【2025年最新】湊かなえのおすすめ小説ランキングTOP30

イヤミスの女王・湊かなえの小説選びに迷ったら必見！

湊かなえさんは、デビュー作『告白』で鮮烈な印象を与え、「イヤミスの女王」として知られるミステリー作家です。イヤミスとは「読後に嫌な気持ちになるミステリー」の略称で、人間の心の奥に潜む闇や悪意を描き出し、後味の悪い結末を迎える作品が多くあります。

しかし、その巧みな心理描写や緻密な伏線、そして予想を裏切るストーリー展開は多くの読者を惹きつけてやみません。登場人物それぞれの視点から物語が語られる手法も特徴的で、バラバラだったピースが繋がった瞬間の衝撃は格別です。どの作品から読めばいいか迷っている方も、きっと夢中になれる一冊が見つかるはずです。

湊かなえのおすすめ小説ランキングTOP30

ここからは、数ある湊かなえさんの作品の中から、特に人気の高い小説をランキング形式でご紹介します。デビュー作にして代表作の『告白』をはじめ、ドラマ化や映画化された話題作も多数ランクインしています。家族の絆、学校、人間関係の闇など、様々なテーマで描かれる人間の心理を深くえぐる物語の数々。あなたの心に残る一冊を見つける参考にしてみてください。

1位: 『告白』

湊かなえさんのデビュー作にして、2009年の本屋大賞を受賞した代表作です。物語は、中学校の女性教師がホームルームで「私の娘はこのクラスの生徒に殺された」と告白する衝撃的な場面から始まります。事件の関係者である級友、犯人、犯人の家族など、章ごとに語り手が変わることで、事件の真相が多角的に明らかになっていく構成が見事です。

人間の悪意や身勝手さが浮き彫りになり、まさに「イヤミス」の真骨頂ともいえる作品。湊かなえさんの作品を初めて読む方にはもちろん、その魅力を深く知りたい方にも必読の一冊と言えるでしょう。

2位: 『Nのために』

超高層マンションの一室で起きた殺人事件。その現場に居合わせた男女4人の証言から、驚くべき真実が明らかになっていく純愛ミステリーです。物語の主要な登場人物は、全員イニシャルに「N」がつくという共通点があります。それぞれが大切な「N」のために行動した結果、事件は複雑に絡み合っていきます。

切ない人間ドラマに重きが置かれており、イヤミスとは一味違った湊かなえさんの新たな魅力を発見できる作品です。2014年には榮倉奈々さん主演でテレビドラマ化もされ、大きな話題を呼びました。

3位: 『贖罪』

15年前に静かな田舎町で起きた少女殺害事件。事件直前まで被害者と遊んでいた4人の少女たちは、犯人らしき男の顔を思い出せず、事件は迷宮入りしてしまいます。被害者の母親から「犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できるような償いをしなさい」という言葉を投げかけられた彼女たちは、十字架を背負って生きていくことになります。

罪と贖罪をテーマに、悲劇の連鎖に巻き込まれた4人それぞれの視点で物語が描かれます。人間が持つ心の闇を鋭くえぐり出した本作は、アメリカの権威あるミステリー賞、エドガー賞の候補にも選出されました。

4位: 『夜行観覧車』

高級住宅地「ひばりヶ丘」で起きたエリート一家の殺人事件。その家族と、向かいに住む家族、二つの家族の視点から事件の真相が描かれる家族ミステリーです。誰もが羨むような幸せな家庭の裏に隠された、見栄や嫉妬、崩壊していく家族の姿が生々しく描かれています。

湊かなえさんにとって、初めて家族をテーマに据えた作品としても知られています。2013年に鈴木京香さん主演でテレビドラマ化もされ、話題となりました。家族という身近な存在の中に潜む人間の闇に、思わず引き込まれてしまう作品です。

5位: 『リバース』

主人公・深瀬和久の元に「人殺し」という告発文が届くところから物語は始まります。彼は10年前の冬、大学のゼミ仲間とのスノボ旅行で起きた親友の事故死に、ある秘密を抱えていました。そして、その秘密を共有する仲間たちにも次々と告発文が送り付けられ、彼らの日常が脅かされていきます。

