【2025年最新】日常の謎ミステリー小説のおすすめランキングTOP40

日常の謎ミステリーの魅力とは？

ミステリー小説と聞くと、殺人事件や難解なトリックを想像する方も多いのではないでしょうか。しかし、「日常の謎」ミステリーは、私たちの身の回りで起こるような、ささいな疑問や不思議な出来事に焦点を当てたジャンルです。例えば、「消えた靴下の行方」や「いつも同じ時間にすれ違う人の正体」など、思わず「あるある！」と頷いてしまうような謎がテーマになります。

このジャンルの大きな魅力は、殺人事件などが起こらない、平和な世界観にあります。そのため、グロテスクな表現が苦手な方や、ミステリー初心者の方でも安心して楽しむことができます。物語は謎解きだけでなく、登場人物たちの心の機微や人間ドラマに重きを置いて描かれることが多く、読後には心が温かくなるような作品も少なくありません。日常の延長線上にある物語だからこそ、登場人物に共感しやすく、物語の世界に深く没入できるのが「日常の謎」の魅力と言えるでしょう。

【2025年最新】日常の謎ミステリー小説おすすめランキングTOP40

さて、ここからは『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、「日常の謎」ミステリー小説のおすすめランキングTOP40をご紹介します！

心温まる物語から、ちょっぴりビターな青春ミステリー、そしてクスッと笑えるユーモアミステリーまで、個性豊かな作品が勢ぞろいしました。ページをめくる手が止まらなくなる、あなただけのお気に入りの一冊がきっと見つかるはずです。それでは、早速ランキングを見ていきましょう！

1位: 『氷菓』 米澤穂信

輝かしい第1位は、米澤穂信さんの大人気作『氷菓』です。「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」を信条とする“省エネ主義”の高校生・折木奉太郎が主人公。姉の命令で廃部寸前の「古典部」に入部した彼は、そこで出会った好奇心旺盛な少女・千反田えるの「わたし、気になります！」という一言から、学校生活に潜む様々な謎を解き明かすことになります。

本作の魅力は、単なる謎解きに留まらない、登場人物たちのほろ苦い青春模様です。日常の謎を通して、彼らの心情や関係性が少しずつ変化していく様子が丁寧に描かれています。アニメ化もされたことで広く知られ、「日常の謎」というジャンルを代表する一作と言っても過言ではありません。ミステリーファンはもちろん、青春小説が好きな方にもぜひ読んでほしい傑作です。

2位: 『ビブリア古書堂の事件手帖 ～栞子さんと奇妙な客人たち～』 三上延

第2位は、古書にまつわる謎を描いた三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖』です。舞台は鎌倉の片隅にひっそりと佇む古書店「ビブリア古書堂」。その美しい店主・篠川栞子さんは、極度の人見知りでありながら、古書に関しては驚くべき知識と情熱を持っています。

物語は、店に持ち込まれる古書に秘められた謎や、本にまつわる人々のドラマを、栞子さんがその該博な知識で解き明かしていくというもの。実在する様々な古書が登場し、本好きにはたまらない蘊蓄（うんちく）が満載なのも大きな魅力です。ドラマ化・映画化もされた大ヒットシリーズで、あなたを奥深い古書の世界へと誘ってくれるでしょう。

3位: 『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』 岡崎琢磨

第3位には、岡崎琢磨さんの『珈琲店タレーランの事件簿』がランクイン。京都の珈琲店「タレーラン」を舞台に、そこに持ち込まれる日常の謎を、若き女性バリスタ・切間美星が鮮やかに解き明かしていきます。

この作品の魅力は、謎解きと共に楽しめる、豊かなコーヒーの世界です。美星が語るコーヒーの知識は深く、物語を読み進めるうちに、きっとあなたも美味しいコーヒーが飲みたくなるはず。また、主人公と美星のちょっぴり甘酸っぱい関係の行方も見どころの一つ。心地よいコーヒーの香りに包まれながら、上質なミステリーを味わってみてはいかがでしょうか。

4位: 『青空の卵』 坂木司

坂木司さんの『青空の卵』が第4位です。この物語は、元ひきこもりの鳥井真一と、彼の社会復帰を手伝う友人・坂木が織りなす日常の謎を描いています。鳥井の鋭い観察眼と坂木の行動力が組み合わさり、身の回りで起こるささいな事件を解決していく様子が描かれます。

