【2025年最新】犬の小説おすすめランキングTOP20

犬が登場する小説の魅力とは？

犬が登場する小説は、私たちに温かい感動や癒しを与えてくれる、特別なジャンルです。言葉は通じなくても、犬と人間の間には深い絆が結ばれることがあり、そのかけがえのない関係性を描いた物語は、時代を超えて多くの読者の心を掴んできました。

ミステリー小説で事件解決の鍵を握る相棒として活躍したり、青春小説で主人公たちの成長を静かに見守ったりと、その役割はさまざま。犬との出会いや別れを通して、命の尊さや家族のあり方を問いかける作品も少なくありません。この記事では、編集部が厳選した魅力あふれる犬の小説を、ランキング形式でご紹介します。

犬の小説おすすめランキングTOP20

ここからは、小説ヨミタイ編集部が厳選した「犬の小説おすすめランキングTOP20」を発表します。感動の名作からハラハラドキドキのミステリーまで、個性豊かな作品が揃いました。あなたにとってかけがえのない一冊が、きっと見つかるはずです。

1位: 『少年と犬』 馳星周

2020年に第163回直木三十五賞を受賞した、馳星周さんの感動作です。 物語の主人公は、東日本大震災で飼い主を失った一匹の犬「多聞」。 彼は、かつての飼い主が「また会える」と言った言葉を信じ、熊本を目指して旅を始めます。

その道中で多聞は、傷つき、悩み、惑う人々と出会い、彼らの心に寄り添っていきます。 犬と人間の深い絆、そして震災という悲劇を背景に「本当に大切なものは何か」を問いかける物語は、多くの読者の涙を誘いました。 犬を愛するすべての人に捧げられた、まさに傑作と呼ぶにふさわしい一冊です。

2位: 『犬がいた季節』 伊吹有喜

昭和の終わり、1988年の三重県の高校を舞台にした青春小説です。ある日、学校に迷い込んできた一匹の白い子犬。生徒会で飼われることになったその犬は「コーシロー」と名付けられ、生徒たちのアイドル的存在になります。

コーシローは、思春期ならではの悩みを抱える高校生たちを、ただ静かに見守ります。彼の存在は、生徒たちの固くなった心を少しずつ解きほぐしていくのでした。卒業、恋愛、友情といった青春のきらめきと、それを見守る一匹の犬の姿がノスタルジックに描かれた、心温まる物語です。

3位: 『犬と私の10の約束』 サイトウ・アカリ

世界中に広まった作者不詳の詩「犬の十戒」をヒントに執筆され、映画化もされた感動の名作です。 物語は、母を亡くした少女あかりが、ゴールデン・レトリバーの子犬「ソックス」を飼い始めるところから始まります。

母が遺した「10の約束」を胸に、あかりはソックスと共に成長していきます。 しかし、大人になるにつれて、あかりはソックスを少し煩わしく感じてしまうことも。 犬を飼うことの喜び、責任、そして避けられない別れを通して、命の重さと家族の愛を描いた、涙なしには読めない物語です。

4位: 『パーフェクト・ブルー』 宮部みゆき

日本を代表する作家、宮部みゆきさんのデビュー作としても知られるミステリー小説です。探偵事務所を営む家の長男・進也と、元警察犬の「マサ」がコンビを組み、様々な事件の謎に挑みます。

ある日、事務所にかかってきた一本の電話から、彼らは連続殺人事件の調査に乗り出すことになります。人間顔負けの推理力を持つマサの活躍はもちろん、少年と犬の間に芽生える友情も見どころの一つ。ハードボイルドな雰囲気の中に、心温まる絆が描かれた傑作です。

5位: 『優しい死神の飼い方』 知念実希人

「死神」が犬の姿を借りて人間界にやってくるという、ユニークな設定が魅力のファンタジーミステリーです。物語の舞台は、末期患者たちが過ごすホスピス「丘の上病院」。そこに迷い込んできた一匹のゴールデン・レトリバーは「レオ」と名付けられます。

しかし、レオの正体は、死を目前にした患者たちの未練を解消するために派遣された死神でした。 人間の言葉を話すレオが、患者たちの最後の願いを叶えるために奮闘する姿を描いた、心温まる物語。命の尊厳や本当の優しさについて考えさせられる一冊です。

6位: 『白い犬とワルツを』 テリー・ケイ

妻に先立たれ、失意の底にいた老人サムのもとに、ある日どこからともなく一匹の白い犬が現れます。犬との交流を通して、サムが少しずつ心の平穏を取り戻し、家族との絆を再確認していく姿が描かれています。