過去の事件の真相が少しずつ明らかになっていく過程は、まさに圧巻の一言。友情、恋愛、そして罪の意識が複雑に絡み合い、物語は衝撃的な結末へと向かいます。藤原竜也さん主演でドラマ化もされた人気作で、湊かなえさんの真骨頂である巧みなストーリーテリングを存分に味わえる一冊です。

6位: 『白ゆき姫殺人事件』

国定公園で発見された、美人OLの惨殺死体。被害者の同僚、友人、家族、そして故郷の人々など、関係者たちの証言が週刊誌の記事やSNSの噂を通して拡散されていきます。それぞれの主観的な語りが交錯する中で、一人の女性が容疑者として浮かび上がりますが、果たして真実はどこにあるのでしょうか。

現代社会におけるインターネットやメディアの恐ろしさ、そして人間の噂話がいかに無責任で残酷なものかを鋭く描いた作品です。口コミや憶測が一人歩きしていく様子は、読んでいて背筋が凍る思いがします。綾野剛さん、井上真央さん出演で映画化もされた話題作です。

7位: 『母性』

女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見されます。これは事件なのか、それとも自殺なのか。物語は、「娘を愛せない母親」と「母から愛されたい娘」、それぞれの視点から語られ、一つの出来事が全く違う様相を呈していきます。

母と娘という最も近い関係性の中に潜む、複雑で歪んだ感情を描き出した傑作ミステリーです。累計発行部数は100万部を突破し、2022年には戸田恵梨香さんと永野芽郁さん主演で実写映画化もされました。「母性とは何か」という根源的な問いを読者に突きつける、衝撃的な一冊です。

8位: 『少女』

高校2年生の由紀と敦子は、親友が「人の死を見たことがある」と自慢げに話すのを聞き、自分たちも人の死を見てみたいという欲望を抱きます。由紀は病院へボランティアに行き、末期患者の死を間近で見ようと計画。一方、敦子は学校でいじめられており、いじめグループのリーダーが死ぬところを見たいと願うようになります。

思春期の少女たちが抱える心の闇や、死への歪んだ憧れを鮮烈に描いた作品です。彼女たちの純粋で残酷な行動が、やがて取り返しのつかない結末へと向かっていきます。湊かなえさんの初期の傑作であり、その衝撃的な内容は多くの読者に強烈な印象を残しました。

9位: 『落日』

新人脚本家の甲斐千尋は、ある映画監督に新作の相談を持ちかけます。それは、15年前に千尋の故郷で起きた一家殺害事件でした。引きこもりの男性が妹を殺し、家に火を放ったとされる事件ですが、千尋は真相に疑問を抱いていました。調査を進めるうち、千尋と監督はそれぞれが抱える過去の事件と向き合うことになります。

二つの事件が交錯しながら、物語は意外な方向へと展開していきます。人間の心の奥底に隠された真実や、過去の出来事が現在に与える影響を丁寧に描いたミステリーです。タイトルの「落日」が何を意味するのか、最後まで読むと深く考えさせられるでしょう。

10位: 『ユートピア』

海沿いの美しい鼻崎町で、人々は「クララの家」というボランティア団体を心の拠り所にしていました。しかし、その平和な日常は、一人の少女の失踪事件をきっかけに崩れ始めます。善意で結ばれたはずのコミュニティに潜む、偽善や嫉妬、そして悪意が徐々に暴かれていきます。

小さな町の閉鎖的な人間関係の中で、それぞれの登場人物が抱える闇が巧みに描かれています。誰もが信じていた「ユートピア」が崩壊していく様は、まさに湊かなえさんらしいイヤミス展開です。人間の善と悪について深く考えさせられる、社会派ミステリーの傑作です。

11位: 『高校入試』

県下有数の進学校の高校入試前日、教室の黒板に「入試をぶっつぶす！」という貼り紙が見つかります。そして入試当日、試験内容がインターネットに次々と実況中継されるという前代未聞の事件が発生。受験生、教師、保護者、それぞれの思惑が絡み合い、事態は混乱を極めていきます。