本作の魅力は、二人の青年の友情と成長を軸にした、心温まるストーリーです。ミステリーでありながら、人と人との繋がりや優しさを感じさせてくれる作品で、読後には爽やかな感動が残ります。ひきこもりという繊細なテーマを扱いながらも、重くなりすぎず、軽やかな筆致で描かれているのも特徴です。

5位: 『タルト・タタンの夢』 近藤史恵

第5位は、美味しいフレンチと謎解きが楽しめる近藤史恵さんの『タルト・タタンの夢』です。小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」を舞台に、シェフの三舟さんが、客たちが抱える悩みや店で起こる小さな事件を、料理を通して解決していきます。

この作品の魅力は、なんといっても食欲をそそる美味しそうな料理の数々。それぞれの謎に寄り添うように提供される料理が、登場人物たちの心を解きほぐしていきます。ミステリーとグルメ小説が見事に融合した一作で、お腹も心も満たされること間違いなし。ドラマ化もされた人気シリーズの第一作です。

6位: 『空飛ぶ馬』 北村薫

第6位は、「日常の謎」というジャンルを世に広めたとされる北村薫さんのデビュー作『空飛ぶ馬』です。物語は、女子大生の「私」が、日常の中で出会った不思議な出来事を、落語家の春桜亭円紫（しゅんおうていえんし）に語り、彼がその謎を見事に解き明かすという構成で進みます。

派手な事件は起こりませんが、日常に潜む小さな違和感から真実を導き出す、安楽椅子探偵（アームチェア・ディテクティブ）のスタイルが鮮やか。知的で落ち着いた雰囲気と、日本語の美しさが際立つ文章も魅力です。日常の謎の原点ともいえるこの作品は、ミステリーファンならずとも読んでおきたい一冊です。

7位: 『退出ゲーム』 初野晴

初野晴さんの『退出ゲーム』が第7位にランクイン。廃部寸前の弱小吹奏楽部に所属するチカとハルタの二人が、学園生活に潜む様々な謎に挑む青春ミステリーです。吹奏楽コンクールの地区大会突破を目指す部員たちの日常と、彼らが直面する事件が巧みに絡み合います。

本作の魅力は、吹奏楽にかける高校生たちの熱い思いと、鮮やかな謎解きの融合です。登場人物たちの個性も豊かで、特にハルタの残念なイケメンっぷりと、チカの真っ直ぐな性格のコンビネーションが絶妙。アニメ化もされた人気シリーズで、青春の甘酸っぱさとミステリーの面白さを同時に味わえます。

8位: 『ななつのこ』 加納朋子

第8位は、心温まる連作短編集、加納朋子さんの『ななつのこ』です。小学三年生の女の子・駒子を主人公に、彼女の周りで起こる七つの小さな謎が描かれています。子供ならではの視点から見た世界は、どこか懐かしく、優しい気持ちにさせてくれます。

この作品の魅力は、ミステリーでありながら、人の心の温かさや切なさを描いている点です。謎が解けた後には、驚きと共にじんわりとした感動が広がります。ミステリー小説に馴染みがない方や、優しい物語を読みたい気分の時にぴったりの一冊。日常に隠された小さな奇跡に、きっとあなたも心を動かされるはずです。

9位: 『配達あかずきん 成風堂書店事件メモ』 大崎梢

本好きにおすすめしたい一冊、大崎梢さんの『配達あかずきん』が第9位です。駅ビルにある書店「成風堂」を舞台に、書店員の杏子とアルバイトの多絵が、店に持ち込まれる本にまつわる謎を解決していきます。

万引き、サイン本の行方、お客様からの少し変わった注文など、書店で働く人なら「あるある！」と頷いてしまうようなリアルな日常が描かれているのが魅力。本を愛する人々の思いが伝わってくる、心温まるお仕事ミステリーです。この本を読めば、いつもの本屋さんが少し違って見えるかもしれません。

10位: 『春期限定いちごタルト事件』 米澤穂信

第10位には、米澤穂信さんの〈小市民〉シリーズ第一作『春期限定いちごタルト事件』がランクイン。高校生の小鳩常悟朗と小佐内ゆきは、互いに「小市民」として平穏な日々を送ることを目指す協定を結びます。しかし、彼らの周りではなぜか次々と事件が起こり、二人はその謎に挑むことになります。

