた傑作が『鹿男あをによし』です。古都・奈良を舞台に、壮大な日本の歴史の謎に迫るファンタジー小説で、玉木宏さん主演でドラマ化もされました。

彼はひょんなことから奈良の女子高へ臨時教師として赴任しますが、そこで人間の言葉を話す鹿と出会ってしまいます。鹿から「日本の滅亡を救う」という使命を託された彼は、顔を鹿に変えられ、否応なく壮大な儀式に巻き込まれていくのです。

奈良の歴史や神話を巧みに織り交ぜたストーリーは、まるで上質なミステリーのようで、知的好奇心をくすぐられます。しゃべる鹿のふてぶてしい態度や、個性的な登場人物たちのコミカルなやり取りも大きな魅力の一つです。

4位: 『プリンセス・トヨトミ』

大阪を舞台に壮大な歴史のIFを描いたエンターテイメント大作が『プリンセス・トヨトミ』です。「もし、大阪夏の陣で豊臣家の血筋が絶えていなかったら？」という、歴史好きなら誰もが胸を躍らせるような設定で物語が展開します。

物語は、国の予算使途を調査するために東京からやってきた3人の会計検査院調査官の視点で進みます。彼らは調査の過程で、大阪には豊臣家の末裔を現代に至るまで守り続けるための独立国家「大阪国」が存在するという、400年間隠されてきた秘密に触れてしまいます。

大阪の街全体を巻き込んだ壮大なスケールと、歴史の裏側に隠された人々の熱い思いが胸を打ちます。堤真一さん、綾瀬はるかさん、岡田将生さんといった豪華キャストで映画化もされ、大きな話題を呼びました。

5位: 『偉大なる、しゅららぼん』

関西三部作に続き、今度は滋賀県の琵琶湖を舞台にした壮大なパワースポット・アドベンチャーが『偉大なる、しゅららぼん』です。濱田岳さんと岡田将生さんのダブル主演で映画化もされました。

物語の舞台は、日本最大の湖・琵琶湖。湖畔の街には、代々不思議な「力」を受け継いできた日出（ひので）家と棗（なつめ）家という二つの一族がいました。主人公・日出涼介は、力の修行のために本家にやってきますが、そこで破天荒な跡取り息子・淡十郎の「供」にされてしまいます。

1000年以上続く一族の因縁と、不思議な力をめぐるバトルが、壮大なスケールで描かれます。奇想天外な設定の中にも、友情や成長といった青春のきらめきが詰まった、万城目ワールド全開の作品です。

6位: 『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』

これまでの壮大な物語とは一味違い、優しく温かい読後感に包まれるのが『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』です。新書として初めて直木賞候補になったことでも話題になりました。

主人公は、元気いっぱいの小学1年生・かのこちゃん。そしてもう一人の主人公が、かのこちゃんの家で暮らす、人間の言葉を理解する賢い猫・マドレーヌ夫人です。物語は、かのこちゃんの視点とマドレーヌ夫人の視点が交互に描かれ、少女の成長と猫の冒険が紡がれていきます。

子供の頃に感じた世界のきらめきや、出会いと別れの切なさが、優しく繊細な筆致で描かれています。心が疲れた時にそっと寄り添ってくれるような、珠玉の一冊です。

7位: 『ホルモー六景』

『鴨川ホルモー』の世界をさらに深く味わいたい方におすすめなのが、スピンオフ短編集である『ホルモー六景』です。本編の登場人物たちが織りなす、6つの物語が収録されています。

『鴨川ホルモー』では語られなかったキャラクターたちの意外な一面や、恋愛模様、そしてもちろん「ホルモー」をめぐる新たなエピソードが満載です。本編の裏側でこんなことが起きていたのかと、ニヤリとさせられること間違いなしです。

各章で主人公が変わり、それぞれの視点から物語が描かれるため、より多角的にホルモーの世界を楽しめます。『鴨川ホルモー』を読んだ後に手に取れば、面白さが倍増する一冊です。

8位: 『とっぴんぱらりの風太郎』

万城目学さんが初めて挑んだ時代小説が『とっぴんぱらりの風太郎』です。物語の舞台は戦国時代末期、主人公は伊賀の国から逃げ出した忍びの風太郎。彼はひょんなことから、豊臣家の跡継ぎである国松を守るという重大な使命を背負うことになります。

これまでの作品とは一線を画すシリアスな展開と、手に汗握るアクションシーンが魅力です。もちろん、万城目さんならではのユーモアや、憎めないキャラクターたちは健在で、歴史の大きなうねりに翻弄される人々の姿が生き生きと描かれています。