静かで穏やかな物語の中に、愛する人を失った悲しみと、そこからの再生という普遍的なテーマが流れています。犬がもたらす不思議な癒しの力に、心がじんわりと温かくなるような一冊。静かな感動を味わいたい方におすすめです。

7位: 『凍える牙』 乃南アサ

直木賞を受賞した、ハードボイルドな警察小説です。主人公は、女性刑事の音道貴子。彼女が相棒に指名したのは、なんと警察犬ではなく、狼と犬の血を引く「ウルフドッグ」のハヤテでした。

人と馴れ合わない孤高の存在であるハヤテと、組織の中で奮闘する貴子。一人と一匹が、連続殺人事件の真相を追う中で、次第に信頼関係を築いていく姿が描かれます。犬のかわいらしさというよりは、その圧倒的な存在感と野性的なかっこよさが際立つ作品です。

8位: 『ソウルメイト』 馳星周

『少年と犬』の著者、馳星周さんが描く、犬と人間の関わりをテーマにした短編集です。犬は人間よりも寿命が短く、いつか必ず別れがやってきます。それでも私たちは犬を愛し、共に暮らすことを選びます。

この作品集では、殺し屋と犬、老いた夫婦と犬など、様々な状況に置かれた人々と犬との魂の交流が描かれています。馳星周さんならではのノワールな世界観と、犬への深い愛情が融合した、心に深く刻まれる物語が詰まっています。

9位: 『デューク』 江國香織

江國香織さんの短編集『つめたいよるに』に収録されている、幻想的で美しい物語です。主人公の少女は、愛犬のデュークを亡くし、悲しみに暮れていました。そんな彼女の前に、ある日、デュークによく似たハンサムな男の子が現れます。

少女は彼と一日だけのデートを楽しみますが、やがて不思議な事実に気づいていくのです。 愛犬を失った喪失感と、奇跡のような再会を描いた、切なくも心温まるファンタジー。短い物語ながら、深い余韻を残す作品です。

10位: 『スピンク日記』 町田康

芥川賞作家・町田康さんが、愛犬「スピンク」の視点から人間社会を綴るというユニークなエッセイ風小説です。プードルのスピンクは、飼い主を「ポチ」と呼び、その日常を達者な語り口で観察しています。

犬の目を通して見る人間たちの姿は、どこか滑稽で愛おしいもの。町田康さんならではの独特な文体とユーモアのセンスが光る一冊です。犬との暮らしにある「あるある」ネタも満載で、犬好きなら思わず笑ってしまうこと間違いなしです。

11位: 『約束の森』 沢木冬吾

妻を亡くした元公安刑事の男が、潜入捜査の任務で訪れた北の僻地で、心に傷を負った若者たちや一匹の犬と出会い、再生していく姿を描いた物語です。

極寒の大地で繰り広げられる、人間と犬との信頼と絆の物語。大自然の厳しさ、そして犬たちのひたむきな姿に胸が熱くなります。レースの臨場感あふれる描写も圧巻で、ページをめくる手が止まらなくなることでしょう。

12位: 『ティンブクトゥ』 ポール・オースター

アメリカ文学を代表する作家ポール・オースターが、犬の視点から描いたユニークな作品です。主人公は、犬のミスター・ボーンズ。彼は、風変わりな詩人の飼い主と共に、アメリカ中を放浪する旅をしています。

ミスター・ボーンズは、ただの犬ではありません。彼は人間さながらに物事を考え、飼い主の行く末を案じ、そして自らの死後の世界「ティンブクトゥ」に思いを馳せます。犬の豊かな内面世界を哲学的に描いた、他の犬小説とは一味違う、文学的な深みのある一冊です。

13位: 『僕のワンダフル・ライフ』 W・ブルース・キャメロン

「犬の生きる意味」という壮大なテーマを、感動的に描いたベストセラー小説です。主人公の犬ベイリーは、死んでも何度も別の犬として生まれ変わり、そのたびに最初の飼い主であるイーサンとの再会を願います。

姿形は変わっても、イーサンへの愛情だけは決して忘れないベイリー。その一途な想いは、やがて奇跡を引き起こします。犬の純粋な愛情と忠誠心に、誰もが心を打たれるはず。映画化もされ、世界中の犬好きを涙させた感動作です。

14位: 『星守る犬』 原田マハ (原作: 村上たかし)