本作の魅力は、「小市民」を目指しながらも、結局は謎に首を突っ込んでしまう二人のキャラクターと、その軽妙な会話劇です。日常の謎を扱いながらも、物語の根底には少しビターなテーマが流れており、青春の複雑さを感じさせます。可愛らしいタイトルとは裏腹に、読み応えのある一冊です。

11位: 『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』 友井羊

友井羊さんの『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』が11位に登場です。主人公の麻野は、ある朝、通勤途中に偶然見つけたスープ屋「しずく」に立ち寄ります。そこで店主の理恵と出会い、彼女が作る美味しいスープと共に、客が持ち込む日常の謎を解き明かしていくことになります。

この作品の魅力は、心と体を温めてくれるスープと、優しい謎解きです。登場人物たちが抱える悩みや疲れが、一杯のスープによって癒されていく様子は、読んでいるこちらの心まで温かくしてくれます。朝活や、一日の始まりに読みたくなるような、爽やかで心満たされる一冊です。

12位: 『万能鑑定士Qの事件簿 I』 松岡圭祐

12位は、驚異的な鑑定眼を持つ凜田莉子が主人公の『万能鑑定士Qの事件簿』です。彼女の元には、食品偽装から力士の急死まで、様々なジャンルの鑑定依頼が舞い込みます。莉子は、その類まれなる観察力と膨大な知識を武器に、事件の真相を暴いていきます。

本作の魅力は、「鑑定」という切り口で、あらゆる謎をロジカルに解き明かしていく爽快感です。様々な豆知識や雑学が散りばめられており、知的好奇心をくすぐられます。テンポの良いストーリー展開で、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなし。映画化もされた大人気シリーズの第一弾です。

13位: 『七つの海を照らす星』 七河迦南

七河迦南さんの『七つの海を照らす星』が13位にランクイン。本作は、七海学園を舞台にした青春ミステリーで、個性豊かな登場人物たちが織りなす七つの連作短編集です。日常に潜む謎が、やがて一つの大きな真実へと繋がっていく構成が見事です。

この作品の魅力は、緻密に張り巡らされた伏線と、ラストに待つ感動的な結末です。一つ一つの短編としても楽しめますが、全てを読み終えた時に明らかになる物語の全体像には、きっと誰もが胸を打たれるはず。青春の輝きと切なさが詰まった、記憶に残る一冊です。

14位: 『早朝始発の殺風景』 青崎有吾

14位は、青崎有吾さんの『早朝始発の殺風景』。早朝の始発電車、放課後のファミレス、観覧車の中など、様々なシチュエーションで繰り広げられる高校生たちの会話劇を描いた連作短編集です。一見すると無関係に見える彼らの物語が、最後に意外な形で繋がっていきます。

本作の魅力は、気まずい沈黙と探り合いの中で展開される、スリリングな心理戦。日常の一コマを切り取っただけなのに、そこには隠された秘密や嘘が渦巻いています。会話だけで物語を引っ張っていく構成力と、巧みな伏線回収は圧巻。ドラマ化もされた、新感覚の青春ミステリーです。

15位: 『和菓子のアン』 坂木司

坂木司さんの『和菓子のアン』が15位です。デパ地下の和菓子店「みつ屋」でアルバイトを始めた、ちょっぴり太めの女の子・杏子（アンちゃん）が主人公。彼女が、店にやってくるお客さんたちの小さな謎を、和菓子の知識をヒントに解き明かしていく物語です。

この作品の魅力は、奥深い和菓子の世界と、杏子の成長物語。季節の移ろいを感じさせる美しい和菓子の描写は、読んでいるだけで幸せな気分にさせてくれます。ミステリーを楽しみながら、和菓子に詳しくなれるのも嬉しいポイント。心温まるお仕事小説としても楽しめる一冊です。

16位: 『祈りのカルテ』 知念実希人

現役医師でもある知念実希人さんが描く医療ミステリー『祈りのカルテ』が16位にランクイン。研修医の諏訪野良太が、各科を回りながら、カルテに書かれた情報だけを頼りに、患者たちが抱える謎や秘密を解き明かしていきます。