架空の忍びを主人公にしながらも、史実に基づいた重厚な物語が展開され、歴史小説ファンも唸らせる一作です。万城目さんの新たな一面を発見できるでしょう。

9位: 『バベル九朔』

現実と虚構が入り混じる、まさに「万城目ワールド」の真骨頂ともいえるのが『バベル九朔』です。主人公は、作家志望のしがないビル管理人。彼が管理する雑居ビル「バベル九朔」には、とんでもない秘密が隠されていました。

ある日、主人公はビルの中に存在する不思議な異世界に迷い込んでしまいます。そこは、現実の世界で「失われたもの」が集まる場所でした。彼は現実と異世界を行き来しながら、ビルの謎と自身の運命に立ち向かっていきます。

一歩足を踏み入れたら抜け出せないような、迷宮的で中毒性の高い物語が魅力です。狭いビルの中だけで繰り広げられる壮大な冒険に、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。

10位: 『パーマネント神喜劇』

日常に潜む小さな奇跡や不思議な出来事を、神様の視点から描いたユニークな短編集が『パーマネント神喜劇』です。登場するのは、福の神や貧乏神、疫病神など、個性豊かな神々たち。

彼らは人間の世界に紛れ込み、時に気まぐれに、時に優しく、人々の運命にささやかな影響を与えていきます。それぞれの物語は独立していますが、ゆるやかにつながっており、読み進めるうちに一つの大きな世界観が立ち上がってきます。

神様たちの人間くさいやり取りがユーモラスで、読後は心がほっこりと温かくなる作品です。万城目さんらしい優しい眼差しが感じられる一冊で、気軽に読めるのも魅力です。

11位: 『悟浄出立』

誰もが知る物語の「脇役」にスポットライトを当てた、意欲的な短編集が『悟浄出立』です。表題作では、『西遊記』の沙悟浄が三蔵法師一行の旅に出る前の葛藤が描かれます。

他にも、『三国志』の張飛の息子や、『竹取物語』でかぐや姫に求婚した貴族など、物語の陰に隠れた人物たちの知られざるドラマが、万城目さんならではの新たな解釈で紡がれていきます。

古典や歴史物語に新たな光を当て、登場人物たちに人間的な息吹を吹き込んだ作品です。元の物語を知っているとより楽しめますが、知なくても独立した物語として十分に面白い、知的な刺激に満ちた一冊です。

12位: 『ヒトコブラクダ層ぜっと』

万城目学さんのユニークな発想の源泉に触れたいなら、エッセイ集『ヒトコブラクダ層ぜっと』がおすすめです。日常のささいな出来事から、壮大な妄想まで、万城目さんの頭の中を覗き見しているような楽しさがあります。

小説家としての苦悩や喜び、愛してやまないものへの熱い語りなど、ファンにはたまらないエピソードが満載です。奇想天外な小説の世界が、いかにして生み出されるのか、その秘密の一端が垣間見えるかもしれません。

くすりと笑える軽妙な筆致と、時折見せる鋭い洞察力が魅力で、万城目さんの人柄に触れることができる一冊です。小説とはまた違った形で、万城目ワールドに浸ることができます。

13位: 『あの子とQ』

どこか懐かしい雰囲気の漂う青春ミステリーが『あの子とQ』です。主人公の少年が暮らす町に、ある日、謎めいた転校生「Q」がやってきます。彼の正体は、なんと吸血鬼（ヴァンパイア）だというのです。

少年とQ、そして個性豊かな仲間たちが繰り広げる、ひと夏の冒険と謎解きが描かれます。吸血鬼というファンタジー要素がありながらも、物語の主軸は少年たちの友情や成長に置かれており、爽やかな読後感が残ります。

ジュブナイル小説のようなワクワク感と、ちょっぴりビターな青春の切なさが同居した物語です。万城目さんが描く新たな青春譜は、大人も子供も楽しめる魅力にあふれています。

まとめ：万城目学のおすすめ小説を読んで、唯一無二の物語を体験しよう

万城目学さんのおすすめ小説ランキングTOP13をご紹介しました。どの作品も、日常と非日常が絶妙に交差する「万城目ワールド」が全開で、一度読んだら忘れられない強烈な印象を残します。

奇想天外な設定とユーモアあふれる筆致で私たちを楽しませてくれる一方で、その物語の根底には、歴史への深い敬意や、人間への温かい眼差しが常に流れています。だからこそ、私たちは万城目さんの描く物語に強く惹きつけられるのかもしれません。

まだ万城目作品に触れたことがない方は、ぜひこのランキングを参考に、気になる一冊を手に取ってみてください。きっと、あなたも唯一無二の物語体験の虜になるはずです。