村上たかしさんの漫画『星守る犬』を原作とした映画を、作家の原田マハさんが小説化した作品です。 病気やリストラで全てを失った男性が、愛犬のハッピーと共に故郷を目指す旅に出ます。しかし、旅の終わりはあまりにも切ないものでした。

物語は、朽ち果てた車の中から発見された男性と、その傍らに寄り添うように亡くなっていた犬の遺骨の謎を、ケースワーカーが追う形で進みます。飼い主が亡くなった後も、そのそばを離れずに星を見上げ続けた犬の姿は、読む人の胸を締め付けます。

15位: 『エンゾ レーサーになりたかった犬』 ガース・スタイン

レーサーのデニーを飼い主にもつ犬「エンゾ」の視点で語られる、ユニークで感動的な物語です。エンゾは、テレビでレース中継を見るのが大好きで、自分もいつかレーサーになることを夢見ています。

彼は、レーシング技術を人生の教訓になぞらえ、飼い主デニーの人生の浮き沈みを哲学的かつユーモラスに分析します。人間を深く観察し、家族を支えようとするエンゾの姿に、思わず胸が熱くなるでしょう。犬の視点から人生を学べる、新感覚の一冊です。

16位: 『野性の呼び声』 ジャック・ロンドン

100年以上にわたって世界中で読み継がれている、ジャック・ロンドンによる不朽の名作です。温暖なカリフォルニアでペットとして暮らしていた犬のバックが、ゴールドラッシュに沸くアラスカに売られ、過酷なそり犬として生きていくことになります。

極寒の地で生き抜くために、バックの中に眠っていた野性が次第に呼び覚まされていきます。厳しい自然の中でたくましく変化していくバックの姿を通して、生命の力強さを描いた物語。犬文学の古典として、一度は読んでおきたい一冊です。

17位: 『犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語』 山口花

実話をもとにした、14の心温まる短編集です。 すべての物語が犬の視点から語られており、彼らが飼い主をどれほど深く愛し、信頼しているかが伝わってきます。

いじめが原因で話さなくなった少女を救った捨て犬の話など、犬と人間の絆が起こした小さな奇跡の数々に、涙が止まらなくなるでしょう。 どの話も短く読みやすいため、読書が苦手な方にもおすすめです。犬がくれる無償の愛に、心が洗われるような一冊です。

18位: 『セント・メリーのリボン』 稲見一良

日本冒険小説協会大賞を受賞した、正統派のハードボイルド小説です。 主人公は、行方不明になった猟犬を探すことを専門とする探偵・竜門卓。彼は、愛犬のジョーを相棒に、様々な依頼をこなしています。

ある日、盲導犬の捜索を依頼されたことから、竜門は事件の裏に隠された大きな闇に迫っていくことになります。 男と犬の誇り高き生き様、そして静かで熱い絆が描かれた、大人のための物語。渋くてかっこいい犬小説を読みたい方におすすめです。

19位: 『一億円の犬』 愁堂れな

「一億円の遺産を相続した犬」という、奇想天外な設定が面白いユーモアミステリーです。亡くなった大富豪の遺言により、莫大な遺産と屋敷を相続することになったのは、なんと愛犬のゴールデン・レトリバーでした。

主人公の青年は、ひょんなことからその犬の世話係兼財産管理人を任されることに。しかし、犬が相続人となったことで、遺産を狙う親族たちの間で様々な騒動が巻き起こります。軽快なテンポで読める、エンターテインメント性の高い一冊です。

20位: 『犬小屋アットホーム！』 山本幸久

ペットロスという、誰もが経験しうる悲しみに優しく寄り添ってくれる物語です。舞台は、ペットを亡くした人だけが入居できるという少し変わったアパート「犬小屋荘」。住人たちは、それぞれの愛犬との思い出を胸に抱えながら暮らしています。

彼らは、互いの悲しみを分かち合い、語り合うことで、少しずつ前を向いて歩き始めます。愛犬を失った経験のある人なら、きっと共感できる場面がたくさんあるはず。温かい涙と共に、心をそっと癒してくれるような優しい一冊です。

まとめ

犬が登場する小説おすすめランキングTOP20をご紹介しました。感動的な物語から手に汗握るミステリー、心温まるファンタジーまで、犬小説のジャンルは実に多彩です。

どの作品にも共通しているのは、犬と人間の間に存在する、言葉を超えた深い絆が描かれていること。この記事が、あなたにとって最高の一冊と出会うきっかけになれば幸いです。気になった作品があれば、ぜひ手に取って、犬たちが紡ぐ物語の世界に浸ってみてください。