本作の魅力は、医療現場のリアルな描写と、心温まる人間ドラマです。医師だからこそ描ける専門的な知識に裏打ちされた謎解きは、知的好奇心を刺激します。同時に、患者一人ひとりの人生に寄り添う諏訪野の姿に、胸が熱くなるでしょう。ドラマ化もされた人気作で、命の尊さと人の温かさを感じられる作品です。

17位: 『お待ちしています 下町和菓子 栗丸堂』 似鳥航一

17位は、似鳥航一さんの『お待ちしています 下町和菓子 栗丸堂』です。浅草を舞台に、和菓子職人の栗田と、和菓子に詳しい謎の女性・葵が、店を訪れる客たちの悩みを和菓子を通して解決していく物語。

下町の情緒あふれる雰囲気の中で繰り広げられる、心温まる人情ミステリーが本作の魅力です。登場する和菓子はどれも美味しそうで、読んでいるとお腹が空いてきてしまうかもしれません。人と人との繋がりや、伝統を守ることの大切さを感じさせてくれる、優しい味わいの一冊です。

18位: 『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』 天野頌子

天野頌子さんの『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』が18位に登場。東京・王子稲荷の商店街に開店した、元ホストのイケメン陰陽師・安倍祥明が主人公。彼は霊能力ゼロのインチキ占い師ですが、持ち前の話術と観察力で、訪れる客たちの悩みを解決していきます。

この作品の魅力は、軽快なテンポで進むユーモアミステリーである点です。祥明と、彼のもとで働く狐の耳を持つ中学生・瞬太のコンビが繰り広げるコミカルなやり取りは、読んでいて飽きません。少しファンタジックな要素もあり、ミステリー初心者でも気軽に楽しめる一冊です。

19位: 『仔羊の巣』 坂木司

19位は、4位にランクインした『青空の卵』の続編、坂木司さんの『仔羊の巣』です。社会復帰を果たした鳥井と、彼を見守る坂木のコンビが、新たな日常の謎に挑みます。今作では、彼らの過去や内面がより深く掘り下げられていきます。

前作の心温まる雰囲気はそのままに、少しビターで切ない人間模様が描かれているのが本作の魅力。二人の関係性の変化や、それぞれが抱える葛藤に、思わず引き込まれてしまいます。シリーズのファンはもちろん、前作を読んで二人のその後が気になった方にぜひ手にとってほしい一冊です。

20位: 『愚者のエンドロール』 米澤穂信

20位には、1位の『氷菓』に続く〈古典部〉シリーズの第2弾、米澤穂信さんの『愚者のエンドロール』がランクイン。文化祭で上映する自主制作映画の結末が、脚本担当の急病で不明になってしまった。古典部の面々は、未完成の映画を見て、本来の結末を推理することになります。

本作は、「結末当て」という特殊な状況設定が面白い一作です。複数の探偵役がそれぞれの推理を披露する展開は、ミステリー好きの心をくすぐります。また、物語を通して描かれる「創作者の苦悩」というテーマも深く、青春のほろ苦さをより一層感じさせます。

21位: 『木曜殺人クラブ』 リチャード・オスマン

海外作品から、リチャード・オスマンの『木曜殺人クラブ』が21位に登場です。舞台はイギリスの高級老人ホーム。ここで暮らす4人の老人たちが、週に一度集まって未解決の殺人事件の謎解きを楽しんでいました。しかし、ある日彼らの身近で本物の殺人事件が発生し、4人は捜査に乗り出します。

この作品の魅力は、平均年齢70歳オーバーの個性豊かな探偵団。彼らが長年の人生経験と知恵を武器に、警察を手玉に取りながら事件の真相に迫っていく様子は、ユーモラスで痛快です。ほのぼのとした雰囲気の中に、本格的な謎解きが光る、新しいタイプのコージーミステリーです。

22位: 『謎解きはディナーのあとで』 東川篤哉

22位は、ユーモアミステリーの傑作、東川篤哉さんの『謎解きはディナーのあとで』です。国立署の新人刑事である宝生麗子は、実は世界的な大財閥のお嬢様。彼女がディナーの席で事件の概要を話すと、毒舌執事の影山が、話を聞いただけで事件の真相を鮮やかに解き明かしてしまいます。