この作品は、湊かなえさんが初めてテレビドラマの脚本を手がけ、その後自身で小説化したものです。デビュー作『告白』以来となる学校ミステリーで、入試という極限状況に置かれた人々の心理がスリリングに描かれています。

12位: 『花の鎖』

美月、雪、紗月の3人の女性を主人公に、それぞれの物語が過去と現在を行き来しながら描かれます。一見、無関係に見える彼女たちの人生は、ある「花」をきっかけに繋がり、やがて一つの衝撃的な真実へと収束していきます。

祖母、母、娘と三代にわたる女性たちの秘密と絆がテーマとなっており、ミステリーでありながらも感動的な人間ドラマが繰り広げられます。複雑に張り巡らされた伏線が回収されていく様は見事。湊かなえさんの構成力の高さを改めて感じさせられる一冊です。

13位: 『望郷』

瀬戸内海に浮かぶ島々を舞台にした、6編からなる連作短編集です。故郷の島に縛られながら生きる人々の、閉塞感や複雑な人間関係が描かれています。どの物語も、美しい島の風景とは裏腹に、どこか不穏な空気が漂っているのが特徴です。

ミステリー要素はありつつも、登場人物たちの心の機微や故郷への想いが丁寧に描かれており、読後には切なさが残ります。2016年には山本周五郎賞を受賞し、湊かなえさんの新たな境地を示した作品としても評価されています。湊かなえさんのイヤミスが苦手な方にもおすすめできる一冊です。

14位: 『豆の上で眠る』

小学校1年生の夏、結衣子の姉・万佑子が失踪します。2年後、姉を名乗る少女が保護され、家族のもとに戻ってきますが、結衣子は彼女が本当の姉なのか確信が持てません。家族が「万佑子」として受け入れていく中で、結衣子の心には疑念が渦巻き続けます。

戻ってきた少女は本物なのか、偽物なのか。結衣子の視点から語られる物語は、終始不穏な空気に包まれています。家族の在り方や、信じることのもろさを問いかける、心理サスペンスの傑作です。タイトルの意味が分かった時、きっとあなたも鳥肌が立つはずです。

15位: 『往復書簡』

手紙のやり取りだけで物語が進行していく、書簡形式のミステリー短編集です。「十年後の卒業文集」「二十年後の宿題」「十五年後の補習」の3編が収録されており、それぞれが独立した物語でありながら、緩やかにつながっています。

手紙という限られた情報の中から、登場人物たちの関係性や隠された真実を読み解いていくのが醍醐味。直接的な描写がない分、読者の想像力が掻き立てられます。イヤミス色は薄めで、切なさや温かさも感じられる作品集なので、湊かなえさん初心者の方にも読みやすい一冊です。

16位: 『境遇』

地方紙の記者である陽子と、絵本作家の晴美。二人は親友であり、共に幼い頃に親に捨てられたという過去を持っていました。ある日、陽子の息子が誘拐され、犯人は「真実を公表しなければ息子の命はない」と要求します。陽子は晴美に協力を求め、自らの「境遇」と向き合うことを決意します。

親子の絆や友情、そして過去との対峙がテーマの感動的なミステリーです。誘拐事件の真相を追うサスペンスフルな展開と、二人の女性が自らの過去を乗り越えていく姿に、心を揺さぶられます。2011年に松雪泰子さん主演でドラマ化もされました。

17位: 『未来』

ある日突然、20歳の主人公・章子の元に、30歳の未来の自分から「あなたは、しあわせ」と書かれた手紙が届きます。その手紙をきっかけに、章子は過去に起きたある事件の真相を探り始めます。手紙の送り主は本当に未来の自分なのか、そして事件の真相とは。

ミステリーでありながら、ファンタジーの要素も含まれた意欲作です。過去と未来が交錯する中で、主人公が成長していく姿が描かれています。湊かなえさんの作品の中でも、読後に希望を感じられる一冊として、イヤミスが苦手な方にもおすすめです。

18位: 『山女日記』

様々な悩みや思いを抱えた女性たちが、山に登ることで自分自身と向き合い、新たな一歩を踏み出していく姿を描いた連作短編集です。恋愛、仕事、結婚、家族など、それぞれの登場人物が抱える問題は、多くの読者が共感できるものばかりでしょう。