「お嬢様の目は節穴でございますか？」という決め台詞に代表される、影山の辛辣なツッコミと、麗子とのコミカルな掛け合いが本作最大の魅力。本格的な謎解きと笑いの要素が見事に融合しており、ミステリー初心者でもサクサク読み進められます。ドラマ化・映画化もされた国民的人気作です。

23位: 『谷中レトロカメラ店の謎日和』 柊サナカ

柊サナカさんの『谷中レトロカメラ店の謎日和』が23位にランクイン。東京の下町・谷中にあるカメラ店を舞台に、カメラの修理に持ち込まれる客たちの謎を解き明かしていく物語です。主人公は、ある事情から記憶の一部を失っているカメラ修理技師の青年・今宮。

この作品の魅力は、カメラというモチーフを通して描かれる、心温まる人間ドラマです。写真に残された人々の思いや、カメラにまつわる思い出が、優しく解き明かされていきます。カメラの知識がなくても楽しめますが、カメラ好きならより一層物語の世界に浸れるでしょう。シリーズを通して描かれる主人公自身の謎も見どころです。

24位: 『猫丸先輩の空論』 倉知淳

24位は、ユニークな安楽椅子探偵が登場する倉知淳さんの『猫丸先輩の空論』です。主人公の「僕」が遭遇した日常の謎を、大学の先輩である猫丸先輩に話して聞かせると、彼は部屋から一歩も出ずに、話だけで事件を解決してしまいます。

本作の魅力は、ロジックと屁理屈の境界線をいくような、猫丸先輩の独特な推理。奇想天外でありながら、なぜか説得力のある彼の推理は、一度味わうと癖になります。ユーモアと本格ミステリーの味わいを兼ね備えた、知的な遊び心に満ちた一冊です。

25位: 『自由研究には向かない殺人』 ホリー・ジャクソン

海外からもう一作、ホリー・ジャクソンの『自由研究には向かない殺人』が25位です。高校生のピップは、自由研究のテーマとして、5年前に自分の町で起きた少女失踪事件を調べることに。警察は、恋人が彼女を殺して自殺したと結論づけていましたが、ピップはそれに疑問を抱き、独自の調査を開始します。

インタビュー記録やSNSの投稿など、様々な形式で情報が提示される構成が斬新で、読者もピップと一緒に調査を進めているような没入感を味わえます。日常の謎から始まる物語が、やがて町全体を揺るがす大きな事件へと発展していく展開はスリリング。世界中でベストセラーとなった、新時代のミステリーです。

26位: 『ヴァン・ショーをあなたに』 近藤史恵

26位は、5位の『タルト・タタンの夢』に続く、「ビストロ・パ・マル」シリーズの第2弾『ヴァン・ショーをあなたに』です。シェフの三舟さんが、今回も美味しい料理と見事な推理で、客たちの心を温めます。

前作でファンになった方はもちろん、本作から読んでも楽しめる連作短編集です。ヴァン・ショー（ホットワイン）をはじめ、今回も食欲をそそる料理が満載。人々の悩みや秘密が、三舟さんの作る一皿によって優しく解きほぐされていく様子は、読んでいて心地よい満足感を与えてくれます。

27位: 『サイン会はいかが？ 成風堂書店事件メモ』 大崎梢

9位にランクインした『配達あかずきん』の続編、『サイン会はいかが？』が27位です。書店員の杏子と多絵のコンビが、今回も成風堂書店で起こる様々な謎に挑みます。作家のサイン会を巡るトラブルなど、書店ならではの事件が描かれます。

お仕事ミステリーとしての面白さはそのままに、登場人物たちの成長や関係性の変化も楽しめるのが続編の魅力。本を愛する人々の日常が、より深く、温かく描かれています。本好き、本屋さん好きなら共感できるエピソードが満載の一冊です。

28位: 『クドリャフカの順番』 米澤穂信

米澤穂信さんの〈古典部〉シリーズ第3弾、『クドリャフカの順番』が28位にランクイン。文化祭を舞台に、古典部の文集『氷菓』がなぜか大量に発注されてしまうというミスから物語は始まります。奉太郎たちは、文集を完売させるために奔走する一方、学内で起こる連続盗難事件「十文字事件」の謎にも挑みます。

本作の魅力は、複数の視点から文化祭の三日間が描かれる群像劇であること。それぞれの登場人物が抱える思いや活躍が描かれ、物語に深みを与えています。文化祭の熱気と高揚感の中で繰り広げられる謎解きは、まさに青春そのものです。

29位: 『初恋ソムリエ』 初野晴

29位は、7位の『退出ゲーム』に続く〈ハルチカ〉シリーズの第2弾、初野晴さんの『初恋ソムリエ』です。高校の吹奏楽部を舞台に、ハルタとチカのコンビが新たな謎に挑みます。今作では、彼らの過去や恋愛模様にもスポットが当たります。

吹奏楽にかける青春の熱さはそのままに、登場人物たちの心情がより深く掘り下げられ、ミステリーと人間ドラマの融合が楽しめます。甘酸っぱくて少し切ない、青春の味わいが詰まった一冊。シリーズを追いかけているファンにはたまらない展開が待っています。

30位: 『我らが隣人の犯罪』 宮部みゆき

ミステリーの女王・宮部みゆきさんが描く日常の謎、『我らが隣人の犯罪』が30位です。表題作を含む5つの短編が収録されており、どれも私たちの身近に潜む人間の心理や、ちょっとした悪意を描いています。

本作の魅力は、平凡な日常に潜む人間の怖さや可笑しさを巧みに描き出す筆力です。ほのぼのとした日常の謎とは一味違い、少しだけ背筋がひんやりとするような、スパイスの効いた物語が楽しめます。人間の心の奥深さを覗き見るような、読み応えのある一冊です。

31位: 『腕貫探偵』 西澤保彦

31位は、ユニークな設定が光る西澤保彦さんの『腕貫探偵』です。主人公は、いつも工事現場の交通整理をしている「腕貫さん」。彼はその場から動かず、通りすがりの人々から聞く話だけで、様々な事件を解決してしまう安楽椅子探偵です。

この作品の魅力は、限られた情報から真相を導き出す、純粋なロジックの面白さ。奇想天外な設定でありながら、謎解きは非常に論理的で、ミステリーファンを唸らせます。日常に紛れ込んだ非日常的な探偵の存在が、物語に独特の味わいを加えています。

32位: 『三人目の幽霊』 大倉崇裕

大倉崇裕さんの『三人目の幽霊』が32位にランクイン。本作は、落語をテーマにしたミステリーで、主人公の大学落語研究会の面々が、日常に潜む謎を落語の知識を交えながら解決していきます。

落語の演目が事件のヒントになるなど、落語好きにはたまらない仕掛けが満載なのが魅力。もちろん、落語に詳しくなくても楽しめるように作られており、物語を読み進めるうちに自然と落語の世界に興味が湧いてくるでしょう。ユーモアあふれる会話劇と、鮮やかな謎解きが楽しめる一冊です。

33位: 『午前零時のサンドリヨン』 相沢沙呼

33位は、マジシャンを主人公にした相沢沙呼さんの『午前零時のサンドリヨン』です。マジシャン探偵・酉乃初の元に持ち込まれる、不可解な事件の数々。彼女は、マジックの知識とテクニックを駆使して、常識ではありえないような謎を解き明かしていきます。

本作の魅力は、「これは魔法か、それともトリックか？」と思わせるような不思議な事件と、そのロジカルな解決です。マジックの裏側を覗き見るような面白さがあり、驚きと知的好奇心を満たしてくれます。少しビターな青春小説の側面も持ち合わせており、物語に深みを与えています。

34位: 『思い出のとき修理します』 谷瑞恵

谷瑞恵さんの『思い出のとき修理します』が34位に登場。商店街の一角にある時計屋を舞台に、そこに持ち込まれる「思い出の品」にまつわる謎を解き明かしていく物語です。主人公は、亡くなった祖父の店を継ぐことになった美容師の明里。

この作品の魅力は、物に宿る人々の思いを丁寧に描き出す、心温まるストーリー。壊れた時計やアクセサリーが修理されると共に、持ち主の心も癒されていく様子は、読んでいるこちらも優しい気持ちにさせてくれます。ファンタジックな要素も少し加わった、感動的な一冊です。