美しい山の風景描写と共に、登場人物たちの心情が丁寧に綴られており、読んでいるとまるで一緒に山登りをしているような気分になります。ミステリー要素はなく、爽やかな読後感が特徴。湊かなえさんの新たな一面を発見できる作品で、心が疲れた時に読むと元気をもらえるかもしれません。

19位: 『サファイア』

宝石をテーマにした7編の物語が収録された短編集です。それぞれの物語は独立していますが、「ある人物」の視点で繋がっており、最後の物語でその全体像が明らかになります。ミステリー、恋愛、ファンタジーなど、様々なテイストの物語が楽しめます。

湊かなえさんの巧みな構成力が光る一冊で、短編集でありながら長編小説のような読み応えがあります。イヤミス要素は控えめで、むしろ切なさや温かさが心に残る作品が多いのが特徴。湊かなえさんの多彩な魅力を味わいたい方におすすめです。

20位: 『ポイズンドーター・ホーリーマザー』

母と娘の関係を中心に、人間の内に秘められた毒を描き出した6編の連作短編集です。過干渉な母親、嫉妬深い友人、自己中心的な同僚など、身近にいるかもしれない人々の狂気が、じわりと浮かび上がってきます。

どの物語も、読後に何とも言えない嫌な気持ちが残る、まさに「イヤミス」の真骨頂。しかし、その人間の本質を鋭く突いた描写には、思わず引き込まれてしまいます。2019年にはWOWOWでドラマ化もされました。湊かなえさんの真髄を味わいたい、イヤミス上級者におすすめの一冊です。

21位: 『ブロードキャスト』

中学時代、駅伝で全国大会を目指していた圭祐は、ある挫折をきっかけに高校では放送部に入部します。仲間たちと共に、今度は放送コンテストでの全国制覇を目指すことに。目標に向かって奮闘する高校生たちの姿を瑞々しく描いた、湊かなえさん初の学園青春小説です。

ミステリーではない珍しい作品で、爽やかな感動を味わうことができます。挫折を乗り越えて新たな目標を見つけ、仲間と協力していく主人公の姿に、きっと勇気をもらえるはず。山田風太郎賞の候補にもなり、多くの学校の入試問題にも採用されるなど、文学的な評価も高い一冊です。

22位: 『絶唱』

阪神・淡路大震災、トンガ、JICA、そして神戸。これらをキーワードに、運命に翻弄されながらも懸命に生きる人々の姿を描いた長編小説です。主人公は、震災で家族を失った女性。彼女がトンガでのボランティア活動を通して、再生していくまでが描かれます。

重いテーマを扱いながらも、物語には希望の光が感じられます。湊かなえさん自身が青年海外協力隊としてトンガに派遣された経験が生かされており、現地の描写も非常にリアル。生きることの意味を問いかける、感動的な物語です。

23位: 『カケラ』

美人でスタイルも良く、誰もが羨むような容姿を持つ医大生の由梨。しかし彼女は、自分の外見に強いコンプレックスを抱いていました。美容整形を繰り返す彼女の心の闇と、その周りの人々の思惑が交錯する、サイコ・サスペンスです。

美しさとは何か、本当の自分とは何かを問いかける、現代的なテーマの作品です。外見至上主義の社会で生きる人々の、歪んだ心理が巧みに描かれています。湊かなえさんらしい、人間の心の奥底をえぐるような物語が好きな方におすすめです。

24位: 『人間標本』

ある日、蝶の収集家である父親が殺害されます。娘の視点から語られる物語は、父親との歪んだ関係や、事件の裏に隠された家族の秘密を少しずつ明らかにしていきます。タイトルの「人間標本」が意味するものとは一体何なのか。

閉鎖的な家族の中で繰り広げられる、静かで不気味な物語です。湊かなえさんの作品の中でも、特に独特な世界観を持っており、読者の想像力を掻き立てます。じわじわと恐怖が押し寄せてくるような、本格的なサイコ・ミステリーを読みたい方にぴったりの一冊です。