35位: 『ハルさん』 藤野恵美

35位は、藤野恵美さんの『ハルさん』です。88歳のおばあちゃん「ハルさん」が、豊富な人生経験と知恵を武器に、身の回りで起こる小さな事件を解決していく物語。孫の視点から語られる、ハルさんの日常が温かく描かれます。

本作の魅力は、パワフルでチャーミングなハルさんのキャラクター。彼女の言葉には、人生を豊かに生きるためのヒントが詰まっています。ミステリーでありながら、家族の絆や世代を超えた交流の大切さを教えてくれる、心温まる一冊です。

36位: 『動物園の鳥』 坂木司

坂木司さんの〈ひきこもり探偵〉シリーズ第3弾、『動物園の鳥』が36位にランクイン。社会人になった鳥井と坂木のコンビが、新たなステージで日常の謎に遭遇します。今作では、彼らの周りの人々にもスポットが当たり、物語の世界がさらに広がります。

シリーズを通して描かれる二人の成長と、変わらない友情が本作でも丁寧に描かれています。ミステリーの面白さはもちろん、彼らが社会の中でどのように生きていくのかを見守るような、温かい気持ちで読み進めることができます。シリーズを追いかけてきたファン必読の一冊です。

37位: 『謎の香りはパン屋から』 土屋うさぎ

37位は、土屋うさぎさんの『謎の香りはパン屋から』。焼きたてのパンの香りが漂うベーカリーを舞台に、そこで働く主人公が、同僚や客たちの日常に潜む小さな謎を解き明かしていきます。

この作品の魅力は、パンにまつわる豆知識と共に楽しめる、心温まるミステリーである点です。クロワッサンやカレーパンなど、おなじみのパンに隠された意外な事実や人間模様が、優しく描かれます。読めばきっと、パンが食べたくなる、そしてパン屋さんに寄り道したくなる一冊です。

38位: 『安楽椅子探偵アーチー』 松尾由美

松尾由美さんの『安楽椅子探偵アーチー』が38位に登場。主人公は、なんとバルコニーに置かれた安楽椅子。彼は動くことも話すこともできませんが、マンションの住人たちの会話や行動を観察し、事件の真相を推理していきます。

「椅子が探偵」という奇想天外な設定が最大の魅力。視点が固定されているという制約の中で、どのように情報を集め、推理を組み立てていくのか、その構成力には脱帽です。ファンタジックで、どこか温かい雰囲気を持つ、ユニークなミステリー作品です。

39位: 『東京バンドワゴン』 小路幸也

39位は、小路幸也さんの『東京バンドワゴン』です。東京の下町で古書店を営む大家族・堀田家を舞台に、彼らのもとに持ち込まれる少し不思議な事件を描いた物語。四世代にわたる家族の絆と、下町の人情が温かく描かれます。

この作品の魅力は、「LOVEだねぇ」が口癖の家族たちが織りなす、賑やかで心温まる雰囲気。ミステリーでありながら、ホームドラマとしての側面も強く、読後には幸せな気持ちに包まれます。ドラマ化もされた人気シリーズの第一作です。

40位: 『夜の蝉』 北村薫

ランキングの最後を飾る40位は、6位の『空飛ぶ馬』に続く「円紫さんと私」シリーズの第2弾、北村薫さんの『夜の蝉』です。女子大生の「私」が日常で遭遇する謎を、落語家の円紫さんが鮮やかに解き明かします。

前作同様、知的で落ち着いた雰囲気と、美しい日本語で綴られる物語が魅力。日常に潜む人間の心理の機微を、円紫さんが見事な洞察力で解き明かしていく様は、何度読んでも飽きることがありません。「日常の謎」の真髄を味わえる、珠玉の短編集です。

まとめ

【2025年最新】日常の謎ミステリー小説のおすすめランキングTOP40、いかがでしたでしょうか？

カフェや書店、学校といった身近な舞台で繰り広げられる物語は、どれも魅力的で、すぐに世界に入り込めるものばかりだったと思います。気になる作品は見つかりましたか？

日常の謎ミステリーは、殺人事件が起きない穏やかな作品が多いので、ミステリー初心者の方にもおすすめのジャンルです。好きな食べ物や趣味、共感できる主人公など、自分に合った切り口で作品を選んでみるのも楽しいですよ。ぜひこのランキングを参考に、日常に潜む小さな謎の世界を楽しんでみてくださいね。