25位: 『物語のおわり』

北海道の雄大な自然を舞台に、過去と現在が交錯しながら進むミステリーです。ある目的で旅をする「僕」と、彼が出会う人々との交流を通して、忘れていた過去の記憶が蘇っていきます。物語の終わりに見つかる真実とは。

旅小説のような趣もあり、湊かなえさんの作品の中では比較的穏やかな雰囲気を持っています。しかし、物語の核心にはやはり湊さんらしい驚きの仕掛けが隠されています。美しい風景描写と、切ない人間ドラマが融合した、心に残る一冊です。

26位: 『残照の頂 続・山女日記』

人気作『山女日記』の続編となる連作短編集です。前作同様、様々な事情を抱えた女性たちが山に登り、自分自身と向き合っていきます。今回は、結婚、出産、キャリアなど、より多様なライフステージの悩みが描かれています。

登場人物たちの心情に寄り添いながら、山の雄大な自然が彼女たちを優しく包み込みます。読めばきっと、明日への活力が湧いてくるはず。ミステリーではありませんが、湊かなえさんの人間ドラマの名手としての一面を堪能できる作品です。

27位: 『ドキュメント』

ある地方の町で起きた殺人事件。その事件を追うドキュメンタリー番組の制作過程を通して、関係者たちの証言から真実が浮かび上がってきます。しかし、それぞれの証言は食い違い、何が本当で何が嘘なのか、読者は翻弄されることになります。

湊かなえさんが得意とする、複数の視点から一つの事件を描く手法が存分に発揮された作品です。メディアがどのように情報を切り取り、物語を作り上げていくのかという、現代的なテーマも含まれています。最後まで結末が読めない、スリリングなミステリーです。

28位: 『C線上のアリア』

音楽大学を舞台に、才能ある若者たちの夢と挫折、そして嫉妬が渦巻く青春ミステリーです。あるコンクールで起きた不正疑惑をきっかけに、学生たちの人間関係が崩れていきます。クラシック音楽の美しい世界とは裏腹に、人間の醜い感情が描かれています。

湊かなえさん自身が音楽好きであることから、作中の演奏シーンの描写は非常に臨場感があります。ミステリーとしてだけでなく、音楽に青春を捧げる若者たちの群像劇としても楽しめる作品です。夢を追うことの厳しさと素晴らしさを教えてくれます。

29位: 『藍色のスケッチ』

青年海外協力隊としてトンガに赴任した経験を持つ湊かなえさんが、その経験を基に描いた自伝的青春小説です。主人公の美大生が、トンガでの2年間の活動を通して、文化の違いに戸惑いながらも成長していく姿が描かれています。

『絶唱』と同じくトンガが舞台ですが、こちらはミステリー要素のない、爽やかな物語です。現地の人々との心温まる交流や、美しい風景描写が魅力的。湊かなえさんのルーツを知ることができる一冊としても、ファンならずとも読んでおきたい作品です。

30位: 『パールの心臓』

真珠の養殖が盛んな島を舞台にした、二つの短編からなる作品集です。第一章では、島の有力者の娘が殺害された事件の真相が、第二章では、その事件から数年後の島の人々の姿が描かれます。

美しい島の風景と、そこで生きる人々の閉鎖的な人間関係が巧みに描かれています。小さなコミュニティの中で起こる悲劇と、そこに隠された秘密が、静かに、しかし確実に読者の心を揺さぶります。『望郷』のように、島の持つ独特の雰囲気が好きな方におすすめの一冊です。

気になる一冊から湊かなえの世界を堪能しよう

湊かなえさんのおすすめ小説ランキングTOP30をお届けしました。人間の心理を鋭く描き出し、巧みなストーリーで読者を魅了する湊かなえさんの作品は、どれも一読の価値ありです。読後に嫌な気持ちになる「イヤミス」から、爽やかな感動を呼ぶ青春小説、心温まる人間ドラマまで、その作風は多岐にわたります。

もしどの作品から読もうか迷ったら、映画化やドラマ化された話題作から手に取ってみるのも良いでしょう。このランキングを参考に、ぜひあなたのお気に入りの一冊を見つけて、湊かなえさんの深い物語の世界に浸ってみてください。